LOVE TOUCH


その2






「?!・・・・サンジ?」

ゾロの耳に、サンジの叫び声が聞こえた様な気がした。

ゾロの胸中に、ますます嫌な予感が、現実となって膨らんでくる。

ゾロは、近くを通りかかった男を呼び止めた。

「おい! 金髪で、黒いスーツを着た男、見なかったか?」

「・・・・・・さあて、俺は、知らないね。」

男は、ゾロの言葉に少し、言いよどんだ。



・・・・・・・・こいつ、何か隠してやがる・・・・・・



ゾロの直感が、警告音を鳴らす。

「・・・・てめえ、俺が、優しく聞いてるうちに、答えろ。 俺は、あまり、気の長い方じ

ゃねえ・・・・・・」

ゾロはそう言って、三代鬼徹の刃を、男の喉元に当てた。

「ヒッ! 言います、言います。 そいつなら、さっき、その角を曲がった家に入ってい

きました。」

「一人でか?」

「いいや、俺達が捕まえ・・・・いや、数人の男と一緒に・・・・・・」

男は、ゾロの迫力に押されて、慌てて話し始めた。

ゾロのこめかみが、男の言葉にピクリと反応する。

シュッ!

ゾロが構えていた三代鬼徹が、空を切る。

「ぎゃあああ・・・・・」

男の腕が、ぼとりと、地面に落ちた。

「・・・・・命だけは、助けてやる。 ・・・・・だが、それも、あいつが無事に済めばの

話だ・・・・」

ゾロはそう呟いて、急いで、角を曲がった。

暫く走ったところの家の前に、男達が、たむろしていた。

その中に、トイレの前の窓から見た男の姿を見つけた。

「・・・・・そこをどけ。」

ゾロは、殺気をはらんだ瞳で、男達にそう声を掛ける。

「ん? なんだ? 何で、俺達がどけなきゃならねえんだ? ・・・嫌だね。」

そう言って、男達は、へらへらと笑って、ゾロを見る。

「・・・・なら、腕尽くで、通らせて貰う。」

ゾロはそう言って、三代鬼徹を構える。

「ふざけんな、この野郎! やっちまおうぜ!!」

男達は、一斉に、ゾロに飛びかかってきた。

ゾロは、男達の攻撃を避けながら、斬り捨てていく。

しかし、男達は、家の中から、次々に湧いてきて、ゾロは、足止めを食っていた。

「いやだーっ!! ゾロォーッ!!!」

サンジの悲痛な叫び声が、ゾロの耳に飛び込んできた。


・・サンジッ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・てめえら、サンジに何をした・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・皆殺しだ。



「・・・・遊びは終わりだ・・・・・」

ゾロは、冷たい低い声でそう呟いて、バンダナを頭に巻いた。

そして、雪走、和道一文字をそれぞれ構え、家から飛び出してくる男達を、容赦なく斬り捨て

て、部屋のドアを蹴破った。

「誰だ!!」

リーダー格の男は、蹴破られたドアを見る。

そこには、バンダナを頭に巻き、人々に魔獣と怖れられる表貌のゾロが、仁王立ちしていた。

ゾロの瞳に、ベッドに縛り付けられ、男に、押さえつけられているサンジの姿が、映る。

サンジのシャツは、はだかれ、白い肌に、男の手が、触れている。

ギリッ

ゾロは、口の端が切れるほど、奥歯を噛みしめる。

全身が総毛立って、ゾロの身体が、怒りに震えた。

「・・・・・・・・・人のもんに・・・・・・手ぇ、出してんじゃねえっ!!」

ザシュッ!

