いつか、王子様が。




いつか、王子様が。



その5.



 




「じゃあ、俺はこれで・・・・・」

そう言って自分の部屋に戻ろうとしたサンジの腕をゾロが急に掴む。

「えっ?!なに??」

「あ、いや・・・・・・・・お前は入らないのか?」

「あ・・・・・・ああ、そうだな。 俺も汚れてるし、入るとするか。」

ゾロの言葉にそう返事して、サンジ姫も服を脱ぎ、浴室へ入った。

湯煙の中に浮かび上がる白い肌。

やや細身の均整のとれたしなやかな四肢がゾロの瞳に飛び込んでくる。




思わず引き止めちまって、慌てて入らないのかって誘ったけど・・・

ダメだ・・・・・・言わなきゃ良かった。

モロ視覚にクル・・・・。




見たらダメだと自分に言い聞かせても、どうしても瞳に捕らえてしまう。




・・・・・すげえ。

こいつ・・・・・・全然身体に無駄がねえ。

別に筋骨隆々って訳じゃねえのに・・・・・

なんか彫刻みてえで・・・・・・・・・しなやかで・・・・・・・・・・綺麗だ。




それは、サンジ姫とて同じことで、互いにチラチラと視線を送っては頬を赤らめる事の繰り返

し。

「あ、あのさ・・・・頼みがあるんだけど・・・・」

沈黙の時間を嫌うようにサンジがゾロにそう話を切り出す。

「ん?・・・・・・なんだ?」

「あのさ・・・・・・一週間で良いから、この城にいてくんねえ・・・?」

「一週間?!」

「ああ。 俺が・・・・・・・・・・・・・クリーク王国に嫁ぐまでの一週間、この城にいてくん

ねえ・・・? あ、ダメだったら良いんだ。 ゾロが自分の国に帰りてえって事はわかっ

てるから。 無理は言わねえ・・・・」

サンジは、はにかんだ微笑を浮かべ、ゾロにそう言った。

その言葉に反応したようにゾロが、ガッとサンジ姫の腕を掴む。

「それって、どういうことだよ?! 嫁ぐって・・・・嫌だって言ってなかったか?! キス

するのだって嫌だって・・・・・それなのに、なんで・・・・・・・・・」

そう言って真っ直ぐに自分を見つめるゾロに、サンジ姫は思わず瞳を伏せる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・脅迫か?」

