君は誰? 何処にいる? 



キラキラと金色の髪をなびかせて・・・。

海のような蒼い瞳を輝かせて・・・。

全身に白いオーラを纏う人・・・。

プラチナの淡い月光のような・・・。

神秘的で儚げで優しくて・・・。

触れてしまえば、たちまち天に帰ってしまいそうな・・・。

汚れのない、清らかなオーラを纏う人・・・。



ねぇ、君は誰? 何処に行けば逢える?

にこやかに微笑んだその顔にそっと触れるのは・・・誰?

君に・・・・逢いたい。



やっと見つけた。

私の・・・・私の運命の人・・・。



君は・・・・・誰??








世界で一つだけの・・・。



その1.







「・・じぃ、今度、日本の企業との合同プロジェクトの予定が入ってたな。 すぐに用意

を。」

「はぁ?? 若、何をご用意するのですか?」

「日本に行く。」

「・・・・何故に? 王子自ら国を出ることはありますまい。 向こうから来ていただく予

定の筈ですが・・・。」

「・・・・・夢を見た。」

「なりません!! なりませんぞ! 貴方様は、この国唯一の王位継承者第一位

の、ソディアック王国の跡継ぎの王子なのですよ!! もしもの事がありましたら、

如何なさる・・・。 軽はずみな行動はどうかお慎み下さい!」

「うるさいぞ、じぃ! 私に意見する気か。 私は、もう決めたのだ。 父上に話してく

る・・・。」

「・・・・いえ。 御心のままに・・・。」








「じぃ。 父上から許可を貰った。 すぐに出立の用意を。 それから相手企業の・・・・

ロロノアと言ったか。 あの者にも、連絡を・・・。」




・・・・・陛下は、若にとことん甘くいらっしゃる。

確かに、10人の姫君の後に生まれた唯一の男君だから、仕方ないと言えばそうなのだが。

・・・・・若が、軽はずみなことをなさならければ良いのだが・・・。




「・・・・・はい。 かしこまりました。 若は、たいそうあの者がお気に入りですね・・。」

「ああ、あの男のオーラは、清浄な薄碧で側にいて、とても心地良いのだ。」

「・・・・若。 いくら非公式の訪問とはいえ、貴方様は王位継承権第一位の・・・」

「あー、うるさい! 聞き飽きたぞ、同じ台詞ばかり・・・」

「若には、これくらいくどくて丁度良いのです。 良いですか、くれぐれも勝手な行動

はお慎み下さい。」

「ハイハイ・・・。 もう、わかったって!!」 




もうすぐ・・・もうすぐ、逢える・・・。

王家に代々語り継がれる白いオーラを纏う者・・・。

神が与えたもうた王と結ばれる定めを持つ清浄なる魂の者・・・。

白きオーラを纏いし者と結ばれる王は、国に絶大な繁栄と栄華をもたらすという言い伝え。

もしそれが本当なら、私は、絶対にあの人を・・・。

・・・・捕まえる。

・・・・そして決して離さない。

いつまでも私の側で・・・永遠に。












++++++++++++++++++++




「じゃあ、サンジ、ラピス、いってくる。」

「うん、いってらっしゃい、ゾロ。 今日は、何食べたい?」

「・・・・そうだなぁ。 なんかさっぱりしたものが良いな。 じゃ、いってきます。」

ゾロはそう言うとサンジとラピスの頬にキスをして、玄関のドアを開ける。

「いってらっしゃ〜いvv」

「・・・らっちゃい。」

サンジとラピスはにっこりと笑ってゾロを見送った。



季節は、深緑芽吹く、4月・・・。

昨年末までのアメリカ出張から日本に帰ってきたロロノア一家。

このうららかな春同様、幸せ一杯な日々を送っているのでした・・・。



「おう! ロロノア!! すまないが、社長室までちょっと来てくれ・・。」

出勤早々、ゾロのデスクに社内電話の呼び出しが鳴る。

「あ、はい。 今行きます・・・。」

ゾロはデスクに腰掛ける暇もなく、デスクの上に鞄を置くと、社長室に向かった。

「失礼します・・・。 社長、何ですか?」

「おっ! 来たか・・・。 来た早々悪いが、すぐ帝都ホテルに行ってくれねえか? 

