LOVE DECLARATION その2. |
それから船は順調にサンドラ川を遡り、クルー達は砂漠に入り、一路、反乱軍の拠点ユバに 向かう。 クソッ! もやもやして、すっきりしねえ。 あー・・・・・触りてえ。 もう何日触れてねえんだ・・・・・四日?いや、もっとか・・・? 瞳の前を歩くサンジの金色の髪を眺めながら、ゾロは悶々として歩いていた。 船を降りて砂漠に入ってからと言うもの、サンジに触れる機会が全くといってない。 唯一、二人きりになれた夜も、野宿続きでそんな事する場所も無く・・・ 昼間も恥ずかしがって人目を気にするサンジは必要以外、ゾロに近づく事は無かった。 まぁ、内乱を止めると言う目的の為に訪れた場所だから、そんな事に現を抜かしてる場合じゃ 無い事は、ゾロも渋々わかってるつもりでいたのだが・・・。 この昼間、瞳の前で繰り広げられる光景が、ゾロに焦燥感を与え続けているのだ。 「オイ、荷物、持ってやろうか?」 「あ? 大丈夫だ、エース。 気遣いは無用だぜ。」 「そうか? けど、無理はするなよ。 お前は昔っから、意地っ張りだからな。」 そう会話してにっこりと笑い、サンジの金色の髪をクシャッと撫でるエース。 「ったく、いつまでもガキ扱いするなよな。 あれからどれ位経ってると思うんだよ・・。」 サンジの方もムスッとしながらも、その手を振り払おうとはしない。 「フン、手助けがいるほど、そいつはそんな柔な奴じゃねえよ。」 サンジとエースの間にそう言って、ゾロが割って入った。 「クク・・・まぁな。 けど・・・・てめえには、俺を気遣うって優しさはねえのかよ!!」 「ハン、気遣って欲しいのか?」 そう言って久しぶりに小競り合いを始めたサンジとゾロに、ナミの拳が上がる。 バキッ!! ドカッ!! 「あー、ウザい!! あんた達!! この暑さだけでもイライラするのに、止めてよ ナミはそう言うとマツゲに戻って行った。 「ククク・・・・ほら、立てるか?」 極自然に、エースがそう言ってサンジに腕を伸ばす。 「ああ、平気だ。 いつもの事だし・・・。」 サンジもその手をとり、サッと立ち上がった。 「・・・・・・しっかし、昔からだが、相変わらず細っこいなぁ、お前は・・・。 ほれ、腰なん エースは、立ち上がったサンジの腰に腕を回し、そう言って笑う。 「ばっか、気安く触んじゃねえよ! 暑苦しいんだよ!」 「ヘイヘイ・・・。」 サッと振り上げたサンジの脚をエースは事も無げにスッと避けて苦笑している。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・むかつく。」 そうボソリと呟かれたゾロの低い声に、ウソップは恐怖のあまり気を失う。 「あー?ウソップ、大丈夫か? 暑さにやられたんだな。 オイ、ゾロ、ウソップを頼 そう言ったサンジの言葉がウソップの耳に微かに届いた。 「ああ、わかった。」 そう言って、ゾロがウソップを肩に担ぎ上げる。 「クソッ! ・・・・・・・眠れねえ。」
昼間の事が原因で、ゾロはなかなか寝付けずにいた。 「まさか、な・・・。」
ゾロは頭で否定しながらも、急ぎ立ち上がる。
「・・・・本当、びっくりしたぜ。 まさか、てめえがルフィの兄ちゃんだったとはな。
「ああ、俺も、ナノハナでお前の姿見かけたときは、幻かってそう思ったぜ。 お前は、
明日の食事の下ごしらえをしているのか、サンジは食材に火を通しながら、エースと火の回り
「・・・・・・・なぁ、俺と一緒に来る気はねえか? 白髭海賊団に入らねえか。 オール スッと、エースがサンジの髪を撫でる。
「あ? ・・・・・・・そうだな。 てめえんとこの海賊団ならすぐにでも見つけられそうだし
サンジはそう言って、エースににっこりと笑いかけた。 ニコニコと満面の笑みで、サンジはエースにそう言葉を続けた。
「ふ〜ん・・・・。 そうか・・・・・残念だな、本当。 俺・・・・お前の作る飯、凄く好きで 「飯目当てかよ!!」
エースの言葉に、間髪入れずサンジはそうツッコミをいれる。 「ああ。 お前は・・・・・・・・・もう無理なようだから。」 「??エー・・・・ス・・・?」
急に真面目な表情になったエースにサンジはキョトンとして見返す。
「・・・・・・・さっきな、ここにあいつが来てたぞ。 ロロノア・ゾロだっけか? 凄い殺気 エースはそう言って苦笑する。 「えっ?! 嘘・・・・・・」
サンジは、慌てて立ち上がると辺りを見渡した。 「・・・・・あの馬鹿・・・。 サンキュー、エース。」 サンジはそう言って、その場を駆け出した。 「おう! 手遅れだったら、俺んとこ、来いよーっ!!」 エースはサンジの背中にそう言って、深く帽子を被り直す。 「・・・・・・・本当、俺って・・・・・・良い人。」 |
<コメント> エース・・・・兄ちゃんは良い人です! その一言に尽きますね☆ 今回の犠牲者は、またしてもウソップ君です。 ところどころ原作と違う箇所はありますが、それはご愛嬌と言う事で☆ ああ、本当は今回でアラバスタ迄入りたかったのですが、無理かなぁ。(ぼそ) さて、後1ページ・・・・・何処まで進めるかしらん?(笑) |