Magic


その2







その日から、サンジの一日は一変した。

今まで、苦しい想いしかなかった毎日が、こうも張り合いのある一日になるなんて・・・。

そこにゾロがいるだけで苦しくて切なくて・・・。

そんな自分が嫌で認めたくなくて、イライラして喧嘩していたばかりの毎日が嘘のようで。

しかし、表面上は、何一つ変わってはいない。

変わったのは・・・・・・サンジの心境と・・・・・・ゾロの態度。

チェーンの効力か、ゾロは、他のクルーの前でもサンジの傍から離れようとしない。

このままでは、いけないとなんとかゾロを宥めすかせ、一応は以前と変わらない態度にはな

った。

しかし、他のクルーが寝静まる深夜は、恋人に戻る二人。

誰にも邪魔されない、二人きりの時間・・・・。

サンジにとって、とても甘美な・・・・幸せの時間・・・。

例え、それがこの瞳の前にいるゾロの首に掛かっているチェーンの力だとしても・・・。

首からはずしてしまえば、リセットされる想いだとしても・・・・。

昔の現実に比べれば・・・・楽園以外のなにものでもない。

いつものように、互いの熱を分かち合い、そっと、ゾロの肩に顔を寄せる。

ゾロはただ黙って、サンジの髪に指を絡ませた。

首に掛かる金色のチェーン・・・。

言葉通り、ゾロは一度もその首からチェーンをはずすことはなかった。

「お前がいれば、他には何もいらねえ。 好きだ、サンジ・・・愛してる・・・。」

毎晩のように耳元で囁かれるゾロの言葉・・・。

初めはそれが、嬉しくて、心がくすぐったくて、幸せで・・・。

けど、いつ頃からだろう・・・。

チクンとサンジの心が痛みだしたのは・・・。

日毎にサンジの心に痛みが増していく。




俺は・・・・本当にこれで・・・・良いんだろうか・・・・。




チェーンと言う魔法に頼ったサンジに湧き起こる後悔。




俺の望んだのは・・・・本当にこれなのか・・・。

こいつの・・・・ゾロの意思さえ失わせて・・・。

薄っぺらな・・・・・関係。

こいつが・・・ゾロが望んだ訳じゃない・・・。

強制的な・・・・関係・・・。

・・・・それが、俺の望みだったのか・・・・。




それでも、サンジはこの状態を自分から手放す事は出来なかった。

ある日、サンジは買い出しの途中、道ばたで呆然と立ちすくむ一人の若い女性を見掛けた。

行き止まりの路地の壁をただじっと見つめ、涙する女性。

「・・・・どうかしましたか?レディ?」

サンジは、どうしても放っておけなくてその女性に声を掛ける。

「・・・・いえ、何でも・・・・なんでもないんです・・・。 うぅ・・・・。」

その女性は、サンジの言葉にそう言って泣き崩れた。

「貴方みたいな素敵なレディが涙して、それを放っておく馬鹿はいませんよ。 宜しかったら、

お話だけでも聞かせて貰えませんか?」

サンジは、優しく微笑んでその女性にハンカチを差し出す。

「・・・・済みません。 身も知らない方にこんな優しい声を掛けて頂くなんて・・・。 けど、どう

しようもないことなんです。 ・・・・あの店が、もう、現れないから・・・・。 誰にも信じて貰え

ず・・・あのネックレスを失った私には・・・・希望さえないのですから・・・。」

「店??」

サンジは、女性の言葉に思わず反応した。

「ええ・・・不思議な店・・・。 確かにこの先にあったはずなのに、ネックレスを手にして店を

出た途端消えてしまった・・・・店・・・。」

女性は、サンジの言葉にブツブツと呟くように話す。

サンジは、あの店の出来事を思い出す。

「・・・・俺、その店、知っています。 宜しければ、もっと詳しくお話を聞かせて下さい。」

サンジはそう言って、その女性から話を聞いた。

女性の話はこうだった。




ある雨の日。

いつものように買い物に出たら、一件の店を見掛けた。

ふと気が付いたら、自分は店の中にいて、その店の若い女性にネックレスを見せられた。

必ず幸せになれるというネックレスを・・・。

片想いで苦しんでいた自分は、その言葉を信じそのネックレスを買い、言われたままに、

片想いの相手の首に付けた。

想いはすぐに叶い、自分達は結婚し、幸せに暮らしていた。

しかし、それは・・・・昨日、その相手が酔ってネックレスを無くしたことで終わりを告げた。





「・・・・どうしたら良いの・・・。 もうすぐあの人の子供が産まれるというのに・・・。 あの人

は、別れると・・・・どうかしていたんだと・・・・そういうばかりで・・・。 私達、ずっとうまくいっ

てたのに・・・・・どうしたら良いの・・・。」

その女性は、そう言ってまた泣き出した。

その女性の涙を見て、サンジはある決意をする。

「・・・・大丈夫。 そのネックレスなら、俺も持っているから・・・。 子供が産まれるんでしょ?

