願い事、一つだけ・・・・ その3 |
「ナミ!! おい! 待てって!!」 ゾロはそう言って、前を走っているナミの腕を掴む。 「何よ! 嫌!! 離して!! あんたなんか大嫌い!! あんたなんか・・・・・あん ナミはそう言って、ポロポロと涙を流した。 「・・・・俺は、別に好かれようと思っちゃいねえがな。 あんな風に一方的に駆け出し ゾロは、腕を掴んだままボソリとそう言う。 「あんたなんか・・・ヒック・・・・・好きなの・・・・好きだったの。 ずっと・・・・ ナミはそう言ってゾロの腕の中で泣きじゃくる。 「・・・・・ごめん、ナミ。 俺は・・・・」 「わかってる!! もうわかっちゃったから。 ・・・・・二年間も傍にいたのよ。 ナミは、ゾロの言葉を遮りそう尋ねた。 「・・・・わかんねえ。 けど、あの人なんだ。 ナミのことは、好きだ。 友達以上に ゾロは、穏やかな表情でナミを見つめてそう言う。 「・・・・そう。 まるで寓話に出てくるエデンの恋人たちみたいね。 神様は人間をお ナミはそう言って涙を拭うと、最後は笑ってゾロの腕の中から離れて一人歩き出した。 「ナミ・・・・・ごめんな。」 ゾロはナミの背中にそう呟いて、元来た道を戻っていった。 俯いていたナミは急に飛び出してきた人影にぶつかって道に倒れる。 「うわっ!! ごめ、ごめんな!! 大丈夫か??」 その人物は慌ててナミの鞄を拾うと、そう声を掛けた。 「・・・いえ、大丈夫ですから・・・・・・大丈・・・・夫・・・・ふぇ・・・・ヒック・・・・」 ナミは、その人の前で泣きだしてしまった。 「参ったなぁ・・・・・すんげえ痛かったのか? ごめんな。 泣かないで。 何処が痛 その人物はそう言って泣いているナミの顔を覗き込む。 「いえ、そんなんじゃないんです・・・・ヒック・・・・ごめんなさい。 あたしこそ、こんな ナミはそう言って、初めてその人物を見た。 「家は、何処? 動けないなら俺が背負って行くから。 あ、俺? 俺は、今日からイ ルフィはそう言って、ナミに手を差しだした。 「いいのよ、ボーっとして歩いてたあたしも悪いんだし。 あたしは・・・・・あたしは、 ナミはそう言って立ち上がる。 「じゃあね、ありがとう。ルフィ君・・・・・縁があったらまた逢えるかもね、学校で。 そう言って歩きだしたナミの腕をルフィがいきなり掴んだ。 「待って! やっぱり、家まで送る。 今逢ったばっかだけど、凄く気になるんだ、あん ルフィは、ナミを見つめてそう言った。 「ええっ?! あんた振られたのか?? もったいねえ、俺なら絶対にそんな事しね ルフィはニカッと笑ってナミにそう言った。 「・・・・あんた、図々しいってよく言われない? 今さっきも言ったとおり、あたしは3 ナミは呆れたようにそう言い返す。 「そんなこと、全然関係ねえし。 つけ込むつもりはないけど、今言わなきゃずっと言 ルフィは、真っ直ぐにナミを見つめてそう言った。 「あんたって・・・・・まぁ、いいわ。 けど、付き合うったって、友達からだからね。 ナミは、そう言ってにっこりと笑う。 「おう! 今は、それで良い。」 「まっ、せいぜい頑張りなさい、ルフィ君。」 「サンジーッ!!」 ゾロは、その人影にそう叫んで走り出す。 「・・・・・ッロ。 ・・・・・・・ゾローッ!!」 サンジはそう叫んでゾロの方へと駆け出す。 キキーッ!! ドン!! けたたましい車のブレーキ音と何かのぶつかる音がサンジの耳に届く。 