雪月花 花の章...その1 |
その日の昼下がり、サンジは、船尾にいるゾロの元へと向かう。 ゆっくりと、コツコツと靴音を響かせて、サンジは、瞳を閉じたゾロの前に立った。 「・・・・・なあ、てめえが、船を下りる原因って言うのは・・・・・俺か? サンジは、そう言って、ゾロの元から、離れようとする。 「・・・・待てよ。 俺が、船を下りるのは、別に、てめえのせいでも、この前のことでも 「て、敵襲だーっ! ゾロ!サンジ! 急いで来てくれーっ!!」 ゾロの言葉を遮るように、ウソップが、見張り台から、大声で叫ぶ。 「話は、後だ! 行くぞ!!」 「ああ。」 サンジとゾロは、そう言って、船頭の甲板に向かった。 「者共、かかれっ!! 敵は、少数だ!」 「「おう!!」」 船長らしい人物の声と共に、海賊共は、クルー達に襲いかかってくる。 「はっ、なめんなよ。 雑魚共と同じに勘定して貰っちゃ困るぜ。 俺ら、潰す気なら、 「・・・・全くだ・・・・・でも、それでも、俺達は、潰せないが、な。」 「・・・・じゃ、ぼちぼち始めますか・・・・」 「・・・・やるか・・・・」 サンジとゾロは、そう言いながら、戦闘を開始した。 「うわあっ!」 チョッパーが、甲板の雪に脚を取られ、甲板に倒れ込む。 「やべえ、チョッパーッ!!」 サンジは、慌ててチョッパーに襲いかかってくる海賊共を蹴り払う。 「チクショーッ! てめえも、道連れにしてやる・・・・」 突然、サンジの足元に倒れていた海賊の一人が、サンジの身体を掴むと、自ら海に飛び込 「うそ・・・・・」 ふわっと、サンジの身体が、甲板から離れる。 「っ・・・サンジーッ!!」 その様子を見たゾロは、言うが早いか、和道一文字だけを手にして、サンジの腕を掴んだ。 「・・・・・・・な・・・なん・・・・で・・・・・」 サンジは、驚いてそう呟く。 「待ってろ、今、引き上げるから・・・・」 ゾロはそう言うと、サンジの足にしがみついている海賊の腕を斬り捨てた。 「ぎゃあっ!!」 海賊は、手榴弾と共に、海の中に消えていった。 「今だっ!!」 甲板にいた海賊の一人が、そう言って、ゾロの背後に迫る。 「ゾロッ!! 離せ! 後ろに敵が!! 構えろ!ゾロッ! 馬鹿ッ! サンジは、それにいち早く気が付いて、ゾロにそう叫ぶ。 「馬鹿ゾロッ! 何考えて・・・・・止めろっ!! 嫌だーっ!」 サンジの瞳には、ゾロの後ろで、刀を振りかぶる海賊の姿・・・・・ 斬りつける音と共にゾロの背中から血沫が飛ぶ。 「っ・クッ・・・」 ゾロが思わず顔を顰める。 「っ・・・・・・・嫌だーっ!! ゾロォォーッ!!」 サンジは、悲鳴に近い声でそう叫んだ。 「「「!!サンジーッ! ゾローッ!!」」」 「!!サンジ君! ゾロ!!」 「!!コックさん! 剣士さん!!」 サンジの悲痛な声に、クルー達が、反応する。 「・・・・なんで・・・・・なんで・・・・俺なんか・・・・」 「・・・・・っ、良いから・・・・早く上がってこい。 ・・・・クッ・・・・・これ以上、力入んね ゾロは、息苦しそうにそう言った。 「っ・・・ヤダ・・・・ゾロ・・・・死ぬなよ・・・・・・こんなとこで・・・・・・ヤダ・・・・・ サンジは、そう言って、泣きながらゾロを揺さぶった。 サンジは、見守るクルー達の中、そう言って、ゾロの頬に手を添える。 「・・・・馬鹿が・・・・・勝手に・・・・・・・俺を・・・・・・殺すんじゃ・・・・・ねえ・・・・・・こん ゾロは、ゆっくりと瞳を開けて、サンジを見つめ、そう言って笑った。 「っ・・クッ・・」 ゾロの顔が、また苦痛に歪む。 「・・ゾロォーッ!」 「チョッパー! 急いで、ゾロの傷の手当を! サンジ君、大丈夫よ。 こいつが、こん ナミはそう言って、チョッパーに指示を出すと、サンジににっこりと笑いかけた。 「わ、わかった。 サンジ、そこちょっと、どいて・・・・・」 チョッパーが、てきぱきと止血を試みる。 「さっ、傷の手当が済んだら、サンジ君とルフィは、ゾロをベッドに運んで! ウソップ ナミの号令で、クルー達は、慌ただしく動き始めた。 サンジが、そう言って部屋に入ってきた。 「うん・・・・・もう大丈夫だと思うよ。 ・・・・普通の人なら、死んじゃってても、おかしく 「傷は? ・・・・・背中の傷は・・・・・やっぱり、残るのか?」 「・・・・うん・・・・・それは・・・・・・仕方ないよ。 命、あっただけでも、不思議なほどの 「・・・・・そうか・・・・・・・ありがとう、チョッパー。 飯食ってきていいぜ。 ここは、俺 サンジは、悲しそうにそう言って、ゾロの側のイスに腰掛けた。 「うん、じゃあ、そうさせて貰う。 なんかあったら、呼びに来て、すぐ来るから・・・・・ 「・・・・・わかった。」 チョッパーは、そう言ってサンジに薬を渡すと、部屋を出ていった。 「・・・・・・ゾロ・・・・・ごめんな。 ・・・・俺のせいで・・・・・付けたくもねえ傷を負わせ こんなとこで、泣きたくなんかないのに、サンジの瞳からは、次々と涙腺が壊れたように涙が サンジは、必死に嗚咽を押し殺す。 「・・・・泣くな・・・・・てめえのせいじゃねえよ・・・・・・・俺が・・・・・俺の未熟さが招い ゾロはうっすらと瞳を開けて、サンジの頬に流れる涙を指で拭った。 「っ・・・・・ごめんな・・・・本当に・・・・ごめん。 ・・・・俺、なんでもするから・・・・・ サンジは、ただ瞳も閉じずに、ゾロを見つめる。 「・・・・・・・謝るな。 てめえに謝られると、余計に自分の未熟さを思い知らされる。 ゾロはそう言って、また深い眠りに入った。 「・・・・ごめんな、ゾロ。 ・・・・俺、お前が動けるようになるまで、ちゃんと看護するか サンジは、眠るゾロの顔を見つめてそう呟いた。 |
<コメント> ゾロ・・・・・・背中に傷を背負ってしまいましたねvv もう鷹の目との闘いで言ったあの台詞vv 『背中の傷は剣士の恥だ』・・・もうこの言葉に酔いしれていたのよねvv ゾロの気持ち、皆さんに伝わりましたでしょうか? まあ、ルナの文章の拙さでは、なかなかに無理があるようですが・・・(-_-;) では、次で、ラストです・・・・・ |