Best Freind


その2







・・・・・・最近、サンジの様子が、おかしい・・・・・

・・・・・・何か、俺が話しかけてもあたふたとして、俺を避けてるみてえだし・・・・

・・・・・・俺・・・・なんかあいつにしたのか?

・・・・・・全然そんな覚えはねえんだがな・・・・・

・・・・・・かと言って、視線を感じて見るとそこにサンジがいたり・・・・・

・・・・・・俺に、何か言いたげな顔をしてたり・・・・

・・・・・・なんか、すげえ気になって・・・・・

・・・・・・なんか、思い詰めてることでもあるのかな・・・・・・

・・・・・・もしかして・・・・・病気が重いとか・・・・・・

・・・・・・はは・・・・まさか、な・・・・・

・・・・・・入院するとか・・・・・言わねえよ、な・・・・・

・・・・・・しかし、なんで、俺・・・・・こんなに気になってんだろ・・・・・・




「おい! おい、サンジって・・・・・てめえ、この前からおかしいぞ? ・・・・なんか、

隠し事あるんじゃねえか? 全然元気ねえし・・・・・悩んでいることあったら、俺に言

えよ。 まあそれで解決するかどうかは、わかんねえが・・・・・俺達、ダチだろ??」

ゾロはそう言って、サンジの顔をじっと見る。




・・・・やっぱり・・・・俺、ゾロの事・・・・好きだ・・・・・

・・・・心臓が・・・・こんなにバクバクしてる・・・・

・・・・自分の気持ちに気が付いた途端・・・・こんなの・・・・

・・・・ゾロの顔・・・・まともに見れない・・・・・

・・・・あまり・・・・俺のこと、見ないで欲しい・・・・

・・・・今は・・・まだ・・・・伝える勇気が・・・・ないんだ・・・・・

・・・・てめえのこと・・・好きだって・・・・好きだって、どうやったら言える??

・・・・てめえは、優しくて・・・俺のことなんかも気に掛けてくれるし・・・・

・・・・俺・・・・怖いんだ・・・・

・・・・てめえに拒絶されて・・・・・この関係さえも失ってしまったらって・・・・

・・・・そう考えると・・・・どうしても・・・・・伝えきれねえ・・・・

・・・・もう少し・・・・もう少しだけ・・・・このまま・・・・




「あ・・・ああ、なんでもねえ・・・・・ちょっと、な。 ごめんな・・・・」

サンジは、ゾロの顔がまともに見れなくて顔を背けたまま、そう言った。




・・・・なんだよ・・・・俺の顔も見たくねえのか・・・・

・・・・どうしちまったんだ??

