願い事、一つだけ・・・・ その2 |
「・・・・ロ、おい、ゾロッてば!! お前、何か今日変だぞ? 朝礼の時からボーっと して。 なんかあったのか?」 3年B組の教室でエースがゾロに、そう言って声を掛ける。 「・・・・・なぁ、エース。 俺、変なんだ。 初めて見たはずなのに・・・・俺、前から知っ ゾロは呟くようにそう言ってエースの顔を見た。 「ああ、それって、既視感、デジャブとかいう奴だろ? 俺も食ったことないのに、食っ 「あんた、ばっかじゃないの? それは、既視感でも何でもないわよ。 それよりも、 エースの言葉を否定するようにそう言ってナミが二人の間に割って入る。 「全然知らねえよ、あんな先生。 それに、別に睨み付けてたわけじゃ・・・・・あいつ ゾロはそう言ったまま、また先程のサンジの顔を思い出した。 「・・・・・ロッ。 ゾロ。 もう、ちゃんと聞いてよね。 あんた、クラス委員決まったわ 「げっ、嘘だろ。 なんで俺が、委員なんだよ。」 「多数決でさっき決まったじゃない! またぼんやりしてたわね。 副はまた、あたし ぼんやりとしてたゾロを引っ張り、ナミは黒板の前にゾロと並ぶ。 「・・・・・ロロノア・ゾロだ。 なんでか知らねえが委員長になったんで・・・・一年間、 「あたしは、ナミよ。 いっとくけど、あたしはあくまでも、副委員長だからね。 「んだよ!それ!! ボーっとなんかしてねえって!!」 「さあ、どうだかねえ・・・・」 ゾロとナミの挨拶にクラス中がドッと沸き立った。 「さてっと、着任一日目、無事終了ってとこだな。 けど・・・・・・・あの子・・・・・」 サンジは、朝礼の時に見た生徒を思いだしてそう呟く。 「先生!! サンジ先生ーっ!!」 桜並木を歩いているサンジの後ろから大きな女生徒の声が聞こえた。 「こんにちは、先生。 先生も今、帰りですか?」 「ああ、こんにちは。 君は、えっと・・・・」 「やだ、あたしったら。 ナミです。隣の教室の3年B組なんですよ。 以後よろしく! ナミはそう言ってサンジににっこりと笑いかける。 「それはどうもありがとう。 君も凄くチャーミングだよ。 これからよろしくな。」 サンジもナミの微笑みにつられてにっこりと笑い返した。 「ナミーッ!! おい、忘れ物だ!! 待てって!!」 暫くナミと一緒に桜並木を歩いていると、サンジに耳に聞き覚えのある声が聞こえる。 「・・・・・・・ゾロ。」 サンジは、その生徒を見つめながらそっと呟く。 「えっ?! やだ、本当、ゾロじゃない? あー、ごめん、ごめん。 あたし、忘れて 「はぁ、はぁ。 ごめんじゃねえって! 自分で今日の委員会のノート書くとか言って、 ゾロは、息を切らしながらナミにそう声を掛けた。 「えっ?! どうしたの、二人とも??」 黙ったまま見つめ合う二人にナミは、キョトンとした表情で声を掛ける。 「ゾロ・・・・・」 もう一度その名を口にしたサンジの瞳に涙が溢れる。 「サンジ・・・・・・・泣くな。 お前が、俺を・・・・・呼んだ。」 気が付くとゾロはそう呟いていた。 「えっ、えっ?! ちょ、ちょっと待ってよ! ねえ、ゾロ、ゾロってば!!」 状況の異様さを感じたナミがそう言ってゾロを揺さぶる。 「ん?ああ、なんだよ、ナミ。そんなに引っ張らなくたって、痛てえよ。」 ゾロは、我に返ったようにそう言ってナミを見た。 「ゾロ!! 嫌! あんた変よ! サンジ先生と見つめ合って・・・・あれはまる ナミはそう叫んで、桜並木を駆け出した。 「ゾロ・・・・・・彼女を追いかけなさい。 君は、君なんだから。 さあ、早く!」 ゾロの言葉を遮ってサンジはそう言ってゾロを見つめる。 「けど・・・・・」 「良いから、早く行きなさい!!」 サンジに急かされて、ゾロはナミの後を追った。 「・・・・・・ゾロだった。 やっぱり、俺の・・・・・・ゾロだった。 けど・・・・・・・・・・ サンジは桜の花びらが舞い散る中、その場にしゃがみ込んで嗚咽を噛み殺す。 |
<コメント> Σ!!ゾロナミか??と思われた方・・・・・ははは。 まあ、パラレルだし、良いかと。(-_-;) さてさて・・・・・サンジ・・・・辛いよなぁ。 う〜ん・・・・・・・。 |