LOVE TOUCH


その1






リヴァースマウンテンを無事越えて、ゴーイングメリー号は、順調に航海を続けている。

ひょんな事から、同行することになった、Mr.9とMissウェンズデー。

彼らと共に、訪れたここウィスキーピークでは、街人から、大歓迎を受けていた。













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「クソッ、サンジの野郎・・・・あんなに鼻の下のばしやがって・・・・・後で、覚えてろ

よ。 絶対に、啼かしたる・・・・」

そう、ぶつぶつと呟いて、ゾロは、街の人に勧められるまま、強い酒を煽る。



・・・・・しかし、何か、変だよな・・・・・この町の住人は・・・・・

なんで、さっきから、俺達にばっかり、酒を勧めて、てめえらは、飲もうとしねえんだ?

まっ、酒が、ただで飲めるんだ。

・・・・・暫く、様子、見るか・・・・・・・・



ゾロは、そんなことを考えながら、サンジのいる方へと、視線を移した。

「・・・・しかし、この兄ちゃん、凄く綺麗だなあ。 なあ、この兄ちゃんだけ・・・・・・・・」

「ああ、それは、良い考えだぜ。 いひひ・・・・・」

見ると、サンジは、サンジは、酔っぱらって、酔いつぶれている。

その周りに、卑下た笑いを浮かべて、ひそひそと悪巧みを考えている男達が、数人、サンジ

を見て、話をしていた。

「あの、馬鹿が・・・・・・」

ゾロは、深いため息を吐いて、席を立つと、サンジの元に向かう。

「すまねえな。 こいつ、酔いつぶれたみてえだから、俺達、部屋に戻るわ。」

そう言って、ゾロは、男達に鋭い視線を向けると、サンジを肩に担ぎ上げ、さっさと、その場を

後にする。

「あっ、私達が、お運びしときましょう。」

男達は、そう言って、肩に担ぎ上げたサンジに触れようとした。

「こいつに、触るな!」

「は、はい。」

ゾロは、触れたら殺すと言わんばかりの表情で、男達を睨み付けた。

部屋に付いたゾロは、サンジをベッドに放り投げる。

サンジは、その衝撃で、ようやく、目を覚ました。

「っ・・・・痛てえ。 何すんだよ! 人がせっかくいい気分で、寝てたのに・・・・・」

サンジは、ブツブツとゾロに文句を言う。

「うるせえ! てめえ、浮かれすぎだ。 あんなところで、酔いつぶれるなんて、

てめえは、自覚って言うもんが、全くねえ! さっきだって、街の男共が・・・・・・」

「あー、もう。 てめえは、俺の保護者か?? 放っとけよ、そのくらい。 自分の火の

粉ぐらい、自分で払う! いちいち、うるせえよ。」

「うるさいだと・・・・・・人が、心配して連れてきてやったのに・・・」

「誰もそんなこと、頼んじゃねえ!」

「・・・・・・勝手にしろ!!」

売り言葉に買い言葉で、ゾロとサンジは、互いに罵り合って、ゾロは、サンジを置いたまま、

部屋を出ていった。

力一杯に閉じられたドアの音で、サンジは、自分が言いすぎたことを自覚する。



・・・・・・馬鹿だな、俺。

ゾロ、心配してくれたのに・・・・・・

それなのに、俺・・・・・・・言い過ぎた。

謝んなきゃ・・・・・・ゾロにちゃんと・・・・・・・・謝んなきゃ・・・・・・



サンジは、ふらついた足取りで、ゾロの後を追って、部屋を出ていった。












「あー、むかつく・・・・・・・なんで、あそこまで、言われなきゃ、いけねえんだ。 

もう、知るか、あんな奴・・・・・・・どうにでも、なっちまえ! 俺は、もう、知らん!」

酒場に戻ったゾロは、浴びるように酒を飲んだ。

ルフィも、ウソップも、ナミでさえ、皆、酔いつぶれ、その場に、寝込んでいる。



・・・・・・全く、クソ面白くねえ・・・・・・・って、これは、あいつの口癖だな。



ゾロは、そんなことで、サンジを思い出す自分が、おかしくて、苦笑する。

「・・・・・ちょっと、トイレ・・・・・」

ゾロは、そう言って、席を離れた。

窓から、外を覗くと、なにやら、様子が、おかしい。

男共が、皆、同じ方向へと、走っていく。

「・・・・・だ。 ・・・・・・・・に、いるらしい。 てめえも、好きだなあ・・・・・まっ、あんな

美形は、滅多に相手してくれねえからな。 このさい、男でも・・・・・・・いひひ・・・・・」

そう言う声が卑下た笑いと共に、ゾロの耳に届く。

ふと、頭の中に、サンジの姿が浮かんだ。



・・・・・まさか、あいつ・・・・・・

・・・・いや、あいつは、部屋にいるはず・・・・・・



「・・・・・・チッ。」

ゾロは、言いしれぬ不安に、サンジのいるはずの部屋に向かう。

「サンジ、いるかっ!」

部屋に駆け込んだゾロは、サンジの姿を探した。

しかし、いるはずのサンジは、何処にも見つからない。



・・・・・あいつ、あんなに酔っぱらっていたのに・・・・・・一体、何処に・・・・・・



ゾロは、先程聞いた男達の声を思い出す。



『この際、男でも・・・・・・・』

・・・・・・あいつら、そう言ってなかったか。

・・・・・・それがもし、サンジのことだったら・・・・・・・・



「クソッ。 ・・・あいつら・・・・・・・無事でいろよ、サンジ・・・」

ゾロは、慌てて、サンジを捜しに街に飛び出した。


















