WISH!


その2





「ナミさ〜んvv お待たせしました〜っv これ、お土産で〜す!!」

そう言って、サンジは、敵船からの戦利品をナミに手渡した。

「さっすが、サンジ君vv 気が利くわね。 ありがとっv」

そう言って、ナミは、サンジの頬にチュッとお礼のキスをした。

「ああvvナミさんvv 僕は、この一瞬のためなら、悪魔に魂を売り渡してもかまわない

っv」

サンジは、ラブコックモード全開で、ナミにハートを飛ばし続けた。

「・・・・・」

「・・・何よ、たかが、お礼のキスじゃない。 そんなに睨まなくても、別に。 

敵船が来て、おじゃんになったからって、こっちに矛先を向けないで欲しいわ。 

いやあね、全く、嫉妬深い男って・・・」

ナミは、先程から、殺気を放ちながら自分を睨み付けているゾロに向かって、ため息をつきな

がら、そう言った。

「サンジ〜! 肉ぅ〜、肉食いてえ!!」

ルフィが、すかさず、サンジにそう言った。

「ああ、待ってろ、今作ってやるから・・・ ナミさん、ロビンさん、喉渇いてるでしょう?

今、冷たいもの、何か持って来ますから。」

そう言ってサンジは、キッチンに向かった。

「あっ、サンジ、俺のも頼んでも良いか?」

「俺も!俺も!!」

ウソップとチョッパーが、キッチンに向かうサンジに慌てて言葉をかける。

「ああ、わかってる。 まかせな。」

そう言って、サンジは、キッチンの中に入っていった。

「さあ、じゃあ、サンジ君が、戻ってくるまでに、私達で、甲板の片づけと、修理、出来

るとこまでやりましょう。 ゾロ、ウソップ、ぼやぼやしないで、倉庫に行って、修理道

具と板、持ってきて。」

ナミは、サンジの後についてそのままキッチンに入っていきそうな勢いのゾロに向かってそう

言うと、てきぱきと後片付けの指示を出した。

「・・・おう!」

(ひええ〜っ! ナミ・・・それ以上、ゾロの感情を逆撫でしないでくれよ・・・

お、俺が、とばっちり食うんだぞ。)

「チッ!!」

(・・・ナミの野郎・・・先手打ってきやがった・・・絶対に、後で、斬る!!)

