もう一度キスしたかった・・・ その9 |
それから暫くして、サンジの家に思いがけない訪問者が現れる。 「く、くいなさん?! 一体どうして?!」 玄関に出たサンジは、瞳の前に現れたくいなにそう言って驚きの声を上げる。 「・・・・サンジ君、お話があるの。 ちょっと良いかしら?」 「あ、はい。 どうぞ・・・。」 サンジはそう言って、くいなを部屋にあげた。
「・・・・サンジ君。 ゾロね、海外に行っちゃったわ。 それもたった一人で。 あたしね、ゾロ くいなはそう言って、サンジにきつい瞳をむける。 くいなは、一方的にそう捲くし立てると、リビングをを出て行く。 「ありがとう、くいなさん。 けど、俺・・・・・行けないんです。」 サンジは、玄関を出て行くくいなの背中にそう言って寂しそうに微笑んだ。
「そんなの・・・あたしの知った事じゃないわ。 あたし興味無いもの。 けど、あの様子じゃ くいなはそう言って玄関を出て行った。 「・・・・・・一生かぁ・・・・。」 サンジは、くいなの言った言葉の意味を噛み締めていた。 「あれ? サンジ、お前、進路、変更したんだ。」 進路希望のプリントを覗き見て、シュライヤがサンジにそう声を掛ける。 「ああ。 俺、もう決めたんだ。 もう・・・・・迷わない。」 サンジはそう言って、そのプリントを担任の机の上に置いた。 「ゾロ先生。 なんか子供が熱出したみたいで・・・。」 「ん? じゃあ、そこに寝かせて・・・。 診てみるから・・・。」 「ゾロ先生。 急患です! 子供が猛獣に襲われて・・・!!」 「わかった。 すぐにオペの用意を!!」 「ゾロ先生・・・。 骨が外れた・・・・痛いよ・・・。」 「今、はめてやるから・・・。 痛いけど我慢しろよ・・。」 ゾロが、医療班として配属されたところは、とある奥地のベースキャンプ。
「ゾロ先生、せめて、あと一人先生がいると助かるんですけどね。 先生、ここに来てからろく スタッフの一人が、食事の合間にそうゾロに話しかける。
「あ? 俺は、体力だけには自信があるんだ。 それに・・・俺は今、凄く充実してるんだ。 スタッフの心遣いに、ゾロは、笑顔でそう答えた。
「けど・・・・・・やっぱり、あと一人医者が・・・欲しいのは実情です。 このままでは、ゾロ先生 現地スタッフはそう言ってテントの外に向かう。
「・・・・・そうだよな・・・? せっかく俺が来たのに、ゾロが倒れると・・・・俺が来た甲斐がない スタッフとすれ違いに、見慣れない人物がそう言ってテントの中に入ってきた。 「しっかし、暑いなぁ、ここは・・・。 おまけに口の中まで砂でじゃりじゃりするぜ・・・。」 そう言って入ってきた人物は、サングラスをゆっくりとはずした。 「・・・・・・・・・・・・・・サンジ?! 何で、お前・・・?!」
「へへへ・・・・来てやったぜ。 医者って結構大変なんだな。 大学出てから一年間びっしり サンジは、そう言ってゾロを見てにっこりと笑った。
「そんなこと言ってるんじゃない! なんで、お前がここに?! 母親はどうした? 事業は?
「もう・・・そんなに一度に聞かれても、答えられないって! 俺がここにいる理由・・・・? サンジは言うが早いか、ゾロに抱きついて口付ける。 「先生! ゾロ先生!! 急患です! 子供が象に踏まれて・・・」 まもなく、現地スタッフがそう言ってゾロを呼びに来る。 「ほらっ! 急患だ。 驚いている暇ないぜ。 わかった。 俺が診るから、子供はどこだ?」 「あ?貴方は??」 「ああ。 今日からこの地域に配属された医者、サンジだ。 よろしくな。」 きょとんとしてそう尋ねるスタッフにサンジはそう言って、その子供のところに向かう。 「おい、ゾロ!! さっさと来いよ! 俺じゃ、現地の言葉がわからないよ。」 サンジは、テントの中に顔だけ出して、ゾロにそう言って笑った。 「あ、ああ。 今、行く・・・・!!」
ゾロは、サンジの言葉にそう言って、慌てて駆け出す。 「はぁ~・・・。本当にERだな、ここは・・・。」 サンジは、そう言ってどっかりと椅子に腰掛ける。 「・・・・疲れただろ。 それより・・・・どうしてここへ?」 ゾロは、サンジにコーヒーを渡しながら、先ほどの疑問をサンジに尋ねた。 「だから、ゾロに会いに来たんだよ。」 「違う、俺が言いたいのは・・・」
「母さんが、『俺の人生だから好きにしなさい。』って。 それと・・・・・ゾロがこっちに来てから
サンジは、ゾロの言葉を遮ってそう言うと、テーブルにコップを置いて、ギュッとゾロの首に腕 「・・・・・サンジ・・・・夢みたいだ・・・。 もう一度、この腕にお前を抱けるなんて・・・・」
ゾロはそう呟いて、そっとサンジの唇を塞いだ。 「おっし、行くか、サンジ!!」 「おう、任せとけ!! けど、その前に・・・ん・・・。」 「両先生!! チューしてる場合じゃないでしょ!! 後にしてください!後に!!」
今日も、とある奥地のベースキャンプでは、二人の医者が、患者の命を懸けて闘っている。 |
<コメント> はぁ~・・・。やっとやっと、終わりましたvv 無駄に長くてすいません。 それがルナなのです。(死) けど・・・・長かったぁ。(-_-;) ねっ?やっぱ、ゾロサンだったでしょ? とりあえず、ほっと一安心。(何が?笑) チューしてるゾロサンが今、ツボなのvv(死) けど・・・・パラレルゾロってなんでいつもエリートなの?! 海賊ものが馬鹿だから??(笑) 違うよ、だって、ルナはロロスキーvvだからさ!! それにしても、象に踏まれる奥地って何処よ?みたいな。(爆) 長らくのおつきあいありがとうございました!! では★(脱兎!) |