Bitter Sweet Christmas その4 |
「遅せえ! 何してやがるんだ! クソッ! 俺は・・・・・俺は、あいつのこと、買い被 りすぎてたのか? このくらいのことで、どうこうなっちまう男だったのか! あいつ は・・・・・」 シャンクスは、ベンと一緒に、昨晩から寝ないでずっと、ゾロの帰りを待っていた。 「おい、少しは落ち付けって! 愛する者をいっぺんに失っちまったんだ。 あいつの ベンはそう言って、シャンクスに声を掛ける。 「てめえまで、何言ってやがる! まだ・・・まだ、死んだって決まったわけじゃねえだ シャンクスは、そう言って、苛立つ感情のままに、壁にグラスを投げつける。 「・・・・・・なあ・・・・俺・・・・・間違ってるか?」 シャンクスが、ボソリと呟くようにベンに言う。 「・・・・・いや。 ・・・・・俺も、信じるぜ。 二人が、生きてるって、な。」 ベンはそう言って、シャンクスの肩をポンと叩いた。 ピンポ〜ン ちょうどタイミング良く、玄関のチャイムが鳴った。 シャンクスとベンは、慌てて玄関に出迎えに向かう。 「てめえな、今何時だと思ってやがる! いい加減・・・・れ? れれれ??? シャンクスは、突然の帰宅者に、驚きの声を上げた。 「・・・・・・なんで、てめえら・・・・・ここに・・・・・・ ひょっとして・・・・・幽霊???? シャンクスは、サンジとラピスの姿を見てそう言うと、一身に拝み始める。 「おい、シャンクス・・・・てめえ、さっき言ったことと行動が、噛み合ってねえぞ。 ベンはそう言って、サンジとラピスを部屋の中に招いた。 「サンジーッ!! ラピスーッ!! 俺は、信じていたぜ。 てめえらが、死ぬわけが シャンクスは、そう言って、部屋に着くなり、サンジとラピスを抱き締める。 「・・・・で、どうして、ここに・・・・」 ベンは、シャンクスの姿を一瞥しただけで、サンジに話を聞くことにした。 「ん?ちょっと、待っててな、ラピス。 サーしゃん、ちょっと、案内図見るから・・・・」 サンジは、そう言って、少しの間だけ、ラピスを床に下ろし、地図に目を向ける。 「よしっ! こっちの方だ。 さあ、ラピス・・・・・・ラピ・・・・ス? えっ?! ラピス サンジは、自分の側からいなくなっているラピスに気が付き、慌てて探し回る。 「・・・・・ごめんな。 俺達のせいで、迷惑掛けて・・・・」 サンジはそう言って、ベンとシャンクスに頭を下げる。 「いや、てめえ達が、無事なら、それで良いんだ。 ・・・・・だが・・・・・」 シャンクスは、そう言って、にっこりと笑った。 「あれ? そう言えば、ゾロの姿が見えないんだけど・・・・・・もしかして、仕事??」 サンジは、ゾロの姿が見えないことに気が付いてそう尋ねる。 「・・・・・・サンジ。 今から俺の言うことを良く聞いてくれ。 ゾロは・・・・・ゾロの野郎 バキッ!! 「縁起でもねえ事抜かすなっ!! てめえ!!」 ベンが、すかさず、シャンクスの頭に鉄拳をふるう。 「すまんな、こいつが言ったことは、でたらめだ。 ロロノアは、生きている・・・・・ ベンがそう言って、サンジに笑いかけた。 「・・・・・・きっと・・・・って・・・・・」 「ああ、あの馬鹿、昨日から、連絡取れねえんだよ。 家にも帰ってこねえし・・・・ サンジの言葉を遮って、シャンクスが、起きあがり頭を撫でながら、サンジにそう告げる。 「!・・・じゃあ、ゾロは・・・・・ゾロは、俺達が、事故に遭ってないって知らねえの サンジは、そう言ったまま、口を噤んでしまった。 ロロノア家の電話のベルが、鳴り響く。 サンジは、慌てて受話器を取ろうとして、シャンクスに止められる。 「・・・・・・サンジ、てめえは、出るな。 俺が、出る・・・・ ・・・・もしもし・・・・・・ シャンクスは、そう言ってゾロからの電話を切る。 「なに、あいつは、きっと戻ってくるさ。 