そんなに思い詰めると身体に悪いですよ。 俺、そのネックレス持ってきますから・・・・。

少しだけ、ここで待っていて下さい。」

サンジは女性ににっこり笑ってそう言うと、急いでゾロの待つ船に戻った。

「・・・・サンジ?どうしたんだ、そんなに息を切らして・・・。 それに・・・何で泣いている?

なんかあったのか?」

サンジの異変に気が付いたゾロは、そう言って優しくサンジの頬に手を添える。

見る見るうちにサンジの瞳に涙が次々と溢れてきた。

こうして瞳の前で自分に優しい瞳を向けるゾロも・・・これで終わり・・・。

自分で決めたこととはいえ、瞳の前のゾロの姿に心が揺らぎそうになる。

しかし、泣いている女性をあのまま見捨てることは出来ない。

女性だけではなく・・・・これから生まれくる新しい命のためにも・・・。

サンジは、これで最後になるであろうゾロのその瞳を・・・姿を・・・瞳に焼き付けるよう見つめ

る。

「っ・・・・ゾロ・・・・ゾロ・・・ごめん・・・。 もう・・・良いから・・・・ごめん。 ・・・・愛してる・・・・

世界中の誰よりもてめえのこと・・・・愛することができるのに・・・。 ごめんな、ゾロ・・・。」

サンジは涙を雫したままゾロの首にしがみつきそっと触れるだけのキスをする。

そして・・・・にっこりと笑うと、その首から金のチェーンを取り、船を降りた。

「お待たせ。 これでしょ? 俺はもういらないから・・・・これは、君にあげる。 ・・・・幸せにな

るんだよ。」

サンジはそう言って、待っていた女性に金のチェーンを渡すと、さっと踵を返して、船へと歩き

出す。




魔法は、嘘の砂糖菓子・・・・。

どんなに、綺麗で良い香りでも・・・。

決して、口に含んじゃいけないよ・・・。




ずっと昔・・・・誰かが言った古の言葉・・・・。

その意味を今、痛いほど理解した。

サンジは、船に戻る途中の道で立ち止まって深呼吸する。

その角を曲がれば、もう目指す船は目の前だ。




・・・・・大丈夫・・・。

・・・・・俺は・・・・・大丈夫。

・・・・・俺は・・・このくらい・・・・なんでもねえ・・・・。

・・・・・初めから叶うことの無い現実・・・・。

・・・・・良い夢を見たんだ。

・・・・・良い想い出を貰えたんだ。

・・・・・だから・・・・・俺は、大丈夫。

・・・・・あいつが元に戻っても・・・・。

・・・・・ちゃんといつものように・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・振る舞え・・・・・・・る・・・・。




