もう一度キスしたかった・・・ その6 |
サンジが帰宅すると、見慣れない男物の靴が玄関にあった。 サンジは、久しぶりに父親が帰って来たと思い、心弾ませてリビングに急ぐ。 しかし、そこにいたのは、父親のシャンクスではなく、学校の担任と母親マキノの姿だった。 「お帰りなさい、サンジ君。 実は、お母さんね、話しておきたい話があるの・・・。」 帰宅が遅いにも関わらず、マキノはサンジを心配して怒るよりも、先に自分の話を切り出そう 「・・・・・お母さん・・? 母さんは・・・・もう俺の事、どうでも良いんだ。 俺がいくら遅く帰っ サンジはそれだけ言うと、冷笑して二階の自分の部屋に向かった。 「えっ? サンジ君?!それどう言う事? 今日は、蹴道(シューティング)で遅くなったんじ マキノは、サンジの言葉に慌ててサンジを追いかけ階段を上がる。 「サンジ君、足! ちょっと見せなさい!」 マキノは、素早くサンジの前に回り込むとズボンの上から触れて確認する。 「痛っ!」 マキノの手が傷口に触れて、サンジは思わず声を上げた。 「ここ・・・・どうしたの? なんで怪我なんか・・・・」 「そんな事、どうだって良いだろ。 どうせ俺のことなんか邪魔ぐらいにしか思ってない癖 サンジはそう言って、マキノの手を払い睨み付ける。 「馬鹿っ!!」 マキノは、思い切りサンジの頬を打った。 「痛っ!! ・・・・図星だろ・・・。 ははは・・・・」 「・・・・・自分の子供を心配しない親が何処にいるのよ! 貴方は私が産んだたった一人の サンジの自虐的な言葉に、マキノはそう言いながら涙を流す。 「・・・・・母さん・・・・?」 サンジはそう呟くように言って、泣いているマキノの顔をじっと見つめた。 「貴方がいれば、何もいらないの・・・。 貴方が幸せでいれば・・・・それで母さんは充 マキノはそう言ってサンジを優しく抱き締めた。 「母さん・・・・ごめん、俺・・・・。 俺・・・・見ちゃったんだ。 偶然・・・蹴道の日。 母さんと担 サンジは、溜め込んでいた想いをマキノに包み隠さずに伝える。 「・・・・そう。 サンジ君、あの日、見られちゃってたのね・・・。」 マキノは、そう言って悲痛な顔つきになった。 「あ、誤解しないで、サンジ君。 先生とは、そんなサンジ君が考えているような関係ではな マキノはそう言って、サンジと共に一階のリビングに向かった。 「・・・・先生、俺・・・・。 俺、自分勝手に誤解して・・・・先生に八つ当たりしてた・・・。 ごめ サンジは担任の顔を見ると、そう言って謝る。 「実は・・・サンジ、あの日、先生にお願いしてた件のお話を伺うために、ホテル
に入ってい マキノは、サンジの話を補足するようにそう先生に話した。 「ああ、それで・・・。 いや、俺、全然わからなくて・・・。 サンジ君が急に俺を避け始めたか 担任の先生はそう言って、サンジに微笑みかける。 「先生、本当に、ごめんなさい。」 サンジは、心から素直に先生に謝罪した。 「サンジ君・・・。 これからお母さんが話す事は、全て事実なの。 やっと、お母さんも貴方に マキノはそう言って、またサンジの前でポロポロと涙を流す。 「母さん・・・? 言ってる意味がよくわからないんだけど・・・。 事実って・・・? 残酷・・?」 また泣き始めたマキノの姿に、サンジはとまどいがちにそう尋ねた。 「奥さん・・・・俺から話しましょうか?」 マキノの様子に、担任の先生がそう声を掛ける。 「いいえ・・・。 これは、私から伝えなければいけない事・・・。 大事な家族のことだから・・・ マキノは、ハンカチで目頭を押さえながらサンジを見つめ、言葉を続ける。 「サンジ君・・・。 お父さんは・・・・シャンクスは、もうすぐいなくなるの・・・・永遠に・・・。 「えっ?! 別に、今も数えるほどしか逢ってないし・・・・。 それって・・・・・・離婚・・・・する サンジの言葉に、マキノは黙ったまま首を横に振った。 「あ、じゃあ、俺は、これで・・・。 サンジ君、明日、な・・・。」 担任の先生は、二人の様子にそう言って帰っていった。 「?? じゃあ、なんで、永遠なんて・・・・?」 「サンジ君・・・・シャンクスは・・・病気なの・・・。 それも・・・・・助からない・・・・もう・・・・残さ 「・・・・・嘘・・・嘘だろ・・・? この前、高校で見掛けたときは、元気だって・・・・・・会社の方 サンジは、そう言いながらマキノの肩を強く揺する。 「・・・・・・嘘だと・・・思いたかった・・・。 先生の話は・・・・全部、嘘だと・・・・けど・・・・。 マキノは泣き顔のまま、サンジに微笑み掛けた。 「・・・・・離婚・・・? どうして? どうして今更、離婚なんて・・・? 母さん、父さんのこと嫌 サンジの言葉に、マキノは優しく笑いかけて首を横に振る。 「ううん・・・。 その逆。 今でもシャンクスの事、愛してるわ。 愛してるから・・・・別れてあげ マキノはサンジを抱き締めて、子供のように泣きじゃくった。 「母さん、泣かないで。 俺が、ついているから。 けど、母さん、やっぱ、ダメだよ。 サンジは、自分の発した言葉に、思わず口を噤む。
「・・・・母さん。 一緒に父さんの処に行こう。 会って伝えなきゃ・・・・・・母さん、絶対に後 サンジはそう言うと、マキノをゆっくりと支えて立ち上がらせる。
「・・・・・・ありがとう、サンジ君。 お母さん、貴方がいてくれて本当に良かった・・。
「・・・・・校医? それって・・・! 母さん、泣かないで。 今から行こう。 行って・・・・ちゃん 「そうね。 行きましょう、シャンクスを・・・・・お父さんをを迎えに・・・!!」 |
<コメント> サンちゃんのママはマキノちゃんでした! 本当は、担任の先生にエースもってこようかとおもったんだけど。 あまり重要な役柄じゃなくなったので、消し!です。 本当はね・・・マキノちゃん、担任とできちゃうって話を当初考えてました。 今のサンジの状況と重ね合わせて、サンジが人を愛すると言う難しさを 知るというか、マキノちゃんと担任の先生の愛の形を理解するというか、 そう言うお話を考えていたんだけど・・・。 だから、当初は担任の先生は重要ポストだったのでキャラを エースにしたかったんだよね。 ああ、半年もたてば、気分も変わり構想も変わるっと・・・。(笑) まだまだ続きます。(死) |