ゾロが、ベッドに駆け寄ると同時に、三代鬼徹が、その男の首をはねとばした。

男は、悲鳴も上げる暇もなく、首のない身体が、ベッドから崩れ落ちる。

ゾロは、その死体を足で蹴って、どかし、サンジの手足を括りつけてあるロープを素早く斬っ

た。

「っ・・・・ゾロォーッ!! 俺・・・俺・・・・ゾロ・・・ゾロ・・・・ヒックッ・・・」

サンジは、ゾロの首にしがみついて、泣いた。

サンジの体温で、穏やかな瞳に戻ったゾロは、ギュッとサンジの痩躯を抱きしめる。

「・・・・・・お前が無事で、良かった・・・・・・・だから・・・・・もう、泣くな。」

ゾロはそう言って、涙を吸い取るように、サンジの目尻に口付けた。

「・・・・・痛かったか・・・・・腫れてるな・・・・・」

「ううん、平気だ。 ・・・・ゾロ、ごめん。 ゾロが来てなかったら・・・・・俺・・・・・」

「・・・・・もう、言うな。 間に合ったから・・・・・・・良いんだ。」

「ふぇっ・・・・ヒック・・・・・・ゾロ・・・・ゾロ・・・・・」

ゾロとサンジは、お互いをしっかり抱きしめ合う。

「・・・・・・サンジ・・・・」

そう言ってゾロが、サンジに口付けようと顔を近づけたとき、不意に、サンジが、顔を逸らす。

「・・・・ダメだ、ゾロ。 ・・・・俺・・・・・汚い。 ・・・・・あいつに・・・・・あいつ

に・・・・・・触れられたんだ。 ・・・嫌で・・・・嫌で・・・・・抵抗したんだけど・・・・・・

できなくて・・・・・・・・ゾッとするようなあいつの唇の感触が・・・・・・・まだ、残ってい

そうで・・・・・・・俺・・・・・・」

サンジは、そう言って、俯いた。

ゾロは、フッと笑って、サンジの顎に手を掛け、顔を上げさせた。

「・・・・だったら、尚のこと、俺が・・・・俺が、全部忘れさせてやる。 俺の感触しか、

てめえに残らなくなるまで・・・・・・ずっと、何度でも・・・・・・」

ゾロはそう言って、サンジの唇を、なぞるように、親指で触れる。

それからゆっくりと、唇を重ねた。

啄むようなキスを繰り返し、上下の唇を交互に、甘噛みする。

そして、そして何度も繰り返される、触れるだけの優しいキス・・・・・・



・・・そう、この唇だ・・・・・

・・・・胸がカーっと熱くなって・・・・・

・・・・・俺の心が、叫んでる・・・・・・・

・・・・・・やっぱり、ゾロが良いって・・・・・・・

・・・・・・・ゾロじゃなきゃ・・・・・嫌だって・・・・・

・・・・・・・・ゾロしか・・・・・知りたくないって・・・・・

・・・・・・・・・この唇が・・・・・俺の・・・・・・一番・・・・・・



サンジは、ギュッとゾロを抱きしめた。

暫くして、外が、ガヤガヤと騒ぎ出した。

「・・・・サンジ、続きは後で、な。 お前、もう、身体のほう、大丈夫か?」

ゾロは、名残惜しげに唇を離すと、サンジにそう尋ねる。

「ああ、酔いならもう覚めた。 行くか?」

「いや、てめえは、酒場で、ウソップ達を守ってくれ。 ・・・・・この街の連中・・・・

・・・・何か、ある。 ・・・・・・・・それに・・・・・・・」

ゾロはサンジにそう言うと、サンジの腕をとり、部屋を後にする。

「ん?! どうした? なんか、気になることでもあるのか??」

言いよどんだゾロの言葉に、サンジがそう聞いた。

「いや、別に、何でもねえ。 ・・・・それより、気を付けて行けよ。」

「おう! てめえもな。」

そう言って、サンジは、酒場に向かった。

ゾロは、サンジが、大丈夫なのを確認してから、逆の方向へと歩いていく。

「さてっと・・・・・・・サンジが傷ついた代償は、きっちり、払って貰う。 

・・・・・・・・何を企んでるかは、知らねえが、俺を本気で怒らせたこと・・・・・・

後悔させてやるぜ。」

ゾロはそう言って、街人の声がする方へと、走っていった。



