LOVE WORD







「ルフィ!! チョッパー!! てめえらは、中にいろ! 波が高くなってきた。 浚わ

れたら、危険だ。」

「ああ、わかった。 そうする・・・ 後は、任せたぞ、ゾロ。」

「お、おう・・・。 任せた、ゾロ。」

ゾロの言葉に、ルフィとチョッパーはそう返事してキッチンに入っていった。









ゴーイングメリー号は、只今、怒濤の嵐の海域を航行中。

ナミの航海術でなんとか転覆は免れているものの予断を許さない状況にあった。

「おい! あそこ!! 誰か居るぞ!!」

ウソップが、双眼鏡で海を見ながら、側にいるサンジにそう叫ぶ。

「なんだって?! 何処だ! おい! 双眼鏡、貸せ!」

サンジは、ウソップから双眼鏡を奪うと、ウソップが指差す方を覗いた。

数十メートルほどの先に波間に浮かぶ木の箱から、人間の手のようなものが、見え

ている。

それは、今にも海に消え入りそうだった。

「・・・・・本当だ。 あれは・・・・レディの手じゃねえか!! おい、ウソップ! ロープ

持ってこい! 早く!!」

サンジは、そう言ってウソップにロープの用意をさせる。

「サ、サンジ、お前、まさか・・・」

ウソップは、サンジにロープを渡しながら、恐る恐る尋ねた。

「ああ、あのままじゃ、あのレディは助からねえ。 放ってはおけねえだろ?」

サンジは、ロープを身体に巻き付けると、そう言ってウソップにロープの端を持たせ

る。

「お、おい、いくらなんでも、お前の方が危ないぜ。 こんな嵐の海に助けに行くなん

て自殺行為だ。 止めろよ。 もしかしたら、もう手遅れかも・・・」

ウソップは、慌ててサンジの行いを制した。

そう、こんな嵐の中に海に飛び込むなんて、海の恐ろしさを知っている者なら絶対に

しない。

しかし、サンジは違う。

どんな困難な状況でもそこにわずかな可能性がある限り、サンジは見捨てることがで

きなかった。

・・・・・子供の頃、あの島での途方もない焦燥感と絶望を味わった自分だからこ

そ・・・・

「ふざけんな! あの人はまだ生きている! ちゃんと手を振ってるのを確認したん

だ! それなのに、見放せと言うのかよ! そんなの、絶対にできねえ!! グダグ

ダ言ってねえで、しっかり持ってろよ!」

サンジは、ウソップに一喝すると靴とジャケットを脱ぎ捨て、嵐の海に飛び込む。

その姿を反対の方向でマストのロープをたぐり寄せていたゾロが見て、慌ててウソッ

プの方へと走って来た。

「ばっか野郎!! ウソップ!! なんで止めなかった!!」

ゾロは、もの凄い形相でウソップにそう叫ぶ。

「そ、そんなこと、俺に言われても・・・・うわっ!! ゾロ! ロープを!! 俺じゃあ、

支えきれねえ・・・。 このままじゃ、サンジが!!」

ウソップは、ロープの端を必死で掴み、ゾロにそう言った。

「チッ。 あのクソコック・・・ なんて無茶しやがる!!」

ゾロは、ウソップからロープを受け取ると自分の腕に巻き付ける。




あの馬鹿、戻ってきやがったら、お仕置きしてやる。

これで二度目だろ・・・

俺に心配掛けさせた礼をたっぷりして貰うからな。




「ウソップ!! ここはいいから、てめえは、マストのロープをたぐり寄せろ!」

「おう、任せとけ!」

ゾロの指示にウソップはそう言って反対側に回りマストのロープをたぐり寄せた。

暫くして、木の箱を抱えたサンジが船に近づいてきた。

ゾロは、ロープをたぐり寄せ、サンジとその木の箱を甲板に上げる。

「この馬鹿クソコック!! てめえ、なに考えてやがる!! 俺がロープ引っ張ってな

かったら・・・!!」

ゾロは、戻ってきたばかりのサンジの襟首を掴んでそう怒鳴りつけた。

「ちょ、ちょっと待て。 言いてえ事は後で聞くから・・・ それより、今はこの人を助

け出すのが先だ。」

サンジはそう言って、ゾロの腕を振りほどくと、人が入った木の箱をこじ開ける。

すると、中には若くて美しい女性が入っていた。

「レディ!大丈夫ですか? もう心配は要りませんよ。」

サンジはにっこり笑ってそう言うと、その女性を抱き起こす。

「・・・・・・・あなたが、私を助けて下さったのですか? どうもありがとうございます。 

この嵐で、乗っていた船が沈没して・・・・ああ、もうダメかと・・・・本当にありがとうご

ざいます。 貴方は、私の命の恩人。 このご恩は一生忘れません。」

女性はそう言って、深々とサンジに頭を下げた。

「そんな・・・貴方みたいな素敵な方をお助けできてこちらこそ光栄です。 さっ、身体

が冷えている。 どうぞ、こちらへ・・・」

サンジは、その女性の身体を支えながら、キッチンへ向かう。

「・・・・・・・・・・・・・。」

ゾロは、そんな二人を見てから、瞳の前にある壊れた木の箱に視線を移した。




・・・・・・どう見たって、これは・・・・この箱は・・・・

・・・・・・棺桶・・・・若しくは、囚人用の檻・・・・・

何で、こんなものの中に、あの女は入れられていた?

