Magic その1 |
「クソッ、雨足が酷くなってきやがった。 どこかに雨宿りする場所は・・・・ん? なんだ、あの 店・・・・・・ついでだ。 入ってみるか。」 サンジは、買い出しの途中で雨に降られ、通りかかった店に立ち寄る。 「おや、お客さんとは、珍しいね。 いらっしゃい。 待ってたよ・・・・ヒッヒッ・・・。」 薄暗い店の中で老婆が一人、サンジをみとめてそう声を掛けてきた。 「いや、待たれても困る。 たまたま雨が降ってきて・・・・なあ、婆さん、ここは一体何の店 売り物らしい物が見当たらない店内を見渡して、サンジは不審げにそう老婆に聞いた。 「ここかい? ここは、願いを叶える店。 ほれ、あんたは、コレに呼ばれて来たのさ。」 老婆はそう言うと、サンジの目の前のテーブルを指し示す。 「俺の願い? ・・・・オールブルーのことか? 残念だが、婆さん、それは、俺自身で叶える サンジはそんな老婆を一瞥してそう言うと、ドアの方へと歩いていった。 「片恋・・・・・・それも、決して叶わない想いを、その胸の内に隠してるね。 苦しくはないの 老婆は唐突に言葉を紡ぐ。 「このチェーンが、その願いを叶える物だとしたら? ・・・・・決して高くない買い物だと。 老婆は薄笑いを浮かべ、そう言ってサンジを見る。 「使い方は簡単。 その想い人の首に掛けるだけさ。 それだけで、その人はあんたに惚れ 老婆は、そう言うとサンジの手の平に細長い箱をのせる。 「まいどあり・・・・・。」 老婆のそう言う声が背中に聞こえたと思ったら、サンジは、街中にぽつんと立ちつくしてい 「・・・・・今のは、一体・・・・ん?? ゲッ!!何だよ、この箱は!! おい!クソ婆!! サンジは、そう怒鳴りながら、店があった後ろの路地を振り返る。 「なんだよ。 何だって言うんだ・・・・・ハッ、お金・・・・・畜生!! 俺の全財産・・・・あれ サンジは、箱の中の金のチェーンを手にとり、じっと見つめた。 「あっ、このクソッ! 待ちやがれ!!俺の全財産!!」 サンジは、その黒い影を追いかける。 「誰が待つかよ!」 金のチェーンをかっぱらった男はそう言ってチェーンを首に掛けた。 「ざけんな! てめえ、俺から逃げようなんて10万年早ええ!! 喰らえッ!!」 サンジはそう叫んで、その男の背中に強烈な蹴りをお見舞いした。 「ゴフッ!!」 男はサンジの蹴りに壁に吹き飛ぶ。 「・・・・ったく。 これは返して貰うからな。 命あるだけありがたいと思え。」 サンジはそう言って、男の首からチェーンをはずそうとした。 「んげっ!! てめえ、まだ俺になんか・・・・!!」 そう言って男の頭に脚を振り上げようとしたとき、サンジは、その男の異様さに気が付く。 「俺と結婚してくれ! あんたが男でもそんなこと全然構わねえ。 ネックレス盗んだつもりだ その男は、瞳からハートを飛ばし、さながら女性を口説くような勢いでサンジに迫る。 サンジは船に戻ると、テラスでお茶を飲むナミにそう言って挨拶をする。 「お疲れvvサンジ君vv 濡れなかった? 凄い土砂降りだったもんね。」 「ええ、本当に。 俺、シャワー浴びても良いですか?」 「ええ、良いわよ。 風邪引いたら大変だもんね。 本当にご苦労様vv」 ナミはにっこり笑ってサンジにそう言った。 「じゃあ、すみません。 そうさせて貰います・・・・。」 サンジはそう言って、着替えをとり、風呂場に向かう。 「・・・しかしなぁ。 これの魔力はよくわかったが・・・・・だいたい、俺がどうやってこれをあい サンジは、脱衣所でもう一度、チェーンを手にとり、ハァーッとため息を吐いた。 「あっ、サンジ君、忘れてたわ!! ゾロがさっき、先に入って・・・・。」 そう言ってナミが勢い良く脱衣所のドアを開ける。 「「うわっ!!」」 サンジは慌てて後ろに飛び退き、丁度上がろうとしていたゾロとぶつかるように倒れ込んだ。 「っ・・・・・痛てえ。 なんだよ、もう・・・・。」 サンジはそう言いながら、ゾロの上から退こうとする。 「???? へっ?! 何考えて・・・・・アーーーーッ!!」 サンジは、ゾロに抱き締められたままの格好で驚きの声を上げる。 「お、おい。 クソ剣士・・・・いい加減、離せよ。 ナミさんが誤解するだろ・・・。」 サンジは小声でそう言って、慌てて身を捩る。 「嫌だ、もう離さねえ。」 ゾロは、子供のような言い分でサンジをきつく抱き締め離れようとしない。 「ちょ、ちょっと、サンジ君、ゾロ、大丈夫?」 ナミが心配そうに覗いて声を掛けた。 「あ、ハイ。 なんでもないですから・・・大丈夫です。」 サンジは、それだけ言うのがやっとだった。 「・・・そう? なら良いけど。 じゃあ・・・・。」 ナミはゾロとサンジが重なって倒れているのを、さほど気にすることもなくテラスに戻っていっ 「・・・・はぁ・・・参ったぜ。 それにしても・・・・なぁ、俺、痛えんだけど、離してくれないか?」 「・・・・・俺から逃げないか?」 ゾロはサンジの言葉にそう言ってサンジの顔を覗き込む。 「あ、ああ。 逃げねえから。 頼む、離してくれ。」 サンジの言葉に、ゾロはやっと腕を緩め、ゾロとサンジはとりあえず立ち上がった。 「あのよ・・・・こんなところで言うのもなんなんだけどよ。 俺、てめえが好きなんだ。 さっき、 ゾロは、真剣な眼差しでサンジにそう言う。 サンジはそう言ってゾロに抱きついた。 「・・・・・サンジ。」 ゾロは、サンジの身体を優しく抱き締め返し、顎に手を掛け口付ける。 「・・・・馬鹿だな。 泣くことなんてねえだろ。」 そう言ってゾロは、今まで見たこともない優しい笑顔で、サンジの涙を拭った。 「ん? ・・・・・どうした? なんでこんなものが・・・・。」 サンジが見つめるその先に気が付いたゾロは、そう言って自分の首に掛かっているチェーン 「ダメだ!取るな!! ・・・・まだ、取らないでくれよ。 頼むよ、ゾロ・・・。」 サンジはそう言って、ゾロの手を掴んだ。 「・・・・てめえがそう言うなら・・・。 けど、これ、てめえのだろ?良いのか? 俺が、つけてて 「ああ。 それ・・・・てめえにやる。 だから、はずさねえでくれ・・・。」 「・・・・わかった。はずさねえよ。 てめえから貰った物なんて、はずせねえよ。」 サンジの言葉にゾロはそう言って、ギュッとサンジを抱き締める。 「ゾロ・・・ゾロ・・・好きだ・・・。」 サンジは何度もゾロの名を呼んで、その腕と口付けの熱さに、感情の赴くままその身を任せ |
<コメント> にょ〜〜vv これって、パラレルにした方が良かったのかしら? いや、厳密に言えば全部がパラレルなんっすけどね。(笑) 初めのHは省く! だって・・・・・ ここはグランドライン・・・何があっても不思議ぢゃない!(なんじゃそりゃ) と言うことで・・・・・逃げる!!(笑) |