深愛 その4 |
「お〜い。 島だ!! 島が見えるぞーっ!!」 見張り台にいたウソップが、他のクルーに大声で叫んだ。 「よし! 予定通りね。 サンジ君、上陸の準備と、買い出し、よろしくね。 街の規模 テラスで、ナミさんが皆にそう指示を出す。 「は〜いvv ナミさん、任せといて下さい。」 俺はそう言って、再度、買い出しリストに記入漏れがないかを確認に倉庫へと向かう。 「・・・・・いもは・・・・4箱・・・・いや、6箱にしとこう。 あと、肉と・・・香辛料と・・・・・ 俺は、倉庫でブツブツと呟きながら、メモを取る。 「・・・・・何か用か? 今、忙しいんだ、後にしてくれ・・・・」 「・・・・いや・・・・・別に。」 コツコツと近づく足音。 そう言いながら、ゆっくりと近づいて来る気配に、俺の心臓は、早鐘のように鳴り響く。 「・・・・・買い出し・・・・一緒に行くか・・・・」 「ああ、頼む。 ・・・・・後で、呼びに行くから・・・・」 俺は、耳元で囁かれたあいつの言葉にドキドキしながらも、平静を装ってあいつにそう告げ 「・・・クク・・・・じゃあ、船尾で待ってる・・・・」 あいつは、笑いを噛み殺した声でそう言って、一瞬だけ耳朶を噛んで、倉庫を出ていった。 「・・・・・はぁ・・・・・なんだって、俺ばっか・・・・・」 俺は、そう言ってため息を吐く。 「サンジ君、はい、これ。 宿泊代も一緒に入ってるから、お願いね。 あとで、宿で ナミさんは、そう言って俺に金と宿までの簡単な地図を渡してくれた。 「いってらっしゃい、じゃあ、後で! ・・・・・・さてと、起こしに行くか・・・・」 俺はそう言うと、あいつが待つ船尾へと向かう。 「・・・・・おい、起きろよ、クソ剣士・・・・・もう皆、行っちまったぞ。 買い出し、付き合 俺は、あいつの腹巻きに片足を乗せ、そう言った。 「・・・・・皆、出ていったのか?」 「ああ、俺達が最後だ。 ほら、いくぜ。」 「ああ・・・」 そして、俺達も、船を下りて街に向かった。 「明後日の昼に、出航するわ。 それまでは、自由行動よ。 あっ、サンジ君、さっき 宿に着いたら、丁度、ナミさんが、出掛けるところだった。 「あ、はいはいvv 何処にでもお供させていただきますvv なあ、てめえも行くだ 俺は、二つ返事でナミさんにそう言って、ゾロを見る。 「あら? 行きたくないんだったら、あんたは、行かなくても良いわよ。 あたしと ナミさんはそう言うと、宿を出ていく。 「・・・・誰も、行かねえって言ってねえだろ。」 ナミさんの言葉に、あいつは、ムスッとした表情のまま、呟くようにそう言うと、俺達と一緒 「ねえ、サンジ君。 もしも、自分の恋人が浮気したら、どうする?」 「へ? お、俺ですか? あ、あの・・・・・恋人が、ですか・・・・・・」 いきなりなナミさんの質問に、俺は、ドキリとした。 「うふふ・・・ちゃんと正直に答えてねvv」 ナミさんは、そう言うとにっこり俺に笑いかける。 「え、あ・・・・・俺は・・・・・・まず、こ、恋人に本気かどうか、聞いてみます。」 俺は、恋人と言うフレーズに、あいつを意識してどもってしまった。 「ふ〜ん。 なんだ、つまんない。 サンジ君らしい答えよね・・・・・・ じゃあ、同じ質 ナミさんは、今度は、ゾロに同じ質問をする。 「俺か? 俺は・・・・・・殺る。 ・・・・・・・浮気だろうが、本気だろうが、絶対に許さね そう言い切ったあいつと俺は、瞳が合ってしまった。 「嫌ねえ・・・・・これだから、魔獣なんて言われるのよ。 こんな奴、恋人なんかにす ナミさんは、呆れた顔でゾロを見てそう言うと、チラリと俺に同情の瞳を向ける。 「ナ、ナミさん、何言って・・・・・・」 「・・・・・サンジ君、今更、でしょ?」 慌てて否定しようとした俺の言葉をナミさんは、にっこりと笑ってそう言った。 「ククク・・・・・青くなったり、赤くなったり、忙しい奴だな・・・・」 あいつは、平然とそう言って苦笑した。 「な、ば・・・・・てめえは、なんでそんなに冷静でいられるんだ? ナミさんにばれてる 俺は、一人狼狽えたのが恥ずかしくて、ゾロが平然としていたのがしゃくに障って、そう言っ 「当たり前でしょ、サンジ君。 あなただけよ、ばれてないって思ってるの。 サンジ君 ナミさんは、そう言ってゾロを睨み付ける。 「・・・だったら、てめえも、少しは、遠慮しろよな・・・・」 ゾロは、そう言うと逆にナミさんに鋭い視線を返した。 「・・・・・・サ・・・ンジ?・・・・・・・」 先に言葉を発したのは、彼女だった。 「・・・・・・アリ・・・シア・・・・・」 俺は、4年ぶりに彼女の名を呼んだ。 俺は彼女の名を呼びながら、追いかける。 「いや、来ないで!! 来ないで、サンジ!! 私はもう、あの時の私じゃない アリシアは、そう言って走っていく。 「いや・・・・・見ないで・・・・・・・お願い・・・・・・お願いだから・・・・・・こんなに醜 彼女はそう言って泣き崩れた。 「君は・・・・・・君は、全然醜くなんかない。 昔とちっとも変わらない。 いいや、それ 俺は、そう言って、アリシアを抱き締める。 「ッ・・・・・・サンジ・・・・・・・サンジ・・・・・・」 アリシアは、俺の名を呼んで、俺にしがみついて泣いた。 「・・・・・・ごめん。 アリシア・・・・・本当に・・・・ごめん。 ・・・・・俺、ずっと気になっ 「ううん・・・・私が・・・・・・勇気がなかったの。 ・・・・・・医者から一生治らないと言 謝り続ける俺に、アリシアはそう言って、4年前と変わらない笑顔で、俺に微笑んだ。 「・・・・・・・明日、もう一度、会ってくれる?」 「ああ・・・・・明日も、会いに来るから・・・・・・」 「・・・・・じゃあ、11時に、ここで・・・・・・・」 彼女は、ピアノの前で俺にそう言って、あのラブソングを弾き語りで歌う。 |
<コメント> 今回は、またサンジサイドに戻ってお送りしました。 この壁紙同様、ず〜んとした感じになって・・・・・ はっはっは・・・・・・いやあ、暗い、暗い。 ゾロ・・・・・マジで、怖い。 そこまで惚れられてみたいとは思うけど・・・ サンジに悪いので、遠慮させていただきます。(笑) そろそろクライマックスかな??・・・・・と思ってはいます。 けど、次で終われるかどうかは・・・・・・あはは・・・です。 |