ここから、グランドラインにその名を轟かせた『賞金稼ぎ100人斬り伝説』は、幕をきることと

なった。



サンジはというと、酒場に戻って、始めは用心深く、神経を張りつめていたのだが、いつまで

経っても、男達が酒場に来る気配もなく、子供だと思って油断して、勧められた薬入りの水を

飲み、モノの見事に、爆睡してしまっていた。



そして、サンジが、ウソップと爆睡している間に、ゴーイングメリー号に、ビビとカルーという、

新たな仲間が、加わっていた。
















+++++++++++++++++++++



新しい仲間の歓迎パーティーも、無事終わり、クルー達は、それぞれ、部屋で眠りについた。

サンジは、キッチンで、後片付けにおわれていた。

ゾロもまた、サンジの終わるのをキッチンで、酒を飲んで、待っている。

「なあ、ビビちゃんとか言ったっけ。 彼女、可愛いよなあ。 王女様としての高潔さも

あるし、ナミさんとは、また違った可愛さだよなあ。 てめえもそう、思わねえ??」

サンジは、ウイスキーピークであったことも忘れたように、浮かれて、ゾロに話しかける。



・・・・・サンジの奴・・・・・・また、女の話かよ・・・・・・

・・・・・・いい加減、二人でいるときぐらい、そんな話すんなよな。

・・・・・・・ウイスキーピークの件で、こっちは、むしゃくしゃしてんのに・・・・・・

・・・・・・・・人の気も知らねえで・・・・・・・



「・・・・・そんなこと、俺の知ったこっちゃねえ。 それより、サンジ、片づけ、まだ終わ

んねのか。 ・・・・俺も手伝うか。」

そう言って、ゾロは、サンジの側に向かう。

「えっ、もう、いいよ。 もう済んだから・・・・・・俺、風呂入ってくる・・・・・」

ゾロが近づいてくる気配を感じて、サンジが、慌ててキッチンのドアに向かう。

「・・・・・・風呂は、後だ。 なっ、サンジ・・・・・」

ゾロはそう言って、サンジの腕をとり、その身体を引き寄せる。

「ちょ、ちょっと、待てって。 ・・・・・わかったから・・・・風呂だけは、先に入らせろよ、

頼むから・・・・・」

サンジは、腕を突っ張って、ゾロから逃れようとした。

「・・・・・別に・・・・・・・・・・後で、俺が、入れてやるよ。」

ゾロは、抱き寄せた腕に力を込める。

「俺が・・・・・俺が、嫌なんだ。 ・・・・・・あんな奴が触った身体・・・・・・・今思い出し

てもゾッとする。 本当は、すぐにでも、風呂に入りたかったんだけど、パーティーの

用意やらなんやらで、入れなかったから・・・・・・こんな身体で、ゾロとヤるの

は・・・・・・嫌なんだ、俺・・・・・・」

サンジは、そう言って、瞳を伏せた。

「・・・・・・わかった。 じゃあ、俺が、洗ってやる。 それで良いな。」

ゾロはそう言って、サンジを抱き上げる。

「えっ?! だって、そうしたら・・・・・・・ゾロ、絶対に、お風呂で、ヤらない??」

「・・・・・・・・・努力する。」

「努力って・・・・約束できるなら、一緒に入っても良いけど・・・・・・」

「つべこべ言うなら、このまま、格納庫に連れていく。 俺は、全然、かまわねえか

ら・・・・・」

そう言って、ゾロは、スタスタとキッチンを出ていく。

「わ、わかった。 努力してくれ! 絶対に努力してくれよ。 ・・・・・だから、なっ、

風呂・・・・風呂場に行ってくれよ。」

サンジは、ゾロの強引さに根負けして、一緒にお風呂に向かった。











++++++++++++++++++



「先に、入ってるからな。」

ゾロはそう言って、先に風呂に入った。

熱いシャワーを浴びて、ゾロは、石鹸を手に取り、身体を洗い始める。

暫くして、サンジが、腰にタオルを巻いて、入ってきた。

サンジの白い柔肌を間近で見て、ゾロの雄が、勃ち上がりかける。



