ANNIVERSARY その12 |
ゾロは、主治医を連れて、サンジのいる病院へ急いだ。 チョッパーのあの様子から、サンジの身に危険が迫った頃は、容易に予測できた。 ・・・・今までが、順調すぎたんだ。 ゾロは気が気ではなかった。 まもなく、チョッパーの病院に着いた。 「・・・サンジ、無事でいろよ。」 ゾロはそう呟きながら、主治医と共に、チョッパーの元に向かう。 「チョッパー! サンジは・・・サンジの容態は・・・・」 ゾロはそう大声で呼びながら、看護婦の制止を振り切って、手術室に入った。 「ゾロ! 今は、入ったらダメだ! 後で、説明するから、部屋の外にいてくれ! チョッパーは、ゾロにそう言って、手術室から、ゾロを追い出した。 「どうした。 サンジに何かあったのか?」 ゼフは、ゾロを見つけると、すぐにそう聞いた。 「ああ、おやっさん。 連絡しないですみません。 俺、気が動転してて・・・」 「いや、それはいい。 それより、サンジの奴、一体何があったんだ。」 「実は、今朝、俺と話をしていたら、急に、サンジが、腹を押さえてうずくまって・・・・ 「しっかりしろ! ロロノア。 てめえがここでうろたえてどうする。 サンジは、俺が育 ゼフは、ゾロの肩をガシッと掴んで、そう言った。 「・・・・・・ゾロ。 あっ、ゼフも来てたのか・・・・二人とも、良く聞いて欲しい・・・・ チョッパーは、手術室から出てくると、ゾロとゼフに向かってそう言って、唇を噛んだ。 「ふざけるな! てめえ、大丈夫だとそう言ってたじゃねえか! 母子共に順調だっ 「止めろ、ロロノア・・・・・ それ以上言っても、サンジの身体が、良くなるわけじゃね チョッパーの服を掴んで、大きく前後に揺するゾロの姿に、ゼフは、静かな声でそう言った。 「・・・すまない・・・・でも、俺だって、サンジを死なせたくない。 だから、全力を尽く 「・・・わかった。」 そうして、チョッパーとゾロは、サンジの待つ手術室に入った。 「サンジ、しっかりしろ! サンジ!」 ゾロは、サンジの手を握って、そう呼びかける。 「ゾロ! 出来たぞ! サンジの女性ホルモンが、ちゃんと、増殖してくれた! チョッパーは、ゾロにそう言うと、サンジの腕に点滴を開始した。 「サンジ・・・・頼むから・・・・俺を置いて逝くな・・・・・・・・俺達の赤ん坊だろ? 「・・・ゾロ。 サンジの状態も、だいぶん落ち着いていた。 ・・・俺は、このままここ 「ああ、サンジの命、お前に預ける。」 チョッパーの力強い瞳に、ゾロは、そう言って答えた。 「じゃあ、今から、帝王切開を始める。 ゾロは、そのまま、サンジの手を握ってて。 「・・・いいや?」 何故、こんな時にそう言う質問をするのか理解に苦しんだが、ゾロは、正直に話した。 「・・・・・・そうか・・・・・・・ゾロ、絶対に、赤ん坊の泣き声がしても、こっちみるなよ。 チョッパーは、深いため息を吐いて、ゾロにそう、念を押した。 「????わかった。」 ゾロは短く返事をする。 「やった! サンジ、でかした! 俺達の子供が、生まれた。 凄い大きな声だぞ。 ゾロは、サンジにそう言うと、チョッパーの言ったことなどすっかりと忘れて、チョッパーの方を 「ゾロ! おい!しっかりしろ!! ゾロッてば・・・おい! ・・・・仕方ねえな。 「はい、わかりました。」 婦長の、テラコッタは、ゾロを軽々と持ち上げると、開いている台にそっと寝かせた。 「・・・だらしねえな、お前の父ちゃんは・・・・まあ、男はたいがい、こう言うのには、 そう言って、チョッパーは、生まれたばかりの赤ん坊を湯船に付けて、綺麗に洗ってやっ 「・・・お前、母ちゃん似だな。 良かったな。 父ちゃんに似ないで・・・ふわふわの金 チョッパーは、赤ん坊をバスタオルにくるみながら、そう囁いた。 「よし、これでいい。 サンジの方も、何とか、大丈夫そうだ。 ・・・良かった。 一時 チョッパーは、寝台の上の二人を交互に見て、そう言った。 「ゼフ! やったぞ、母子共に大丈夫だ! ほらっ、見てみろよ! サンジ似の可愛 チョッパーはそう言って、ゼフに赤ん坊を渡す。 「ジイジでちゅうよ〜、わかりまちゅか〜」 その声は、チョッパーが、笑いを堪えきれないほど、強烈なモノであった。 「ブッ!! ・・・ちょっ、ちょっと・・・・ごめん・・・・」 チョッパーは、後ろを向いて壁に手を置くと、声を殺して、笑った。 「ゴホッ・・・/////チョッパー・・・もう良い・・・・赤ちゃん、保育器に移すんだろ? ゼフは、そう言って、チョッパーに赤ん坊を手渡すと、一目散に、病室に走った。 