彼の上機嫌、彼氏の不機嫌 その4 |
「サンジー、遅せーよー。 ゾロの奴、さっきから、イライラしてて、俺ら、生きた心地し なかったんだからな。」 ウソップが、心底ほっとした声で、サンジにそう言った。 「ああ。すまん。 ちょっと、昔の知り合いに会ってな。 すぐ夕飯にするから、食って サンジは、上機嫌で、キッチンに入っていった。 「・・・・・・・・・・」 ゾロは、無言で、その様子を甲板から見ていた。 「おら、てめえら、メシ、出来たぞー!!」 サンジは、ゾロ達をキッチンに呼んだ。 「ああ、そうそう。 ウソップ、チョッパー。 今晩、てめえら、宿に泊まるんだったな。 そう言いながら、サンジは、皆に、ご飯をよそった。 「・・・わかった。」 (やっぱり、今日は、和食かあ・・・相変わらず、お熱いことで・・・) 「うん!わかった。 ちゃんと、伝えるよ。 楽しみだな。・・・あっ、でも、俺、・・・入っ チョッパーは、少し、心配そうに呟く。 「ばーか。 シュウは、そんな奴じゃねえよ。余計な心配しなくても良いぞ、チョッパ サンジは、相変わらず、上機嫌でチョッパーの帽子をポンと軽く叩いた。 「どうした?ゾロ。」 久しぶりにシュウに会った高揚感で、上機嫌のサンジには、ゾロの不機嫌さがわからない。 「別に。」 それだけ言って、食事をするゾロに、 「てめえも、明日、シュウに会わせてやるよ。 結構、いい奴だぜ。」 と言い出す始末。 「いやあ、うめえな。 今日の夕飯は、最高だ。 さすが、サンジだぜ。 この煮物な ウソップが、あわてて、話題を逸らす。 「う、うん。 本当に、美味しいよね、ゾロ。」 「・・・・・・・・・」 ゾロは何も言わない。 (だーっ!! チョッパー!!何で、そこで、ゾロにふるんだ・・・俺、もう、宿に行きて ウソップは、真っ青な顔で、チョッパーを見た。 「ごちそうさん。 お、俺達、もう、宿に行くわ・・・」 「うん、ごちそうさま、サンジ。また、明日ね。」 そう言って、ウソップとチョッパーは、食事が済むと、一目散に、宿屋に向かった。 「馬鹿らしい・・・」 (何だって、俺は、こんなにイライラしてんだ・・・昔の知り合い・・・サンジだって、そう 一度は、そう思ったものの、ゾロの心は、平静を保てない。 (サンジに、いくらその気がなくったって、もし、相手が、その気になった場合・・・ ゾロは、そう決心して席を立つ。 「ああ?! もういいのか?」 「ああ、もう充分だ。 ごちそうさん。 先に寝るわ・・・」 (出来たら、俺の取り越し苦労で、済めばいい・・・) ゾロは、そう言って、キッチンを出ていった。 「ん?! 変な奴・・・いつもなら、誰もいねえ事を良いことに、すぐ、抱きしめてくるの サンジは、のんきに、ブツブツと一人、呟いた。 「ちょっと、早かったかしら。 サンジ君達、まだ来てないみたい。 中に入って、待っ そう言って、ナミは、皆を連れて、店内に入った。 「いらっしゃいませ。 何名様ですか?」 スッと、長身の男が、丁寧に挨拶して、ナミ達に聞いた。 「あっ、いえ。 今日、私達、サンジ君に誘われて来たんですけど・・・ちょっと、来る 「あっ、サンジの・・・お話は、伺っています。 いやあ、本当に、美しい方々ですね。 そう言うと、男は、ナミ達を奥の部屋に通した。 ((!!呼び捨て!!)) ナミとウソップは、これから起こるであろう嵐の予感を感じた・・・ 「じゃあ、そろそろ、料理の用意してきますね。」 と、笑顔でそう言って、部屋を出ていった。 「なかなかいい人じゃない。 話も上手だし、礼儀正しいし、サンジ君がなつくのも、 ナミは、そこまで言うと、急に口ごもった。 「どうしたの? ナミ?」 チョッパーが、不思議そうに、ナミに聞いた。 「皆、気が付かなかった? 髪の色とか格好とかは、全然違うんだけど、・・・雰囲気 「・・・ゾロね・・・」 ロビンが、ナミの横から即答した。 「そう!そうなのよ。皆、思わなかった??」 「うん・・・言われてみれば・・・何となく・・・」 「そうか? 全然違うぞ? ゾロは、コックじゃねえし、ゾロはゾロだ。」 「ゾロが、愛想良く接客業やってたら、あんな感じかもな。」 ルフィ以外、誰もが少なからず、少しはそう、思っていたらしい。 ((サンジ(くん)って、昔から、ああいうタイプが好きだったのか(かしら)・・・)) 『はあ・・・』とウソップとナミは、小さくため息を吐いた。 「でも、良い? 絶対、二人の前で、この話はしないこと。絶対よ! 死にたくなかっ ナミは、皆に、硬く口止めする。 「俺のせいかよ!」 「てめえしか、いねえだろ!」 そう口げんかしながら、ゾロとサンジは、P.M.7:00頃に、やってきた。 「いらっしゃいませ。 私、この店のオーナーシェフの、シュウと言います。 サンジ シュウは、ゾロに対しても、丁寧に挨拶をした。 「・・・・・」 ゾロは、その言い方が気に入らなかったのか、無言で、シュウを睨み付ける。 「お、おい、ゾロ! ご、ごめんな。 こいつ、愛想悪くって・・・おい、ゾロッでば!」 「・・・わりい・・・」 ゾロは、形だけ謝った。 「・・・いいえ、いいんですよ。」 シュウは、そう笑顔で言いながら、次々に、作った料理を、テーブルに並べていった。 ((・・・こいつ・・・手に剣だこが出来てる・・・剣士か? それに、そつのない身のこな ゾロとシュウは、お互い、同じ事を考えて、相手を見ていた。 「うっひょ〜!! うめー! サンジのが一番うめえけど、その次、いや、バラティエの 「本当、凄く美味しいわ。 私達、いつもサンジ君が作った物を食べてるから、舌だけ 「うん、凄く美味しいよ。」 「ああ、いけるぜ、これ!」 「美味しいいわね。」 「・・・・・」 皆、口々に出てきた料理を誉めた。 「うれしいな。 皆さんにそう言っていただけると、作った甲斐があるというものです。」 シュウは、心底嬉しそうに笑った。 「ああ、食った、食った。」 「「美味しかった、ごちそうさま。」」 「うまかったよ、ごちそうさん。」 「・・・・」 若干一名を除いて、皆、満足げに挨拶して、店を出る。 「「じゃあ、俺達、船に戻るから。」」 そう言って、ウソップとチョッパーは、港の方へ歩いていった。 「じゃあ、私達も、宿に戻るわ。」 そう言うと、ナミは、食べ過ぎて動けないルフィをロビンと一緒に引きずって、宿に戻っていっ 「さあて、俺達も、宿に行くか?」 「ああ。」 「じゃあ、シュウ、あとでな。」 「おう、待ってる。」 「・・・・・・・・」 そう言って、サンジは、怪訝そうなゾロの腕を引っ張って、宿屋に向かった。 |
<コメント> シュウVSゾロ勃発・・・ あと、一回じゃ、無理が有るな・・・終わらせるの・・・ 誰か、素敵な小説の書き方、 ルナに伝授してくれ・・・ って、これ、おわんのか?? |