「あっ・・・あっ・・・・・いやああぁーーーっ!!!」 サンジは、目の前の光景に耳を閉ざし、絶叫して立ちすくむ。 「あっ・・・あっ・・・・ああっ・・・・」 サンジは、頬を伝う涙をそのままに言葉もなく、ふらふらと倒れているゾロに近づく。 「っ・・・・うっ。 ・・・・・・サンジ?」 その瞬間、ゆっくりとゾロの瞳が開いた。 「・・・・・・馬鹿、泣くなよ。 ちゃんと戻って来ただろ?」 ゾロはそう言ってにっこりと笑い、サンジの頬を伝う涙を手で拭う。 「っ・・・うん・・・・うん・・・・ゾロ・・・ゾロ・・・・」 サンジは、何度もそう頷いてゾロの手を握り返した。 「・・・・・ただいま、サンジ。」 「・・・・・お帰りなさい、ゾロ。」 そっとサンジの唇がゾロの唇に触れた。 病院のベッドに横たわるゾロにナミがそう言って、ノートを渡す。 「おっ、サンキュー。 毎日ごめんな。 けど、俺をエイリアン呼ばわりするなよな。 ゾロは、ナミからノートを手渡されるとそう言って笑った。 「ハイハイ。 まっ、風邪も引かない馬鹿だとは知ってたけどねぇ・・・車に轢かれて 「えっ?!もう行くのか? 病院って一人で、つまんねえんだ。 もう少ししたらサンジ 「なに、お子ちゃまな事言ってんのよ。 あたしだって色々と忙しいの。 ああ、待ち合 ナミは、ゾロの言葉にそう言うと、時計を見ながら慌てて部屋を出ていく。 「ちぇっ。 もう行きやがった。 ・・・・サンジって、そんなにモテるのか? まああれ 「なにが、ダメなんだ? ゾロ??」 ブツブツと一人呟くゾロに、サンジは微笑みながらそう声を掛けた。 「いや、病院って退屈だなぁとそう思ってさ。 あー、早く退院してえ。 ゾロは、さも退屈な様でサンジを見てそう言う。 「学生の身分で何言ってんだよ。 だいたい、今年は受験だろ? 早く暮らしたいの サンジはそう言ってゾロの鼻先を抓む。 「じゃあ、しっかりと個人授業もして貰わないとな。 頼むぜ、サンジ先生。」 ゾロはニヤリと笑ってそう言うと、サンジの身体を引き寄せた。 「・・・・ったく。 学園では、他人のフリしとかなきゃダメだぞ。 それに、俺は、えこひ サンジはそう言ってゾロの首に腕を廻す。 「・・・・・・まあ、卒業するまでは仕方ないか。」 ゾロはそう呟いて、サンジに口付けた。 「ただいま〜、サンジ。 はぁ、疲れた。 教師って疲れるもんなんだな。 自分がや ゾロは玄関のドアを開け、ネクタイを緩めると、サンジに鞄を渡しながらそう呟く。 「お帰り、ゾロ。 どうだった? 着任一日目の、イーストブルー学園は?」 サンジは、鞄を受け取るとゾロにそっと口付ける。 「ああ、今年も桜が綺麗だった。 あの頃と全く同じだった。 あれはまるで・・・・・ ゾロはそう言ってサンジを抱き締めた。 「・・・・・そうか、ピンクの雪かぁ。 そうか、そうかもな。」 ゾロの腕の中で、サンジはそう言ってにっこりと笑う。 |
<コメント> さてさて、如何だったでしょうか? 途中かなり省きまくったんですが・・・・・いや、これ以上長いとね・・・(笑) 凄い年の差ですよね、よく考えて見りゃ。 まあ、それでもゾロとサンジの愛情は変わらないでしょうし。 これで、【ピンクの雪・・・】も読める方が出来たかな? 教師サンジと学生ゾロのエピソードは、また他の機会にでもvv ははは・・・・それでは、また☆ |