YES YES YES その3. |
「サンジ、これ、貸してくれてありがとうな。 後でクリーニングして返すから・・・・」 閉店後の控え室で、ゾロはそう言ってサンジに声を掛けた。 「あ、ああ、別にそのまんまでも構わねえよ。 どうせ一緒にクリーニング出すだけだし・・・」 ゾロの顔も見ようとせず紫煙を揺らしたままそう返事すると、サンジはスッとゾロとの距離を取 「サンジ・・・・?」 怪訝そうにサンジの顔を見つめ、ゾロはサンジに近づく。 近づいてきたゾロにサンジはキッとキツい視線を向け、そう言い放った。 「別に俺は・・・・」 サンジの言葉に一瞬酷く傷ついた表情を浮かべ、ゾロは困った表情でそれだけ言うと、サン 「悪かったな? 俺が勝手過ぎた。 そうだよな・・・・お前からしたら、俺は、ちょっと前に入っ ゾロは、そう言うと頭を下げ、部屋を出て行った。 まざまざと自分の気持ちに気付かされたサンジは、そのままどっかりとソファーに腰を掛け瞳 一向に姿を現さないゾロに、サンジは一人イライラとして時を過ごしていた。 とあるホテルのロビーで、ナミがゾロにそう尋ねる。 「何が?」 「わかってるくせに・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・逢えただけで充分だ。」 ゾロは、そう返事して、視線を伏せた。 「財界を揺るがすほどの実行力と発言力を持つ貴方も、自分の恋愛には形無しね。」 「・・・・・・・・・・・・時間だ。 じゃあ、元気で。」 「ばっかみたい。 ちょっとがっかり・・・・知らないからね、ゾロ。」 ナミはそう言うと、席を立とうとしたゾロを一睨みして、先に席を立ちロビーを去る。 「・・・・・・・・振られたんだ。仕方ないだろ・・・」
ゾロは、淋しく苦笑すると、ブレーンと共に空港へと向かった。 ナミからの電話に、サンジは慌てて店を飛び出す。 「待て・・・・何処へ行く?チビナス・・・・」 その背を止めたのは、父親であり、オーナーでもあるゼフ。 「あ、親父! ゾロが!一大事なんだ! 俺、すぐに行って・・・」
「ロロノアの事なら本人から連絡が入った。 短い間だったが世話になったと。と言う事はだ。
今にも駆け出しそうなサンジに、ゼフは淡々と諭すように話した。
「二度と戻ってこねえ覚悟は出来てるのか? ロロノアのところへ行くと言う事は、そう言う事 ゼフにそう言われて、サンジは一瞬躊躇する。 サンジは大きく息を吸い込んで、ゼフを真っ直ぐに見返し、そう言い切って深々と一礼した。 「・・・・アホ。 さっさと行け・・・」
ゼフは、くるりと背中を向けると、そのまま店の中へ入って行く。
空港ターミナルは、人もまばら。
サンジは、そう叫びながら、その集団めがけて飛び降りた。 「サンジ・・・?」 いきなり自分の前に現れたサンジに、唖然とするゾロ。 「な、何者だ!! お守りしろ!!」 サンジに飛び掛かる黒服の男たち。 「何をグズグズしてんだよっ!! さっさと逃げろっ!!」 「いや、サンジ、お前・・・」 「クソッ! こっちだっ!!早くっ!!」 「お、おい!」 ゾロは、訳がわからないまま、否応無くサンジに腕を引っ張られその場を駆け出す。 「あのな、サンジ・・・・」 「クソッ!アイツら、しつこい! こっちだ、ここに隠れてっ!!」 掲示板と植木の狭間にしゃがみこみ、サンジは追っ手を撒いた。 「ハァハァ・・・・やっと撒いたか。 ゾロ、テメエ、なんて早まった事を・・・」 「あ? それよりなんでお前がここに?」 「そんなの、テメエを助ける為に決まってるだろ?」 「助け・・・る?」
「ナミさんから詳しい事情は聞いてる。 あんな組織なんかの言いなりになるな。 俺が一緒 「ナミ?組織?逃げる?お前と? なんで??」
