「・・・・・・・わかった。 ここでいいのか?」ゾロは、暫くの沈黙の後、そう言って、サンジの側に来る。
「えっ?!」
サンジは、自分の耳を疑った。
「・・・・・だから・・・・・・・・ここで、ヤんのかって、聞いている。」
ゾロは、いらただしげに、そう言った。
ゾロは、サンジの言葉に、衝撃を受けていた。
・・・・・・・サンジは、慣れていると・・・・
・・・・・・・確かに、そう言っていた・・・・・・
・・・・・・・じゃあ、過去に、そう言う男がいたのか・・・・・・・
・・・・・・・女じゃなく・・・・・男が・・・・・・・・
・・・・・・・これだけ綺麗な奴だから、そうでも不思議はねえ・・・・
・・・・・・・けど・・・・・・誰でも・・・・・良いのか・・・・・
・・・・・・・たとえ好きな奴じゃなくても・・・・・・
・・・・・・・嫌いな俺でも・・・・・俺にさえも・・・・・・・
・・・・・・・性欲処理のためなら・・・・・・
・・・・・・・誰にでも・・・・・抱かれるのか・・・・・・
・・・・・・・そんな奴だったのか・・・・・・
・・・・・・・ならば・・・・・俺も・・・・・遠慮しねえ・・・・・
言いようもない怒りがこみ上げてくる・・・・・
それが、サンジに対してなのか、サンジの相手に対してなのか・・・・・・
それとも、自分に対してなのか・・・・・ゾロには、わからなかった。
「あ、ああっ・・・・ごめん。 ・・・・・・格納庫で、良いか?」
サンジは、慌てて身を起こすと、ゾロにそう言う。
・・・・・・・ゾロが・・・・・・
・・・・・・ゾロが、俺の言葉に・・・・のった・・・・・・
・・・・・相当、溜まってたのか?
・・・・処理のためなら、嫌な奴でも、抱くってか・・・・・・
・・・・・それでも・・・・・・上等・・・・・・
・・・・・・この一度きりで・・・・・・
・・・・・・・俺は・・・・それだけで・・・・・・充分だ・・・・・
ゾロとサンジは、無言のまま、格納庫に入る。
「・・・・・脱げよ、慣れてんだろ?」
ゾロはそう言って、壁に、刀を立て掛けて、格納庫のドアを閉める。
「あ、ああ・・・・・・」
サンジは、動揺を悟られまいと、ゾロから離れたところで、服を脱ぐ。
ゾロの視線がサンジに絡みつく。
「て、てめえも、脱げよっ!」
サンジは、ゾロの視線にいたたまれなくなって、そう叫んだ。
「・・・・・・わかった。」
ゾロはそう言って、さっさと裸になった。
そして、サンジの側に来ると、サンジを床に押し倒す。
「っ・・・冷てえ・・・・・」
床の冷たさに、サンジは、思わず、声をあげた。
「・・・・・なんか、敷くか・・・・」
ゾロはそう言うと、近くにあった毛布を床に敷き、改めて、サンジを横たえる。
そして、口付けようと、サンジの顔に近づいた。
「ちょ、ちょっと、待った。 キスは・・・・キスは、するな。 処理に、そんなもん、必要
ねえよ・・・・ そんなことしねえで、さっさと済まそうぜ・・・・・」
・・・・・ダメだ・・・・・こんなとこで、キスなんかしたら・・・・・・
・・・・・・俺・・・・・・感情を殺せなくなる・・・・・・・
・・・・・・・これは、性欲処理なんだ・・・・・・
・・・・・・・・感情は・・・・・・必要ねえ・・・・・
・・・・・・・・・そう・・・・・・必要ねえ・・・・・・
サンジは、そう言って、ゾロの顔を押しのける。
「・・・・・・そうだな・・・・・」
ゾロは、そう短く呟いて、唇をサンジの胸に移した。
・・・・・・そうだったな・・・・・・・
・・・・・・これは・・・・・・ただの・・・・処理・・・・・・
・・・・・・処理に・・・・キスは、必要ねえ、か・・・・・・
・・・・・・つい・・・・・感情のままに・・・・・・
・・・・・・求めてしまうとこだった・・・・・・・
・・・・・・求め合うsexじゃねえのに・・・・・・
・・・・・・それでも・・・・・・・
・・・・・・それでも・・・・・・・俺は・・・・・・もう・・・・
・・・・・・自分の心を・・・・・止められねえよ・・・・・・
・・・・・・卑怯だな・・・・・俺・・・・・・
・・・・・・サンジの処理に誘われたふりをしてる・・・・・・
・・・・・・本当は・・・・そんなことどうでもいいのに・・・・・・
・・・・・・一瞬でも、手に入れば・・・・・
・・・・・・それで・・・・・良いのに・・・・・・・
・・・・・・たとえ、それが・・・・・・身体だけだとしても・・・・・・
・・・・・・だから・・・・・・・今だけ・・・・・・
・・・・・・今だけは・・・・・
言いようもない怒りから、サンジの言葉に合意して、格納庫に来たゾロだったが、いざ、
サンジを目の当たりにすると、こみ上げてくる感情をセーブできない。
