As If... その3. |
「・・・・・・うっ・・・。」 翌朝、ゾロは、ベッドの上で気が付いた。 「・・・サンジ・・!! サンジ!! サンジーッ!!」 「すまないが、ちょっと聞きたいことが・・・。」 「はい、なんでしょうか?」 警察署のロビーで応対してくれたコンピュータに、ゾロは、サンジの事を聞いた。
「・・・・・そのアンドロイドなら、修理工場へ回されました。 セキュリティーの強化と 滑らかな口調でコンピュータは、ゾロの質問に答える。 「・・・・・・単純労働地域??」 ヒクッとゾロの眉が上がった。 「主に、歓楽街地域です。 あのアンドロイドには、そういう機能も備わっていましたか 「・・・・・・・人形化って?」 「今まで搭載されていた最新式のA.I.を、その作業に従事する事を目的とした単純な コンピュータは、ゾロとは対照的に淡々とした口調でそう答える。 「そんなこと、させるか!!」 「これは、決定事項です。 変更はありません。」 「うるさい!!!」 ゾロは、そのコンピュータに近くの花瓶を投げつけ、ロビーを後にした。
「・・・・・・ねぇ、ゾロ。 言っちゃ悪いとは思うんだけど・・・・あの家政婦アンドロイドの 「言いたいことはそれだけか・・・? なら、帰れよ。」 ゾロは、ナミの言葉を遮ると、また修理工場の検索画面に向かう。
「あ、ちょ、ちょっと、待って! 実は、今日、貴方にお見合い話を持ってきたのよ。 ナミはそう言って、テーブルの上にホログラムの入った箱を開ける。 「初めまして、ロロノアさん。」 ホログラムはそう言ってゾロに挨拶した。 「・・・・・・・・く・・・・・いな・・・・?」 そのホログラムを見たゾロの口から、そう声が漏れる。
「ねっ? そっくりでしょ? 彼女、たしぎさんって言うの。 あたしも初めびっくりしちゃ ナミは、そんなゾロの様子に、畳み掛けるようにそう言う。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 ゾロは、何も言えなかった。 ゾロは、大きく溜息を一つ吐いて、ナミにそう返事した。 「・・・・・・わかったわ。 今日一日、ゆっくりと考えてね。 貴方は人間なのよ。 ナミは、そう言葉を残して、ゾロの家を出て行った。
「・・・・・・そう言えば、俺・・・。 いつの間にか、お前の事、気にしなくなってた・・・。 ゾロは、モニターの上のくいなのホログラムに、そう言って詫びる。 「いよう、新入り! お前、なにやらかしたんだ?」 不意に暗がりから、そう声が聞こえた。 「誰だっ?!」 サンジはそう叫んで、鋭い視線をその方向に向ける。 「お、おい!! 待てよ、待てって!! 暴力、反対!!」 慌てるようにそう叫んで、暗がりから一人の男が姿を現す。 「お、俺は、ウソップ。 べ、別に怪しい者じゃない・・・。」 ウソップはそう言いながら両手を挙げると、ガクガクと足を震わせ、サンジの傍に来た。 「・・・・・てめえも、アンドロイドなのか?」 サンジは、最後の一本になった煙草型チャージャーをを口に銜え、そう尋ねる。 「おう、俺はこれでも、元工作員だ。」 ドンと胸を張って、ウソップはそう誇らしげにそう答えた。
「ふ〜ん・・・。 スパイって言うなら、優秀なアンドロイドじゃねえか。 でも、なんでこ
「いや、スパイじゃなくて工作員。 俺は、とある科学者のご主人様の下で下働きをし 「紛らわしい言い方すんじゃねえよ!!」 飄々と言うウソップにサンジは、そう突っ込みを入れる。
「お、俺は嘘吐いてねえし・・・。 俺はな・・・そのご主人様というのが、反社会的な ウソップは、一人頷きながら、そう言った。 「・・・・・・殺人。」 「さ、殺人?! 殺人って人を殺す、あの殺人か?!」 「・・・・・たぶん・・・。」 サンジはそう答えて、苦笑する。 「たぶんって・・・・お前なあ、本当にそうだったら、廃棄処分じゃないか!」 「・・・・・だろうな。」
「お、お前、怖くないのか? 動けなくなるんだぞ!! お前、A.I.搭載してない 他人事のように答えるサンジに、ウソップは怪訝そうにそう言った。
「・・・・・・わかってるよ、十分に・・・。 一応な、最新型のアンドロイドだぜ?俺
「なら!! 最新式ならセキュリティーは万全の筈! 人間に絶対に暴力振るう事なん 「・・・・・普通は、な・・・。」 「なら・・・!!」
「ククク・・・・・それがさ・・・。 俺、変なんだよな・・・。 制御.が利かねえんだ、たま サンジは、ウソップの言葉にそう言って、胸に手を置く。 「胸が、か? ・・・・・・・・なあ、それって、昔からか?」
「・・・・・・いや? ゾロに・・・・あ、ゾロってのは、今の俺のご主人様だ。 ゾロに逢っ サンジはそう言って、蒼い瞳から流れる液体を拭った。 「・・・・・擬似マインド・・・・・」 ウソップは、真っ青になってボソリとそう呟く。 「んあ? どうした?顔色悪いぜ?」
「・・・・いや、さっき、俺の中に重要なプログラミングが保管してあるといったよな・・・。 ウソップはそう説明して、サンジを見つめた。
「・・・・・・・ゾロは、それを愛だと言ってた。 『愛してる』と・・・。 俺は・・・・・人間じゃ サンジはそう言って、幸せそうに微笑んだ。 ウソップの言葉が、サンジに突き刺さる。
「!・・・・・嘘・・・!! ・・・・・・嫌だ。 それだけは・・・・そんなことなら、廃棄された ウソップの言葉に、サンジはそう言ってがっくりと膝を崩した。
「チッチッ・・。 諦めるのは、まだ早い。 少し、いや、かなりヤバいけど、逃げられる ウソップは、腕組をしてサンジに明るくそう伝える。 「ウソップ・・・・てめえ、なんでそこまで俺に・・・?」
「ばぁか、俺の擬似マインドが俺にそうしろと言ってるんだ。 理由なんかそれで十分。 「・・・・・・よろしく、頼む・・・。」 サンジはそう言って、ウソップに手を差し伸べた。
「じ、実は、俺も、改修されるのは、真っ平だったんだ。 俺、今の自分結構気に入って ウソップは、照れくさそうにそう言って、サンジの手を握り返す。 「クク・・・。大丈夫か?てめえ・・・膝、震えてるぜ・・?」
「う、うるせーっ!! 初めてこんな大それた事するんだ。 ビビるのは当然だろ!! |
<コメント> ご、ごめんなさい〜!! まだ終われない・・。(泣) タイトルの『As If...』は、『まるで、...みたいに』って言う意味。 A.I.にかけてみました。 最後までタイトルに悩んだんだよね・・・。(^_^;) ウソップ、良い人でしょ?? もう少し・・・・次でなんとか、終わらせ・・・たい。(蹴) 脱兎! |