Best Friend


その1








・・・・・すげえ夢を見た・・・・・・

・・・・・やけにリアルな・・・・夢だった。

・・・・・俺は、誰か、顔がわからない奴の布団に、潜り込んでいた。

・・・・・そこで、目が覚めた。

ふと、俺は、自分が何かを握りしめているのを確認する。

「?? ・・・・・・・・。」

よくよく見ると・・・・・・・・・何故か、俺は、見たこともないパンツを握りしめていた。 

「??何だ? 俺、こんなパンツ、持ってないぞ?」 

俺は、慌ててそのパンツをゴミ箱に捨てると、いつものように、学校へと向かった。






俺の名は、サンジ。

高校2年生だ。

教室に入ると、俺の机の隣に、いつも以上の人だかり。

俺の隣は、ゾロ。 

こいつは、やたらと、男達に人気がある。 

いや、別に、ホモって言うわけじゃねえと思うぞ。 

皆、頼りにしてると言うか、元々、親分肌なんだろうな。 

兄貴と慕う連中も、多い。 

かくいう俺も、その一人・・・かな。 

そのゾロの周りで、笑い声がしている。

「本当、笑い話じゃねえって! マジ、ビビってんだから・・・」 

ゾロは、皆に、そう言っていた。

「おはよ、ゾロ。なんかあったのか??」 

俺は、あいつにそう聞いてみた。

「おお、おはよ、サンジ。聞いてくれよ。昨日な、俺の穿いてたパンツが、朝、無くなっ

てたんだよ。 皆、酷いんだぜ、俺が、寝惚けて、どっかに穿き忘れてるんだとか、

好き勝手な事言って。俺は、今まで、そんな寝惚けたことなんかねえのに・・・

なんで、パンツだけねえんだろ・・・」

ゾロは、最後は、呟くように、そう答える。

「・・・ゾロ、もしかして、そのパンツ、ト○&ジェ○ーの柄とか・・・」

「??サンジ、なんで、俺のパンツの柄、お前が知ってんだ??」

「い、いや、なんとなく・・・そう、何となくそう思って・・・」

俺は・・・・もう、卒倒するんじゃねえかってくらいに、驚いた。

朝、俺が、持っていたパンツ・・・・・あれは、ゾロのだった。




・・・・・・なんで、俺が、あんなものを・・・・

・・・・・・ちょっと待て、だいぶん昔にも、似たようなことが・・・・・・




あれは、幼稚園の時、好きだった女の子のハンカチが、朝、枕元にあったことがある。 

それから、小学校の時にも、やはり好きだった女の子の髪留めが、朝、手の中にあった。




・・・・・・それって、また、再発したんだろうか・・・・

・・・・・・俺の病気が・・・・

・・・・・・まずい・・・・非常に、まずいぞ・・・・・・

・・・・・・早く、病院に行って、治療して貰わなきゃ・・・・・




「・・・サンジ?どうした?顔色、悪いぜ?」

ゾロが、俺の顔を見て、そう言う。

「ああ、ちょっと、具合悪くなったから、わりい、俺、帰るわ。」

俺は、そう言って、学校を飛び出し、主治医が居る病院へと向かった。















・・・・・・参った・・・・・もう治ったと・・そう思ってたのに・・・・




俺の病気は、夢遊病。

夢遊病と言っても、俺のは、人と少し違うんだ。

寝ている間に徘徊したりするんじゃなくて、身体は、本当に眠っているんだけど、夢の中で、

俺は、自由に空間を行き来出来るらしい。

現在の医学では、そうとしか思えないらしい。

つまりは、幽体離脱をしているんだそうだ。

っで、自分が見ている夢の中で、その身体がしたことが、起きた後で現実になってて・・・

それは、俺の血筋が原因だと言うこと・・・・

俺の血筋は、北欧の小さな王国の末裔で、その国には、現代では考えられないような不思

議に溢れた国だったそうだ。

中世のヨーロッパで、魔女狩りが横行したときに、それに追われるように王国は、滅亡に追

いやられ、千々に世界に分かれて、この国、日本に流れ着いたらしい。

先祖は、妖精だったとか、俺のじいちゃんは、言ってたし・・・・何処まで本当なのか、それさ

