天使のいたずら


その1





(くそーっ。 何かさっきから身体がムズムズしやがる・・・・これって、昼間見たことの

ない香辛料とかソースとか味見したせいなのか? 特に、あの緑のやつ、腐ってたっ

て言ってたしな。)

サンジは、身体の不調を感じながら、キッチンで、明日の仕込みをやっていた。

しかし、ルフィ達は街の宿屋に泊まっており、船を襲うような奴らも、ここまで来ることも無し、

船番の必要も、全くなかった。

それなのに、サンジが、何故仕込みをしているかというと、物心つくときから、船の上で生活

をしているサンジにとって、陸の、全く揺れのない部屋に寝るのは、気分的に落ち着かず、

いつもなら、他のクルー達とは別に、ゾロと宿を取り、その後の快楽に身を任せ、朝まで過ご

すのが、常なのだが、ここ空島には、やってくる旅人もあまりいないせいか、宿も一軒のみ

だ。

それも、一般の家ぐらいの大きさしかない。

そんな場所で、ゾロとの甘い時間など持てそうにもなく、サンジは、自分から、ナミに、不要

な船番を申し出たのだ。

ゾロも、二人っきりになれるのなら、これ幸いとばかりに同調し、他のクルー達も、耳栓の要

らない安眠が出来ると喜んで、申し出を受けた。

そんなこんなで、船には、ゾロとサンジの二人しかいないわけだが、根っからの料理人のサ

ンジは、日頃出してやれないゾロ好みの料理を食べさせてあげたくて、つい、仕込みにも、

熱が入ってしまう。

(んっ? 何か、背中が・・・背中がやけに熱くなってきやがった・・・・マジ、やべえ

・・・クッ、背中が・・・背中が、熱い・・・・クッ、グウァーッ!!)

「ガラン、ガランッ、ドサッ。」

サンジは、思いがけない背中の激痛に、床に、受け身もとれず倒れ込んだ。

「っってえ、痛ってえ。」

サンジは、一瞬何が起こったのかわからず、起きあがって、その場にしゃがみ込んだ。

背中に、妙な違和感を感じる。

サンジは、とっさにジャケットを脱いで、背中に手を当ててみた。

何故か、シャツが背中で、盛り上がっている。

正確に言えば、その盛り上がりは、ちょうど、肩胛骨の真ん中辺り・・・

「????」

サンジは、シャツを脱いで、もう一度、背中に手を当てた。

パタッ、パタッ、パタッ。

どこかで触ったことのある感触・・・

でも、これは人間に備わっているもんじゃねえ。

・・・強いて言えば、鳥だ。

・・・そう、これは、鳥の羽だ!!

「なっ、・・・・・」

サンジは、絶句した。

自分の背中に、鳥の羽がついている。

それも対になって、2枚も。

それは、サンジが呼吸する度に、パタパタとまるで、羽ばたきのような動きをする。


(?????お、落ち着け・・・気のせいかも・・・・)

サンジは、深呼吸してから、もう一度、確かめるように、羽を触った。


「パタ、パタ、パタ・・・」


大きさは、だいたい15cmくらい。

空島の人たちが、つけているような立派なものでは、ない。

せいぜい鴨か、アヒル並。

決して、バタつかせても、飛べるような代物ではない。

おまけに、しっかりと神経はつながっているようだ。

引っ張ると、確かに痛みを感じる。

「な、なにいぃぃぃー?!」

サンジの絶叫が、船内にこだまする。


「サンジ! 何があった?!」

甲板で酒を飲みながら、サンジが来るのを待っていたゾロは、その尋常でない声にはじかれ

たように、キッチンへ向かった。

勢い良く、キッチンのドアを開けるゾロ。

中にはいると、しゃがんで、上半身裸のまま、涙目になって、ゾロを見上げるサンジの姿が

あった。

(何て格好をしてやがる。 誘ってるのか? こいつ・・・)

「ゾロォ〜。」

サンジはそれだけ言うと、ポロポロと涙を流した。

(どうもそういったことでもないらしい。)