俺の目が、狂ったことは、一度もねえから シャンクスは、そう言ってサンジにウィンクする。 「・・・・・わかった、信じるよ。 ・・・・・しかし、すげえ散らかし放題・・・・・・あっ、 サンジは、シャンクスを睨み付けながらも、シャンクスの言葉とゾロの強さを信じて待つことに 「はてさて・・・・・何の事やら、さっぱりわかんねえな・・・・・なあ、ベン?」 シャンクスにそう言葉を振られ、ベンは、無言で、首を横に振った。 「あっ、ベン、てめえ、裏切りやがって・・・・汚ねえ・・・・」 「決まりだな。 おい、シャンクス、てめえ、自分の金で、今日の夕御飯の食材とグラ サンジは、そう言ってシャンクスとベンを部屋から追い出した。 「・・・・・やっぱり、秘書は、止めといた方が良いかもな・・・・・・」 「・・・・・そのようだな。」 シャンクスとベンは、ボソリとサンジに聞こえないように呟いた。 サンジは、綺麗に掃除した室内で、そっと呟くようにそう言った。 ピンポ〜ン・・・・・ 玄関のチャイムの音が、した。 「・・・・・お帰りなさい、ゾロ・・・・・・・」 サンジは、ゾロの姿の変わりように、胸が詰まって、それだけ言うのがやっとだった。 「・・・・・お帰り、ゾロ。 俺は・・・・俺は、ゾロの傍から、いなくなったりしねえよ。 サンジは、そう言って、無理ににっこりと笑った。 「・・・・・・サ・・・・ン・・・・ジ? ・・・・・サンジ・・・・サンジ・・・・サンジ・・・・・・」 ゾロは、何度も確かめるようにサンジの名を呼び、その痩躯をきつく抱き締める。 「・・・・本当に、サンジなのか? お化けじゃねええよな? いいや、お化けでもなん 「ゾロ・・・・・俺は、ちゃんと生きているよ。 生きて、ここにいる。 たとえ、身体が無 サンジは、そう言って、ゾロの胸に手を置いた。 「ゾロが、俺を信じていてくれる限り・・・・俺は、絶対に、ココから消えたりはしない。」 「・・・・・サンジ。 ああ・・・・・信じる・・・・・信じてる・・・・・絶対に、俺達は、離れな そう言って、ゾロとサンジは、抱き合ったまま口付けを交わす。 「・・・・・なあ・・・・・もっと、確認したい。 お前がここにいることを・・・・・俺の傍にい ゾロはそう言って、耳元で囁く。 「・・・・俺も・・・って言いたいとこだけど、ゾロ。 ラピスのこと、忘れてるだろ? サンジは、そう言って、ゾロの身体から、サッと離れた。 「ふぅ〜・・・・・やっと入れるぜ。 ・・・・全く、玄関では、ラブシーンは禁止だ。 いつからそこに隠れていたのか、シャンクスが、そう言ってドアから顔を出した。 「・・・・・・社長・・・・いつから、そこに? ・・・・・・社長・・・・電話・・・・俺のこと、 ゾロはそう言って、シャンクスを睨み付ける。 「騙しただなんて・・・・・人聞きの悪い・・・・・てめえだって、聞かなかったじゃねえ シャンクスは、平然とゾロに向かってそう言うと、ラピスを抱き抱え、車に待たせていたサラと 「なっ。 この子達の教育上、ああ言うシーンは、好ましくない。 以後、玄関では、 シャンクスは、ゾロの横を通り過ぎる際に、そう言って、軽くウィンクした。 「・・・・・まったく、あの人にゃ、敵わねえよ・・・・・・」 ゾロがため息を吐いてそう言う。 「・・・・・そうだな。 じゃ、俺達も、入るか・・・・」 「おう!」 サンジとゾロは、仲良く手を繋いで、部屋に向かった。 |
<コメント> なんか、シャンクスばかりが、全面にたっているような・・・・(-_-;) まあ、今回は、シャンクスが、サンタだから、仕方ないよねvv 個人的にシャンクスのキャラ・・・・大好きですvv お馬鹿なようで、その実、ビシッとしてると言うか、 いつもはちゃらんぽらんしていても、押さえるべきは押さえてる、 そんな愛すべき人物なのです。 ・・・・・けど、お茶目すぎるのが、玉に瑕・・・・(笑) では、次で、ラストです・・・・・・ |