え、俺には、わからない。

だけど、俺の容姿は、どう見ても両親には似てないし、じいちゃんは、先祖返りだって言って

た。

だから、俺には、普通の人には、出来ないようなことが出来るんだって・・・・




・・・・・けど、それって、迷惑だよな、全く・・・・

・・・・・どうせ身に付いた能力なら、もっと日常に使える能力が欲しかったぜ。

・・・・・こんなの何のとくにもなりゃしない・・・・・・




「あの、すみません。 ジャンゴ先生は、今、いらっしゃいますか?」

俺は、病院の受付で、そう言って、主治医の診察を待つ。

「久しぶりだね、サンジ君。 今日は、一体どうしたんだい。」

そう言って、ジャンゴ先生が、俺に尋ねた。

「・・・・実は、先生・・・・・俺、また病気が、再発したみたいで・・・・・」

俺は、口ごもりながら、そう答える。

「えっ?! まさか、またなにか寝ている間に起こったのかい? おかしいな・・・・

催眠治療は、完璧だったはず・・・・ちょっと、こっちに来て・・・・」

ジャンゴ先生はそう言って、俺に催眠治療を施した。



「・・・・・っで、君は、朝起きたら、その人の下着を手に持ってたんだね。」

「・・・・はい。」

「君は、その人に、特別な感情を持ってる?」

「・・・・・はい。 たぶん・・・・けど、あいつは、俺と同じ男で・・・・・なのに、俺は、

あいつのことが、好きで・・・・堪らなく好きで・・・・・いつも一緒にいたいとか、そんな

ことばかり考えてて・・・・・そしたら、今朝、そいつのパンツが、俺の手の中にあっ

て・・・・・」

「・・・・そうか・・・・じゃあ、催眠を解くよ。 君は、今から私が、手を叩く音で、催眠か

ら目覚める・・・・はい! パン!」



ジャンゴ先生はそうして俺の催眠を解いた。

「・・・・サンジ君、君は、その子に恋してるんだね。 ・・・まあ、同性という障害があ

るが・・・この恋にカタを付けない限り、その病気は、再発する・・・・近いうちに・・・

私の催眠では、恋の病は、治せないからね・・・・とにかく、君自身の力で、解決する

しかないな。 まずは、その気持ちをどうにかしないと・・・・」

ジャンゴは、冷静にサンジにそう説明をする。

「Σはあ?? 先生・・・な、何を言ってんですか・・・・・俺は、俺は、ゾロの事なん

て・・・・なんとも・・・・・・」

サンジは、ジャンゴの言葉に驚いた。

「・・・サンジ君、私は、催眠士だよ? 君の心の中は、今、その子のことで一杯だ。

私に、ごまかしは、効かないよ。 ・・・・・それとも、気が付いていないのかい? 

それだったら、尚のこと、君は、自分の気持ちに決着を付けなくては・・・・・私が、君

に言えるのは、ここまでだ。 ・・・・あとは、君次第・・・・・健闘を祈る! あっ、もし、

その想い自体を封印したいのなら、いつでも来なさい。 ・・・・けど、まずは、勇気を

持って自分で立ち向かうことだ。 それで、ダメだったら、その時は、私が、君の力に

なろう・・・・じゃあ、もう帰って良いよ。」

「・・・・・はあ・・・・ありがとうございました・・・・・」

ジャンゴの言葉に、サンジは、それだけ言うと、病院を後にした。







  
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<コメント>

ふと・・・・頭に思いついたことを書きだしたんですが・・・これって??
しかも、パンツかい!!(笑)
何か、最近サンジサイドのお話、多いよね・・・・どうしたんだろ??
それをまた、ビリーさんに捧げるというのが・・・(苦笑)
というわけで、ビリーさんのリクで、『高校生ゾロサン』をお届けします。
って言うか、なに?これ??(笑)
まあ、なにはともあれ・・・この先、どうなりますか・・・・
かなり、設定的に無理が・・・・(笑)
まっ、新春だし・・・・いいか・・・・・(って、なにが??・笑)