始まりは、ジャパネスク その5 |
暫くして、ドカドカというあわただしい足音と共に、誰かが部屋に入ってくる気配がした。 ボーっとしてまどろんでいたサンジには、それが誰だかわからない。 その人物は、いきなりサンジを抱きかかえると、ナミに向かってこう言った。 「ナミ! すぐに、車の用意を!! それと、サンジの荷物を持って、俺と一緒に来 サンジは、その声を聞いて、やっと我に返った。 「・・・・ゾ・・・ロ・・・・?」 「やっぱり、このまま置いていくことなんか出来ない・・・この国にいる間だけで良 ゾロはそう言うと、ナミが用意した車にサンジを乗せ、京に向かった。 「俺は、今から、宮中に参内しなければいけないから、一緒には、いてあげられな ゾロは、サンジとナミにそう言うと、部屋から出ていった。 ここは宮中・・・ 「何でも、ウソップ殿の宇治の山荘で、お二人ともお籠もりだったとか・・・ひょっとし そう言って、右大臣が、ウソップに話を振る。 「えっ、ああ・・・別に・・・そんなことは・・・それよりも、お上。 今度の除目で、先の ウソップは、あわてて話題をほかのものにすりかえた。 「「只今、参内いたしました。」」 そう言って、ルフィとゾロは、お上に恭しく挨拶をした。 「おおう、ようきた。 はよう、これへ・・・」 そう言って、シャンクスは扇で中にはいるよう指し示すと、 「ああ、じいさん達の話しばっか聞かされてたんだ。 ルフィ、ゾロ。 お前ら、この1 そう、帝らしくない親しさで、二人に話す。 「鋭いなー、シャンクスは・・・ 俺達、すんげえいいもん見つけちゃってさー・・・」 「ルフィ! 止せ!!」 瞳をキラキラと輝かせ、ニカっと笑って話すルフィに、ゾロは遮るように口を挟んだ。 「なんだー、ゾロ。 この俺にも話せないようなことか?? 俺はまかりなりにも、帝だ シャンクスは、ガキ大将のようにゾロにそう言うと、ルフィに話すように言った。 「・・・それでさあ、サンジって言う、すんごく綺麗な奴でよう、俺、一目見て気に入っ ルフィは、そう言いきって、ニカっと笑った。 「夜、夜這いって・・・サンジって、姫なのか???」 シャンクスがすぐにつっこむ。 「う〜ん、そうじゃなくて・・・姫の格好してんだけど、姫じゃないんだ。 ・・・でも、凄く 「姫のようで、姫じゃない??? なんだ?それは・・・ おい、ウソップ。 そのサンジ シャンクスは、要領の得ないルフィを諦め、権大納言であるウソップに話を聞くことにした。 「えっ・・・あの・・・その・・・なんというか・・・そのお人は、なんでも、よその国から来 そう言って、ウソップは、帝シャンクスに話し始めた。 「・・・・・・・・」 その様子を、ゾロは一人、苦虫を噛み潰したような顔をしてウソップとルフィを睨んでいた。 (本当に、むかつく馬鹿な親子だぜ。 そんなことを言ったら、好奇心が旺盛な帝のこ 「・・ゾロ・・・ゾロ・・・聞いておるのか? おい! ゾロ!!」 不意にシャンクスから名前を呼ばれ、ハッと我に返ったゾロは、あわてて返事をする。 「なにか?」 「・・・もう、なにかじゃねえよ・・・聞いてなかったのか? お前、暫くサンジ姫の身辺 「御意。」 そう言うと、シャンクスは、皆を下がらせた。
そう言って、シャンクスは、命婦に筆と紙の用意をさせた。 サンジは、このところ毎日来る文の多さに、頭を悩ませていた。 「相変わらず、モテモテだな・・・」 ゾロが、サンジの顔を見ながら宿直にやってきた。 「ああ、誰かさん達のおかげでな・・・俺は、すっかり時の人って訳だ・・・」 サンジは、嫌みっぽく、ゾロにそう言った。 「・・・すまん・・・」 「別にてめえのせいじゃねえだろ。 ・・・それにしても・・・何で、皆、こんな見たことも サンジは、おずおずとゾロに尋ねる。 「・・・いいや・・・俺は・・・俺の好きな奴は、そんなの嫌いみたいだから・・・ そう言って、ゾロは真っ直ぐにサンジを見た。 「・・・はっ・・・そうか・・・てめえにも好きな姫・・・いるんだ・・・そうか・・・」 サンジはそう言うと、そのまま几帳に陰に隠れてしまった。 (・・・そうか・・・そうだよなあ・・・あの年で、左近少将やってるくらいだから、家柄も サンジは、俯いたまま、脇息に頭をつけた。 「ッ・・ゾロ・・・」 サンジは、あわてて目元を押さえて、後ろを向いた。 「どうしたんだ、サンジ! なにかあったのか?」 ゾロは、脇息にサンジの涙の跡を見留めると、そのままサンジを抱きしめた。 「・・・別に・・・何でもねえんだ・・・ ・・・ごめん、ゾロ・・・てめえ、夜、俺のところで、 サンジは、震える声で、ゾロにそう伝えた。 (好きな姫? 行って良い?? こいつ、何言ってんだ?) ゾロは、サンジの言っている意味が分からず、首を捻る。 「・・・お前がここにいるのに・・・何で俺が、よそに行くんだ?」 ゾロは、思ったままを口にした。 「・・・だって、俺とここにいると・・・お前・・・好きな・・・好きな姫のところに行けないじ サンジは、そう言うと、肩を振るわせて泣いた。 「馬鹿、何泣いてんだよ・・・好きな奴なら、ほら、ここにいるじゃないか・・・。」 ゾロはやっとサンジが泣いている意味を理解して、ギュッと抱きしめた。 「えっ・・・今なんて・・・」 サンジが驚いてゾロの方を振り返った。 「・・・だから・・・俺の好きな奴は・・・お前だ、サンジ・・・」 そう言って、サンジのおでこに、こつんと自分の額をくっつけた。 「・・フェッ・・・・・」 |
<コメント> ぐはあ・・・砂吐きまくり・・・生き埋めになった人いませんか〜(笑) 書いてて、すっかり埋まっちまった・・・ でも・・・シャンクスが帝で、世の中上手くいくのか? ちょっと、自分のキャラ選択に疑問を持ってしまった・・・ でも、ゾロサンは、こうでなくっちゃvv おでことおでこをあわせるの・・・最近これに酔ってます・・・ 純情路線まっしぐらな気がするのは・・・ルナだけ??かな・・・(笑) いよいよ、平安編、クライマックスに入りますvv もう少しだけ、おつきあいを・・・って、 また長くなったりして・・・(笑) |