School★Panic


その3




「・・・・ねえ・・・ルフィ・・・・あの人が・・・・帰ってきたそうよ・・・それって、サンジ君

に、知らせるべきなのかしら・・・・ハア・・・・あたし・・・気が重くなってきたわ・・・・

せっかく、平和になってきたというのに・・・また、何か、起こりそうな気がするわ・・・」

「・・・それって、本当か? 本当にあいつ、帰ってきてんのか?」

「・・・間違いないわ。 きっと、もうすぐ、あの人、現れるわよ、きっと・・・」

ナミとルフィは、珍しく朝から、サンジのクラスに行かず、自分の教室で、話をしていた。

このところ、ラフテル学園は、サンジの親衛隊事件(ギン・パール半殺し事件)が起こったあ

と、生徒のゾロに対する評価は、うなぎ登り、学園のカリスマカップルと皆、公然と認めるに

至っていた。

相変わらず、ゾロとサンジの仲も良く、学園は、平和そのものであった。

そう、あいつが、あいつさえ、帰ってこなければ・・・・















+++++++++++++



「いや〜、久しぶりだな〜vv 1年ぶりか。 皆、元気にしてるかな。 それに、俺の

可愛いマイハニーちゃんは、どうしてるかな? ど〜れ、ちょっと、覗いてみるとしよう

かな。」

男は、宇宙ステーションからそのまま、ラフテル学園に車を走らせると、そのまま、学園内の

駐車場に、車を停めた。

「久しぶりだな〜、ここも。 えっと、マイハニーちゃんのクラスは、と・・・確か、去年、

1年生だったから・・・2年のクラスだよな・・・2年・・・2年・・・っと。」

「ここか?!」

ガラ、ガラ、ガラッ。

「あっ、ごめんなさい。 クラス、間違えました、すみません・・・」

ガラ、ガラ、ガラッ。

っと、その男は、こんな調子で、2年の教室を、片っ端から、開けて、調べて回った。

そして、最後の2年生の教室のドアを開ける。

「マイハニーちゅうわ〜んっv たっだいま〜vv 君の愛しのダーリン、エースは、只

今、無事に、帰って来れたぜvv 寂しかったよな〜、ごめんよ〜vv もうずっと、側に

いてあげるからね〜vv ハニーちゃ〜んvv」

そう言って、その男、エースは、授業を無視して、サンジの側に近寄った。

「えっ?! エースさん、いつ帰ってたんだ?」

「そんなの知るかよ・・・」

「うっわあ、相変わらず、自己中の人だよなあ・・・」

「やだ! エースさんって、去年、確か、エターナル星かどっかに、留学して、事件起

こして、そのまま拘留されたって言ってなかった??」

「そーよ! 確か、留学先の星の女性を巡って、こともあろうか、その星の大臣の息

子を半殺しの目に遭わせて・・・大問題になったんだから・・・」

「それって私、知ってるわ。 なんでも、惑星間の断絶問題とかなんとかいってたやつ

でしょ??」

「・・・あの人、綺麗な人は、皆、自分のモノって思っているから・・・」

「・・・あのルックスで、お金持ちで、レッドエリアの領事の息子じゃあ、迫られて断る

人いないし・・・」

「・・・そうよね・・・サンジ君だけだったものね・・・エースと付き合わなかった人・・・」

「でも、何か、憎めないのよね・・・」

「いや〜ん、サンジ君、どうするのかしら・・・今は、ゾロがいるじゃない?」

「・・・これは、また、一騒動、あるな・・・」

生徒達は、口々にそう囁きあって、エースの行動に、注目した。

担任のスモーカーは、また厄介者が来た、と頭を抱えた。

「ハニーちゃ〜んvv 元気・・・ふがっ!!」

そう言いながら、サンジに抱きつこうと駆け寄ってきたエースの足をゾロが、足を伸ばして、

引っかけた。

エースは、見事に、サンジの机の前で、すっころんだ。

「お前! 何するんだよ! 見ろ!! 血が出ちまったじゃねえか。 あ〜、痛て〜。

せっかくの感動の再会を邪魔すんなよな。」

(((ゾロ、ナイス!!)))

クラスの皆が、心の中で、そっと親指を立てた。

「・・・サンジに何のようだ?」

ゾロは、エースを睨み付けてそう言った。

「何って・・・あ〜そうか、お前、知らないんだな。 よし、俺が、特別に教えてやるよ。

 俺は、サンジの恋人なの。 わかった?? ステディなわけよ、ステディ・・・」

「本当なのか?サンジ。」

「違う!! 馬鹿、エース!! まだ、てめえ、そんな事言ってんのか? てめえ、よ

その星に、彼女いたじゃねえか。 どうしたんだよ!彼女は!! ゾロ! 絶対に違う

からな! 勘違いするなよ。 エースが勝手に言いふらしてるだけだからな! 俺が、

好きなのは、ゾロだけだ!」

(せっかく、ここのところ、親衛隊や、ボンクレーが、周りをうろちょろしなくなってき

て、良いムードなのに、ここにきて、波風立てられて、堪るか!!)

サンジは、一気にそう捲し立てた。

「相変わらず、つれないなあ、ハニーちゃんは。 一緒に、お風呂に入った仲じゃない

か・・・今更、照れるなよ・・・」

エースは、ゾロに、勝ち誇ったような顔をして、そう言った。

「!!!!!!」

みるみるうちに、ゾロの顔色が変わっていく・・・

「そんなの、子供の頃の話じゃねえか!! それも、幼稚園の時のっ!!」

サンジが、慌てて言い返す。

「でも、『エース、ちゅきぃ〜vv』って、チューしてくれたじゃんか。」

「!!!・・・それも、幼稚園の時の話だろ!! ゾロ! 今は、絶対に違うから

な!!」

バキッ!!