「何だ、何があった? また何か、虫でもいたか?」

ゾロは、優しくそう言うと、サンジの前にしゃがみ込んだ。

サンジは、ふるふると頭を横に振って、下を向く。

「じゃあ、どうしたんだ? 泣いていたって、わかんねえぞ。」

ゾロは、サンジのただならぬ様子に、二人っきりの時にしか言わないとびっきり優しい低い声

で、そう言った。

「お、俺、俺・・・・」

サンジは、なかなか話そうとしない。

ゾロは、宥めるように、サンジの背中をさすった。

「!!!!????」

一瞬にして、ゾロの表情が固まる。

そしてもう一度、サンジの背中に手を回す。

パタッ、パタッ、パタッ、

「んっ?! な、な・・・・・・」

ゾロは信じられないと言う顔をして、サンジの背中に、目をやった。

そこには、かわいらしい薄い緑色の羽が、2つちょこんとついていた。

(なんだ?これ?)

ゾロは、羽の付け根を手でなぞってみた。

「ひゃう!あっ、いやっ!!」

サンジは、ビクンと身体をそらせて、甘い声を出した。

その媚態は、もろにゾロの下半身を直撃した。

(どうやら、作り物じゃねえらしい。 ちゃんと感覚があるようだ。 それも、かなり敏感

に・・・くそーっ、かわいすぎるぜ。 すんげーきた!)

「・・・・・・・・」

いつまで経っても何も言わないゾロに、サンジは泣きながら言った。

「・・・どうしよう。ふぇっ。・・・俺、ふぇっ、今日、変な腐った奴、ヒック、飲んで・・・

ゾロ、俺っ、ヒック、気持ち悪い? ゾロ、俺のこと、ヒック、嫌いになった?」

「そんなことくらいで、俺がお前のこと嫌いになるわけがねえだろ?」

(まったく、なんでそんなにかわいいことばっかいいやがるんだ。)

ゾロは、緩んだ頬を根性で引き締めると、間髪入れず、サンジをギュッと抱いて、耳元で囁い
た。

「それどころか、ますますお前がかわいくって、本気で食っちまいたいくらいだ。」

「本当??」

サンジは、小首を傾げ、涙目でゾロに言う。

(もう、煽るんじゃねーよ。 だから、その仕草がヤバいんだって。 いい加減、気付け

よ。 この天然!!)

「ああ、全く、お前は、何もかも、かわいすぎだ!」

ゾロは、そう言うと、くるっとサンジを反転させると、サンジの背中を抱き寄せた。

「背中、床に着けると、羽、痛いだろ?」

そう言うと、ゾロは、サンジの羽に口付けた。

そして、1本1本、丹念に、羽を撫でるように、舌を這わせ舐め上げていく。

「あっ、ん、んっ・・・・・・・んふ・・・ふぁ・・・ いやあ、ゾロ、駄目・・・ゾロ、俺、何か

変・・・」

日頃から敏感なサンジは、今までに感じたことのない、強烈な快感にとまどい、流されてい

く。

(やっべー、これ、結構クるよなー ・・・そんなエロい声なんか出すなよ。 マジ、もた

ねえ。)

ゾロは、羽の付け根に舌を這わせ、焦らすように羽に触れ、チュッと、羽の付け根を、甘噛み

した。

「んんっ、ああーっ、俺、俺・・・・ゾロぉ〜、お願い・・・・お願いだから・・・・」

「ん?何だ、サンジ。 どうしたい?」

ゾロは羽に口づけしたまま、意地悪くサンジに言葉を促す。

「ひゃう! そんな口づけしたままで、しゃべんなっ。・・・ねっ、ねえ、もう意地悪しな

いで・・・・ゾロの・・・ゾロのが・・・欲しい・・・」

ゾロの話す息づかいでさえ、敏感なサンジには、快感以外の何ものでもなくて・・・

生理的な涙が、溢れ出して止まらない・・・・

「でも、ちゃんと、慣らしとかねえとな。」








 
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<コメント>

何故、ここで切る!!と、お怒りの声が聞こえそうな・・・・
ハイ、ハイ。 お子ちゃまは、ここまでにして、お帰り下さいませ。
『さあ、ゾロ! いくのよ! 私のお宝のために!!』←ナミ談。

それでは、続きを、どうぞ!!