怒気を含んだゾロの低い声がサンジ姫の耳に届く。

「・・・・・・・・・・俺は、王族だから・・・。 自分の事よりまず、国民の為に生きなくちゃ

・・・・・・それが、王族の務めだ。」

サンジ姫はそう言って淋しそうに、にっこりと笑った。

「・・・・・・・・・・お前はそれで良いのか・・・? ・・・・・・・・・・・・一生だぞ。 あいつが

こうしてお前を抱くんだぞ・・・・・こうして・・・・・お前の頬に触れて・・・・・・顔を近づけ

て・・・・・・・」

ゾロは、サンジ姫を自分の腕の中に引き寄せると頬に手を掛け、言葉通りに顔を近づける。

「あっ・・・・!!」

サンジは慌てて顔を背けようとしたが、ゾロの手に寄ってそれは妨げられた。

「それでも・・・・・・・・・・・・・・・・お前は平気なのか・・・?」

そう自分に問うゾロの声に、サンジ姫の心が軋む。

「そんなの!! 平気なんかじゃねえ!! 全然、平気なんか・・・・・・・・・・・・けど、

他に選ぶ道が・・・・・・ねえ・・・んだ。 てめえなら・・・・・・ゾロなら、全然平気なの

に・・・・・・・うっく・・・・・・初恋って実らねえって、言うけど・・・・・・・本当だったんだ

な・・・・・っ・・・・」

はらはらとサンジ姫の蒼い瞳から溢れる涙が頬を伝い、ゾロの手を濡らしていく。

「初恋って・・・・・姫?!」

「てめえの他に誰がいるんだよ!! ・・・・・ヒック・・・・ゾロ・・・・ヤダよ・・・・・

俺・・・・・・・ゾロ以外・・・・・・ヤダ・・・・・・」

サンジ姫は泣きじゃくりながら、ゾロの首筋にしがみついた。

「・・・・・泣くな。 初恋なら、もう実ってる。 ・・・・・・・姫、俺も姫が好きだ。 誰にも

渡したくねえ。 例え、相手が強国でも・・・・・絶対に、姫は渡さねえ。」

ゾロはそう告げるとギュッとサンジ姫を力強く抱き締める。

「ゾォ・・・・ロ・・・・・・うん・・・・・俺、嬉しい・・・・・・・嬉しいよ、ゾロ。 やっと夢が叶っ

た・・・・・・・・ゾロ、てめえが俺の王子様だ・・・・・」

溢れる涙をそのままに、サンジ姫はゾロを見つめてにっこりと微笑んだ。

「・・・・・・姫・・・」

「ううん・・・・・・サンジで良い。 ゾロ・・・・・」

「・・・・・・サンジ・・・・・・」

互いの名前を呼び合い、そっと唇を重ねる。

「んっ・・・・はぁっ・・・・ッロ・・・・」

長い口付けに息苦しさに耐えかね、サンジ姫が唇をずらした。

しかし、それさえ惜しむかのように、ゾロはより深く口付けを返す。

「んんっ・・・・・ふ・・・・ぁ・・・・・・っ・・・・」

ピチャピチャと唾液の絡まる音が浴場に響いて、ますます二人はその行為にのめり込んでい

った。

ゾロは唇を首筋に移すと、空いている手をサンジ姫の肌に這わせ、ゆっくりと下方へと移動さ

せる。

「クッ・・・・・あっ・・・・ん・・・ゾロ・・・んっ・・・・はぁ・・・・・っ」

ゾロに触れられた箇所からじんわりと甘い痺れが全身へと広がる。

サンジ姫はビクビクと身体を震わせて、ギュッと瞳を閉じた。

緊張と恥ずかしさで瞳が開けられない。

「サンジ・・・・」

ゾロは、優しくサンジ姫の名を囁き、左右の目尻に口付けを落とした。

薄っすらとサンジの蒼い瞳が覗く。

其れを合図にしたように、ゾロはもう一度唇を塞ぐと、サンジの雄に手を添えた。

「ああっ・・・!! ゾロ・・・・・ヤッ・・・・」

ビクンとサンジ姫が大きく仰け反る。

「・・・・・・・嫌か・・・?」

少し困ったような顔をしたゾロに、サンジ姫は真っ赤になって俯いた。

「ん・・・・・ヤじゃないけど・・・・・・恥ずかしい・・・・・」

「大丈夫だ。 全て俺に任せろ。 お前は感じるままでいいから・・・・」

ゆっくりとサンジの雄を添えた手で上下に扱く。

「っはぁ・・・・・んんっ・・・・・あっ・・・・・・・」

ゾロの手の中でサンジの雄の質量が増し、ビクビクと脈動する。

その先端からはヌルヌルと止め処なく透明な液が雫してゾロが扱くたびにクチュクチュと淫猥

な音を響かせていた。

「んっ・・・・・ゾ・・・ロ・・・・ああ・・・・・ダメ・・・・・ヤァ・・・俺・・・・・」

限界が近づいてきたのか、サンジは頭を左右に振って厭々を繰り返す。

ゾロは、舌でサンジ姫の胸の尖りを捕らえると口内で舐めるように転がしてその先端に歯を立

てた。

「んぁあっ!! ック・・・・ッロ・・・ヤァッ!!」

一際高いサンジの嬌声と共に、サンジ姫の腹に白濁の精が迸る。

