もう一度キスしたかった・・・ その1 |
「・・・・・うるせえんだよ! しつけえな、てめえ。 あーっ、やめやめ。 こんな授業、受けて たまるか!」 サンジは、そう言って、教室を出た。 「ま、待ちなさい! サンジ君!!」 そう言って止めた先生の言葉も、サンジには届かない。 「・・・・・クソッ。」 サンジは、吐き捨てるようにそう言って、校門をくぐる。 「おい! 何処に行くんだ。 授業中だろ?」 サンジは、不意に声を掛けられ、腕を捕られた。 「放せ! 誰だ、てめえは。」 サンジは、捕まれた腕をふりほどこうと、ぶんぶんと腕を振った。 「・・・・口のきき方を知らねえ奴だな。 お前なあ、目上の人には、そう言う言葉、使うんじゃ 男は、サンジの腕を掴んだまま、そう言った。 「・・・・・腕を放せよ。 そうしたら、連れてってやる。」 サンジは、そう言って、その男を睨み付けた。 「ああっ・・・すまねえ。 ・・・・・忘れてた。」 男はそう言って、やっとサンジの腕を放す。 「・・・・・ついて来いよ。」 サンジは、そう言って、その男と共に、学校を後にした。 サンジは、男にそう言った。 「・・・『あんた』って・・・・・俺は、ゾロだ。 美味いもんなら、何でも良い。 そう言うお前は、 「・・・・サンジ。」 サンジはそれだけ言うと、高そうなフレンチレストランに入っていく。 「ちょ、ちょっと、待てよ、サンジ。 確かに美味そうな店だが、値段も高そうだぞ。 ゾロは慌てて、サンジの腕を掴む。 「ククク・・・・大丈夫だよ。 ここの店、親父の店なんだ。 味は、良いぜ。 俺が、保証する サンジは、そう言って笑った。 「・・・・・でも、遠慮しとく。 金もねえのに、こんなとこで、俺は、飯なんか食えねえよ。 ゾロはそう言って、一人で歩き出した。 「・・・・・・ちょっと待てよ。」 サンジは、ゾロの後ろ姿にそう声を掛ける。 「・・・・なんだ?」 ゾロはそう言って足を止めた。 「あんた、見た目よりずっと、しっかりしてんだな。 ・・・・ついて来いよ。 とびきり美味いと サンジはそう言って、ゾロの前を歩きだした。 「・・・着いたぞ。」 サンジは、そう言って、一軒の家の前に止まった。 「ここ、どう見たって、店じゃないだろ? 一体どう言うことだ??」 ゾロは、サンジの意図が分からずに、そう尋ねる。 「・・・・ここは、俺の家だ。 ・・・・・今は、誰もいねえから。 ・・・・・上がれよ。 飯・・・・食い 「・・・・・だから、何で、お前の家に俺が、来たんだ? もっと、わかるように説明しろよ。」 ゾロは、サンジの言葉に、ため息を吐いてそう言った。 「ああもう、作ってやるって言ってんだよ。 こうみえてもなあ、俺は、料理には自信が有るん サンジは、いらただしげにそう言うと、ゾロの腕を掴んで、玄関のドアを開けた。 「ほらっ、さっさと靴脱げよ。 ・・・・・料理できるまで、そこのリビングで、待ってろ。 サンジは、そう言って、ダイニングキッチンの中に入り、なにやら作り始める。 「・・・・・何か、悪いな。 ・・・・でも、家の人、もうすぐ帰って来るんじゃないのか?」 ゾロは、ソファーに腰掛けて、すまなそうにサンジにそう言った。 「・・・・別に・・・・・・親父もお袋も、仕事で、帰ってくるのは、20時過ぎだから、問題ねえ サンジは、フッと寂しく笑ってそう言った。 「・・・・・・・お前、それで、寂しくねえのか?」 「ああ、もう、慣れちまった。 ・・・・・それにどっちみち・・・・・いや、なんでもねえ。 