世界で一つだけの・・・。 その2. |
「全く・・・・。 あんなに供人を連れていたら、おちおち社会見学も出来ぬではない か。 じぃは、何かというと、軽はずみな行動うんぬんなんたらかんたらと、うるさい。 我が国のためにも、近代的な国家をこの瞳で見ることは大変有意義なことだと思う に・・・。 それにしても・・・・なんたる破廉恥な・・・。 ・・・殆ど半裸ではないか・・・。 見ているこちらが恥ずかしくなるというもの・・・。」 王子はやや俯き加減にそう呟きながら、道行く人を眺めて歩く。 「おおっ!! 見事!! その方達、実に見事である!!」 王子はそう言って、初めて見たパフォーマンスを繰り広げていた若者達に喝采を送る。 「なんだ〜、あんたは・・・。」 「へぇ〜・・・凄い衣装だな。 なんのコスプレ?」 「あんたのその剣、凄い細工だな。 ちゃんと斬れるの?」 珍しい民族衣装に身を包んだ王子に若者達は、そう言って声を掛けてきた。 「ん? 私か? 私は、ソディアック王国のシュライヤ王子である。 これは我が国の シュライヤはそう答えてスッと鞘から刀を抜く。 「ほら、この通りだ。」 「おおっ!! 凄えよ! あんた凄えパフォーマンスできるな・・・。」 地面に落ちた桜の枝を手にとって見せるシュライヤに若者達は、歓喜し喝采を送った。 「ねぇねぇ、そこの格好良いお兄さん。 良かったらさ、コレ買わない?」 そう言ってシュライヤは、道ばたのたこ焼き屋をしている若い女性に声を掛けられる。 「・・・・それは、なんだ? 食べ物か? そう言えば、お腹空いた。 美味なのか?」 シュライヤは、たこ焼きに興味を示し、その女性にそう尋ねた。 「美味? ああ、美味いって事か・・。 あんた面白いね。 そうさ、美味いに決まって 「・・・このネックレスとか?」 「ははは・・・嘘、嘘。 それ高そうだもんね。」 「・・・別に、構わぬが・・・。」 「えっ?! 本当?? じゃあ、これ、二つ上げるよ・・・。」 「すまぬな・・・。」 シュライヤは、にっこりと笑ってネックレスを外すと代わりにたこ焼きを受け取る。 「ラッキーvv ・・・・本物みたいだよね。 ありがとうねvv」 その女性はそう言ってネックレスをシュライヤから受け取った。 「いや、こちらこそ、美味なるものを貰い、嬉しいぞ・・・。」 シュライヤはそう言ってその場を後にする。 「・・・・・・だいぶん、ホテルから遠くに来てしまったようだ。 さて、これからどうしたも 適当な駅で降り、見知らぬ住宅地を歩きながらシュライヤはそう呟く。 「ラピス〜。 あんまり急ぐと転んじゃんぞ〜。」 ゾロの帰りが遅くなると言うので、久しぶりにバラティエに向かう事にしたサンジは、自分を 「サーしゃん、早く・・・・・ジイジ・・・待つよ・・・。」 ラピスは、サンジを振り返りながらそう言って走り続けている。 「だから・・・・ジイジは、いなくなったりしないから。 前見て、ラピス。 ほら、もうすぐ そんなラピスの姿に微笑みながらサンジは、そう注意を促した。 「わっわわっ・・・!!」 驚くようなラピスの声と共に、サンジの視界からラピスが急に消える。 「えっ?! ラピス!!?」 ラピスが消えたのは、ちょうど階段のある坂の位置。 「おう・・・・・危機一髪であったな・・・。」 階段から落ちそうになったラピスを抱いてシュライヤは、ラピスにそう言った。 「ラピスーッ!! ありがとうございます! 本当にありがとうございました!!」 サンジは、シュライヤに抱き抱えられたラピスを見てホッとしてそう言う。 「!!!!!!!」 「もう・・・・だから、言っただろ? さ、このお兄さんにちゃんとありがとうしなきゃ サンジは、ラピスの頭を撫でてそう言う。 「お前だ!!」 「ハイ??」 