「っ・・・・ゾロ・・・・ゾロ・・・・・振る舞えねえよ・・・・俺・・・・もう振る舞えねえよ・・・・。」

サンジは頭を大きく左右に振って、その街角に崩れるように蹲る。

決して口にしてはいけなかった砂糖菓子・・・。

今もサンジの身体には、ゾロのぬくもりが残っている。

唇に・・・・。

胸に・・・・。

そして・・・・その心に・・・。

いつまでも消えない・・・・甘い記憶・・・。

ひとしきり泣いたサンジは涙を拭うと、ゆっくりと立ち上がり、船に戻った。

誰もいない甲板・・・。

他のクルー達は、皆、今日は宿をとっている。

いるのは、自分と魔法が掛かる前の剣士だけ・・・。

その剣士も、もうここにはいない。

彼にはもう、ここでサンジを待つ理由がないのだから・・・。

それは、サンジにとっても好都合だった。

こんなに惨めな自分を誰にも見せたくなかったから・・・。




・・・・・今日は、思い切り泣いて・・・・。

・・・・・あいつを忘れよう・・・・。

・・・・・そしたら・・・・明日になれば・・・・きっと・・・・。

・・・・・きっと、大丈夫・・・・。




サンジは紫煙を揺らしながら、薄暗いキッチンに入る。

「・・・・お帰り。」

そうボソリと呟かれるように聞こえた声にサンジは心臓が止まるくらいに驚いた。

それは、聞き間違えようがないゾロの声・・・。

「・・・・・なんで? ・・・・・ゾロ・・・。」

サンジは震える声でそう言った。

「・・・・なんでって・・・。 いきなりキスしたかと思ったら泣いてどっか行っちまうし・・・。

ったく、いつものことだけどよ。 いきなりいなくなるんじゃねえよ。 心配するだろが・・・・。」

ゾロは、そう言って動かないサンジを抱き締める。

「っ・・・ゾロ。もう良いんだ・・・。 てめえの魔法はとけたから・・・。 もう良いんだよ・・・。」

「はぁ?? お前、何言って? こっち向けよ、サンジ。 一体なにがあった? 何が魔法な

んだ? 俺にわかるように言えよ。」

「・・・・だから・・・もう、金の鎖はないんだ。 てめえが俺を好きだと思ったのは・・・気のせい

だ。 ・・・・直に元に戻るから・・・」

サンジは、俯いたままそう呟く。

「・・・・ふざけんな! 俺の想いが気のせいだと?! てめえ、本気でそう言ってんのか?