おかしい・・・何かがおかしい・・・・

俺の勘が警告している・・・・

あの女・・・・・・何者だ・・・・?




「・・・・・・要注意だな、あの女・・・」

ゾロは、閉じられたキッチンのドアを見つめながらそう呟く。

いつの間にか、嵐も過ぎ、空も明るくなっていた。









「本当に、なにからなにまでありがとうございます。 もうすっかり元気になりまし

た。」

ナミから貸して貰った洋服に着替え、サンジから温かいスープを飲ませて貰い、その

女性は、キッチンに集まったクルー達にそう言ってお辞儀をする。

穏やかで、柔らかい物腰の女性にクルー達は、警戒感を解いた。

「別に、礼なんて良いわよ。 困っているときはお互い様。 っで、何処から来たの? 

あなた、名前は? それから、何処に行こうとしてたの?」

ナミは、そう言ってその女性に尋ねる。

「あ、はい・・・。 私の名はキルケー。 小さな島にずっと一人で住んでいまし

た。 しかし、有ることが原因で船で連れ去られて・・・・ それから、もうずっと、船

に・・・」

キルケーはそう言って、悲しそうな表情を浮かべた。

「・・・・・キルケー・・・・ どっかで聞いたような名前ね・・・  どこだったかしら・・・?

ずっと前に・・・」

ロビンがそう呟いた言葉に、一瞬だけ、キルケーの顔色が変わる。

ゾロだけが、その様子を見逃さなかった。

「まあ、良いじゃないですか、ナミさん。 今日はもう、皆、疲れてるし、明日、話をし

ましょう。」

サンジは、キルケーの悲しげな様子を見て、ナミにそう言う。

「・・・・そうね。 あたしも疲れてるし・・・ 明日、またお話ししましょう。 じゃあ、キ

ルケーさん、悪いんだけど、貴方はキッチンのソファーで良いかしら・・? 一応、簡易

ベッドにもなるし、この船、小さいから、部屋数がないのよ。」

「あ、はい。 充分ですわ。」

「よし、じゃあ、今日は、これで解散! 行くわよ、ロビン。」

「ええ。 ・・・・・なんだったかしら・・・? あ、おやすみなさい・・・ 」

ナミとロビンはそう言ってキッチンのドアに向かう。

「あっ、それと、キルケーさん。 夜中に、格納庫から変な物音がしても気にしないで

ね。 じゃあ、おやすみvv」

ナミは、キルケーに軽くウィンクするとそう言って、ロビンと一緒に部屋に戻っていっ

た。

「?格納庫って何かありますの?」

キョトンとした表情でキルケーがサンジにそう尋ねる。

「!!!・・・・・ナ、ナミしゃん・・・なんてことを・・・ な、なんでもないですよ・・・ 」

「あの女・・・余計なことを・・・」

サンジとゾロは、恨めしげにナミの消えたキッチンのドアを見てそう呟いた。

「じゃあ、俺達も寝るか。 今日は、いっぱい疲れたし・・・」

「そうだね、嵐で大変だったモンね。」

「おめえら、なんにもやってねえだろ!」

「ニシシ。 そう細かいことは気にすんな・・・」

「おめえは、少しは気にしろっちゅうの!」

「ご、ごめんな、ウソップ・・・」

「まっ、俺様がいる限りこの船は安全だ。」

ウソップは、ルフィとチョッパーにそうツッコミを入れながら、ルフィ達と共に男部屋に

入っていった。

「んじゃあ、キルケーちゃん、俺達も寝るよ。 じゃ、おやすみvv」

「いえ、本当にサンジさんには何から何までお世話になって・・・本当に感謝してい

ますわ。」

サンジの言葉に、キルケーもそう言って微笑み返した。

「・・・・・・・・・。」

にっこりと笑って言うサンジとは対照的にゾロは、無言でキルケーを見る。

「?? ・・・・・・ゾロ?どうした?」

「いや、なんでもねえ・・・ おやすみ・・・」

「おやすみなさい・・・」

キルケーは、ゾロとサンジににっこりと笑ってそう言った。








「・・・・ゾロ、どうしたんだ? キルケーちゃんに何処かで見覚えでもあるのか?」

格納庫で上着を脱ぎながら、サンジはゾロにそう尋ねる。

