LOVE NIGHT


その3






「バタンッ!」

部屋に入って、後ろ手に鍵をかけたゾロは、サンジをベッドの上に降ろすと、そのまま、覆い

被さってきた。

そして、サンジの顔中に、触れるだけのキスを浴びせる。

「お、おい! ちょ、ちょっと、落ちつけって!!」

サンジは、両手でゾロの顔を挟み込み、行為を中断させた。

「ふ、風呂ぐらい、入らせろよ。」

サンジは、ゾロの顔を見上げて、そう言った。

「風呂なんて、後からでも、良いだろ?」

「てめえが良くても、俺が嫌なんだよ!」

サンジは、そう言って、頑とも譲らない。

「・・・・・わかった。」

いったん言い出すと、てこでも動かないサンジの性格からして、ここで要求を無視するのは、

この行為自体が無くなりかねない。そんなサンジの性格を理解していたゾロは、渋々承知し

た。




「まったくよ。 あのエロマリモは・・・どうして、こう・・・」

サンジは、湯船に浸かりながら、ゾロの性格を甘く見ていたことを、少し後悔していた。

(こんな事に執着するような奴じゃねえと思ってたんだが。 あのストイックな外見は、

ありゃ、フェイクか? それにしても、回りを省みないこの決断力と行動力は、さすが

は、魔獣だな。)

サンジは、妙なところで、感心した。

「もう、いい加減、出ねえとな。」

サンジは、覚悟を決めて、バスローブを身につけ、風呂から出た。





ゾロは、酒を飲んでたらしく、空き瓶が3本、テーブルにのっかっていた。

「てめえも、風呂入ってこいよ。」

サンジは、ゾロにそう言った。

「てめえ、逃げんなよ。」

ゾロは、すれ違い様にサンジにそうクギを差すと風呂にむかう。

「?!・・・そうか、その手もあったな・・・・・

プーッ。 冗談だよ、冗談。 わかってるよ。」

そのまま、踵を返してベッドに戻ってこようとしたゾロに、サンジは、笑いながら、そう言った。

「・・・・・・・・・」

ゾロは、無言で、サンジの着ていた服を手に持つと、そのまま、風呂に持っていった。

「きったねえー。 プーッ、ア、ハ、ハ、ハ。」

サンジは、ゾロの行動に、思わず、吹き出してしまった。

少し、緊張がほぐれてきた。

サンジは、冷蔵庫から、缶ビールを取り出すと、一気に、喉に流し込んだ。

ベッドの端に腰掛けて、半分ほど空けたところで、ゾロが、バスローブを着て出てき

た。

「逃げなかったみてえだな。」

「まあな。 てめえが、服持って行っちまったし。 俺だって、男だ。 これくらい、どう

ってことねえよ・・・・」

(クッソー、緊張してゾロの顔、見れねえ。)

言葉と裏腹に、サンジは、下を向いたまま動かない。

心臓が、バクバクして、ゾロに聞こえるんじゃないかと思うと、気が気ではない。

ゾロは、サンジから、飲みかけの缶ビールを取り上げ、一口飲むと、そのままサイドボードの

上に置いた。

それから、サンジを抱き上げて、ベッドの中央まで移動して、そのままゆっくり倒れ込んだ。

サンジは、ギュッと目とつむったまま、固まって動かない。

「サンジ。」

ゾロは、少し掠れた低い声でサンジの名を呼んだ。

名前を呼ばれ、サンジは、恐る恐る、目を開けた。

優しい眼差し、真っ直ぐな瞳、サンジだけが知っている、深緑の瞳。

(やっぱり、俺、ゾロのこと好きだ。)

サンジは、少しだけ、微笑む。

ゾロは、サンジの手を持って、自分の胸に当てた。

「わかるか。 俺もてめえと、同じだ。」

ゾロの心音が、早鐘のように早い。

サンジの手に伝わるゾロの、ドキドキ。

サンジの心音とシンクロしていく。

(ゾロも、俺と同じなんだ。)

