ある日、突然・・・Suddenly その3. |
それから、ゾロはチョッパーに診察をして貰い、心身ともに異常も見つからず、かと言って、 一向に身体が元に戻る気配さえ見当たらず、日にちだけが数日と過ぎていく。 会社の方も、ゾロが元に戻るまでは、と在宅勤務が命じられ、ゾロはメル等のやりとりで仕 事をこなす事になった。 そんなある夜・・・。 ゾロが、夜中トイレに起きた時だった。 何気に隣りで眠っているサンジを見てみると・・・・ サンジの目元に涙が浮かんでいた。 何か怖い夢でも見てるのかと、そう心配になり、身体を揺り動かそうとした瞬間、サンジの口 から声が漏れた。 「ッ・・・・・・ゾ・・ロ・・・」 居た堪れなかった。 「サンジ・・・・ごめん。 今の俺には、こんなお前を抱き締めてやれる事さえできやし ゾロは伸ばしかけた手を戻し、その手のひらをじっと見つめ、夜を明かした。 ・・・・・翌日。 「サーしゃん、玄関の電気、切れてたよ?」 そう言ってラピスが、夕食の準備をしていたサンジの元に知らせにやってきた。 「ん? そうか。 じゃあ、換えねえとな。 オーイ、ゾロ! 悪いけど玄関の電球取り 「ん・・・・・わかった。」 サンジの言葉に、ゾロはそう返事してリビングの椅子のところへ・・・・・ 「ん?? 何を後ろでゴソゴソと・・・・・」 その音に気がつき、サンジが振り向くと、そこには必死に重たい椅子を引き摺って玄関に向 「ぁあ!! 悪い!!ゾロ! 俺、つい、いつもの調子で・・・・。 俺がやるから・・・」 そう声を掛け、軽々と椅子をゾロの手から取り上げ、サンジは玄関に向かった。 「・・・・・・どうしたの?ローたん? ねぇ・・・・ローたん、あそぼ?」 「うるさい!!」 「ローたん・・・・?」 急にゾロに怒鳴りつけられて、ラピスは怯えた表情でゾロを見た。 「・・・・・ごめんな、ラピス。 別にお前に怒鳴った訳じゃ・・・・ごめん。 今日は遊べ ラピスの頭を撫で、ゾロは自分の寝室へ向かった。 そう呟いて、ゾロはグッと唇を噛み締める。 「誕生日おめでとうな!ラピス!! ところで、おめえ何歳になったんだ?」 「おめでとう、ラピスちゃん。 はい、これ、あたしたちからのプレゼントよ。」 「ありがとう、ナミさん、ルフィ。 今日は楽しんでいってくださいね。」 「いよう、サンジ、そして、ラピス。 誕生日おめでとう。 俺からは、このハンドメード 「ありがと、ウーたん。 ラピね、こんなの欲しかったんだ。」 「まぁ、皆、上がれよ・・・・・・・ゾロもリビングに居るから・・・・」 お祝いにやってきたルフィとナミとウソップを、サンジはそう言って部屋に招き入れる。 「うおっ!! 本当にチビになってんだ・・・」 「やだぁ・・・・可愛いじゃないの・・・・」 「本当に・・・・・お前、ゾロか? 隠し子とかじゃ・・・・良いんだぞ、本当の事言って。 「だから、ゾロなんだってば・・・・」 「エーッ!! マジゾロなのかよ!!」 「「一番驚いてるじゃん!!」」 三者三様そう驚きの声を上げ、リビングに居るゾロを見つめる。 「お前ら・・・・・・・ったく・・・・今日はありがとうな。 楽しくやってくれ。」 「「「当然!」」」 「じゃあ、このシャンパンで乾杯しよ。 ラピスは、これな。」 タイミング良く、サンジがグラスに飲み物を持って現れる。 「んじゃあ、ここは俺が音頭を取る。 ロロノア家のアイドル、ラピスちゃんの誕生日 「「「「「かんぱーい!!!」」」」」 ウソップの号令に、皆、割れんばかりにグラスを押し付け、ラピスの誕生パーティーは幕を切 「ロロノアさーん! お届け物でーす!!」 「はーい、今開けます・・・・誰からだろ?」 サンジは、すぐに玄関で荷物を受け取るとリビングへ持っていく。 「誰から?」 「んー・・・・差出人が・・・・美・・・・夜? ミヤって読むのかなぁ? 薄くてよくわかん 「ミヤか・・・・・俺、知らないな、そんな名前・・・」 「けど、ロロノア・ゾロ様って、宛名はしっかりと書いてあるぜ?」 「どれ見せて? 会社関係の人かなぁ・・・・」 「・・・・・・どっかの女の人だったりして・・・・・ホイ・・・」 サンジは、そう言って箱をゾロに渡す。 「開けて見れば?」 そう促され、ゾロが中を恐る恐る開けてみると、そこには、ラピス宛と思われるメッセージカー 『誕生日、おめでとう。 プレゼントは気に入って貰えたかな?』 「?? これって・・・・・ラピス宛だよな? 本当に、てめえこの美夜さんって人に覚え 可愛い縁取りのメッセージカードをゾロの前にちらつかせ、サンジはそう言ってにっこりと笑顔 「ゾロ・・・・・・悪い事は言わない。 さっさと白状して、謝れ? 誰にだって、一度や 「無い!!!絶対に無い!! 変な事言うなよ!!ウソップ!! サンジ!信じてく 頭に手を置くウソップの身体を突き飛ばし、ゾロは必死になってサンジに告げる。 