「なんでって・・・・・・テメエが好きだからだよっ!! ああ、悪かったな。好きじゃねえと言っと 「エッ?! それは、本当か? 本当に・・・好きなのか?」 「ああ、何度も言わせるな。 それよか、早くここを・・・・」
サンジがそう言って腰を上げようとした時、カチリと背中にトリガー音が聞こえた。 「貴様、何者だ。 なんで、キングを誘拐した。」
背中越しに野太い声がする。 「止めろ! サンジは違う。」 サンジがゾロに言葉を発する前に、ゾロがその男を制した。 「渡欧は、中止する。 とりあえず屋敷に戻るぞ。」 「ですが・・・・」 「中止だ。 屋敷に戻る。」 「・・・・・・ハイ。かしこまりました。」
その男はゾロに恭しく頭を下げると、てきぱきと何処かへ指示をしだした。 「とりあえずここじゃなんだから、うちに来てくれ。」 「エッ?! けど、こいつら、テメエ拉致しようとした悪い組織の奴らじゃ?」 「あ? いや? こいつは俺の有能なブレーンの一人だが?」 「だって、ナミさんが・・・・」 「言ってる事がさっぱりわからない。 とにかく、ナミも呼ぶから、うちへ。」
ゾロに促され、サンジは理解できないまま、ゾロの屋敷へ向かった。 話を聞いて駆けつけたナミはお腹を抱えて大笑い。 「ナミさん・・・・酷いです。 あんな嘘・・・・俺、真剣に・・・・」 ナミからの話が真っ赤な嘘だと知ったサンジは涙目でナミに抗議する。
「クスクス・・・・ああ、ごめんね?サンジ君。 けど、結果的に良かったんじゃなくて? ちゃん
ナミにウィンクされ、サンジはハッと気付いた。 羞恥で真っ赤なサンジを尻目にゾロは笑顔でナミにそう言う。 「でしょ? この礼は高くつくわよ? ウエストブルー一のホストでも紹介して貰わなくちゃ。」 「エッ?! ナミさんには、イーストブルー一の俺がいるじゃないですかぁ・・・」 「君は、もう引退でしょ? クスクス・・・・ほら、隣で許さないって顔してるわよ?」 ナミはクスクスと笑って、ゾロを指差した。 「・・・・・当たり前だ。」 「ぁあ?! なんでテメエが許さねえんだよ?」 「好きだから、だ。」 サンジの言葉にゾロはきっぱりとそう告げる。 「すすす・・・・そんな事、あっさりと口にするな!」 「ハイハイ・・・サンジ君、じゃあ、またねv」 「あ、ナミさん・・・」 泣きそうなサンジを尻目にナミはそそくさと屋敷を出て行った。 「ほら、みろ! テメエの所為でナミさんが・・・・俺のナミさんが・・・」 「サンジ・・・・好きだ。」 「ばっ、なっ・・・・・・俺も、だよ・・・・って、オイ!何を・・・?」 「我慢出来ない・・・・」 「うわっ! ちょ、たんまっ・・・」
月夜に映える二人の影がカーテン越しにゆっくりと重なっていった。
「いつもありがとうございます、マダム。 せっかくのお申し出とても嬉しいのですが、申し訳 「あら、残念ね。 じゃあ、また今度お店で・・・・じゃあ・・・」 「はい、いつでも、喜んでお待ちしています・・・・お気をつけて・・・」 今日もお得意様に笑顔で応対するサンジ。 「・・・・・先約ねえ・・・」 その会話を影で聞いていたゾロがゆっくりとサンジに近づいた。
「仕方ねえだろ、そうでも言わねえと。 この世界は、人気が全て。 それとも、アフター入れ にっこりと笑顔を向けて、サンジはゾロにそう尋ねる。 「良い訳がない。」 「だったら・・・・ほら、客だぜ? お仕事、お仕事・・・・・いらっしゃいませ・・・レディ。」 「・・・・・ようこそ。」
イーストブルーの繁華街には、世界随一と言われるホストクラブがある。 |
<コメント> ホストな二人・・・・どうだったですか?ぱぶちゃん?(ドキドキ) 本当にこんな拙な物、しかもいつだよ、リク貰ったのは。(遠い目) 本当遅くなって申し訳ないですぅ・・・;;;; 気持ちだけはてんこ盛りv才能は、ちょこっと・・・ ぱぶちゃん、素敵なリクエスト、どうもありがとうでしたvvv ブラウザで戻ってねv |