サンジの身体から、緊張が解けた。








ゆっくりと、触れるだけのキス。

サンジの頬に、額に、唇に、何度も繰り返す。

それから、下唇をついばむようにキスを繰り返し、サンジの口内に舌を割り入れ、その感触を

確かめるように、丹念に歯列をなぞる。

そして、縮こまっているサンジの舌を逃さないように何度も何度も絡み取り、吸い上げた。

「んっ・・・・ふぁ・・・ん・・・・・ん・・・・・んん・・・・」

サンジの口から、甘い吐息が漏れる。

(やっぱり、こいつ、すっげえ敏感なんだな。 ・・・それに、この声。 すんげえ、ク

ル。 止まんねえ。 ずっと、ずっと、こうしていたい・・・)

次々に送り込まれる快感は、サンジに、息吐く暇も与えてはくれない。

「ンッ・・・ンッ・・・ゾ・・・ロ・・・・やっ・・・・息が・・・・で・・・きな・・・・」

サンジは、息苦しさから顔を背けようとしたが、ゾロは、逃がしてはくれない。

(ゾロ、ゾロ。 息が出来ねえよ。 離してくれ。)

サンジは、ゾロの胸を、ドンドンと叩いた。

飲み込めなくなった唾液が、口の端から流れ落ちるようになってから、ゾロは、ようやく、サン

ジの唇から離れた。

サンジは、思いっきり、息を吸い込んだ。

上気して、ピンク色に染まった顔。

瞳は、苦しさから、涙が溢れ、今にもこぼれ落ちそうだ。

「・・・てめえ、少しは、手加減しろって!!」

サンジは、抗議の意を込めて、ゾロを睨み付けた。

ゾロは、その様子に、フッと含み笑いをすると、また、言葉が続かないうちに、サンジの唇を

塞いだ。

(・・・こいつは、自覚ってもんが、全然足りねえ。 そんなエロい面して睨み付けて

も、誘ってるようにしか見えねえってーの。てめえで、俺を追い立ててるって、気付か

ねえのか?本当、たち悪いぜ。全く、ここまで、天然なのも、困ったもんだよな。)

しばらくして、ゾロは、名残惜しそうに、唇を離すと、素早く、バスローブを脱いだ。



無駄のない鍛えられた肉体。

剣士と言うにふさわしい身体つき。

そして、胸に刻まれた、1本の深い傷。

サンジは、スッと目を細め、ゾロの傷に触れた。

誰もが、あの瞬間、『終わった。』と、思った。

こいつの夢も命も・・・・全て・・・・・

だが、今、こいつは、俺の前にいる。

つながった夢・・・消えなかった命・・・・

そして、この傷が、俺のスタート地点・・・俺達の始まり・・・・




サンジは、ゾロの肩越しに腕を廻すと、

「大好きだ。」

といって、にこやかに微笑んだ。

ゾロは、その微笑みにつられるようにはにかむと、サンジをきつく抱いて言った。

「俺も、てめえが好きだ。」

どちらからともなく、触れ合う唇。

ゾロは、片方の腕だけで、サンジを引き寄せると、空いている手で、器用に、サンジのバスロ

ーブを、脱がせた。

「・・・・・・・・・」

一糸纏わぬサンジの姿に、ゾロは、ゴクリと嚥下した。

(まさか、ここまでとは・・・)

潤んだ瞳。

濡れた唇。

肌は、透き通るように白く、恥ずかしさのためか、全身上気して、ピンク色に染まっている。

そして、その胸元を飾る、二つの赤い尖り。

ゾロは、軽くサンジの唇に触れるだけのキスをして、耳元に息を吹きかけ、耳たぶを甘噛み

した。

「ひゃう!!・・んっ・ああ・・ん・・・んん・・・」

サンジは、あわてて、口を塞いだ。

「ん? どうした?」

ゾロが、サンジの手をどかす。

「・・・だって、俺・・・声・・・変・・・・なんか・・・レディみたいで・・変・・・だ・・・」

サンジは、ますます顔を赤くした。

「大丈夫だ。ここには、俺しかいねえ。俺は、その声好きだぜ。もっと、出せよ。」

そう言って、ゾロは、また、耳たぶを甘噛みした。

「んあっ・・・んん・・・こ・・の・・エロ・・剣・・・士・・・・ああっ・・んん・・・」

サンジの嬌声が、ゾロの行為を後押しする。

ゾロは、そのまま、耳から首筋、鎖骨の順に、舌を這わせると、鎖骨に上で、強く吸い付き噛

んだ。

白い、傷一つないサンジの身体につく、所有の印。

(こいつは、俺のもんだ。)