「ふ〜ん・・・。 関係ねえ人が、わざわざ子どもの誕生日に、ビデオレターね・・・? 「サンジ〜・・・・頼むから信じてくれよ・・・・・」 そう言い縋るゾロを一蹴し、サンジはビデオをセットした。 『なぁ、ゾロ。 大きくなったら何になりたい?』 もやがかる浴室で、誰かが小さなゾロと一緒に風呂に入っている。 『んとね・・・・・ぼく、おおきくなったら、ぱぱみたいなつよいおとこになるんだ。 『クスクス・・・・・そうかぁ。 ゾロはパパみたいになるのかぁ。 うん、なれるぞ、きっ 『うん!!』 ざばぁと湯船から立ち上がり、二人は浴室の前で、身体を拭いている。 「・・・・・・これってさぁ・・・・・ゾロの小さい頃のビデオ?」 「ああ・・・・・そうみたいだな。 っつうことは・・・・・・贈り主は、おふくろか・・・」 「ん・・・・けど、なんだって、美夜だなんて・・・・」 「さぁ? あの人の考えてる事はわからない事あるからな。 ったく、人騒がせな・・」 とりあえず、自分の濡れ衣が晴れた事にホッとしたゾロ。 ビデオは、まだ回っている・・・・ 『ぼくも、ぱぱみたいにおおきくなる?』 『ああ、パパとママの子だからね。 きっと大きくなるよ。』 ゾロの父親は、優しく小さなゾロの身体を拭きながら、そう返事をする。 『んじゃ、ちんちんもぱぱみたいにおおきくなる?』 「「「「ゲホッ!! ガハッ!! なんて事を・・!!!」」」」 「やだぁ・・・・ゾロってば・・・・」 ビデオから、聞こえた小さなゾロの台詞に、ラピスを除く全員が一気に飲み物を噴出した。 『あー・・・・・ちんちんかぁ・・・・。 ん・・・そうだな・・・・たぶん・・・・・』 返答に困り、ゾロの父親も苦笑している。 「アハハ!! 面白えな!このビデオ!! ところでよ、実際、大きくなったのか 「いやだもう・・・ルフィってば・・・・下品なんだから・・・・」 「いやそれはもう、充分すぎるほど・・・・」 「サンジーッ!!!」 「・・・・・・・充分を越えてんのかよ・・・」 それぞれいろんなコメントをしながら、リビングは笑い声で包まれた。 「あー・・・本当、笑わかして貰ったぜ。 けど、なんで、これがラピスのプレゼント 「んなの、知るかよ。 さっさと取り出してしまっとけよ。 んなもん、二度と見せない 「ん・・・・・」 サンジがそう返事して、ビデオに手を伸ばそうとしたら、いきなり、映像が映し出された。 『ゾロ・・・・・・幸せかい? まぁ、その様子じゃ幸せなんだろうけど。 ・・・・本当に良 ビデオは、それだけで、また途切れた。 「・・・・・・・なんだったんだろ・・・・あの映像・・・・」 ポカンと狐に包まれた気がしながら、サンジはビデオを取り出して、ゾロの方を振り向く。 「あっ!! あっ!! ぁあっ!!!」 口をパクパクさせながら、サンジは思わずへたり込んだ。 「ん? どうした?サンジ??」 怪訝そうにゾロは返事をして、サンジに近づこうと身体を動かした。 「うわっ!! 俺、元に戻ってるじゃないか! 俺、元に戻ったんだ!! やった!」 大喜びで、サンジに駆け寄るゾロ。 「・・・・・・・見なくていいもの、見ちゃったわね。」 「ああ・・・・・見た。 サンジの言葉どおりだった・・・」 「・・・・・・立派に、あのチビゾロの願いは一つ叶ったって訳だ、うん・・・」 元に戻ったゾロとサンジを見つめながら、ナミ、ルフィ、ウソップの三人は、冷静にその不思 「ローたんが・・・・・ローたん?? ローたん・・・・・ローたん、おかえりなさーい!!」 目の前で起こった出来事に不思議そうな顔をしながらも、ラピスも久しぶりに現れたゾロに 「おう、ラピス。 ただいま!」 そんなラピスをサッと抱き上げて、ゾロはその頬に軽くキスをした。 「ところで、ローたん、なんで、はだかなの? おふろはいってた?」 ラピスからそう指摘され、ゾロはやっと自分の格好を思い出す。 「うわっ! ヤバッ! ちょっち着替えてくる!!」 慌てて近くにあったクッションで前を隠し、ゾロは大急ぎで寝室へと向かった。 「フッ・・・・今更、よね・・・初めに気がついて欲しかったわ。」 「おう、しっかりと見たもんな、ゾロのちん・・・痛ぁ!! ナミ、なにすんだよ!!」 「子どもの教育上、良くないでしょ? まったく・・・」 「お、男は大きけりゃ良いってもんじゃ・・・・・・チクショー・・・負けた・・・・」 「アハハ!! 皆ってば、もう・・・・」 サンジを始め、他の皆も一斉に笑いあった。 それから、着替えたゾロもリビングに戻ってきて・・・・ |
<コメント> えっとぉ・・・・ええっとぉ・・・・・・(汗) なんつうか・・・・その・・・・・ 結局はちんこ話を書きたかったとか・・・・いや、そういうことじゃ・・・(笑) 次で終わりです。 ええ、夫婦の時間書いたら・・・・書ききれなくなっちゃったの。(爆) んじゃ、いきましょう♪ |