サンジはそう言って、冷蔵庫からビールを取り出すと、ゾロに差し出す。 「サンキュー。」 ゾロはそう言ってビールを受け取った。 「さあ、遠慮せずに食えよ。 結構、いいせんいってるって思うぜ。」 サンジは、そう言って、缶ビールのふたを開ける。 「あっ、お前、まだ未成年だろが・・・・・ジュース飲めよ、ジュース。」 「何そんなジジ臭い説教なんかたれてんだよ。 良いから食えよ。」 サンジは、ゾロの言葉にフンと鼻を鳴らしてあしらった。 「じゃ・・・・頂きます。 ・・・・・・美味い。 これ、本当に、美味いな。 うん、これ、いけるぞ。」 ゾロはそう言って、ガツガツと食べ始める。 「なっ、そうだろ?」 サンジは、そう言って、にっこりと笑う。 「??なに、どうしたんだ??」 「・・・・お前って、結構可愛いな。」 ゾロは自分が思っていることを、そのまま口にする。 「・・・か、可愛い???」 サンジは、素っ頓狂な声を上げた。 「ああ、お前、可愛いよ。 クク・・・・それに、面白れえ・・・・」 ゾロは、サンジのあたふたと慌てる態度に、笑いを堪えながら、そう言った。 「て、てめえに、なんか言われたくねえ! そんな事言ったって、ちっとも嬉しくなんかな サンジは、そう言葉で否定しながらも、恥ずかしさで、耳まで真っ赤になった。 「ああ、美味かった、ごちそうさん。 ・・・・さて、学校に戻るとするか。 お前も戻らなきゃい ゾロは、そう言って、シンクに自分が食べた食器を持っていく。 「・・・・・別に・・・・学校なんて・・・・・」 サンジがそう言って、ソファに寝そべった。 「ダメだ、学校は、ちゃんと行かなきゃ・・・・・ところで、金は、いくら払えばいい?」 「別に良いって・・・・・俺が、勝手に誘ったんだから・・・・気晴らしにもなったし・・・・」 「けど・・・・・」 「俺が、良いって言ったら、良いんだよ! そんなに言うんだったら、今度は、俺に飯、驕って サンジは、そう言って、財布から金を取り出そうとするゾロを制した。 「・・・とにかく、学校に行くぞ。 俺、ここからどうやっていくのか、全然覚えてないし、俺は、 ゾロはそう言って、サンジの髪を軽く撫でた。 「あっ、ごめん、触れられるの嫌だったか・・・・」 「いや、違っ!・・・・いや、気にするな、びっくりしただけだ。 ・・・・人に触れられたのは、 サンジは、そう言って寂しそうに笑った。 「?何で? 家族がいるだろ? ・・・・・そうか・・・・ごめん。 そうだな、気が付くの、遅い ゾロは、やっとそこでサンジにとっての家族が、どういうものであるのか、理解した。 ゾロはそう言って、にっこりと笑うと、またサンジの頭をポンと叩く。 「ふ〜ん・・・・そうなんだ。 新しい保健室の先生って、おばちゃんかと思ってた。 サンジは、そう言って笑うと、ゾロの腕を引っ張って玄関に向かう。 「おいおい、おじさんはねえだろ? 俺は、まだ、26歳だ。 ゾロで良いぜ、不良生徒の ゾロはそう言ってニヤリと笑うと、サンジとともに、学校に向かった。
|
<コメント> はてさて、またまたパラレル書き始めたんですが・・・・・ 今度は、保健室の先生と生徒のお話・・・・・ 今のとこ、どういうふうになるのか、ルナでも検討が・・・つかな・・・(-_-;) あっ、いやね・・・・だいたいは決めてんだけどね・・・・どうしたものか・・・・ ちょっぴり・・・・不安・・・・(笑) サンジ君、いきなり知らない人をお家に招いちゃいけません。(笑) |