あの例のプロジェクトの取引先が、急遽来日するんだ。」

「えっ?! あのプロジェクトは、先方の国で打ち合わせするんじゃなかったです

か?」

「ああ、そうだったんだが、先方から連絡があって、急遽、こっちで話をすることになっ

た。 うちの会社の視察も兼ねてんだと。 ・・・っで、あの王子が非公式で来るそう

だ。 王子、お前がお気に入りだからな。 まっ、よろしく頼むな・・・。」

「王子が、直々にですか・・・? はい、わかりました。 じゃ、いってきます・・・。」

ゾロは、シャンクスの言葉に、そう返事して自分のデスクに戻る。

それから、自宅へと電話を掛けた。

「あ、もしもし、サンジか? ・・・・悪い。 今日は、取引先が急遽来日することになっ

て、遅くなりそうなんだ。 ラピスと二人で食べてくれ。」

「ふ〜ん・・・そうなんだ・・・。 じゃあ、ラピ、久しぶりにジイジのとこに行こうか?

 わかった、ゾロ。 ・・・・なるべく早く帰って、な?」

「ああ、そうする・・・。」

ゾロは、サンジの言葉にそう返事して電話を切り、出迎えのため、ホテルに向かった。




「お久しぶりです、殿下。」

ホテルのにしつらえてある特別貴賓部屋で、ゾロはそう言って王子を出迎える。

「うむ。 一月ぶりか。 元気だったか? ロロノア・・・。」

床に花びらを撒く女性の後に続き現れた王子はそう言って、数十人の供を連れて部屋に入

ってきた。

「けど、どうしてわざわざ、殿下がこちらへ?」

「少々訳有りでな・・・。 それに、お前にも会いたいと思ってた。」

「クス・・・・日本語、お上手になりましたね・・・。」

「ああ、今回、来日にあたり、必死で勉強したからな。 日常会話なら支障無く話せる

ぞ。」

「ククク・・・それは、恐れ入りました。 ・・・・それにしても、もの凄いお供の数です

ね・・・。」

「そうなんだ。 私は、供は要らぬと言ったのだが、じぃの奴が、どうしてもと聞かなく

てな。 これじゃあ、何処に行くにも、うっとおしくてならぬ。」

「クス・・・それだけ、皆、殿下が大切なのですよ・・・。」

「・・・・・それは、わかるのだがな・・・。」

王子は、後ろに連なる供人に視線を移し、ため息を吐いた。

「・・・・・ロロノア。 あちらの部屋を見ても良いか?」

「ええ、構いませんが・・・。」

ゾロにそう尋ねて王子は、その部屋に行こうとする。

すると、さっと花びら撒きの女性がそつなく王子の歩く前に花びらを撒き、ゾロゾロと供人が

それに続いた。

「もう!! たかが部屋を覗くぐらいでいちいち、ついてこなくても良い! そこで待っ

ていよ!」

王子は、供人にそう怒鳴って、一人で部屋に入っていった。









「・・・・・・遅い・・・。 若は、一体いつまで中にいるつもりなのか・・・。 かれこれも

う、30分近くが経とうとしているのに・・・。 若!! 若!!」

時計を気にして、じぃが、部屋のドアをノックする。

しかし、部屋からの返答はなかった。

「若ッ!! 失礼致しまする!」

じぃが、慌てて部屋のドアを開ける。

「若ーーーーっ!!」

じぃは、誰もいない部屋にそう叫び、供人に王子を探させた。

「ナコー様! 何処にも殿下の姿は見当たりません!!」

「なっにぃーーーーーっ?!」

供人の言葉に、じぃ=ナコーは絶叫する。

「ナコーさん・・・。 ここから、殿下は出ていかれたのでは・・・。」

ゾロは、開いた窓に掛かっているカーテンのロープを指差してそう言った。

「何と言うことだ・・・。 若が・・・若様が・・・・。」

ナコーはそう呟くと、フラフラと床に倒れ込む。

「ナコー様!! おい、ナコー様が倒れられた!! 急いで医師を!!」

倒れたナコーを抱え、供人達は騒ぎだし、部屋は騒然となった。

「・・・・俺、知らないからな・・・。」

ゾロはその様子を見て頭を抱えて、ため息を吐いた。









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<コメント>

ロロノア家vv 春バージョンですvv
ちょびっと長くなりそうですが、気長に〜楽しんでいただけると嬉しいです。
えへへ・・・王子役・・・誰だと思います?! うふふv
この話・・・原作があるんですが、知ってる人いるのかなぁ?
では・・・続くvv