ゾロの机が、まっぷたつに壊れた。

「・・・もういい・・・先生・・・俺、具合悪くなったから・・・早退します。」

そう言って、ゾロは、教室を出ていった。

(やり〜っv)

エースは、一人、そうほくそ笑んだ。

「・・・・・・・ゾ・・・ロ・・・・・」

(・・・ゾロ・・・俺のこと、嫌になった? ・・・俺のこと・・・もう、見限った? 

・・・ゾロ・・・俺の言ったこと・・・信用してない・・・の?・・・)

サンジは、がっくりと肩を落として俯くと、そのまま自分の席に座った。

「さあ! スモーカー先生!! 授業始めようぜ。 俺の席、ここね。」

エースは、そう言うと、勝手に空いてる机をゾロの席に持ってきて、サンジの隣に座った。

「・・・サンジ・・・追いかけなくて・・良いのか?」

エースの反対側に座るウソップが、そっと、サンジに声をかけた。

「・・・・良いんだ・・・ごめんな、心配かけて。」

サンジは、ウソップに、そう言って寂しそうに微笑んだ。

「・・・・・・・・・・」

(いいわけあるか!! お前、その顔、鏡で見たことあんのか? そんな顔されて、

ほっとける人間がいるわけねえだろ!)

「先生!!」

「何だ?」

「・・・サンジが、具合悪そうなので、お、俺、保健室に連れてって良いですか?」

「・・・ああ、連れていってやれ・・・」

「あっ、俺が、連れ・・・」

ウソップは、スモーカーに了承を取ると、エースが動くより先にサンジの腕を取り、教室から

素早く飛び出した。

「ハア、ハア。 ・・・サンジ・・・俺が、協力できるのは、ここまでだ・・・ ・・・あとは、

お前次第だ・・・ ・・・このまま、エースのもくろみ通り、ゾロと別れるのか? 

違うだろ? ・・・だったら・・・・だったら、自分の中で諦めねえで、もう一度、ゾロにぶ

つかってみろよ! ・・・ゾロだって・・・ゾロだって、心の中じゃ、お前が追いかけてく

るの、待ってるはずだ。 行って来い!」

ウソップは、学園の入り口まで、サンジを連れてきて、ドンと、サンジの背中を押した。

「・・・ありがとう、ウソップ!! ・・・俺、行ってくる!!」

サンジは、笑顔でそう言うと、ゾロを追いかけて走っていった。

(う〜ん。 ・・・青春だぜ・・・久々に、良い笑顔、見せてもらった・・・ それでこそ、お

れたちのサンジだ!)

ウソップは、入り口で、満足げにウンウンとうなった。















++++++++++++++



「くっそっ。 気分が最悪なのに、雨まで、降ってきやがった・・・ ・・・サンジ・・・追い

かけてこなかったな・・・ ・・・でも・・・俺、みっともねえ・・・ ・・・サンジ、俺のこ

と・・・度量の狭い男だと思ったよな・・・ ・・・俺のこと・・・見限った・・・かな・・・」

ゾロは、そう呟くと、がっくりと肩を落とし、トボトボと道を歩いていく。

いつの間にか、ゾロは、自分の家の前に帰っていた。

(・・・はあ・・・すっかり、びしょ濡れだ・・・ とりあえず、風呂にでも、入るか・・・)

ゾロは、そう呟くと、制服の上着を脱いで、バスタオルをもって、お風呂場に向かった。










ピンポ〜ン・・・

ゾロが、ちょうど風呂から出ようとしたとき、玄関に、誰かやってきた。

(誰だ? こんなときに・・・)

ゾロは、そう思いながら、インターホンカメラを覗く。

そこには、ずぶ濡れのまま、たたずむサンジの姿があった。

「サ、サンジ!!」

ゾロは、慌てて玄関に走る・・・自分の姿を確かめもせず・・・

「サンジ!!」

ゾロは、ロックを解除すると、そのままサンジに抱きついた。

「っ?!!・・・/////」

サンジは、ゾロの姿に、思わず、硬直してしまった。

「???・・サンジ?」

ゾロは、サンジの様子に訳が分からず、首を捻った。

「・・・////・・・ゾ・・・ゾロ・・・」

サンジは、モジモジして、ゾロの下半身をチラチラと見て、意味ありげに視線を送った。

「うん?んあああっ!!!」

ゾロは、その時初めて、自分が、素っ裸なのを思い出した。

そして、慌てて、ルームマットを身体に巻き付けると、サンジに、部屋に上がるように、いっ

て、急いで着替えに走った。

「すまん、今、風呂から上がったばっかりだったから・・・」

ゾロはそう言って、サンジにタオルと着替えを渡した。

「・・・ごめんな、サンジ・・・俺、お前にみっともねえとこ見せちまって・・・ 

・・・わかってんだ・・・そんな子供の頃の事で、やきもち妬くのは、くだらねえって

事・・・ だけど・・・だけど・・・俺・・・あのとき・・・我慢できなかった・・・ ・・・俺の知

らないサンジを、あいつが知っていると思うと・・・ ・・・我慢できなかった・・・」

ゾロは、そう言うと、冷たいサンジの身体を抱きしめた。








<next>   <back>   <kiririku−top>   <map>


   


<コメント>

・・・ウソップ、良い役で出てたでしょ??(笑)
それにしても、エースの性格、どうにかならんかね・・・
って、自分で書いてて思った・・・エースファンの人、ごめんなさい。(ぺこり)
だって、仕方ないじゃない・・・ここは、ゾロサンサイトなんだから・・・
でも、ルナは、エース、好きだよ。
えっ、しらじらしく聞こえるって・・・あはは・・・
『真実は、いつも、一つ!!』(←パクるなよ・・・)
(逃走・・・)