YES YES YES その2. |
「・・・本当、驚きよ? 貴方があんなとこに居るなんて・・・・渡欧してるじゃなかったの?」
ナミは、そう良いながら、ワインを注ぐとゾロに手渡す。 「・・・・・別に、いいだろ。 後数日は俺の自由にしていい時間だ。 それが約束。 20歳にな ナミからグラスを受け取り、ゾロはそう言い放つと一気にワインを飲み干した。 「クスクス・・・・あらあら、そんな悲観的な見方しかできないなんて・・・・誰もが羨むロロノアコ 「本当に・・・・海運王の後継者と目される一人娘のお嬢さんと、あんなところで出くわすなんて 「正確には・・・・4年ぶりかしら。 貴方の後継者発表のパーティー以来ね。 いきなり15歳の 「人の人生を勝手に面白がるな。 俺はあの日以来、何処に行くにも一人じゃ行動させても貰 「アイツって・・・・・サンジ君?」 一通り会話を交えて、ナミは核心を突くようにゾロにそう尋ねる。 「・・・・・・ああ。」 ゾロは、それだけ言って席を立つと窓から夜景を眺めた。 「・・・・・本当に彼で間違いないの? サンジ君、全然貴方の事覚えてないみたいだし・・・」 「俺が間違う筈が無い。 感情をそのままにぶつけてくる瞳は、アイツのものだ。」
「大した記憶力ね? たかだか数時間・・・しかも10年以上前の事なんでしょ? それを言い
「・・・・そうだな。 自分でもおかしいと思う。 ずっと忘れずに・・・・なんでだろうと・・・・確かめ 「だから、あの店に入店した。 ・・・で、その答えは見つかった?」 「ああ、わかった。 俺は・・・・・逢いたかったんだ、アイツに。 だから、忘れなかった。」 「逢いたかったって・・・・まさかそれだけ、なんて言わないわよね?」 「ん? 他になんかあるのか?」 「あんたって・・・・」
真面目に語るゾロに、ナミは思わず苦笑する。 「・・・・・なにがおかしい・・・」
「いや、何がって・・・あー・・・クスクス・・・・財界のキングアーサーと呼ばれるあんたも、只人
「そんなの周りが勝手に呼んでるだけだ。 お前だって、『貴方』から『あんた』って、言葉遣い ナミに笑われているのが釈然としないゾロは、そう言い返しグラスをテーブルに置く。 「話はもう済んだだろ。 俺は、もう帰る。」 「あら? 未来のパートナーと親交を深めなくて良いの?」 ドアに向かうゾロにナミは微笑を浮かべ、その背中に言葉を投げかけた。 「あ? 未来のパートナー?」 ドアに手を掛けたまま、ぴたりとゾロの足が止まる。
「クスクス・・・・その様子じゃ聞いてないようね? この間、うちのパパが話してたわよ? 「あのクソジジィ・・・・」 ナミの話にゾロは心底ムカついたように呟いた。
「クソジジィ!! あんたの口からクソジジィって言葉が聞けるなんて・・・あー、もうダメ。 ゲラゲラと大笑いしながら、ナミはゾロに近づく。 「アイツがいつも言ってるから・・・・・」
「ふふ・・・・あんたなら、イイかも? 3年後、あたしの気が変わってなかったら、お嫁さんにな
ナミは、ゆっくりとゾロの首に腕を回し唇を掠めると、トンと身体をドアの外に押しやり、一方的
「本当にもう・・・・ああ言うのが一番性質悪いのよね。 不毛な恋愛に泣くなんて、あたしの
ナミは、そう呟いて、キングサイズのベッドに蹲った。 「ねえ、サンジ君。」 「はい、ナミさん。 どうかしました?」 いつもの様に微笑を浮かべ、ナミに返事するサンジ。 「君・・・・・無理してるでしょ?」 「ヘッ?! ヤ、ヤだな・・・・ナミさん。 俺が無理してるなんて・・・・気の所為ですよ。」
「サンジ君。 じゃあなんでさっきから時計気にしてるのかしら? そう言えば、彼、今日もまだ
「いや、それは・・・・あ、そうなんですよ。 俺、一応、チーフだから。 規律を乱すのはちゃんと さりげなくサンジは、自分の立場上だと言い訳した。
「そう? な〜んか、取ってつけた言い訳っぽいけど・・・? もしかしてゾロ、バレちゃったのか 「ゾロ、なんかあったんですか!」 ボソッと呟かれたナミの言葉に、サンジは思わず立ち上がる。