「・・・・いや、そうじゃねえ・・・ ただ・・・・サンジ、気を付けろ。 あいつ、何かあ

る・・・」

ゾロは、そう言ってサンジを抱き上げると、簡易ベッドにそのまま横たえた。

「クスッ、変な奴・・・」

「良いから黙れよ。 それと・・・・お前が今日したこと、俺、本気で怒ってんだからな。 

もし、途中でロープが切れてしまってたら、どうするんだ。 お前が放っておけなかっ

た気持ちはよくわかる。 けどな、二度とこんな事はするなと、ドラム島で言った

はずだ。 あの時は、俺が傍にいなかったから仕方ねえが、今回は違う。 なんで俺

を呼ばねえ! お前のことだ。 俺が止めたってきっと聞きやしねえだろう。 

だから・・・・俺を頼れよ。 その為に俺はいるだろ?」

ゾロは、サンジに真剣な瞳を向けてそう言う。

「・・・うん。 ごめん、心配掛けたな。 これからは、ゾロに助けて貰う。 約束する

ぜ。」

サンジはそう言うとにっこりと笑って、ゾロの首に腕を廻した。

「んっ・・・・んん・・・・っはぁ・・・・ゾ・・・ロ・・・」

ゆっくりと塞がれた唇から、サンジは甘い吐息を漏らす。

ゾロは、その吐息をかき消すようにまた、サンジの唇を奪いその口内に舌を挿れた。

ピチャピチャと唾液の混じり合う音がゾロとサンジの耳を擽り、互いの体温が上昇す

る。

ゾロは、慣れた手つきでサンジのシャツのボタンを外し、その身に纏う衣服を全て剥

ぎ取った。

「あっ・・・・ん・・・あっ・・・ゾロ・・・ヤッ・・・」

無防備にさらけ出された肌にゾロの手が這い回り、サンジはその感触に身を震わせ

る。

ゾロは唇をサンジの首筋に落としながら、何度も撫でるように胸の尖りに触れ、その

先端を抓み上げた。

「ああっ・・・・やぁ・・・ん・・・ぞろぉ・・・・ん・・・・い・・・やっ・・・」

その先端からジンと甘い疼きが全身に広がって、サンジはギュッとゾロの頭を自分の

胸へと押し当てた。

抓み上げられた先端部分はツンと上向いて、妖しくゾロを誘う。

「・・・・ククク・・・食べて欲しいと言ってるのか・・・」

ゾロはサンジの耳元でそう囁いて、胸の尖りを唇で塞いだ。

「んっ・・・ああっ・・・・あ・・ん・・・ダメ・・・俺・・・・あっ・・・・ゾロ・・・あっ・・・」

舌で舐め上げられ、強すぎる快感にサンジは思わず身を捩る。

「まだ、始めたばかりだろ・・・ ったく、敏感なのにも困ったもんだな・・・ 」

ゾロは、サンジの表情を見つめて苦笑した。

「んもう・・・・馬鹿・・・・ゾロがこんなにしたんだぞ・・・ 責任取れよな・・・ 」

サンジはそう言って噛みつくようにゾロに口付ける。

「んじゃ、そうするか・・・」

ゾロは、ニヤリと笑ってそう言うと、サンジの雄に手を添え上下に扱く。

「はぁ・・・ん・・・・ゾロ・・・あっ・・・ん・・ああっ・・・ゾロ・・・」

サンジは、ギュッとゾロにしがみついたまま、ゾロの手の動きに合わせて腰を揺すっ

た。

「ああっ・・・・俺・・・もう・・・・ダメ・・・・あっ・・・ゾロ・・・・ヤッ・・・あっ・・クッ・・・」

ビクンと身体を仰け反らせて、サンジは白濁の精を互いの腹の間に吐き出す。

ヒクヒクと余韻に浸るサンジの雄からその残滓が、ゾロの手を伝い、後口まで流れ

た。

ゾロは、唇でサンジの胸を捕らえたまま、その濡れた手を後口に回し、ゆっくりと指を

挿し入れる。

「んっ・・・・あっ・・・ん・・・あっ・・・・」

最初はゆっくりと、それからだんだんと早くなる抜き差しされる指の違和感に、サンジ

は必死に堪えた。

何度身体を繋げようと、この感覚だけは身体が慣れてくれない。

決して受け入れるようには出来てない身体・・・

その身体を気遣って、ゾロは細心の注意を払ってゆっくりと時間を掛けて内襞を解し

ていく。

そんなゾロの気持ちが嬉しくて堪らないのに・・・・

そんな手間を掛けさせる自分が恨めしくて、サンジは思わず心の中で呟いた。




・・・・ごめんな・・・、ゾロ・・・




