School★Panic


その2




「てめえ・・・良くも、ふざけた真似、しやがって・・・もう、許さねえ!」

そこには、鬼のような形相をしたギンとパールの二人が立っていた。

「あっ・・・」

ゾロの脳裏に、今朝の出来事が、思い浮かんだ。

(確か・・・放課後、裏庭に・・・)

ゾロは、やっと、約束したことを思い出した。

「あっ、すまん・・・すっかり、忘れてて・・・どうも、すみませんでした。」

ゾロは、素直に謝った。

「あっ、いや、そんなに素直に謝られると・・・って、そうじゃねえ!! 今から、ちょっ

と、面貸せや。」

ゾロは、言われるまま、ギンとパールについていった。









「遅いなあ・・・ゾロ。 何やってんだろ?」

サンジは、時計とにらめっこしながら、体育館の前で、ゾロを待っていた。

そこに、ジョニーと与作が、息を切らして、走ってきた。

「ぜい、ぜい。 サ、サンジさん!! 大変っす!! ゾロの・・・ゾロの兄貴が・・・

サンジさんの親衛隊を名乗る先輩達に連れて行かれて・・・はあ、はあ。」

「はあ、はあ。 あいつら、絶対に、ヤバいっす!! あいつら、かげで、いつも・・・ぜ

い、ぜい。」

ジョニーと与作は、ハア、ハアと息をつぎながら、サンジにそう話した。

「えっ!! ・・・それは、どこだ・・・」

サンジは、表情を一変させると、二人に、ゾロが連れて行かれた場所を尋ねた。

(待ってろよ!! ゾロ!!)