「ちょ、ちょっとサンジ君、落ち着いて・・・・って、君、やっぱり気になってたんだ、ゾロの事。 「すみません・・・ナミさん・・・ や、決してそんな事は・・・・」 ばつが悪そうに恐縮するサンジに、ナミはある事を思いつく。
「サンジ君、お願い。 ゾロを助けてあげて。 彼、今、酷い奴らに追われてて・・・・もしかした 「待って、ナミさん・・・・それはどう言う?」
急に神妙な面持ちで語り始めるナミに、サンジも真剣に話を聞いた。
「・・・・・そうだったのか。 そんな事が・・・・ナミさん、任せてください。 俺がアイツの傍に居 「よろしくね、サンジ君。 君だけが頼りよ。」 「すいません、ちょっと道が混んでて・・・遅くなりました。」
そんなところへ、息を切らして、ゾロが店に入ってきた。 「ゾロ・・・・わかってる。何も言うな。 これからは、俺が付いてるから。」 「あ? 何がだ?」
「いや、皆まで言わなくて良いから・・・・あ、その服じゃお客様に失礼だから、俺の服を貸そ 「あ? いや、オイ、なんだ? 何が??」 「いいから、いいから・・・・同じ職場で働く仲間は家族と同じだ。 遠慮はいらねえ。」
全く話がわかってないゾロはきょとんとしたまま、サンジに引っ張られて控え室に連れていか
「んー・・・・こっちが良いよな。 ほら、これに着替えろ。」 「ああ、ありがとう。」
訳がわからないまま、ゾロはサンジに言われるままに着替える。 「なっ!」 ゾロが慌てて振り向くと、サンジがペタペタと物珍しそうに自分の身体を触っていた。 「へぇー・・・・やっぱ・・・見た目以上に筋肉に張りがある。 相当鍛えてあんな・・・」
マジマジとゾロの身体に触れながら見つめるサンジ。 「止めろっ!」
慌ててサンジの手を掴み、動作を制した。 「ッ・・・痛ェ・・・・この馬鹿力・・・手首捥げんだろっ! ん? な、なんだよ・・・」
腕を捕られたサンジが、文句を言いながらゾロの表情を訝しげに見つめる。 「な、なんだよ・・・・黙って触って悪かった。 だから、な?手を・・・・ふがっ! んん?!?!」
サンジの瞳がこれ以上無いほどに丸くなる。 ガクンとサンジの腰が崩れる。 ドカッ!! 「グッ!!」
サンジの蹴りが見事ゾロの鳩尾に決まり、低い呻き声と共に、ゾロがようやくサンジから退い 「ななななにをテメエはっ!!!」 状況をようやく呑み込めたサンジは、唾を吐き掛けんばかりに、ゾロに食って掛かる。 「・・・・・好きだ。 今、はっきりとわかった。」 「はぁ??」 動揺を隠そうと必死で銜えた煙草が、口元から滑り落ちる。 「サンジ、俺はお前が好きみたいだ。 間違い無い。」
サンジの驚吃した表情を意に介さず、まるで青春ドラマの一コマの様に、ゾロはサンジに言い 「すすす・・・すす好きって・・・・テメエ、全然わかってねえだろ、この状況を・・・」
「状況? ああ、キスしたって事か? 堪らなくキスしたくなって・・・・・それって、好きだからだ 「キス・・・・」 先程までの感覚が甦り、サンジは羞恥で真っ赤になる。
「いや、そうじゃなくて! 俺は男だ。 テメエも男だ。 それで好きってのはどう考えてもおか
「ああ、そうだな。 けど、俺はお前が好きなんだ。 お前はもう覚えてもいないだろうが、俺は 「ととにかくだ・・・・テメエ・・・」 「お前は、俺が嫌いか?」
サンジの言葉を遮るように、ゾロが真っ直ぐな瞳で問い掛ける。 発した言葉にサンジは慌てて口を噤んだ。 「そうか・・・・ああ、うん。 ありがとう。」
はにかみがちに笑顔を向けるゾロに、結局サンジは、否定できず、ふらふらとその場を後にし |
<コメント> ぱぶちゃーーーん!!ごめんにょー!!(滝汗) こんなに長く続くなんて・・・・思わなかったよ。(げふん) すすすみまそん・・・久々でほら、駄文に磨きかかっちゃって・・・てへv(オイ) 次で終わらせるから! 絶対に!!(心意気はいつもそうなの/待て) ブラウザで戻ってねv |