俺は・・・俺はなぁ・・・・ずっとお前が好きだった。 あの時、風呂場でお前が俺に倒れ込

んだとき、どうしようもなく、離したくなかった。 これはチャンスだと・・・そう思った。 言うなら

今しかねえと、そう思って告白したのに・・・。 それを気のせいだと?! てめえで勝手に決

めつけるな! 今更、元に戻ろうなんて・・・・絶対に許さねえ。 無かったことにするなんて、

絶対に許さねえ!」

ゾロはそう叫ぶとサンジを顎に手を掛け、サンジの唇に噛みつくように口付ける。

思いがけないゾロの言葉と行動に、サンジはただただびっくりして・・・。

「っ・・・・・・・嘘・・・。 チェーンは・・・・もう・・・無いんだぜ? こんなこと・・・・現実な訳が

・・・・ねえ。 俺は・・・・俺はまだ自分勝手な夢を見てるのか・・・・。」

サンジは、そう呟くように言うと、力無く床に蹲った。

「夢じゃねえよ。 勝手に夢にするなよ。 ・・・・お前はどうだかしらねえが、俺はもう決めた

んだ。 サンジ、お前は俺のもんだ。 誰がなんと言おうが、絶対に手放さねえ。 

やっと手に入れたんだ・・・やっと・・・。」

ゾロは、真摯な瞳でサンジを見つめ、再びサンジを抱き締める。

「っ・・・・ゾロ・・・・ゾロ・・・・夢じゃねえんだな・・・・本当なんだな・・・・今が現実なんだよ

な・・・・。」

全身に伝わるゾロの体温に、サンジは何度も確かめるようにそう言って、ゾロの首にしがみ

ついた。

「・・・・本当に訳わかんねえ奴だな。 まっ、わかんなくもねえが・・・。 俺だって・・・・。 

・・・・わからせてやるよ。」

ゾロは、そう言うとサンジを抱え、壁際のソファーに横たえる。

そして、サンジの唇を自分の唇で塞いだ。

上下の唇に小さなキスを何度も落とし軽く甘噛みする。

濡れた頬についた金色の髪を片手で掻き上げ、瞳の端に残る涙を優しく唇で拭う。

それからまたサンジの唇を舌でこじ開け歯列をなぞり、その隙間から舌を挿し入れた。

「んっ・・・・ふ・・・・んん・・・・ん・・・」

ゾロの熱い舌で口内を弄ばれ、頭の芯がクラクラとしてくる。

ピチャピチャと舌の絡み合う音が耳を擽る。

二度と過ごすことのないと思っていた甘美な時間に・・・。

初めてのように高鳴る鼓動・・・。

・・・・・全身の血が沸騰するように・・・身体が・・・・熱い・・・。

サンジは、貪るように自分からゾロの舌に自分の舌を絡ませた。

その間にゾロは、サンジの衣服を慣れた手つきで剥ぎ取り、自らも服を剥ぐ。

露わになった白い肌にゾロの手がゆっくりと這う。

ゾロは、名残惜しそうにサンジの唇から首筋に自分の唇を移し、所有の印を刻む。

「ひゃあっ・・・・んっ・・・んあっ・・・・ヤッ・・・・」

ゾロの唇で胸の尖りが塞がれ、ゾクンとサンジの背中に甘い痺れが走る。

嬌声が・・・・止まらない・・・。

「あっ・・・あっ・・・・ん・・・・ゾロ・・・ヤッ・・・」

ビクビクと身体がゾロの舌と手に反応して震えた。

「・・・・嫌なら、止めるか?」

そう言ってニヤリと笑ってサンジを見つめるゾロ。

その手だけは、サンジの胸の尖りを弄んでいる。

余裕綽々な態度をとるゾロに、サンジは悔しさを隠せず睨み付けた。

「て、てめえ・・・・・・わかってそう言うこと言って・・・・んあっ・・・・あん・・・やぁ・・・」

言いたい文句は山ほどあるのに、ゾロの手の巧みさに、その言葉は嬌声に変わっていく。

「・・・ちゃんと言えよ・・・サンジ・・・。 ん・・・・どうして欲しい? 言わねえと本当に止める

ぜ?」

ゾロはそう言って身体を起こし、スッと胸から手を離した。

「やぁ・・・・止めんなよ・・・・ゾロ・・・・ゾロ・・・・ゾロォ・・・・」

サンジはゾロの身体を引き寄せ、ゾロの名を何度も呼ぶ。

その瞳には涙が溢れ、ゾロの表情は滲んで見えない。

「わりい・・・。 お前見てるとつい虐めたくなる・・・。 お前凄く可愛くなるから・・・・・俺の方

が止められねえよ・・・。 夢じゃねえかって・・・・・俺の方がそう思ってた・・・・サンジ・・・

もっと、俺の名を呼べよ。 ・・・・サンジ・・・。」

ゾロはそう言って、軽く触れるだけのキスをして、胸から離した手をサンジの下半身に添え

た。

「ひゃあぅん・・・ん・・・あっ・・・ゾロ・・・んっ・・・あ・・・あっ・・・・ゾロ・・・」

自分の雄を上下に扱かれ、サンジはその快感から思わずゾロにギュッとしがみつき、腰を浮

かせる。

胸と下半身を同時に愛撫され、サンジは金色の髪を振り乱し嬌声を上げ身体を震わせた。

ソファーに散らばる金色の髪・・・。

桜色に染まった滑らかな白い肌・・・。

蒼い瞳から溢れる涙・・・。

薄く乾いた唇から漏れる甘い嬌声・・・。

極上のコントラストがそこに広がる・・・。

甘くて・・・・甘美な・・・。

どれもこれも、ゾロを煽るには充分だった。

「っ・・・チッ。」

ゾロは、軽く舌打ちをする。

「・・・・ゾ・・・ロ?」

その舌打ちに気付き、サンジはゾロをじっと見つめた。