サンジは、二人にその場所を聞くと、急いで、駆け出した。





「・・・・・なあ、ジョニー・・・サンジさんって、本当は、もの凄く、怖い人なのかも

な・・・」

「ああ・・・さすがの俺も、紙一重で、ビビっちまった・・・普段からは、想像もつっかな

いよな・・・俺、サンジさんだけは、敵に回したくねえ・・・」

「・・・同感だ・・・」

ジョニーと与作は、サンジの知られざる一面を見たようで、背中に流れる汗を感じながら、

サンジを見送った。










+++++++++++



「おらっ、おらっ。 どうした・・・手も足も出せねえのか? あん? この竹刀は、ただ

の飾りか? まだまだ、こんなもんじゃ、俺達の気が、すまねえんだよっ!!」

ギンとパールは、そう言いながら、無抵抗のゾロに、殴る蹴るの暴行を加えていた。

「・・・お前ら・・・今までも、サンジに近づく奴ら・・・こんな目に遭わせてたのか・・・」

ゾロは、黙って、二人のなすがままにされながら、そう、ギンに言った。

「そうよ、それが、どうした。 サンジさんに色目使って近づく野郎は、俺達が、許さね

え。 お前も、これで、懲りただろう? だったら、金輪際、サンジさんにつきまとうな

よ! わかったな!!」

ギンとパールは、ゾロに暴行を続けながら、そう吐き捨てた。

「・・・そいつは、無理な話だ・・・ サンジが、俺に惚れてるからな・・・」

ゾロは、そう言って、口元の血を拭うと、ニヤリと笑みを浮かべた。

「!!こ、こいつっ!! ふざけるな!! 誰がてめえみてえな、見かけ倒しの野郎

に惚れるもんか!! 自惚れんのもたいがいにしろ!!」

パールは、そういうと、ポケットからナイフを取り出した。 

「やめろ!! パール!!」

ギンが、慌ててパールを制しようとしたが、パールは、かまわず、ゾロに突進していった。

「ゾロ!!」

パールが、ゾロに斬りかかるより、一瞬早く、サンジが、ゾロの前に、飛び出した。

シュッっと、ゾロの前にサンジから流れ出る鮮血が、飛び散った。

「!!サンジッ!!」

グラリと、スローモーションのように倒れ込んでくるサンジの身体を、ゾロはしっかと抱きしめ

た。

「・・・大丈夫だ・・・大したことねえよ。 ちょっと、足、掠っただけ・・・だ・・・」

サンジは、そう言って、笑った。

「・・・・・・・」

ゾロは、無言で、サンジを地面に座らせると、側にあった竹刀を取り出した。

「・・・俺は、自分の身に起こるたいがいのことには、黙って目をつぶって見過ごして

やる・・・ ・・・だが・・・お前らは・・・絶対にしちゃいけねえ事やっちまった・・・ 

・・・無事、ここから帰れると、思うなよ・・・」

ゾロは、静かな低い声でそう言うと、竹刀を構え、二人に向かっていく。

ギンとパールは、その気迫に押され、全く動けないでいた。

グシャっと、骨の砕ける音がした。

「っ・・・ゾロ!! もういいって!! ゾロ! 止めてくれよ!ゾロ!!」

サンジが、ゾロの背中にしがみついて止めにはいった。

「・・・サンジ・・・放せ・・・こいつらは・・・お前に・・・」

「ダメだ!ゾロ! 先輩達、怯えてもう、動けないでいるじゃねえか! 俺なら、全然

平気だから! お前の剣は、こんな事で使うものじゃねえだろ!!」 

サンジは、自分の傷を省みず、ギンとパールの前に立ちふさがった。

ギンとパールは、恐怖のあまり、縮こまっていた。

「・・・・・わかった・・・・サンジ・・・でも・・・2度目はねえ・・・」

ゾロはそう言うと、竹刀をしまって、サンジを抱きかかえた。

「うわっ! ゾロ! 俺、平気だって!! 一人で、歩けるから! 恥ずかしいから、

降ろせよ!!」

サンジは、ゾロの腕の中で、ジタバタと暴れた。

「良いから・・・暫く、黙ってろ。」

ゾロは、そう言うと、スタスタと、保健室に向かった。






「おや、サンジ? ・・・あの噂は、本当だったんだねえ・・・ 全く、最近の若いもん

は、堂々としたもんだ・・・ で、何か、用かい?」

ゾロにお姫様抱っこされて、保健室に入ってきたサンジを見て、養護の先生のクレハは、そう

言った。

「サンジが、足を切られた。 婆さん、診てやってくれ。」

クレハに冷やかされて真っ赤になって俯いているサンジの代わりに、ゾロが、そう答えた。

「バキッ!!」

「グッ!!」

「口の効き方を知らない坊やだねえ。 あたしは、まだ、ピチピチの139歳だよ。 

クレハさんとお言い。 今度その口で、また同じ事言ったら、その位じゃすまないから

ね。 口は、災いの元だよ。 さあ、診せてみな。」

クレハは、ゾロの頭に鉄拳を食らわすと、サンジの足を診た。

「う〜ん。 これは、別に大したことなさそうだ。 2、3日、運動しないでじっとしてれ

ば、じき、治るよ。 サンジ、あんた、サッカー部だったね。 3日間は、サッカー禁止

だからね。 無理に動かすと、傷が開くからね・・・ ちょっと、じっとしてな・・・ちゃっ

ちゃと縫ってやるから・・・」

そう言うと、クレハは、裁縫でもするかのように、麻酔も無しで、サンジの足の傷を縫いだし

た。

「うんぎゃあ〜!!!」

学園にサンジの悲鳴が、こだました・・・

「・・・全く・・・これくらい、男だろ?! 情けない声だしてんじゃないよ・・・ほれっ、終

わりだ・・・」

クレハは、ケロっとした顔で、サンジにそう言った。

((そんなもんじゃねえだろ?! ・・・全く、恐ろしい婆さんだ・・・絶対に敵に回したく

ねえ・・・))

ゾロとサンジは、真っ青になってそう、心の中で呟いた。

「・・・大丈夫か、サンジ・・・」

「おう、平気だ・・・っ痛。」

「俺、送っててやっから・・・鞄、何処だ?」

「あっ・・・体育館の前に、置きっぱなしだった・・・」

「じゃあ、ありがとうな、婆、いや、クレハさん・・・」

「サンキュ−っv クレハさんっv」

「別に・・・いいかい。 絶対に、3日間は、運動禁止だからね! 忘れるんじゃない

よ!」

そう言って、ゾロとサンジは、保健室を出ていった。











「・・・ゾロ・・・ごめんな・・・俺のせいで・・・俺、ギンさん達が、あんな事やってたなん

て知らなくってさ・・・本当・・・ごめんな・・・」

学園の帰り道、サンジは、ビッコを引きながら、ゾロにそう言って、謝った。

「いや、てめえこそ・・・俺のせいで、こんな怪我させちまった。 すまねえ・・・」

「??別にゾロのせいじゃねえよ。 俺が、勝手に、間に割り込んでいったから・・・」

「いや、俺が、あいつらを煽ったせいだ・・・」

「えっ?! 何か言ったのか?!」

「ああ、あいつらが、あんまりしつこく別れろって言うから・・・ 

・・・お前が・・・俺に惚れてるから、それは無理だっていっちまった・・・/////」

「・・・////// それは別に嘘じゃねえから・・・ ・・・ゾロは・・・どうなんだ・・・ 

・・・俺と同じぐらい・・・ ・・・ああ、ここ、俺んちだから・・・じゃあまた明日・・・」

サンジは、そう言って、ゾロから鞄を受け取ろうとした。

「・・・俺は・・・お前のことになると、自分が押さえられねえ位・・・

・・・お前が、好きだ・・・」

そう言って、ゾロは、サンジを抱きしめた。

「・・・キスして・・・良いか?」

ゾロは、サンジの顔を見つめながらそう言った。

「・・・俺も、今、したい・・////」

そう言うと、サンジは、ゾロの首に腕を廻した。

月明かりに、二人のシルエットが、そっと、重なっていった。









   
<next>   <back>   <kiririku−top>   <map>




<コメント>

純愛路線一直線!! 只今爆走中のルナ(笑)
リクエストは、【ゾロサンラブラブで、学園パラレルもの(サンジは学園のアイドルで)】
と言うものだったんですが・・・いかがですか???・・・ダメ??
・・・絡みが少ないですか??? そうですか・・・
では、初めてのH編を引き続き・・・
その前に、ここに出てきていないキャラに二人の仲を引き裂いて・・・
いやいや、それは、またのお話に・・・(笑)
でも、決して、そのキャラは、ウソップじゃないから、安心してねvv(笑)
では★近いうちにあいましょうっv