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「ふう、暑〜い。 この暑さ、何とかならないかしら。」 ナミは、パラソルの下、照りつける日差しに目を向けながら、海図に目を通す。 (これだったら、部屋の方が、ましだったかも。) そう思い、席を立とうとしていたナミに、ふと思い出したように、ロビンが言った。 「確か、この海域には、リゾート向けに作られた、小さな島があったはずよ。 次に向 「え?! 海水浴?? で、でも・・・」 ナミは、ふと口ごもる。そう、この船には悪魔の能力者が、3人も乗っている。 「まあ、私は、海に入って、喜ぶ年でもなくなったし、荷物の見張りでもしとくわ。この そう言って、ロビンは、微笑んだ。 「じゃあ、お言葉に甘えて。」 ナミは、ロビンににこりと笑って、言った。 そんな大人らしいロビンの配慮も、ナミが気に入っ 「良〜い? これから、私たちは、カラコロン島という小さなリゾート地に向かうわよ。 ナミは、決定事項を伝えるかのように、一方的に話した。 「よし、わかった! ところで、そこには、うめえもん、一杯有るのか?」 「おう!島が見えたら、教えれば良いんだよな。」 「わかった。エッ、エッ、エッ。 俺、海水浴って、初めてだ。」 「了解しました〜vv ナミさ〜んvv」 「・・・・・・・・・・・」 クルー達は、喜んで、その決定事項を受け入れた。 ある1名を除いては・・・・・ 「良いのかな〜? そんな態度取っちゃっても? せっかく、ホテルに泊まるように手 そう【一人で】を強調して、笑って、ゾロを見返した。 「・・・・わかった。」(この魔女が・・) ゾロは苦虫を潰したような顔をして、しぶしぶ承諾した。 「アンタ、ちゃんと、感謝しなさいよ。 サンジ君の水着姿、そうそう、拝めるもんじゃな バタンと、女部屋の扉が閉まる。 「・・・・・・・・・・」 ゾロは、その場に、固まっていた。 (サンジの水着・・・水着姿・・・ッてことは。 上半身、ハ、ハダカ・・・・ハダカ・・・・・) ゾロの、妄想は、止まることを知らない。 暫くして、一人、パラソルの下で、今までの様子を観察していたロビンが、ハナハナの能力を (彼は、本当に、あの、Mr.1を倒し、6000万ベリーの賞金首の魔獣と呼ばれて怖 ロビンは、人知れず、深いため息をついた。 「うわぁお!!本当、リゾート地って良いよな〜vv 女の子はみんな涼しげな格好し 目の前を通り過ぎる女性達に、ラブコックモード全開で、ハートを飛ばし続けるサンジ。 「ルフィとウソップは、これで良いか。で、チョッパーには、子供用で良いよな。あと、 と、サンジは、濃い藍色のグラデーションに椰子の木のシルエットをプリントしたバミューダ型 (ああ〜。どうせ水着選ぶんなら、こんな野郎じゃなくて、ナミさんとか、ロビンお姉様 サンジは、ゾロに水着を手渡しながら、ため息をつく。ゾロは、サンジから、水着を受け取る 「ああ。これで良いぜ。」 とだけ伝えた。 (サンジの野郎、またなんかつまんねえことでも、考えてんのか?) ゾロは、コロコロと変わるサンジの表情を暫く眺めていたが、ふと気になって、サンジに聞い 「ところで、てめえはどれ着んだ?」 サンジは、さっきから、他のクルー達の物ばかり選んで、自分のは選んでいる様子がない。 「ああん? 俺か?俺は、ほれ、これだ!」 サンジは、堂々と答えて、ゾロに、自慢げに見せた。それは、深緑色に【DOSUKOI PAN 「まさか、こんなところで、【DOSUKOI PANDA】の水着が手にはいるとは思わな サンジは、ゾロに向かって、説明し始めた。しかし、その話が、ゾロの耳に届くことはなかっ 「てめえは、こっちの方が良い。」 と、その水着をひったくって、自分と色違いの同じ柄の水着をサンジに押しつけた。 