・・・・・俺は、努力すると言った。

・・・・・・それは、守るつもりだ。

・・・・・・・しかし、それがどこまで、努力できるかは・・・・・・

・・・・・・・・俺にも、自信がねえ。

・・・・・・・・・たぶん・・・・・もうちょっとで・・・・・

・・・・・・・・・・限界だろう・・・・・な。



確実に質量を増す己の下半身に、ゾロは、苦笑する。

「ほ、本当に、努力しろよ! ・・・・・絶対だかんな! 良いか! ・・・・・・」

サンジは、何度も、そう言って、ゾロを牽制する。

「良いから、こっち来いよ。 そんなとこじゃ、洗えねえだろうが・・・」

ゾロは、緩む頬を無理矢理引き締め、サンジにそう言った。

「うぅ〜・・・・・絶対だゾ・・・・・身体洗ってるとき、変な気を起こすなよ・・・・・あっ、

なに笑ってんだよ! 目が笑ってるじゃねえか! 努力しろよ!」

サンジの声にゾロは、ぶんぶんと首を横に振り、努力していることをアピールする。

サンジは、顔を真っ赤にして、恐る恐るゾロに近づく。

「・・・・・こんなもん、着けてたら、洗えねえだろうが・・・」

ゾロは、近づいたサンジの腕をとり、引き寄せると、腰に巻いてあるタオルをはずした。

ゴクリッ

ゾロは、思わず、喉を鳴らす。

その音が、サンジの耳にも届いて、サンジは、ますます顔を真っ赤にして俯いた。



・・・・・まずい・・・・・これは・・・・・・

・・・・・・相当に、まずいゾ・・・・・・・・

・・・・・・・早く、サンジの身体、洗っちまおう・・・・・

・・・・・・・・洗っちまえば・・・・・それで、良いよな・・・・・・

・・・・・・・・・そこまで我慢すれば・・・・・サンジも何も言わねえよな・・・・・

・・・・・・・・・・俺は、努力はする・・・・・・そのつもりだ・・・・・


ゾロの雄は、自分の目で見ても、凶悪なまでに勃ち上がっていた。

「ゾ、ゾロ! そ、それ・・・・なに?! ・・・・・もしかして・・・・・・・」

サンジは、ゾロの下半身に目を落とす。

「何って・・・・・その・・・ナニだ。 ・・・・てめえにも、ついてるだろうが・・・・・・・」

ゾロは、苦り切った表情で、サンジの身体を洗い始める。

「・・・・け、けど・・・・・・なんで・・・・・・でっけえ・・・・・俺、初めて見たゾ・・・・・ 

てめえのは、こんなに、でかかったのか??」

そう叫んだサンジは、明るいところで、直視した、ゾロの雄に、激しく動揺する。



・・・・・・・・・・俺、あんなもん、相手にしてたのか??

・・・・・・・・・道理で、いつも、死にそうになるわけだ・・・・・・・

・・・・・・・・けど・・・・・・よく入るよな・・・・・・俺の・・・・・・

・・・・・・・じゃあ、俺のアレも、あの位に・・・・・広がるのか??

・・・・・・うわあああっ・・・・・・・・・・あわわ・・・・・



サンジは、一瞬、目の前が、真っ黒ならぬ、真っ白になった。

「・・・ジ、おい! サンジッ! 洗い終わったぞ。」

ゾロの声で、サンジは、やっと、意識を戻した。

「あ、ああ・・・・・ありがとな。」

サンジは、それだけ言うと、急いで、湯船に浸かった。







  
<next>    <back> 




<コメント>

シリアスで終わろうと思ったのに・・・・・やはり・・・・・
まあ、このサイトの根本の二人だから・・・・・・
こうなっちゃうのよね・・・・(-_-;)
最近、気障ゾロ好きなのよ・・・・
でも、クサい台詞も、この後の行動で、台無し・・・・(笑)
数あるゾロサンサイトでも、このアホさは、
1、2を争うんじゃないかしら・・・・・いや、ダントツで、1番かも。(笑)
2ページで終わろうと思ってたのに、やっぱり、エリョシーンまで、
イッちゃいま〜す!!(字が違うって・爆)
では★