「・・・ジイジだってさ・・・・ククク・・・良かったな、無事に生まれて・・・」 チョッパーはそう言って笑うと、保育器の中に赤ん坊を寝かせて、ナースセンター隣の、新生 「・・・これで、よし!」 保育器には、『サンジベビー女』と、プレートが掛けられた。 チョッパーは、サンジを病室に移動して、あのまま手術室で気を失って倒れたゾロを揺すっ 「う〜ん、サンジ・・・後30分だけ・・・な。」 そう言ってゾロは、チョッパーを抱くと、自分の上にのせた。 ガシッ チョッパーの角が、ゾロの顎にヒットする。 「痛ってえ!!」 ゾロは、突然の痛みに飛び起きる。 「やっと、起きたか・・・・ ゾロ・・・・俺、あれだけ忠告したのに・・・ 俺の言ったこと 「本当か?! サンジは、無事なんだな? ありがとう、チョッパー!!」 ゾロは、チョッパーにお礼を言うと、まずは、サンジの病室に行った。 「おう、ロロノア、遅かったな。 もうすぐ、サンジの麻酔も切れるそうだ。」 事情を知っているゼフは、そう言って笑った。 「・・・すみません、俺・・・・すっかり、取り乱しちまって・・・・ サンジには、このこ 「ああ、言うつもりはねえよ。 ・・・それに、そのおかげで、俺は、一番に、赤ん坊を 「すみません、じゃあ、俺、見てきます!」 ゾロはそう言って、新生児室に急いだ。 ・・・どんな子だろう・・・・ ゾロはそんなことを思いながら、新生児室に入った。 「お、女???」 ゾロは、思わず声を上げた。 ゾロは、赤ん坊の眉毛を凝視する。 「良かった・・・」 ゾロは、ほっと胸をなで下ろす。 ・・・・サンジに似ている・・・・・ 「ロロノアさん、赤ちゃん、抱っこしてみます??」 婦長のテラコッタが、そう言って、赤ちゃんを保育器から抱き上げ、ゾロのところへ運んでき 「はい、じゃあ、まず、そこの消毒液で、手を消毒して下さいね。」 ゾロは、テラコッタの言うとおりに、消毒液を付け、手を綺麗にする。 「では、頭をこっちにして、お尻を支えるように・・・・そうそう、なかなかお上手です テラコッタに教えて貰い、ゾロは、こわごわと赤ん坊を抱いた。 「あらあら、もう、お腹がすいたのかしら? それとも、うんち?」 テラコッタは、がちがちに固まっているゾロから、赤ん坊を受け取ると、側にあったベビーベッ 「・・・まだ、おむつは、濡れてないようね・・・ じゃあ、お腹空いたのね。 待ってて そう言って、テラコッタは、慣れた手つきで、おむつをはめ、ミルクの用意をしにいく。 「ロロノアさん、赤ちゃん、見ててくださいね。 ??ロロノアさん? どうかしました テラコッタは、そう言って、ゾロに近づいた。 「ちょっと! ロロノアさん!」 テラコッタは、ゾロを大きく揺すって、意識を取り戻させた。 「あっ・・・すみません。 俺・・・赤ちゃんの・・・初めてで・・・・あの・・・俺、女の兄妹 ゾロは、しどろもどろになって、テラコッタさんにそう言った。 「あらっ、そうなの? でも、これから、パパにも、おむつ取り替えて貰わなきゃならな テラコッタさんは、ゾロにそう言って笑う。 「じゃあ、せっかくだから、パパに、ミルク、飲ませて貰おうか。」 そう言って、赤ん坊を抱き起こすと、もう一度、ゾロの腕にのせる。 「あらあ、そんな固くならないで。 赤ん坊は、結構丈夫に出来てるのよ。 ほらっ、肩 そう言って、テラコッタは、ゾロにほ乳瓶を持たせた。 チュッ、チュッ、チュッパ・・・ 赤ん坊は、待ってましたとばかりに、ほ乳瓶の先を吸い始める。 「!!!!!!!!!!」 ゾロは、言葉に出来ないほどの感動を覚える。 「さあ、保育器に行きましょうね・・・」 赤ん坊は、テラコッタに抱き上げられ、ゾロの腕から、消える・・・・・と、ゾロの小指には、ま 「あらあら、パパと別れたくないって、そう言ってるみたいね。 でも、ごめんね。 テラコッタはそう言って、そっと赤ん坊の手を小指からはずした。 |
<コメント> う、生まれました・・・やっと・・・ 皆さんの予想は、男?女?? 当たりましたか? 正解は、サンジにの可愛い女の子でした! それも、眉毛、巻いてません。(笑) 1ページあたり、いつものより長めに書いているので、 いつもの、1.5倍ぐらいかな・・・ もしかすると、あと、2回ほどで、終了するかと・・・(笑) ・・・それでも、後2ページは、続くの、ね・・・(-_-;) はっはっは! もう、笑うしかないです・・・ では! |