トライアングル★スクランブル★ANOTHER STORY


その2





その日の夕方・・・

ナミの予測通り、ゴーイングメリー号は、とある街に上陸した。

「じゃあ、皆。 ログが貯まるまで2日。あさっての朝には、出航の予定だから、それ

までには、船に戻ってきてよ。 ここは、治安良さそうだし、別に船番は、必要ないと

思うわ。 それと、はい、皆、お金。 このお金で、出航まで、生活してね。 

失くしても、もうあげないからね・・・じゃあ、解散!!」

そう言うと、ナミは、ロビンと一緒に、船を下りていった。

「さあって、俺も、市場に行って来るかな・・・ ゾロ、てめえは、どうするんだ?」

「俺も、行く。 刀、そろそろ、ちゃんと、研ぎてえし・・・泊まるとこ、見つけとかねえと

な。」

ゾロは、そう言って、サンジを見て、ニヤリと笑った。

「っ・・・・何考えてんだよ!」

「てめえと同じ事っv」

「・・・・/////ば、馬鹿野郎・・・////」

「じゃあ、いくか? チョッパー、ウソップは、どうすんだ?」

ゾロが、後ろを振り向いて、チョッパーとウソップにそう聞いた。

「あっ、おれも・・ふがっ」

「ああ、俺達は、後から、行くから、先に行っててくれ・・・」

ウソップは、あわてて、チョッパーの口を塞ぐと、そう、ゾロに言った。

「・・・そうか。 じゃあ、先に行くぜ。」

「じゃあなっv」

ゾロとサンジは、そう言って、船を下りていった。

「なんで?なんで?? 俺、サンジと一緒に、市場、行きたかったのに・・・」

チョッパーが、ブツブツと、ウソップに、文句を言った。

「あのなあ・・・お前、その場の雰囲気とか、少しは、わかれよ・・・あれじゃあ、絶対、

邪魔者だって。そのうち、ゾロに斬られるゾ。 命が惜しけりゃ、絶対に、あの二人の

邪魔はすんな・・・いいか?」

「う、うん。わかった・・・」

(で、でも、何で、ゾロが、俺を斬るんだ???)

ウソップの話に、身の危険を感じたのか、チョッパーは、とりあえず、言うことを聞くことにし

た。






「じゃあ、後で、宿屋なっv 宿屋、一軒しかねえから、大丈夫だよな。」

「おう!」

サンジとゾロは、それぞれ、市場と刀鍛冶屋に別れていった。






「すげえ!! いろんな、見たこともないようなモノが、たくさん売ってる!! 

こりゃあ、買い溜めしとかねえと・・・重いモノは、明日、ゾロに運んで貰うか・・・ 

んっ?! ブロンドのロングヘアーに碧眼のお嬢様っv おお!!これはまた、素敵な

マドモアゼル発見っv是非、お声をかけなければ・・・」

サンジは、店の角に立っている女性に声をかけた。

「ああっ、素敵なマドモアゼルvv 是非、俺と一緒に、お茶でもいかがですか〜っv」

「・・・ごめんなさい。・・・私、今、人を捜してるの・・・貴方みたいな素敵な人に誘われ

るなんて、光栄だけど、私、恋人いるし・・・本当に、ごめんなさいね。」

そう言って、彼女は、サンジに、優しく微笑んだ。

「何て、素敵な人なんだっv それに、お優しい〜っv ちくしょーっ。 こんな素敵な人

を、彼女にしている幸せな野郎は、何処のどいつだ! 羨まし〜いvv」

サンジは、ますます、目をハートにして、彼女に言った。

「クスッ。面白い人ね。・・・いいわ。 少しだけなら、付き合ってあげる。 もしかした

ら、この街には、いないかもしれないし・・・」

彼女は、サンジにそう言った。







「・・・そうか、ユーリって言うんだ。 素敵な名前だね・・・でも、さっき、探してる人が

いるって、言ってたよね? それって、恋人?」

サンジは、確信を持って、ユーリにそう言った。

「・・・ええ・・・でも・・・あの人・・・黙って、出ていってしまって・・・そう言う風に思って

いたのは、私だけだったのかも知れない・・・でも、忘れられないの・・・あの優しい瞳

が・・・あの人のことを思うと、いてもたってもいられなくなって・・・それで、噂を聞い

て、ここまで、来てしまった・・・馬鹿よね・・・」

ユーリは、寂しげにそう、サンジに言った。

「そんなことないですよ!そいつが、馬鹿なんですよ!! こんな素敵なユーリさんを

残して、出ていくなんて。 一体どんな奴なんですか? 一緒に探しましょう!!」

そう言って、サンジは、ユーリの手を握った。

「ありがとう・・・初対面の人に、そんなに優しくして貰えるなんて・・・貴方、本当に、

優しい人ね。」

そう言うと、ユーリは、嬉しそうに、笑った。

「あの人は・・・そう、とっても強い剣士で・・・・いつも真っ直ぐな瞳をしてて・・・耳に付

けているピアスが、キラキラと輝いてて・・・私は、あの人の瞳が好きだった・・・

でも、あの人は、いつも言ってたわ・・・俺を待ってる奴が、必ずどこかにいるって・・・

きっと、必ずあえるはずだって・・・ そう言って、私の前から、突然、いなくなってしま

った・・・後で、その待ってる人っていうのが、最強の剣士・・・ミホークだって、町の人

から聞いたけど・・・ 私には、そうは、思えなくて・・・」

サンジは、ユーリの話を聞いて、ショックを受けた。

(・・・強い剣士だって?! 耳に・・・ピアス・・・ 鷹の目・・・ 嘘だろ・・・ まさかだ

よな・・・)

スッと、背中に、嫌な汗が伝う・・・

サンジは、一縷の望みをかけて、ユーリにこう言った。

「・・・もしかしたら、その男・・・髪の毛の色、緑で、腹巻きして、3本の刀差している

奴か・・・」

(頼む!! 違うと言ってくれ!!)