ややひきつり気味にそう返事したウソップと、明らかに自分の行動を察知され、邪魔されたゾ

ロは、舌打ちをしながらも、ナミの言うことに従った。




「ごめん、ゾロ、テーブル、甲板に出してくれるか? さあ、皆、手を休めてくれ。」

そう言って、サンジは、消化の良い夜食と飲み物、ルフィご希望の肉を持って、甲板にやって

きた。

そして、ゾロが運んできたテーブルの上に、それらを並べる。

「「「「「いただきま〜す!!」」」」」

「はあ〜、うめえ〜、やっぱ、肉が一番だ!!」

「喉、カラカラだったから、美味しいわ、ありがとうっvサンジ君。」

「本当、何食べても美味しいわ。」

「か〜、うめえ。 サンジ、お前、本当に、気が利くよな・・・」

「ぷはあ、美味しいよ、サンジ。 ねっ、まだ、おかわりある?」

「おう! まだたくさんあるから、安心して飲み食いしろよ・・・」

皆、口々にサンジの作ったものを誉め、口に運ぶ。

サンジもまた、その様子に嬉しくて上機嫌になっていく。

「・・・・・・・・」

ゾロは、そんなサンジの様子に、ふと寂しさを感じながら、皆と少し離れたところで、一人、酒

をあおっていた。

「ゾ〜ロ、どうした? まだ機嫌直んねえ?」

サンジが、酒のつまみとビールを持って、ゾロの横にしゃがみ込む。

「「・・・別に・・・」」

サンジは、ゾロの声に合わせ、同じ口調で、そう言った。

「クククッ。 また出た、ゾロの口癖! てめえ、何かあると、すぐそう言うもんな・・・ 

わかってるって。 後で、これ片づけたら、ちゃんと、サービスしてやるから・・・

なっ、機嫌直せよ。」

そう言って、サンジは、皆の目を盗んで、ゾロにそっと口付けた。

「・・・・寝かせねえからな・・・覚悟しとけ。」

「おう、望むところだ!」

ゾロとサンジが、甲板にいる皆のことも忘れて、自分達の世界に入ろうとしたところで、ナミ

が、二人に近づいて、そっと囁いた。

「・・・二人とも、お熱いのはよくわかるけど・・・ここには、まだ、お子ちゃまがいるん

だから、もう少し後でにしてね。 特にゾロ! あんた、程々にしないと。 サンジ君、

また明日、使い者にならなくなったりしてたら、あんたの借金、倍にして返して貰うか

らね! わかった?? じゃ、サンジ君、あたし達、今日は、疲れたから、もう部屋に

戻るわ。 あっ、そうそう、明日には、次の目的地に着くはずだから、上陸の用意も、

しておいてねっv おじゃま様〜。」

そう言って、ナミは、手をヒラヒラさせて、ロビンと一緒に、部屋に戻っていった。

「・・・あの、魔女が・・・」

「・・・////ナミさん・・・いつからばれて・・・」

ゾロとサンジは、動揺を隠せず、そう呟いた。





「あ〜あ、食った、食った。 ごっそうさん。」

「サンジ、ありがとな。 美味しかったvv」

「ああ、俺も、腹一杯だ。 サンキュー、サンジ。」

後に残った男3人は、テーブルの上のものを全て平らげると、満足そうに、サンジに向かって

そう言った。

「おう! 良いって事よ・・・それより、てめえら、疲れてるだろ? 後の片づけと見張

りは、俺ら、やっとくから、もう、部屋に戻って休んでて良いぜ。」

「「うんじゃあ、あと頼むわ。」」

食べ過ぎて、使いものにならないルフィと、サンジの言葉の意味を理解したウソップは、サン

ジにそう返事すると、部屋に向かった。

「良いのか? サンジだって、疲れてるだろ?? 俺、見張りぐらいだったら、まだ、

出来るぞ?」

チョッパーは、サンジに気遣って、そう返事する。

「大丈夫だ、チョッパー。 見張りは、俺がやるから・・・お前は、まだ子供なんだか

ら、ちゃんと寝とけ。 医者のてめえに、何かあったら、俺達が困る。」

ゾロは、そう言うと、チョッパーの帽子をポンポンと叩いた。

「子、子供扱いすんなよ! ・・・で、でもゾロがそこまで言うなら、お、俺、寝る・・・

 お、おやすみ、ゾロ、サンジ。」

チョッパーは、ゾロの気遣いが嬉しくて、照れながらゾロの言葉に従って、トコトコと、部屋に

戻っていった。

バタンッと扉の閉まる音がした。





「ふう〜、やっと行ってくれたぜ・・・ゾロ、テーブル片づけたら、先に、見張り台に行っ

てて良いぜ。 俺、洗い物済ませてから、後で上がってくるから・・・」

「・・・見張り・・・するのか??」

「あったりめえだ。 俺達でやるって言った以上は、ちゃんとしねえと。 後で、ナミさ

んに、何て言われるか・・・ 今日は、そんなに寒くねえし・・・たまには、気分変え

て、外でやるのも、よくねえ?」

サンジは、そう言って、にっこりと笑った。

「・・・たまには、か・・・当然、サービスしてくれんだろ?」

ゾロは、ニヤリと口元に笑みを浮かべると、サンジの身体を引き寄せた。

「おう! 極上のデザート、食わせてやるよ・・・」

そう言って、サンジは、背中に腕を回し、ゾロに口付けた。









「・・・・待たせたな、ゾロ。」

サンジは、そう言って、ゾロ用の辛口のお酒と、つまみを手に持って、見張り台に現れた。

「・・・遅せえ・・・」

ゾロは、サンジが上がってくるや否や、その身体に腕を伸ばし、そう言った。

「うわっ! 何、がっついてんだよ! 酒とつまみがこぼれるじゃねえか。」

サンジは、慌てて酒とつまみが入ったトレーを床に置くと、そのままゾロの腕の中に身を置い

た。

「全く・・・未来の大剣豪にもなろう男が・・・ いつもの、武士道精神は、どうした? 

