もう一度キスしたかった・・・ その2 |
「なぁ、今度の養護の先生って、女じゃなくて男だぞ。 それもさ、若くて全然、養護教員って 感じしねえんだけど・・・。」 「・・・だよね。 どっちかって言うと、体育教師向きだよね、あの先生。」 「けど、理事長のたっての願いで来て貰ったって言ってたぜ。」 「やっぱ、ただものじゃないよな・・・。」 翌日からのバラティエ高校は、新任の養護教員、ロロノア・ゾロの事で話題騒然だった。 「なぁ、サンジ、新しく来た養護の先生のこと知ってるか?」 「いや? 全然知らねえ。 そいつがどうかしたのか?」 シュライヤからそう聞かれ、サンジは、わざと知らないフリをする。 「へぇ、サンジも知らないのか。 確か、名前は、ロロノア、そうロロノア・ゾロって言ってた そう言ってシュライヤは、サンジに同調の声を求めた。 「そんなに、ゾロ・・・あ、いや、ロ、ロロノア先生って格好良いと思うか?」 サンジは、内心ドギマギしながらそう反対に聞く。 「ん・・・まぁ。 そこそこには、格好良い部類になるんじゃないのかな? けど、なんで? 「あ、いや、別に・・・。 普通、養護教員って言ったら女だろ? だから、珍しいなぁと・・・・ サンジはシュライヤの言葉にそう素っ気なく言って、着替えを済ませ、教室を出ていく。 「あ、おい。 サンジ待てってば。 ・・・・ったく、何慌てて飛び出してんだか・・・変な奴・・。」 シュライヤはそう言って、サンジの後を追い校庭に走った。 「おい、サンジ。 大丈夫か? 立てるかよ?」 「ああ、ヘマした。 わりい・・・。」 「本当、そうだぜ。 お前らしくもない。 捻挫してんじゃないのか? 保健室で診て貰えよ。」 体育の時間、サンジは、得意の筈のサッカーで足首を捻挫する。 「保、保健室?! ・・・・いや、いいよ。 家でシップ貼って・・・」 「ばぁか。 痛くなって歩けなくなるぜ。 早く行って来いよ。」 「・・・・・・わかった、そうする。」 一度は、保健室に行くのを拒んだものの、あまり拒むと逆に怪しまれると思い、サンジは渋 「すいません、捻挫したみたいで・・・」 サンジはそう言って保健室のドアを開ける。 「ほら、怪我人が来た。 君たちは、もう授業に戻りなさい。 僕も仕事に戻らないと。」 ゾロは、女生徒にそう声を掛け、教室に戻るよう促す。 「・・・・じゃあ、またお昼休みにお邪魔しますね。 さっ、行こう。」 女生徒達は、ゾロにそう言って教室に戻っていった。 「さてと・・・・捻挫したのか? ちょっと診せて見ろよ。」 ゾロはそう言って、サンジの足首に触れる。 「ばぁか、なに緊張してんだよ。 初めて逢った訳じゃあるまいし・・・。 ちょっと強く、腱を曲 ゾロは苦笑しながら、サンジの足首を曲げた。 「いて! いてえって!! いてえって言ってるだろ!!」 サンジは、触れているゾロの手をバシバシと叩きながらそう叫ぶ。 「・・アキレス腱と骨も大丈夫のようだな。 単なる捻挫だろう。 シップ貼ってやるから・・・。」 ゾロはそう言って、薬箱からシップを取り出した。 「だから初めから捻挫だって、そう言ったじゃないか・・・。全く・・・あー、痛かった。」 「ククク・・・やっと、らしくなったじゃないか。」 口を尖らせて文句を言うサンジに、ゾロは笑顔でそう言って、足首にシップを貼った。 「うるさいな。 てめえだって、『僕』とか言って、女子生徒に鼻の下伸び放題だった癖して 「お前なあ。 てめえって言い方止めろよな。 ロロノア先生、若しくはゾロ先生とそう呼べ ゾロはそう言うとサンジのおでこを指で弾く。 「いてえな・・・。 じゃあ、ゾロって呼ぶ。 昨日、それで良いって言ってたよな?」 サンジは、額を撫でながらゾロにそう言い返した。 「そりゃあ、言ったが、それは学校外ならそれでも良いが。 学校で呼び捨てはまずいだろ。 「てめ、じゃなかった。 ゾロ、俺が、理事長の息子だって知ってたのか?」 「ああ、理事長に教えて貰ったよ。 問題児だってね。 何が不満なのか解らないけど、大人 ゾロはそう言ってサンジに包帯を巻き終わると、立ち上がってサンジの頭を軽く叩く。 「何が、わかるというんだよ・・・。 てめえに・・・・昨日来たばかりのてめえに、俺の家族の ゾロの言葉に、サンジは立ち上がって怒鳴り散らす。 「あのなぁ・・・。 俺は、別に理事長に頼まれてもいないし、お前が、ひねくれようと素行が ゾロは、サンジの瞳を見据えた上でそうはっきりと言い返した。 『俺は、・・・知った事じゃない。』 ゾロのその言葉だけがサンジの中で深く響いていた。 「・・・・・まっ、今度は、怪我するなよ。」 ゾロはそう言って、俯いているサンジの頭にそっと手を置く。 「っ・・・触んな!! てめえなんか、先生じゃねえ!! 二度と来ねえ!!」 サンジはその手を思い切り振り払うと、ゾロを睨み付け保健室を出ていった。 「あ、ちょっと、サン・・・。」 ゾロは、サンジの背中にそう声を掛けようとして、途中で止める。 |
<コメント> はぁ〜・・・これ、実を言うと去年の12月ぐらいに構想練ってた奴で、 1月に書きかけてずっと放置プレイしてた奴なのよね。 本当、今更って感じで続き書き始めたんだけどサ・・・。 やっぱ、半年期間開けると難しいなぁ。気分的にも。 それでも、いつまでも放置してるわけにもいかず、 コツコツとお届けしていきます・・・です。 脱兎!! |