ゾロは、鎖骨から、胸の赤い尖りへと舌を這わせ、その尖りを口に含んだ。

舌で転がすように舐め上げ、軽く歯で、噛む。

そして、反対側の尖りを指で弧を書くように撫で、つまみ上げると、軽く、はじいた。

「あっ・・あっ・・・んあっ・・ダ・・メ・・そこは・・ん・・・ん・・・や・・だ・・・・」

サンジの喘ぎが大きくなった。

「ダメじゃねえだろ。 んっ?」

ゾロは、口に含んだままサンジに声をかけた。

「あっ・・・・ふぁ・・んんっ・・そのままで・・しゃべ・・・んな・・お・・俺・・へ・・ん・・・

に・・・」

サンジは、次々と襲う快感の波に翻弄され、涙が止まらない。

肌に触れる息づかいでさえ、サンジに快感を与えていく。

ゾロは、尖りを弄んでいた手をそのまま下方へ滑らせると、サンジの雄に触れた。

ビクンとサンジの身体がはねた。

サンジの雄は、すでに、育ちきっていて、先端は、透明な液で、濡れている。

ゾロが、軽く上下に扱いてやると、ますます硬度が増し、先走りの液が、トロトロと滲み出て

きた。

「良くしてやるから。」

ゾロは、そう言って、サンジの頬に口付けすると、身体を下方にずらし、サンジの雄を包み込

むように口に含んだ。

「あああっ!!・・・そんな・・・とこ・・・汚・・・い・・・んああっ・・ん・・ん・んん・・」

サンジは、ゾロの頭に手をやると、その行為を止めさせようと、腰を引いた。

「てめえのもんで、汚ねえもんなんて、俺にはねえ。てめえが気持ち良くなるのを見て

ると、俺も気持ちいいし、そうしてやりてえんだ。だから、てめえは、素直に感じてくれ

ればそれで良い。」

ゾロは、銜えたまま、そう言った。

まさに、三刀流の技は、こんなところでも、発揮される。

「・・・ん・・・・」

サンジは、ゾロの言葉に小さく頷いて、ゾロの頭から手を離すと、左右のシーツをギュッと掴

んだ。

男同士なので、どこがいいかなんてすぐにわかる。

ゾロは、裏筋に舌を這わせると、下から上へと何度も舐め上げる。

そして、先端を舌で押し広げるように口に含んで、カリの部分を丹念になぞっていく。

「っはあ・・・ああ・・・んん・・・・ふあ・・・はあ・・・ああ・・・」

腰を浮かせ、快楽に大きく身を捩らせて喘ぐサンジの甘い声が、ゾロを、ますます追い立て

ていく。

唾液と先走りの液で奥の方まで濡れている。

ゾロは先端の窪みを尖らせた舌先で舐め上げると、手で、上下に大きく扱いてやった。

「クッ・・・・ゾロ・・・・ダメ・・だ・・・・口・・・はず・・・せ・・・」

手の中で、サンジのモノが、ビクビクと脈打っている。

もう、限界が近いのだろう。

「良いぞ、出しても。てめえが気持ち良いと、俺も感じる。」

そう言って、ゾロは首筋に口づけしながら、親指で、サンジの先端ををこね回し、上下に何度

も大きく扱いてやった。

「あっ・・・ゾロ・・・ゾロ・・・ダメ・・・もう・・・出・・・る・・・クッ。」

サンジは、ゾロの手の中に、白濁の精を吐き出した。

「・・・続き、やってもいいか。」

ゾロの声に、サンジは、虚ろな瞳でコクンと頷いた。








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<コメント>

やっと、始まりました・・・
ショボイエリョで、ごめん・・・最初に謝ります・・・
とりあえず、サンジ、1本イッとく?みたいな(笑)
だんだん、ゾロおやじ化していく・・・