何か自分が気に入らないことをしたのか・・・・サンジは不安になる。

「クソッ。 今日こそは余裕持ってって、そう思ってたのに・・・んな顔すんな・・・・ダメだ・・・

余裕無え・・・・。」

小さく呟かれた言葉と切羽詰まったゾロの表情・・・。

キュンとサンジの胸が熱くなる。

こんな顔をさせているのが自分だと・・・・。

それだけで、こんなに心が満たされていく・・・。

「ゾロ・・・・俺だって・・・・・俺だって余裕なんて無えよ・・・・ゾロに抱かれて・・・余裕なん

て・・・・初めから無えよ・・・。」

サンジはゾロの髪に指を通し、そう言ってにっこりと笑う。

「っ・・・またそんな顔をする・・・・反則だ、その顔・・・・マジ、ヤバいから・・・・」

ゾロはそう言ってサンジの唇を塞ぐと、指でサンジの内襞を探った。

そのうちにサンジの内襞が内部から潤い始め、ゾロの指がスムーズに蠢かせるようになる。

「あっ・・・あっ・・・はっ・・ん・・・ゾロ・・・もう・・・・大丈・・・夫・・・・あっ・・・」

サンジの言葉に、ゾロは無言で指を抜くと自分の雄をあてがい、一気に突き入れた。

「んああっ・・・・あっ・・・はぁ・・・んあっ・・・ゾロ・・・ん・・・」

痛みはさほど無いものの内臓を直撃する圧迫感に、サンジは無意識に身を捩る。

「っ・・・クッ・・・」

ゾロは、目も眩むような射精感を必死でやりすごし、サンジの息が整うのを待った。

「・・・・動くぜ・・・。」

ゾロの言葉にサンジは無言で頷くと、ゾロの首に腕を廻す。

「ああっ・・・あっ・・・・ンッ・・・ゾロ・・・あ・・ん・・・ヤッ・・・ゾ・・・ロォ・・・・」

片手でサンジの雄を扱きながら、ゾロは激しく挿入を繰り返す。

ジンと結合部分に湧き起こる甘い疼きと全身に広がる心地よい痺れ・・・。

サンジは快楽に誘われるまま、ゾロの動きに合わせて腰を揺する。

「っ・・・・サンジ・・・ちゃんと瞳を開けろ。 見ろよ・・・・俺だけを見てろ・・・。」

ゾロは、サンジの唇に小さなキスを繰り返しながらそう言ってサンジを見つめる。

「んっ・・・ゾロ・・・ヤッ・・・恥ずかし・・・あっ・・・やぁ・・・・ゾロ・・・」

恥ずかしがってなかなか瞳を開けないサンジにゾロは、グッとサンジの雄を握り込んだ。

「あああっ・・・ヤァ・・・ゾロ・・・・ダメ・・・んっ・・・あっ・・・」

下半身に強い刺激を与えられ、サンジはその嬌声と共に瞳を開けゾロを見つめる。

「・・・そう、その瞳だ・・・・俺の大好きな・・・・蒼・・・・。 この身体も・・・その瞳も・・・俺

の・・・・俺のものだ・・・・閉じるのは・・・許さねえ・・・。 ・・・・俺だけを映せよ。」

ゾロはサンジにそう囁いて、互いの手を重ねた。

それからゆっくりと激しく、ゾロは緩急をつけサンジを揺さぶる。

「あっ・・・あっ・・・ヤッ・・・ゾロ・・・俺・・・もう・・・あ、ダメ・・・・やぁ・・・・あああっ・・・クッ・・・」

ビクンと身体を仰け反らせ、ゾロの手の間から熱いサンジの精液が迸った。

ヒクヒクとゾロの手の中でサンジの雄が蠢いて、その手を残滓が伝う。

その射精の動きに合わせてキュッとサンジの内襞が収縮を繰り返す。

「っ・・・サ・・ンジ・・・クッ・・・」

ゾロも内襞の動きに堪らずサンジの中で己の精を吐き出した。

「・・・・・サンジ、もう一度言ってくれ・・・・。 お前の言葉が聞きてえ。」

「ん・・・ゾロ・・・・俺も、好きだ。 その瞳も・・・この身体も心も・・・全部、愛してる・・・。」

ゾロの言葉にサンジはそう言ってギュッとゾロを抱き締める。

「・・・・もう絶対離さねえからな。 覚悟しろよ・・・。」

ゾロはそう言うとゆっくりと腰を引いた。



二人だけの甘美な時間が・・・・『時』を刻み始める・・・・。

・・・・・・現実の『時』として・・・・・・

・・・・・・ゆっくりと・・・・・・

・・・・・・二人の間に流れた・・・・。











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「・・・・・どうだい? 買って損は無かっただろう?」

翌日、ゾロと二人で市場を散策していたサンジの耳に、あの老婆の声が何処からか聞こえ

た。

「・・・・・・・そうだな・・・。」

「ん?サンジ、どうした?」

「いや、なんでもねえよ・・・。」

自分に向けられたゾロの優しい瞳に、サンジはそう言ってにっこりと笑った。












<END>







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<コメント>

前半でHシーンをはしょった分、ラストで・・・(笑)
その分、長くなりました!(開き直り)
D.Z.U.=気障ゾロ同盟に加盟しての一作目!
いつもよりナニの最中のゾロの言葉が・・・(笑)
サンジの乙女ッぷりが・・・どうだ!みたいな。(笑)
どうしてもうちのゾロは嗜虐心旺盛みたいで。
いや、それはルナのせい・・・(-_-;)
そうそう、サンジを泣かせるのがvv(蹴!)
あはは・・・・・では★