・・・・俺は・・・・俺は、こいつの一番の理解者だって・・・・

・・・・親友だって・・・・そう思ってたのは、俺だけだったのか・・・・・

・・・・クソッ、イライラする・・・・・なんだって・・・・・

・・・・そんなに俺の顔・・・・見たくねえのかよ・・・・

・・・・むかつく・・・・一番だって・・・そう思ってたのは・・・・俺の方だけだったんだ・・・・

・・・・こいつにとっちゃ・・・・俺は・・・・俺は、只の・・・クラス・・・メートだったって・・・・

・・・・そう言うわけだ・・・・・




「・・・・そうか・・・俺には、話したくねえよな・・・・ まっ、てめえが、静かな方が、

俺にとっても良いことだしな・・・・・悪かったな。」

ゾロは、そう言ってサンジの側から離れる。

「あっ・・・・・ゾ・・・・ロ・・・・ ・・・・・・・・。」

サンジは、ただ黙って、離れていくゾロの背中を見つめていた。















「・・・・・サンジ、どうした? 練習に身が入ってないぜ。 そんなにぼうっとしてたら、

怪我するぞ。」

放課後の校庭で、サッカーの一年先輩の部長、エースが、そう言ってサンジに声を掛けてき

た。

「ああ、部長・・・・なんでもないです。 ・・・・ちょっと・・・」

サンジは、そう言って言葉を濁す。

このところ、サンジの動きは、誰が見ても緩慢で、皆、声に出さなくても、心配していることだ

った。

「・・・何でもないってことないだろ? ・・・・悩み事は、身体に良くねえよ。 俺に言っ

てみろ。 すっきりするぜ。 ・・・・好きな娘でもできたのか?」

エースはそう言って、サンジをちゃかす。

「!!・・・/////そ、そんなこと・・・・」

「えっ?!マジかよ・・・・・参ったなあ・・・・・サンジは、そんなことで悩むなんて、

思ってなかったのによ。 ・・・・残念。 ・・・っで、そのラッキーな娘は、誰だ? 

ナミちゃんか? それとも、ロビンちゃんか?」

エースは、やや落胆した顔でそう言うと、サンジの顔を見つめた。

「・・・残念ってどういう意味ですか・・・・・俺だって、恋ぐらいしますよ・・・・・けど

・・・・どちらも、違いますよ・・・・・俺の好きなのは・・・・・好きな奴は・・・はあ・・・・」

サンジは、ため息混じりにそう言って、ベンチに腰掛ける。




・・・・ダメだなあ、俺・・・・・

・・・・部活中でも、あいつのことばかり考えて・・・・・

・・・・部長や皆に心配掛けてる・・・・・・

・・・・だらしねえ・・・・・凄くだらしねえよ・・・・俺・・・・




「・・・・・・サンジ・・・・間違ってたら、すまないが、奴って・・・・お前、男に惚れてんの

か??」

「!!!・・・・//////」

エースの思わぬ言葉に、サンジは、真っ赤になって俯いた。

「・・・・なあ、サンジ、相手は、誰だ? ・・・俺の知ってる奴か?」

エースが、いつになく真剣にサンジに尋ねる。

「えっ、あ・・・・・なんで、部長にそんなこと、言わなきゃいけないんですか! 