「・・・・・・サンジ、俺は、全然、手間とか思ってねえからな・・・」

ゾロは、指の動きを止めてそう言うと、サンジの瞳に溢れる涙をその唇で拭う。

「えっ?!なんで・・・俺、何も・・・・・」

「ばーか・・・。 言わなくたって、そのくらいわかる。 俺の愛情、ナメんなよ。 んな

事考えてると、泣かすぞ?」

ゾロはそう言うと、ニヤリとサンジを見て笑った。

「ばっ・・・・阿呆か//////!! けど・・・・俺、幸せだ。 ゾロが傍にいてくれるな

ら、俺、どんなことでもする。 絶対に、離れねえからな。」

サンジはそう言ってゾロに優しく口付ける。

「離すつもりもねえよ・・・」

ゾロはそう言って、また指の動きを再開した。

「んっ・・・はぁ・・・・ゾロ・・・も・・・良い・・・・早・・・く・・・・」

サンジの声に、ゾロは指を抜くと自分の雄をあてがい、ゆっくりと挿入する。

「っ・・・入ったぜ、サンジ・・・ もう動いても大丈夫か?」

サンジに無言で頷かれて、ゾロはゆっくりと腰を引き、打ち突けた。

「ああっ・・・ゾロ・・・・んっ・・・あっ・・・」

ゾロが打ち突ける度に、サンジは嬌声を放ち、その動きに合わせ腰を揺する。

「っ・・・クッ・・・てめえ、最近ますますエロくなってんな・・・。 そんなに煽るなよ・・・

止められなくなっちまうだろが・・・」

そう言って、ゾロはサンジの姿態に煽られるように激しく挿入を繰り返した。

その度に、ゾロの雄の先端がサンジの好いところを捕らえ、そこから全身へと快楽の

波が押し寄せてくる。

「あああっ・・・・ゾ・・ロッ・・・・ヤッ・・・あっ・・・はぁ・・・ん・・・ヤダ・・・・ダメェ・・・」

押し寄せてくる快楽の波に、サンジは涙を溢れさせながら首を横に振りギュッと瞳を

閉じた。

「っ・・・・ダメじゃねえだろ・・・・ イケよ・・・・イキてえんだろ・・・サンジ・・・ 」

ゾロは、腰の動きをそのままに、サンジの耳元でそう囁く。

「あん・・・・ヤァ・・・・んな声で・・・言うな・・・・ああっ・・・・ダメッ・・・・ゾ・・・・・ロ

ッ・・・・」

ギュッと堪らずにサンジがゾロの首にしがみつき、サンジの雄の先端から先走りの液

が迸った。

サンジの内襞にも力が加わって、ギュッとゾロの雄を締め付ける。

「っ・・・クッ・・・・ヤベッ・・・ サンジ・・・」

ゾロはサンジの内襞の動きに翻弄され、熱を放出すべく、ますます激しく腰を打ち付

けた。

「あああっ・・・・・ゾロ・・・ヤッ・・・・ゾロ・・・ヤァ・・・イクッ・・・・・ああっ・・・クッ・・・」

サンジは、ゾロの肩口に顔を付けビクンと身体を震わせると、互いの腹の間に白濁の

精を吐き出す。

それとほぼ同じくして、ゾロもサンジの中で白濁の精を叩きつけた。

「・・・・・サンジ・・・」

艶を帯びたうつろな表情のサンジにゾロはそう言って、口付けを繰り返す。

「んっ・・・・ぞろぉ・・・・俺、ゾロのキス・・・好きだ・・・大好き・・・。」

そう言ってにっこりと笑うサンジに、サンジの中に収まっていたゾロの雄はまた力を取

り戻し、熱を帯び始めた。

「俺も・・・・サンジのココ・・・・・好きだな・・・」

ゾロは、ニヤリと笑ってそう言うと、ズンとサンジの最奥を突く。

「あっ・・・ひゃ・・あん・・・・・この・・・馬鹿・・・野郎・・・・ああっ・・・」

「まだまだ、これからだ・・・」

ゾロは、真っ赤になりながら自分の首に腕を廻すサンジに苦笑して、また腰の動きを

再開した。








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<コメント>
ちゅど〜ん!!
いや、久しぶりにずっと前に書いた物をUPしましたが・・・・恥ずかしい・・・
うわ〜ん・・;;; こんなもん書いてたんですね、あたし・・・(涙/ならUPするなよ)
んと、裏覚えなんですが、大まかな話は覚えているので、ぼちぼちと・・・
けど、続きがいつになるのかは・・・・(遠い目)
逃げろーっ!!(脱兎)