始まりは、ジャパネスク その2 |
「・・・ここに、匿っちゃくれねえか?」 サンジは、さも悲痛な表情を浮かべ、ウソップの同情をかう作戦にでた。 「そない恐ろしい目にあわはるとは・・・なんて、あわれな・・・わかりました。 そう言って、ウソップは、お付きの女房ナミを呼んだ。 「ナ、ナミしゃんっv」 女房の顔を見て、サンジは驚いて、声を上げた。 「は、はい。 確かに、私はナミともうしますが・・・どちらかで、お会いしましたでしょう 女房ナミは、丁寧にサンジに、受け答えした。 「あっ、いえ。 良く知っている人にそっくりだったので・・・」 サンジは、あわてて弁解すると、ナミについて、湯浴みに向かった。 「ぷはあ〜。生き返ったぜ〜。」 サンジは、湯船に浸かると、フーッと息を吐いた。 「それにしても、ラッキーだったぜ。 あんなお人好しの貴族のとこだったなんて・・・ サンジは、そう、一人呟くと、湯船から上がった。 「んっ?! これ着れってか?!」 サンジは、その着物を身につけた。 「げっ!! マジかよ。 これ女物のうちぎじゃん。 何で女物なんだよ・・・俺、着方、 サンジは、風呂場から叫んだ。 「はい。こちらに。」 そう言って、ナミが、2、3人の女房を連れて、入ってきた。 「では、失礼いたします。」 そう言うと、ナミは、他の女房と共に、サンジに着物を着せた。 「はあ・・・重てえ・・・この時代のレディ達は、皆、こんな重たいもん着てたのか・・・ サンジは、そう呟いて、ナミの後ろについて歩いていく。 「殿様。 お支度できました。」 そう言って、ナミは、恭しくウソップにお辞儀すると、サンジを部屋に通した。 「おおっ、これは・・・すっかり見違えましたよ・・・まさか、ここまで変わられるとは・・・ ウソップは、サンジの姿を見て、驚嘆の声を上げた。 「あんさんには、これから、わての遠縁の姫さんとして、暮らしてもらいやす。 そう言うと、ウソップは、ナミにサンジの世話を頼んで、京に向け、出立していった。 (・・・なんで、そうなる・・・まっ、いいか。 迎えが来るまでの辛抱だし。 サンジは、御簾を下ろした几帳の中で、脇息にもたれ掛かると、訪れる眠気に、そのまま身 「姫様。・・・早く、奥の几帳の影に・・・」 そう言って、ナミが、あわてて部屋に入ってきた。 「姫様、早く!! ああっ、ルフィ様が、来てしまいますわ!!」 ナミは、御簾の中に入ってくると、一人、パタパタと、サンジのまわりに、幾重に 「おもうさ〜ん(お父さん)!! おもうさんが、ここに隠れてんの、知ってんだぞ〜。 そう大声で叫んで、誰かが部屋に入ってきた。 「ルフィ様。 ここには、殿様は、おられません。 もう先程、京に向け、出立なされま そう言って、ナミは、御簾の前に立ちふさがった。 「・・・ナミ。 隠しても、ダメだぞ。 父様は、そこか。」 そう言って、ルフィは、ナミを押しのけると、御簾をあげ、几帳を蹴倒し、サンジの前に立っ 「誰だ? お前。 見ない顔だな・・・それにしても・・・綺麗だな・・・おし! お前、俺 そう言うと、ルフィは、サンジの腕を取り、抱き上げようとした。 「・・・ナメんなよ・・・ルフィ・・・てめえ・・・俺は、レディじゃねえ! てめえのようなマ そう言って、ルフィの腹めがけて、サンジは、渾身の蹴りを食らわした。 「グフッ!!」 ルフィは、御簾と共に、庭まで吹き飛んでいった。 「ル、ルフィ・・・様・・・」 ナミは、そう言って、庭に倒れているルフィに、駆け寄っていった。 「チッ、ナミさんの次は、ルフィかよ・・・どうなってんだ?」 サンジは、ブツブツと独り言を言った。 「ひ、姫・・・様・・・その格好・・・」 「あん?!」 サンジは、ナミに言われて、ハッと、自分の姿を確認した。 「ゲッ、まじ・・・」 サンジは、あわてて着崩れを直そうとしたが、自分では、どうにも出来ない。 「・・・姫様。 もう、このようなことは、なさいません様に・・・女性の着物は、動くこと そう言って、着崩れたサンジの着物を直してくれた。 「ナミさん・・・その姫様って言うのは、やめてくれよ。 サンジで良いよ。」 サンジは、そう言って、ナミの手を取った。 「わかましたわ。 姫、いえ、サンジ様。 では、私、ルフィ様が心配ですので、これ そう言って、サンジの手から、スッと手をはずすと、さっさと部屋を出ていった。 「・・・やっぱり、いつの時代でも、ナミさんは、ナミさんだよな〜っv ああ、平安時代 サンジは、鼻の穴を膨らませ、また、脇息にもたれ掛かった。 「うわあ、綺麗だよなあ・・・・」 サンジは、思わず、声を上げた。 (くそおっ、動きづれえ・・・ゲッ! 誰か、来やがった。 こんな格好、見られたくね 着物の裾を踏んづけそうになりながら、サンジは、部屋に急いだ。 (ゲッ。 しまった、転ぶ!!) サンジは、思わず目をつぶった。 |
<コメント> 先に、ルフィとナミが登場しました・・・(笑) 平安モノって好きなんだけど、時代考察をしてないから、 ところどころアレ?って思うとこがあると思います・・・ もう少し、古典、しっかりとやっとくんだった・・・はあ・・・ 姫サンジッv 一度やっときたかったんだよな・・・ それでは☆ |