このエロ剣士!」

サンジは、わざとゾロに悪態をつく。

「うるせえ。 てめえだって、やる気満々だろが! あー、このエロコック! 文句ある

か・・・」

「まっ、違いねえ・・・」

ゾロとサンジは、クスクスと忍び笑いをして、口付けをした。

そのまま、毛布の上に倒れ込む二人・・・

「・・・んんっ・・・・ん・・・・んふ・・・・ふ・・・ん・・・」

サンジの甘い声に比例するように、だんだんと深くなっていく口付け・・・

ピチャピチャと淫靡な音を立て、ゾロの舌の動きに翻弄されたサンジの瞳に、恍惚の色が浮

かぶ。

ゾロは、慣れた手つきで、サンジのシャツを片手で器用に脱ぎとっていく。

そしてそのまま、舌を首筋に這わせ、鎖骨の上に、新しい印を付けていった。

それから、ゾロは、胸に唇を移動し、サンジの胸の赤い尖りを吸い上げた。

「ひゃんっ! ・・・あん・・・・ああ・・・いや・・・ん・・・」

サンジが、ビクンと身体をそらした。

「・・・ゾ・・ロ・・・ダメだって・・・今日は・・・俺が・・・ああん・・・ねっ・・・離し・・・

んあ・・・」

サンジが、必死に頭を横に振り、手で、ゾロの頭を離そうとする。

いつもと違うサンジの態度に、ゾロは、一旦、胸の尖りから口をはずした。

「・・・どうした? サンジ。」

ゾロは、優しくサンジの名前を呼んだ。

「・・・だって・・・今日は、俺が・・・サービスするって・・・/////」

サンジは、顔を真っ赤にしたまま、上目遣いで、ゾロにそう言った。

ゾロは、慌てて、自分の鼻の下に手を当てた。

(ぶはっ、鼻血出たかと思った・・・ ・・・それって、サンジが、俺の、銜えて・・・

ブッ!!・・・やばい・・・想像しただけで、イッちまいそうだ・・・ ・・・耐えられるの

か? 俺・・・ ・・・でも、ここで耐えねば、男じゃねえ!)

「・・・・・・」

ゾロは、眉間にしわを深く刻んで、ありったけの理性で、何とか、耐えた。

「・・・嫌か?」

サンジは、黙りこくったゾロの態度に不安を感じて、コクンと首を傾げて、そう言った。

(くはあ・・・その仕草・・・止めろ・・・一体何のために我慢してんだか、それさえも、ぶ

っ飛びそうになる・・・いかん・・・剣士たるもの、如何なる時も・・・って、ダメだ・・・もう

何も、考えられねえ・・・)

「サンジッ!!」

ゾロは、サンジの身体の上にのし掛かると、そのままサンジをギュッと抱きしめた。

「???ゾロ??」

サンジは、訳が分からずゾロの顔を覗きこむ。

「・・・これ以上、俺を煽るな・・・さっきも途中で、我慢してんだ・・・ ・・・どうなっても

知らねえゾ・・・」

ゾロは、呻くような声でサンジにそう囁いた。

「・・・ゾ・・ロ・・・ ???!!!!ゾロ!! 何か、変だ!! ゾロ!!」

サンジが、船の周りに漂う異様な雰囲気に慌てて身を起こした。

「敵襲か??」

二人の間に、緊張が走る。

「ああ、どうやら、そうみたいだぜ・・・俺達、とことん、ついてないみたいだ・・・ 

・・・そんな数じゃねえな。 二十数人ぐれえか・・・行くか・・・」

サンジは、残念そうに身体を離すと、タバコに火を付けて、ゾロにそう言った。

「・・・俺一人で、充分だ・・・」

ゾロは、不機嫌極まりないオーラを身に纏い、静かにそう呟くと、マストから飛び降りていっ

た。

「あっちゃー。 あいつらに・・・同情するぜ。 でも、久しぶりに見たな・・・ゾロがマジ

切れすんの・・・ そんなに、溜まってたのか? あ〜あ、あんなに甲板、血で汚し

て・・・ありゃ、皆が起きる前に、綺麗に掃除しとかねえと、ナミさん、怒るよな・・・

でも、こういうとき、不謹慎だけど、ゾロって、やっぱ、闘ってるときが一番、格好良い

よな・・・」

サンジは、マストの上でタバコを吹かし、魔獣と化したゾロの闘いを見ながら、のんきそうに

そう呟いた。

ゾロは、甲板に上がってきた敵だけでは物足りないのか、敵船に乗り移ると、動くもの全て

に、容赦なく剣を振るった。

そして、敵船を海に沈めると、何事もなかったように、船に戻ってきた。

「・・・いやあ、お疲れ!」

サンジは、ゾロにねぎらいの言葉を掛けながら、甲板に散らばる死体と血を洗い流した。

東の空からは、朝日が、昇り始めていた。







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<コメント>

ご、ごめんね・・瑠衣ちゃま。
また無駄に、長くなってる・・・(-_-;)
今度こそ、短くってそう思ってたのに・・・
何とか、後1回で・・・本当に、何とかしないと・・・(笑)
かわいそうです・・・ゾロ・・・もう、ルナは、涙を禁じ得ません・・・(涙)
別にルナは、憎くってゾロを虐めてる訳じゃ・・・
リクだから・・・仕方ないよね・・・
でも、いつも以上に、のって書いているのも、事実・・・
サンジの色香に耐えて耐えて暴走するゾロに、かなり、萌えvv
「後で、腹一杯食わせてやるぜ。」(サンジ談)
そんな事言ってて良いのか? サ、サンジ・・・死ぬぞ・・・(笑)