いつか、王子様が。 その3. |
ん・・・・? 腕が痺れてる・・・・・・・なんでだ? ゾロは、自分の身体に違和感を感じてゆっくりと瞳を開ける。 と、その瞳に映ったものは、自分の腕の中で寄り添うように眠っているサンジ姫の姿。 「ぅわっ!!」 思わず上げた声に、慌ててゾロは口を塞いだ。 「・・・・・んな見も知らずの俺を信用しきって良いのかよ。 襲っちまうぞ、お姫様・・・」 そっと耳元で囁いて、頬に口付けを落とす。 「・・・・・・やっぱ、惚れちまったかなぁ・・・。」 未だ自分の腕の中で眠り続けているサンジ姫に、ゾロはそう呟いて、その蒼い瞳が開くまで 「ん・・・・・」 髪に触れる優しい指の感触に、サンジ姫はようやく目を覚ます。 「・・・・・・ようやく起きたか、お姫様。 そろそろ、出かける準備をしようぜ?」 ゾロは、サンジ姫にそう声を掛け、身体を起こした。 「うん、そうしよう。 ところで、ゾロ。 ここを出たら、何処に行くんだ?」 「とりあえず・・・・俺の国に戻って報告を済ませようかと・・・・」 持ち物を整理して身支度しながら、ゾロはサンジ姫にそう言う。 「えっ?! ゾロの国って?? そう言えば、その腰の刀・・・・てめえ、兵士かなにか 「・・・・・・まっ、そんなところだ。」 「へぇ〜・・・・俺は、てっきり猟師かなんかと・・・」 昨日のボロボロの服から一変して、きちんとした身なりをしたゾロをサンジ姫はそう言ってボー 自分に向けられる視線を感じ、ゾロはサンジ姫にそう聞く。 「あ、いや・・・・なんでもねえ。 さっ、早く行こうぜ?」 真っ直ぐに自分の瞳を見返されて、サンジ姫はドキドキとする胸の鼓動をごまかすようにそう 「・・・・でさぁ、てめえの国って、どっちだ?」 「・・・・・・・・・さぁ? 取り敢えず真っ直ぐ歩けば着くんじゃねえの?」 「んな?! てめえって奴は、一体今までどうやって旅をしてたんだよ?! 地図とか 「・・・・・・・・勘。」 「ほら、さっさとこの森抜けようぜ? 今日当たり、城じゃ大騒ぎになってんじゃねえ 「当ったり前だ! 愛の無い政略結婚だなんて真っ平ごめんだ。 とにかく行けるとこ サンジ姫は、ゾロの言葉にそう言い返して、我先にと歩き出す。 「ククク・・・・その威勢の良さががずっと続きゃあ良いけどな・・・。」 ころころとよく表情を変えるサンジ姫にゾロはそう言って苦笑した。 暫く歩き続けていると、やはり、サンジ姫がそう言ってしゃがみこんだ。 「ったく、我侭お姫様だな・・・。 まだお昼にもなってねえぞ。」 「だってさ、俺・・・・・・・こんなに歩いた事なんて生まれて一度もねえんだもん・・・。」 そう呟いて俯いたサンジの耳に、微かに水の流れる音が聞こえる。 「ゾロ! 水だ!!水の音がする!!」 サンジ姫がゾロに嬉しそうにそう叫んで、その音の方へ駆け出した。 「・・・・・・本当だ。 近くに沢があるんだな。 お、おい・・・・・ちょっと待てよ! クク ゾロはそう言って苦笑すると、サンジの後をゆっくりと歩いていった。 「うわっ! 冷てえ! けど・・・・気持ち良い・・・」 バシャバシャと水しぶきを上げながら、サンジ姫は、沢に入ってはしゃぐ。 「サンジ姫!! やはりこの森に!!」 不意にサンジ姫の背後からそう声がした。 「ギ、ギン王子?! なんで、ここに?!」 そう叫んで、サンジ姫は思わず後ずさりした。 「何でって・・・・それは、こちらがお聞きしたい。 何故、貴方がここにいるのですか? ギン王子はそう言って、サンジ姫の腕を捕る。 「あ、あのな・・・・ギン王子。 実は、俺・・・・」 「言い訳なら、城に着いてからじっくりと伺います。 それと・・・・・婚礼の日取りも決ま ギン王子はサンジ姫の言葉を遮ると、そう言って衛兵達を呼び集め、サンジ姫を自分の馬に 「ちょ、ちょっと待って!! 俺、王子と結婚するって言ってない!! その話は、丁重 サンジ姫はそう叫んで慌てて身を捩って抵抗した。 「無駄です、サンジ姫。 今日、私の父が正式に貴方の父上に貴方との婚姻を申し込 ギン王子はそう言ってにっこりとサンジ姫に微笑む。 サンジ姫は、その言葉に抵抗するのを止め、キッとギン王子を睨みつけた。 「ふっ・・・・所謂、政略結婚という形をとりましたが、私の愛は真実です。 例え、貴方 ギン王子はグイッとサンジ姫の腰を抱き、その顎に手を掛ける。 「・・・・・・・・・・キスされるのは、嫌じゃなかったのか、お姫様?」 「誰だ!お前は?」 だんだんと近づくその声に、ギン王子とサンジ姫はその方向へと視線を向ける。 「ゾロ!!」 サッと飛び降りてゾロの方へ駆け寄ろうとしたサンジ姫を、ギンが強引に引き寄せた。 「離せ!離せよ!!ギン!!」 そう叫んで、ゾロに腕を伸ばすサンジ姫に、ギンは冷ややかにこう囁く。 「ククク・・・サンジ姫、私と言うものがありながら、こういう身分も知れぬ輩と逃避行で その冷徹な微笑にサンジ姫はゾッとした。 「ゾロ!!逃げるんだ!! 俺のことは放っておいていいから!! てめえは関係ね サンジ姫は、ギン王子の腕の中で必死にゾロに向かってそう叫んだ。 「関係ねえだと?! ざけんなよ!! だから、我侭な姫様は嫌なんだ。 そいつよ ゾロは、飛び掛ってくる近衛兵を剣でなぎ払いながら、サンジ姫に近づいてくる。 「チッ。 サンジ姫、死にたくなければ、しっかりと捕まっていなさい。」 ギン王子は、ゾロが兵士達をなぎ払う様子を見て、慌てて馬を走らせる。 「嫌だ!! ゾローッ!!」 「待て!ギン王子!! サンジ姫ーっ!!」 |
<コメント> ほら、邪魔が入ったでしょ?!(笑) せっかくの物語風なので、とことんそう言うモードでいきましょう♪(ハイ?) さて、次ね、次・・・・(笑) <kiririku−top> |