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サンジは、街の中をふらつきながら、酒場に向かう。



・・・・・ゾロにちゃんと、謝んなきゃ・・・・・・

・・・・やっぱし、飲み過ぎたよな・・・・・

・・・ごめん、ゾロ。 

・・俺、素直じゃなくて・・・・・・・本当にごめんな・・・・・・



「お兄ちゃん、綺麗だね~。 なあ、俺達と一緒に、遊ぼうぜ。」

もう少しで、酒場というところで、サンジは、数人の男達に囲まれる。

チンピラ風な厳つい顔の、いわゆるごろつきといったところだ。

サンジは、フンと鼻で笑って、男達を無視して、通り過ぎようとした。

「ちょっと、待てよ。 なあ、相手してくれよ。」

一人が、ニヤリと卑下た笑いを浮かべて、サンジの腕をとる。

「・・・・俺に気易く、触るなっ!!」

サンジはそう言って、その男の脇腹に蹴りを入れた。

「グワァーッ!!」

サンジの一蹴りで、その男は、民家に吹き飛んだ。

「へぇ~、やるな、兄ちゃん。 けど、これなら、どうだ??」

リーダー格の男が、そう言って、鞭を振り上げ、サンジの足の自由を奪う。

平常時なら、かわせたはずの鞭も、酔っているサンジは、そのまま足を取られ、その場に、

倒れ込んだ。

一斉に、男達が、サンジに群がり、アッという間に、サンジをロープで縛り上げた。

「放せ! 放せよ! 俺に触るなっ!!」

サンジは、必死で、暴れたが、足を封じられ、数人掛かりで押さえつけられては、どうにもな

らなかった。

「・・・・・たっぷりと、可愛がってやるぜ。 おい、連れていけ。」

リーダー格の男はそう言って、サンジと共に、夜の闇に消えていった。















「おい! 止めろっ! 放せっ! 俺に触るなっ!!」

後ろ手にロープで縛られ、足首も拘束され、部屋に連れ込まれたサンジは、それでも尚、激

しく抵抗した。

しかし、抵抗の甲斐なく、サンジは、男達の手によって、ベッドに大の字に拘束される。

「なあ、いい加減、諦めて大人しくしてくれねえか。 お互い、楽しもうぜ。」

リーダー格の男が、顔を近づけて、サンジの頬を撫でる。

「冗談は、顔だけにしろよ。」

サンジは、そう言って、その男の顔に、ペッと、唾を吐きかけた。

「・・・・てめえ、ナメんなよ、こらっ!!」

リーダー格の男はそう言って、サンジの頬を殴った。

サンジの口が切れ、口の端から血が流れる。

「おおっと、すまねえな。 綺麗な顔が台無しだ。 ・・・・・・てめえら、外で、見張って

な。 あとで、ちゃんと、味見させてやっから。 ・・・・・俺の後にな。」

リーダー格の男は、そう言って、他の男達を部屋から出した。



・・・・・・・くそぅ・・・・・ゾロの言うとおりだった。

・・・・・・俺、浮かれすぎて・・・・・

・・・・・こんな奴、酔ってなかったら、絶対、捕まんなかったのに・・・・・・

・・・・くそっ、このロープさえ解ければ・・・・・・



サンジは、そう思い、ロープをグッと引き絞るが、ロープは、頑丈にベッドの四隅にそれぞれ

括りつけられており、外れそうになかった。

「おっ、血が出てるな。 ・・・・どれ・・・・」

男はそう言って、サンジの口の端に舌を這わせ、血を舐め取る。

ざわざわと、サンジの全身に、鳥肌が立った。



・・・嫌だ・・・・・・気持ち悪い・・・・・・

・・・・触るな・・・・・俺に触れて良い奴はあいつだけだ・・・・・・

・・・・・嫌だ・・・・嫌だ・・・・・・嫌だーっ・・・・・・



「触るなっ! やだ! 止めろ!! 嫌だ!!」

サンジは、触れた舌の感触に、堪らず、顔を捩る。

しかし、男は、サンジの顎を手で押さえ込み、唇を重ねてきた。

ゾロとは違う、なま暖かいざらついた感触に、サンジは、全身が、凍り付く。



・・・嫌だ・・・・気持ち悪い・・・・・

・・・・嫌だ・・・・・ゾロじゃない・・・・・・

・・・・・ゾロじゃない・・・・・ゾロじゃない・・・・・

・・・・・・嫌だ・・・・・ゾロ・・・・ゾロ・・・・助けて・・・・・ゾロ・・・・・



唇をこじ開けてくるおぞましい舌の感触に身を震わせて、サンジは、グッと歯を食いしばる。

男の手が、サンジのシャツのボタンをはずし、サンジの胸をまさぐった。

男はそのまま、唇を胸に移し、サンジの胸の尖りを口に含む。

ビクンと、敏感なサンジの身体が、心とは裏腹に男の愛撫に反応した。

「やだーっ!!! ゾロォーっ!!! ゾローッ!! ゾローッ!!」

サンジは、拘束された身体を、半狂乱に揺すり、ゾロの名を叫び続けた。





 
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<コメント>

サンジ、ピン~チ!!
LOVEシリーズも、やっと、グランドライン突入編です。
のっけのウイスキーピークから、事件勃発!!
はてさて・・・・・続きは・・・・・・・申し訳ない。
暫く、お待たせするかもです・・・・・(-_-;)
やっぱり、書き上げてから、UPした方が良かった・・・・・
ちょっとバタバタしてて・・・・・けど、1週間以内には・・・・・
終わらせようと・・・・・・遅い??(汗)