「うわあ、あっ、てめえ。何で、シャツ、血だらけなんだよ?!汚ねえなあ。もう、ほら、 サンジは、ゾロの血で汚れたシャツに気を取られ、自分のビキニ海パンが、目の前で取り替 「・・・・すまねえ・・・」 船への帰り道、紺のアロハシャツに着替えたゾロは、一応、サンジに謝った。 「本当、どうしたんだ? 変だぞ、てめえ。」 とサンジは、少しかがんで、上目遣いで、ゾロの顔を覗き込む。 「・・・・・・・・・・」 (だー!!だから、そんな瞳をして、俺を見るなーっ!! くっついてくんなーっ! ゾロは、懸命に己の欲望と戦った。 その戦いは、熾烈を極めた。 (何で、さっきから、赤くなったり、青くなったり・・・・マジで、何かヤバい病気にでも、 サンジは、不意に、ゾロの前に立ちふさがると、ゾロの額に自分の額を付けた。サラッと頬に 「熱は、無えようだな・・・」 ゾロの様子が変なのが、自分のせいだとは、まったく思いもしないサンジ・・・・天然も、ここま 「ドサッ」 ゾロの手から、荷物が落ちた。 「んっ、ふっ???っん、んっーっ!!」 ゾロは、サンジを抱きしめると、かみつくように、唇を合わせた。 「んっ・・んっ・・ふぁ・・・んんっ・・・んんっ」 サンジのゾロへの抵抗が、一瞬止まった。サンジの顔は、上気し、瞳は虚ろに濡れてい (やっぱ、エロいぜ。こいつの顔・・・) ゾロは、キスしているときのサンジの顔が好きだった。 「ドコォッ!!」 ゾロの鳩尾に、サンジの渾身の膝蹴りが入った。 「グッ!!」 さすがのゾロも、こう無防備では、ひとたまりもない。 腹を抱え、その場にしゃがみ込むゾロ。他の者だったら、確実に、数十メートルは飛ばされ 「な・・に・・・しゃ・・が・・る・・・」 ゾロは、気を失いそうになるのを懸命にこらえて、サンジを見上げた。 「・・・てめえ、何だって、真昼間から勝手に、サカってやがる。しかも、こんな公衆の ゾロは、サンジの、あまり耳にしない言い回しに、自分がしでかした行動を、本能で、ヤバい 「・・・・・サ、サンジ?」 ゾロは、宥めるように、普段は言わないサンジの名を呼んだ。 「あ〜ん。」 サンジはそのままの表情で、ゾロを見つめた。そして、フッと微笑んだ。 (っよかった! 元に戻った。) ゾロがほっとして、サンジに引きつった笑顔を返した途端、 「ごまかしてんじゃねー!!食らえ、アンチマナーキックコース!!」 「ガハァッ!!」 ゾロは、10メートル先の店の壁にのめり込んだ。 「てめえ、一人で、勝手に、帰ってこい!」 サンジは、そう言うと、荷物を担ぎ、スタスタと、一人で、船に戻っていった。 「ナッミさ〜んvv只今、貴女のサンジが、戻って参りました〜vv」 「まあ、サンジ君、結構、早かったわね。 あらっ、ゾロは?」 サンジと一緒に出かけたはずのゾロの姿が見えない。 「さあ、どっかで、また迷子にでもなってんじゃないですか?」 サンジは、平然と言い放った。 (・・・・何かあったわね・・・・)
「仕方ないわね〜。ゾロを待ってても、日が暮れちゃうし、せっかくのお弁当も、もった ナミのかけ声で、一斉に浜辺へ向かうクルー達。 「さあて。俺も行くか。」 サンジは、皆のお弁当と、ビーチパラソル、デッキチェアーを持つと、ナミ達を追いかけた。
「もう、死んでんじゃないか。」 「誰か、確認して見ろよ。」 「近づいて大丈夫かよ。」 「・・・・・・・・・・・・」 ガヤガヤと、一軒の店の壁に人垣が出来ている。しかし、誰一人として、近づく者はいない。 「クッ、痛ってえよ。 マジ一瞬、お花畑が見えちまった。アブねえ、アブねえ。こんな ゾロは、そう言うと、ガバッと起きあがって、歩き出した。 「くっそー、サンジの野郎。覚えとけよ。あとで、絶対、思い知らせてやる。・・・・け ゾロは、いつの間にか、森の入り口に立っていた。 |