これは、俺の問題で・・・・いいから、放っておいて下さい。 ちゃんと練習しますか

ら・・・・これ以上、部長には、迷惑掛けませんから・・・・」

サンジは、慌ててグラウンドに戻ろうとベンチを立った。

「・・・・待てよ・・・・関係は、有るさ・・・・俺は・・・・俺は、お前が、好きだ。 お前が、

女の子と恋愛するなら、俺は、このまま自分の気持ちは、隠し通すつもりでいた。

・・・・しかし・・・お前が、野郎相手に恋愛するなら・・・・・俺は、このまま黙ってるつも

りはない。 ・・・俺にも、可能性はあるってことだからな。 なあ、サンジ・・・・お前

の好きな奴って、一体、誰だ?」

エースは、そう言って、サンジの腕を掴んで離さない。

「そ、そんなこといきなり言われたって・・・・俺、困ります。 ・・・俺、部長のことそん

な風に思ったこと一度もないし・・・・それに、俺、男ですよ? 男が、男に惚れるなん

て・・・そんなの・・・・」

「・・・けど、お前が、惚れたのは、野郎だろ? だいたいなあ、好きだという気持ちに

男も女もない。 ・・・なあ、サンジ。 ・・・・もし、お前の恋が実りそうにないものな

ら・・・・俺のこと、真剣に考えてくれないか。 ・・・・俺、本気なんだ。 本気で、お前

のこと、欲しいと、そう思ってる・・・・」

エースは、サンジの言葉を遮って、真剣な眼差しでそう言った。

「・・・・・・俺、練習に戻ります・・・・聞かなかったことにしますから。」

サンジは、それだけ言うと、エースの手を振りほどいてグラウンドに走っていく。

「・・・・・・やっぱ、ダメかな・・・・・」

エースは、そう言ってサンジの後ろ姿をじっと見つめた。















「次! 誰だっ!!」

同じ時刻、体育館にこだまするのは、剣道部の声・・・・・

そしてひときわ大きな声で、次の相手を促しているのは、その剣道部員であるゾロであった。

「・・・・ゾロ先輩・・・・今日、なんかすげえ気合い入ってねえか??」

「ああ、俺、マジビビっちまったよ・・・・なんか気合いと言うよりは、怒ってると言う

か、不機嫌というか・・・・とにかく、触らぬ神に祟り無しだ。 余計な事しねえように、

な・・・」

「ああ、絶対にしねえ・・・・・そんなことしたら、自殺行為だ・・・」

一年の与作とジョニーには、互いに身の危険を回避することにした。

何故だかわからないが、今日のゾロは、他者を寄せ付けない迫力というのか、不機嫌さが

滲み出てると言うのか・・・・二年でありながら、全国学生一の実力を持つゾロには、三年生

であろうと太刀打ちできないでいる。

いつもは、温厚でこんなに不機嫌なオーラを纏ったことはなかったのだが・・・・

そんな状態のゾロを相手に、無事で済むとは思えない。

第一、すでに、半数以上の部員達が、保健室に運び込まれているのだから・・・・その相手を

する命知らずは、もういない・・・・

「次っ!! ・・・誰も、相手する奴は、いねえのか? チッ、だらしねえな・・・・ちった

あ、気合い入ってる奴、いねえのかよ・・・・与作! ジョニー!! てめえら、前に出

ろ!!」

ドスの利いたゾロの呼び出しを受けて、与作とジョニーは、震え上がった。

「おやおや、剣道部のホープは、何故か今日は、ご機嫌斜めっと・・・・おい、いい加

減、止めろよ。 皆、練習どころじゃねえだろ・・・・・一体何人、潰しゃ良いんだ?

・・・・今日の部活は、もう終わりだ。 お前ら、もう帰って良いからな。」

剣道部の顧問の先生であるシャンクスがそう言って、ゾロを窘める。

与作とジョニーは、ホッとした顔をして、他の部員達と共にそそくさとその場を後にした。

「・・・・ゾロ、てめえ、俺が、相手してやろうか・・・」

シャンクスは、そう言ってゾロを呼び止める。

「・・・・・良いんですか、先生。 ・・・・今日、俺、マジいきますよ・・・」

ゾロは、そう言ってシャンクスを睨み付けた。

「チ、チ、チ。 まだまだてめえに負けるほど、老いぼれちゃいねえよ。 まあ、今日の

てめえなら、1分だな。 ・・・・防具はいらねえから、かかってこいよ・・・」

シャンクスはそう言うと、防具も付けずに真ん中に立った。

「・・・・知りませんよ、怪我しても・・・・」

ゾロはそう言って、真ん中に立ち、一礼をしてシャンクスに向かった。

「・・・・脇が甘え!! ・・・・それに、全然切っ先が見えてねえ! そんなんで良く学

生チャンピオンになれたな?」

「クソッ!!」

「ほれほれ、どうした。 全然ダメダメじゃん・・・・・殺気ばっかり放ってよ・・・・ちっと

も、剣に閃きがねえ! そんなんじゃ、何回やっても俺には、一太刀も浴びせること

できねえよ・・・」

バシンッ!!