頬を紅潮させ、ハァハァと切なげに息を整えるサンジ姫。

トロトロとゾロの手のひらをサンジの雄の先端から雫す残滓が濡らした。

ゾロは、そのまま、手を後口まで伸ばし、そっと慎重に指を挿し入れる。

「んんっ・・・・あっ・・・」

自分の中で蠢く違和感にサンジ姫は思わず腰を引く。

「わりい・・・・サンジ。 けど・・・・・・・俺も、余裕無えんだ。」

グッと片手でサンジ姫の腰を引き寄せて、ゆっくりと細心の注意を払い、ゾロは根気良く内襞

を解す。

「アッ・・・!! ヤッ・・・なっ・・・!!」

サンジ姫の内襞の一点を掠めたとき、ビクンとサンジが腰を揺らした。

「んはぁ・・・・・ゾ・・・・ロッ・・・・俺・・・・・変・・・・・あっ・・・あっ・・・・ヤァッ・・・・ダメ

だ・・・・ゾォロ・・・・・」

堪えきれないという風にサンジ姫がゾロの首筋にしがみつく。

「っ・・・・・挿れて良いか・・・?」

ゾロの言葉にサンジ姫はただただ黙って頷いて、ゾロの唇に自分の唇を重ねた。

「ふぁっ・・・・あっ・・・ああっ・・・・」

ゆっくりと指とは比較にならない質量がサンジの内襞を限界まで広げる。

「ふぁっ・・・・あっ・・・・あっ・・・ゾロッ・・・・あっ・・・いたぁ・・・・ぃ・・・・ゾォ・・・ロ・・・」

内側から引き裂かれそうな激痛に、サンジ姫はそう言いながら、ゾロを見つめた。

その蒼い瞳からは次々と涙が溢れて、紅潮した頬を濡らす。

「ッ・・・・クッ・・・・・わりい、サンジ・・・・・」

ゾロは、必死で込み上げる射精感を必死で押し留め、サンジ姫の頬を伝う涙をその唇で優しく

拭った。

優しく頬に触れるゾロの唇の感触に、サンジ姫は精神的な安堵感を持ち始め、だんだんと痛

みが和らいでいく。

ゾロはそれを見越したように、サンジの胸に手を這わせ、敏感になっている胸の尖りを指の腹

で愛撫した。

「ひゃあ・・・ん・・・・ん・・あっ・・・」

指先で敏感な胸の尖りを弾かれて、サンジ姫はビクンと身体を震わせる。

その胸の尖りから背中にかけ甘い痺れが走り、結合部分が言葉にならない疼きを感じ始め

た。

「ん・・・・・ゾォロ・・・・・はぁ・・・・ん・・・」

サンジ姫は堪らず自分から腰を揺らす。

その動きにあわせて、ゾロもだんだんと挿入を激しくしていった。

「ヒッ・・・あっ・・・・あん・・・・ゾロ・・・・あっ・・・・ダメ・・・・ヤッ・・・・ゾ・・・・ロォ・・・・」

ズンズンとリズミカルに最奥を突いてくるゾロの動きに、サンジ姫の意識が飛びそうになる。

「ッ・・・・サンジ・・・・・サンジ・・・・」

掠れた余裕ないゾロの声がサンジ姫の耳を擽り、全身に快楽が波の様に押し寄せてくる。

「あっ・・・はぁ・・・ん・・・・ゾロ・・・・ゾロ・・・・ヤッ・・・・・・ダメ・・・・・も・・・・・イ・・・・・

クッ・・・!!」

「ッ・・・・・・クッ・・・!!」

ビクッと互いの腰が大きく揺れ、サンジ姫はお腹の上に、ゾロはサンジ姫の内襞へと白濁の

精を迸らせた。

「やっぱ、ゾロじゃなきゃ・・・・・・チューするのも、こうして触れ合うのも・・・・・・ゾロじ

ゃなきゃ、絶対に嫌だ。」

そう呟いて、サンジ姫はゾロに身体を預ける。

「ああ、俺も・・・・・・・サンジじゃなきゃ、嫌だ。」

ゾロはサンジ姫にそう返事すると、綺麗に洗い流して、サンジ姫を抱き抱えた。

そして、サンジ姫はゾロに抱き抱えられて、寝室へと向かう。

衛兵や侍従たちは、そんな二人を微笑ましく見守っていた。

「ゾロ・・・・・・俺、幸せだ。 このまま死んでも良いくらい、幸せだぜ?」

ゾロに抱き抱えられ、ベッドに横たわったサンジは、そう言ってゾロに満面の笑みを向けた。

「ああ、俺もだ、サンジ。 もう何も心配する事はねえからな。 お前には俺がついてい

る。」

そっと金色の髪を指で掻きあげ、ゾロはサンジ姫の頬に口付ける。

「おやすみ、サンジ・・・・」

「ん・・・・・・・おやすみ、ゾロ・・・・」

こうして、二人は、一つのベッドで寄り添うように眠りについた。















<next>      <back>





 

<コメント>

あ〜・・・・くーさーるぅー!!(笑)
ちょびっと自分で書いていて、ゾクッときた、背筋がゾクッと。(爆)
しかし・・・・いつになったら、助けるんだ?
っつうか、これでEND??(笑)
んな訳ありましぇん・・・・・・。

<kiririku−top>