「ええ、そうよ。 知ってるの?? 名前は、ゾロ。 ロロノア=ゾロよ。」

ユーリは、驚いたように、そして、嬉しそうに、サンジにそう言った。

「・・・・・・・・・」

サンジの予感は、当たっていた。

ゾロも男だ。

付き合った彼女も、当然いただろうなんてことは、サンジにもわかっていた・・・

ただ、こうも、素敵なレディを前に、その人が、ゾロの彼女だったなんて・・・

いや、彼女の話だと、今も、恋人同士だと・・・少なくても、彼女は、そう言った・・・

サンジの身体に、震えがくる・・・

頭が、真っ白になって・・・自分が、何を今しているのかも・・・わからない・・・・

その時間がずっと続いたような、一瞬だったような・・・それさえもわからなくて・・・

「どうしたの? サンジさん。 どこか、具合悪そうだけど・・・」

ユーリが、心配そうに、サンジに声をかける。

(・・・遠くで・・・ダレか・・・俺を・・・呼んでる・・・ゾロ・・・・・)

「・・・ジさん!! しっかりして、サンジさん!!」

サンジは、そのまま、意識を失った・・・・








ふと、サンジが、目を覚ましたら、そこは、今日泊まるはずの宿屋の部屋だった。

「気が付いた? サンジさん!!」

「あっ・・・俺・・・」

「心配しないで。 ここ、私の部屋だから。 貴方、急に倒れるんだもの・・・お店の人

たちに、ここまで、運んで貰ったの。 ・・・あなた、苦しそうだったから・・・」

ユーリは、心配そうに、サンジを見た。

「・・・・ありがとう。 ユーリさん・・・・もう、大丈夫だ・・・」

サンジは、笑って、そう言った。

(本当に・・優しいんだな・・・・こんなに素敵な人・・・そうは、いないぜ・・・

・・・・そうだろ?・・・ゾロ・・・)

サンジは、ある決心をして、ユーリにこう言った。

「すみません、俺、ちょっと、びっくりしちゃって・・・ 俺、そいつのこと、良く知ってま

す・・・今、同じ船に乗って、一緒に旅をしてるんです・・・ ・・・今日、そいつ、ここの

宿に泊まるようになってますから・・・・・・逢えますよ・・・・良かった・・・・ですね・・・」

サンジは、張り裂けそうな心を隠して、ユーリに笑って、そう言った。

「・・・お、俺、・・・ゾロ、連れてきます・・・」

(・・・ダメだ・・・泣いちゃ・・・駄目だ・・・ユーリさんが・・・不審に・・・思う・・・)

サンジは、俯いたまま、部屋を出ていった。

(・・・・ふぇっ・・・・ゾロ・・・・ゾロ・・・・ゾロ・・・・・ヒック・・・ゾロ・・・)

サンジは、廊下に出て、声を殺して・・・・泣いた・・・・・

・・・そして・・・ゾロを探しに、街に出た。

(・・・ゾロ・・・・ゾロ・・・・・ゾロ・・・)

サンジの瞳は、何も映さない・・・

・・・ただ・・・・心は、・・・・ゾロを呼ぶばかり・・・・







いつの間にか、サンジは、街の中を歩いていた。


「・・・・・あっ、すみません・・・・」

サンジは、誰かに、ぶつかって、そう謝った。

「えっ?! サンジ君じゃない?! どうしたの? ゾロと一緒じゃなかったの??」

サンジとぶつかった、ナミは、サンジのあまりの変わり様に、驚いた。

「ふぇ・・・ナミさ〜ん・・・ヒック・・・ふぇ〜ん・・・」

サンジは、ナミの顔を見て、堰を切ったように、泣き出した。

「ちょ、ちょっと! サンジ君、どうしたの?? 一体何が・・・???」

「サンジ!!」

泣いているサンジの身体を抱きしめて、ナミが、あやすように、そう言ったとき、ゾロが、血相

を変えて、ナミのところにやってきた。

「てめえ! ナミ!! サンジに、何しやがった!!」

それは、もう、魔獣さながらで、慣れているはずのナミも、思わず、身体に震えがきた。

「・・・いい加減にして!! 何で、あたしが、サンジ君を泣かすようなコトするの

よ!! あんたじゃあるまいし・・・ それよりも、あんた、いい加減に、刀、しまいなさ

いよ!! 街の人、皆、見てるじゃない!! こんなとこで、騒動に巻き込まれるの

は、勘弁してよね・・・ さっ、サンジ君。 こんな馬鹿ほっといて、あっちに、行きまし

ょう!!」

ナミは、サンジの腕を組んで、とりあえず、宿屋の自分の部屋に連れていった。

そのすぐ後ろから、ゾロが、殺気を放ったまま、ついてきた。




  
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<コメント>

サンジとナミ・・・本当に、仲良いんですよ、うちのとこじゃ・・・
っていうか、アイドルサンジだからなあ・・・(笑)
ゾロとサンジのやきもちの違い・・・わかってくれると、嬉しいな・・・
うちのサンジ・・・本当、乙女度が、上がっていく・・・(笑)
後、1回位で何とか・・・終わらせたいと・・・(希望的観測による・・・)
では、続く!!