LOVE A PAIN その2 |
一方、ゴーイングメリー号では、ゾロが鍛錬に余念がない。 リトルガーデンで思わぬ失態を演じ、サンジに心配を掛けた事を考えれば、足の怪我など構 わず鍛錬をしたかったのだが、怪我の心配をするサンジの手前、鍛錬も軽度のものに自粛 せざるを得なかった。 サンジが居ない今、ゾロは鍛錬できなかった分を取り戻すべく修行に励むことにした。 船番は、その絶好の口実だったのだ。 ゾロ・・・・・・。 船の甲板で精神統一をしていたゾロの耳に、サンジの声が聞こえた。 ヒクッとゾロの眉が上がる。 サンジは、確かにナミをおぶって街に向かった筈・・・・? 空耳だと解っていても、その声のせいでゾロは精神集中ができなくなってしまった。 仕方なく、ゾロは雑念を振り払うように川に潜る事にした。 氷のように冷たい川の水はとても清らかで、ゾロはその声のことも忘れて、川に住む生き物 達を観察した。 暫くして、さすがに身体の限界を感じ、途中、トナカイのソリに引かれた異色なばあさんに逢 ったが、大して気にも留めず、サンジ達がいるであろう街に向かう。 ・・・・・・・・・・ゾロ・・・わりい・・・。 街に向かう途中で、ゾロはまたサンジの声を聞く。 ゾロの胸中に意味もなく不安が巻き起こる。 「・・・・嫌な予感がする。」 ゾロはそう呟いて、街への道を急いだ。 「ゾロッ!!」 サンジはその後ろ姿にそう声を掛け、急いで駆け寄ろうとした。 「ゾロ、こんなとこでなにしてんだよ・・・?」 サンジは、そう言ってゾロににっこりと笑いかけた。 「・・・・・・・馬鹿が・・・・。」 ゾロは、呻くようにそう呟くと、その場にがっくりと膝を崩した。 「おい! ゾロ、なに泣いてんだよ?! 可笑しいぞ、てめえ・・・? おいって!」 サンジは慌ててゾロの肩を掴もうと、手を伸ばす。 「えっ??!」 サンジは、自分の両手をじっと見つめる。 「・・・・・・・・何故?」 サンジには、自分の状態が理解できなかった。 「な・・・・・に?? ・・・・・・・・嘘だろ・・・? なんで??」 サンジは、呆然と血の気のない自分の顔を見つめた。 「・・・っかやろう・・・。」 ゾロの小刻みに震える背中と喉の奥から振り絞るような低い声が、サンジの胸に深く突き刺 「違う!! 俺は、ここにいる!!ゾロ!! 俺は、ここにいる!!」 サンジは、必死に瞳の前のゾロに向かって絶叫した。 「ゾローーーーーッ!!」 必死に叫ぶサンジの声だけが、白い世界にむなしくこだました。 サンジはそう呟いて、内ポケットからタバコを取り出そうと俯せで寝かされていた身体を起こ 「っ・・・・ってえ・・・。 やっぱ、生きてるよな、俺・・・。」 身体は、激痛で悲鳴を上げているのに、何故かサンジはその痛みを感じることに安堵した。 「・・・・・まずは、ナミさんの無事な姿をこの瞳で確認しねえと・・・。」 サンジはそう呟くと、全身の痛みに耐えながら、ナミの姿を探し回った。 「あっ、ゾロ。」 サンジは、城の外にいるゾロの姿を見て駆け寄ろうとしたのだが、身体が思うように動かな 帰りのソリの中で意識を取り戻したサンジは、すぐ傍にいるゾロにそう声を掛ける。 |
<コメント> チョッパー・・・・出てきたことには出てきたんだけどね。 これじゃあ、全然どういう性格なのかわかんないよね。(死) まっ、チョッパーとの絡みは、また後日談にでも。 とりあえず、次へ!(脱兎!!) 「もこもこ触りてえ・・・。」(笑) |