ジャパネスク ふたたび −平安時代編− その6 |
「・・・・・・なあ、どうしたんやろか、ゾロはんは・・・・」 「あの管弦の宴以来、ずっと物忌みやなにやらで、全然、宮中にもおみえにならはり 「なにやら、宮中の華やぎも今ひとつ冴えませんなぁ・・・・・」 「今上におかれましては、ゾロはんが、殿上なさらなくなって、イライラのしどうしで。」 「全く、あのお役目一途で真面目なゾロはんが・・・・・一体、どうしはりましたのやろう 「お父上の右大臣殿も、たいそうご心配だとか・・・・」 「鴛鶯殿で、ゾロはん一人、お過ごしで、何人たりとも近づけぬとか・・・・なんや、 「真面目な方に限って大病を患うといいますからなぁ・・・」 宮中の貴族達の間で、囁かれているのは、衛門の督、ゾロの事。 「・・・・・なあ、サンジ。 やっぱり、ゾロらしくないと思わないか? あんなに、お上至 宮中で、宿直をしていたルフィが、同じ宿直中のサンジにそう聞く。 「ああ、俺も、それは考えた。 けど、あいつなら、病に罹ったら罹ったで、シャンクス 「いや、早いほうが良いな。 サンジ、お前、今すぐ、鴛鶯殿に向かえ。」 サンジの言葉に、そう言って妻戸から現れたのは、兵部卿宮のエースだった。 「お前程じゃないが、俺も、嫌な予感がする。 それに、昼間は警備が物々しい。 「・・・・エース・・・・・」 「まっ、世の中には、モノ好きな奴が、たくさんいるってことだ。 宿直は、俺とルフィ エースはそう言って、サンジの肩をポンと叩いた。 「・・・ありがとう、エース・・・・」 サンジは、そう言ってにっこりと笑うと、車宿に向かう。 「あ〜・・・・俺ってば、なんて、いい人なんだろう。 ・・・・けど、あの管弦の宴の時に 「ん?ああ、サンジだろ? あいつ、初めからゾロにだけ、タメ口聞いてたし・・・・ 「・・・・お前、飄々として、俺にトドメ刺しただろ・・・・・クソッ! 良いんだ、俺は・・・・ エースとルフィは、そう言って、宿直の夜が明けるのを待った。 サンジは、鴛鶯殿のすぐ近くの路地で車を降りると、従者にそう言って待機させた。 「・・・・酷え。 一体何が起こったんだ・・・・」 木々という木々は全てその枝から葉が抜け落ち、草花は、皆、精気を吸われたように枯れ 「クックック・・・・やはり、来ましたね。 貴方を待っていたのですよ。 ・・・・絢姫。」 初めから予想していたかのように、黒い邪気の中心にいる闇が、サンジに向かってそう 「絢姫・・・」 サンジが、その言葉にピクッと反応する。 「っ・・・・・サンジ・・・来るな・・・・・こいつの・・・狙いは・・・・お前・・・だ・・・・」 サンジが、その声の方に瞳を向けるとゾロが、息も絶え絶えに、床に伏している姿が瞳に入 「フッ。 まだそんな口が利けるのか。 たいしたものよのぅ・・・・ 初めに、我にその 闇はそう言ってスッと手をゾロに差し伸べる。 「ッ・・・クッ。 ・・・・・サンジ・・・・・逃げろ・・・・・身体が、言うこと・・・・効か・・・な ゾロは、サンジの瞳を見つめながら、そう呟く。 「・・・・ば〜か、俺は、絢姫じゃねえから、てめえの思うとおりには、殺されない。 「嘘だ! その金色の瞳は・・・・あの方が愛していたその瞳の色を、我が見間違うは 闇は、そう言うと、ゾロを操り始める。 「・・・・ったく、聞く耳持たねえって感じだな。 女の嫉妬ほど醜くて、しつこいもんは サンジは、近づいてくるゾロにそう言ってにっこりと笑った。 「・・・・・・・・・それは・・・・・俺が考えている通りに解釈して良いんだな・・・・・・」 サンジの言葉に、ゾロはそう呟くと、ギリッと歯を食いしばる。 「ええい、何をしておる。 そなたには、我に抗う力は残されてないはず・・・・・」 闇がそう言って、初めて怯んだ。 「愛の力って言うのは、偉大なんだよ。 よおっく、覚えとけ! ゾロ、後ろにある几帳 「承知!!」 サンジの言葉に、ゾロは、几帳ごとその空間を断ち切った。 「ぎゃああぁぁぁ・・・・・・東・・・宮・・・・様・・・・」 闇は、その言葉を残して、消えていった。 「おい、大丈夫か、てめえ・・・・・」 サンジは、慌ててゾロに駆け寄り、その肩を貸す。 「・・・・・約束・・・・・忘れるなよ・・・・・」 ゾロはそう言ってニヤリと笑うと、そのまま意識を失った。 「まあ、ここまで愛されたんじゃ、しょうがねえよな・・・・・」 |
<コメント> オ、オカルトもの??になってしまった。(滝汗) すみません・・・・・・何かこう言う展開になろうとは・・・ ルナも、予想外だった。(死) まあ、平安モノには、摩訶不思議なことが起きるのは常識で・・・ ああ、本当に、何と言っていいのか・・・・・ 一連の事件は、先東宮妃の起こした事件と言うことで、 サンジの母親の絢姫と先東宮が幼なじみだったことや、 先東宮がいつまでも、絢姫を忘れられなかったのが原因かな。 政略的に、左大臣の姫を后に迎えたものの・・・という、 ちょっっぴり複雑な人間模様が、あるんですね。 と言ううんちくは、このくらいにして、次回で、お終いにします! では★ |