ゾロは、自分の感情のままに、優しくサンジの胸の尖りを口に含み、舌で、弧を描くように、
愛撫する。
「はあっ・・・・・っ・・・・・ヤダ・・・・・止め・・・・ああ・・・・んん・・・・ふ・ん・・・」
サンジは、自分の口から漏れる嬌声に、慌てて、指を噛んで、声を殺す。
ゾロに触れられているというだけで、サンジの背中には、甘い痺れが次々と湧き出て、
口に含まれた胸の先から、今まで感じたこともない快感が、サンジを襲う。
「・・・ふ・・・・っ・・・・・んん・・・・・ん・・・」
サンジの身体は、ビクビクとゾロの舌の動きに敏感に反応を繰り返し、ピンク色だった胸の先
端も、真っ赤に染まってぷっくりとたち上がる。
ゾロは、胸の愛撫を続けながら、サンジの雄に手を添え、ゆっくりと扱き始めた。
「っんんっ!・・・・はあっ・・・ヤダ・・・・・止せ・・・・そんなコトしなくても・・・・・
っ・・・・・突っ込むだけで、済むだろ・・・・・・余計なこと・・・・・・はあ・・・・・すん
な・・・・・」
サンジは、快感で気が遠くなりそうな感覚を必死で、堪えて、ゾロにそう告げる。
それ以上、ゾロに触れられると、自分の感情のままに、ゾロの背中に縋り付いてしまいそう
だった。
・・・・・感情が・・・・・・溢れ出しそうだった・・・・・
「・・・・処理なんだろ? てめえも、イカねえと、意味がねえだろ? イケよ・・・・・
溜まってんだろが・・・・」
ゾロは、サンジの誘い文句を真に受けて、扱く手の速度を速めた。
「はあっ・・・・ヤダ・・・・ああっ・・・・もう・・・・止め・・・・そんなことしねえで、突っ込め
よ・・・・・・俺は・・・・俺のことは・・・・・良いんだよ・・・・・んんっ・・・」
サンジは、慌てて身を捩って、ゾロの行為を中断させる。
ゾロは、サンジの言葉に、違和感を感じ始めていた。
・・・・・・・・溜まっているって誘ったのは・・・・・こいつ・・・・・
・・・・・・・・なのに・・・・・なんで、こいつは・・・・・・
・・・・・・・・こんなに、頑なになってんだ・・・・・・
・・・・・・・・なんで、俺を突っ込ませたがる・・・・・
・・・・・・・・挿れねえ方が、絶対に楽だろ・・・・・・・・
ゾロには、サンジの意図がわからない。
ゾロは、逃げるサンジの腰を引き寄せると、しっかりとサンジの腰を抱き、もう一度、赤くなっ
た胸の尖りを口に含み、片手で、サンジの雄を上下に扱いた。
「あああっ・・・・・ヤダ・・・ヤッ・・・・離・・・・せ・・・・
ああっ・・・・ゾロ・・・・ゾロ・・・・ああ・・・もう・・・・ダメだ・・・・ゾロ・・・・ゾロッ・・・
アアーッ・・・クッ・・」
サンジは、快感に流されて、感情のままに、ゾロの名を呼び、ゾロの首に腕を回して、白濁
の精をゾロの手の中に吐き出した。
「フッ・・・・クッ・・・・・ふ・・・・」
サンジは、射精の余韻に浸る間もなく、声を殺して、泣いた。
もう、感情を抑えることはできないでいた。
・・・・・・・ダメだ・・・・・俺・・・・・・もう・・・・・
・・・・・・・もう・・・・・これ以上・・・・・・
・・・・・・・できねえよ・・・・・・・
・・・・・・・自分の感情を・・・・・抑えることなんて・・・・
・・・・・・・できねえよ・・・・・
・・・・・・・これ以上・・・・・ここにいたら・・・・・・
・・・・・・・俺・・・・・言っちまう・・・・・・
・・・・・・・性欲処理じゃ・・・・・なくなっちまう・・・・・・
・・・・・・・もう・・・・・・お終い・・・・・だ・・・・
ポロポロと、涙を流すサンジに、ゾロは、うろたえる。
ゾロには、サンジの涙の意味もわからない。
先程、いつも言わない自分の名を何度も呼んで、ギュッと抱き締めて、快楽を追っていた
サンジの姿があったのに、今は、涙を流して瞳を閉じている。
一体何が悪かったのか・・・・・・
そう考えるゾロには、サンジの想いなど、わかるはずもなかった。
ただ、こんな涙を流すサンジの姿を見るのは嫌だと、そう思った。
自分が・・・・・そうさせた・・・・・・それだけが、事実だった。
「・・・・・・俺・・・・・もう、寝るわ。」
ゾロはそう言うと、サンジの身体から離れて、シャツを着て、刀を持って格納庫から出ていく。
・・・・・・・・・こんなこと・・・・・・・初めから・・・・・・・しなけりゃ・・・・・良かった・・・・・・
ゾロは、甲板に出て、落ちてくる雪をじっと見つめた。
・・・・・・・・・こんなこと・・・・・・・初めから・・・・・・言わなきゃ・・・・・・良かった・・・・・・
サンジは、床に敷いてある毛布にギュッとくるまって、窓の外に降る雪を見つめていた。
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