もの凄い音がして・・・・ゾロの竹刀が、空中にはじけ飛んだ。

はあはあと息が上がり、床にへたりこむゾロを後目に、シャンクスは、平然とゾロを見下ろし

た。

「・・・・なあ、何をイラついてんのか知らねえが、自分の心ぐらいは、いつもコントロー

ルしろ。 いつものてめえらしくねえぞ。 大方、恋の悩みでも抱えたか? 青春真っ

盛りだからな、てめえらは・・・・ああ、良いよなあ・・・・俺も、もう一度、青春してえ

よ・・・・」

シャンクスは、ゾロの肩に手を置いて、そう言っておどける。

「ちが・・・そういうんじゃないです。 ・・・・ただ、自分が一番だってそう思ってたの

に・・・・そいつには、そうじゃなかった・・・・・それが、くやしくて、イライラして・・・・

自分でもよくわかんないんです。 何でこんなにイライラするのか・・・・なんでこんな

にショックを受けてるのか・・・本当に・・・・よくわからないんです・・・・」

ゾロは、シャンクスに正直な気持ちをうちあけた。

「・・・そうか・・・・てめえは、そいつの一番でいたかったんだな。 ・・・・それはもう、

恋だな。 ・・・・しかし、残念だな、てめえ、失恋か?? よしよし、青春には挫折は

つきもんだ。 俺が、慰めてやるからな・・・・飲もうぜ・・・・・」

「・・・・先生、俺の言うこと、まともに聞いてますか? そんなんじゃないって、そう言

ってるでしょ? それになんですか! 俺は、失恋なんかしてないです。 ・・・・恋だ

って、まだなのに・・・・」

「馬鹿だなあ・・・・そいつの一番になりたいって、その気持ちが、恋だって言うんだ

よ。 全く、青いね・・・ゾロちゃんは・・・・さっ、行くぜ、てめえの恋愛記念&失恋記

念だ・・・」

「あっ、ちょ、ちょっと・・・・」

シャンクスは、ゾロにそう言うと、お構いなしに、ゾロを引きずって、体育館を出ていった。




・・・・・これが・・・・恋??

・・・・・嘘だろ? 

・・・・・だって、あいつは・・・・・サンジは、俺の友達で・・・・・

・・・・・男だぜ・・・・俺と同じ・・・・男なんだぜ・・・・

・・・・・それが・・・・恋だって??

・・・・・俺・・・・・そんなの・・・・・わかんねえよ・・・・・・




「お〜い、遅いぞ〜。 早く行こうぜ・・・・」

シャンクスが、校庭でそう言ってゾロを呼ぶ。

「あれ?珍しいですね、先生。 いつもは、部活なんて見もしないで帰っちゃってるの

に・・・なんか面白い事でもありました??」

丁度、サッカーの部活を終え、サンジと共にグラウンドに現れたエースは、そう言ってシャン

クスに声を掛けた。

「おおう、エースか? 丁度良いとこにきた。 今日はな、俺んちで、今から、青春を

謳歌しようと思ってたんだ。 おめえらもくるか?」

シャンクスは、そう言ってエース達を誘う。

「青春って・・・・先生の青春って終わってるでしょう・・・良いですよ、俺達、今帰るとこ

だったから・・・・それに・・・今、飲みたい気分なんです、なっ、サンジ・・・・」

「え?!あっ・・・・はい・・・・」

「なんだなんだ、てめえも、辛気くさい顔をして・・・・はあ・・・・皆、青春だね・・・・」

シャンクスは、エースとサンジの顔を見てそう言ってため息を吐いた。

「・・・・すみません、遅くなりました・・・」

ゾロが、そう言って息を切らせて走ってきた。

「おう、遅えぞ・・・・こいつらも、一緒に飲むってさ・・・」

シャンクスはそう言って、エースとサンジを指差す。

「えっ?!」

「あっ・・・・」

そう言ったまま、暫くその場に立ちすくむゾロとサンジ・・・・・

「・・・・なにやってんだ? ほら、早く行くゾ・・・・」

「「あっ、はい・・・・・」」

シャンクスにせかされて、ゾロとサンジは、慌ててシャンクスの後について学校を後にした。

「・・・・・・・・・・。」

只一人、エースだけは、ゾロとサンジの間に流れた微妙な空気を感じ取っていた。








   
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<コメント>

うひょ〜・・・また長くなっちてるよ・・・・
シャンクスがね・・・シャンクス・・・好きだーっ!!(殴!)
今回は、ゾロの気持ち編・・・・全く、鈍いんだから・・・
青春だぜ・・・・全くよ〜!!(ルナ、オヤジ化現象・・・笑)
そろそろなあ、想いを繋がらせないと・・・・
けど、パンツ事件は、どうなったのか??
と言うことで、次に進みましょう・・・・