突然叫ばれたシュライヤの言葉にサンジはびっくりしてシュライヤを見た。 「夢で見た人は、確かにお前だ。 こんなに早く出逢えるとは・・・やはり、私達は添 「えっ?! サンジだけど・・・?」 「では、サンジ。 そこに跪け・・・。」 意味がわからずキョトンとしたサンジにシュライヤはそう伝えて、腰の刀を抜く。 「ちょ、ちょっと・・・。」 「良いから、跪くのだ・・・。」 ラピスと自分の身の危険を感じ、サンジはとりあえず言うとおりに跪いた。 「ここに、我が宝剣を用い、ソディアック王国王子シュライヤ・アル・ラ・シーラ・ド・ シュライヤは、サンジの肩に剣を置き、そう宣言する。 サンジはそう言って、ラピスを抱き抱えると一目散に駆け出した。 「あっ、待て!! 勝手に行くなっ!!」 シュライヤはそう叫んで、サンジ達を追い掛ける。 「はぁはぁ・・・・っ・・・はぁ・・・。 一体、あんた何なんだよ! 何処までついてくる気 サンジは、息を切らしながらシュライヤにそう言う。 「サンジ・・・無礼であろう。 私の許可無く勝手に立ち去ろうとは・・・。」 「なんであんたの許可が要るんだよ! 馬鹿か!!」 シュライヤのふてぶてしい態度にサンジは、キレてそう言い返した。 「またしても、無礼な。 お前は、もう私のもの。 先程、儀式を済ませたではない シュライヤは、サンジの剣幕も平然と受け流しそう答える。 「・・・・あのなぁ・・・。 俺は、男だぞ。 それにちゃんと結婚もしている。 ほれ、これ サンジは、呆れた顔でシュライヤにそう言ってゾロのくれた指輪を見せる。 「そんなもの、全然問題ない。 私が気にしなければそれで良いのだ。」 「冗談じゃねえ! 俺の旦那様は、ゾロだけなの!! 誰がてめえなんかと・・・。」 「ほう・・・。 奇遇だな。 私も、ゾロという名の者を知っておるぞ。 確か、ロロノア・ サンジの言葉に、シュライヤは意外そうにそう呟いた。 「ほえ?! そう!! そのロロノア・ゾロが俺の旦那様なの!!」 「ふ〜ん・・・。 そうか、なるほど・・・。 あの者とは、そう言う縁があったのだな・・。 シュライヤは、にっこりと笑ってサンジにそう告げる。 「あの・・・・・もしもし・・・。 人の話、聞いてるか?」 満面な笑みを浮かべて自分を見るシュライヤに、サンジは頭を抱えてそう呟いた。 「・・・・・もう、ゾロってば、何してんだよ・・・。」 とりあえず、家に戻ってきたサンジは、ゾロの携帯に電話を入れるが全然通じない。 「では、ラピス。 お前が私を『父』と言うのを特別に許そう・・・。」 「あ〜い・・・。 ちち〜・・・・ちち〜。」 部屋では、ラピスがそう言ってシュライヤに馴染んでいる。 「ったく・・・。 勘弁してくれよ・・・。 ゾロ〜、早く帰ってきてくれ・・・。」 サンジは、そんな二人を見ながら深くため息を吐いた。 「遅〜い!! もう、ずっと連絡出来なくて困ってたんだからな! てめえ、携帯の電 玄関先に出迎えたサンジは、ゾロの顔を見るなり、そう言った。 「あっ・・・。 悪い、病院にいたから携帯切ったままだった。 どうした? 何かあった サンジの様子に、ゾロは、そう言って鞄を渡す。 「有りもあり。 大有りだ! てめえの知り合いらしい胡散臭い外人が来て・・・・ 「外人?? 誰だ? そりゃ??」 サンジの言葉に、ゾロは、とりあえず奥の部屋にサンジと共に入る。 「んなの、俺が知るかよ・・・。 確か、シュライヤとか言ってたぞ。」 「王子ッ!!」 その部屋のベッドで眠っている人物を見て、ゾロは、思わず大声を出した。 |
<コメント> 王子は、シュライヤでしたvv でへへ・・・ここはルナの趣味サイト。 誰にも文句は言わせましぇん・・。(死) はてさて、どうなることやら・・・・ 続くッたら、続くのです・・・。 |