LOVE TRY
 

その1



 







俺とサンジは、ようやく一線を越え、晴れて恋人同士になった。

しかし、照れ屋で、恥ずかしがり屋のサンジは、普段と何ら変わりはない。

まあ、男同士で、堂々と、いちゃいちゃとするのもなんだけどよ。

いや、それどころか、他のクルーの前だと、特に邪険に、俺を扱う。

ひねくれているあいつのことだ。

愛情の裏返しだとは思うんだが、こう何度もだと、

『こいつ、本当に、俺のことが好きなのか?』って、疑いたくもなってしまう。

そもそも、SEXしたのも、もう1週間も前だ。

俺としては、あの日の翌日から、抱きしめたくて仕方なかったんだが、あいつの身体の負担を

考えると、やはり、少しは、我慢しないと。

俺は、性欲処理のために、サンジを抱きたいのではないんだから・・・





だから、始めの3日間は、何とか、自力で、耐えた。


4日目。 俺も我慢の限界に来て、サンジの身体の方も、もう良いんじゃないかと、俺は、行

動に移すことにした。

だが、夜になって、いつもは、自分の部屋に戻るナミが、なかなかキッチンから出ていかず、

挙げ句に、飲み比べまでしやがって、それにのったサンジが、先に酔いつぶれ、何もできな

かった。

ありゃ、絶対、ナミの奴、邪魔しにきやがったに違いねえ。

何だ、かんだいっても、ナミは、サンジのこと、かわいがってるからな。

俺にサンジを、とられるのが、しゃくに障るってとこだろうな。

あの女、絶対、あとで、斬ってやる!


5日目。 せっかくの良い雰囲気になりかけたところで、ルフィの奴が、『腹減った!』と、キッ

チンに、なだれこんできやがった。

全く、あれだけ食っといて、まだ、足りねえのかよ・・・

今度、睡眠薬でも、盛っとくか。


6日目。思わぬ敵襲にあう。

小さな船だとナメてかかってきたんだろうが、俺達の敵ではない。

だが、かなりの数に、結局、明け方まで、一掃するのにかかっちまった。


こんなに近くにいるのに、触れられねえ。抱きしめられねえ。

あの出来事さえ、俺の勝手な妄想だったんではないかとさえ、思えてくる。

もう一度、早くサンジを抱きしめてえ。

あれが、幻でも、妄想でもないことを、確認してえ。

サンジが、俺のもんだと確認してえ。

イライラと、焦りが募っていく・・・・

鍛錬さえ、集中できねえ。 何て様だ。

俺が、ココまで、他人に執着する奴だなんて、思ってもいなかった。

俺も、たいがい、終わっているな・・・・

俺は、苦笑するしかなかった。


7日目の夜。

夕食が終わると、昨晩の戦闘の疲れからか、ナミとルフィは、早々に、各部屋に戻っていっ

た。

ウソップは、今晩の見張り番ということで、食事が済んでも、キッチンにいて、カヤとか言う彼

女宛に手紙を書いている。

俺はというと、いつものように、酒を飲みながら、キッチンの隅で、戦闘で汚れた刀の手入れ

をしていた。 といっても、もう、殆ど済んでいる。

それは、キッチンに残るための、体の良い口実でしかなかった。

目的は、ただ一つ。 今日こそはサンジと・・・・・





無意識に視線が、サンジを追う。

白い腕を、テーブルに伸ばし、無駄のない動きで、食器を片づけていく。

それから、器用に食器をのせて、流しに持っていった。

流しに立つサンジの後ろ姿・・・・

エプロンのひもが、結ばれて、その腰の細さが、目に付く。

(たまんねえ。)

思わず駆け寄り、その腰を抱きしめたくなる。

「おい!てめえ。 何じろじろ見てんだよ。 気が散る。 終わったら、さっさと、出て行

けよ。 それとも、何か? 俺に見とれてたとか?」

いつもの口調で、からかうように言うサンジ。

さすがに、俺もムッとした。

(みてろよ。)

俺は、にやりと口元に笑みを浮かべ、サンジにこういった。

「ふん。 俺は、てめえに惚れてるからな。いろんな事考えながら、てめえ見てても、

不思議じゃねえだろ。 てめえは、違うのか。」

「んなっ。 なに・・・おま・・・・」

サンジは、真っ赤になって、口ごもってしまった。

そして、恨めしそうに、上目遣いで、俺を睨み付ける。

(おー、おー、睨んでる。睨んでる。 クッ、クッ、クッ。 本当に可愛い奴だよな。食っ

ちいまいてー。)

思わず、頬が緩んでしまう。

(いかん、いかん。)

俺は、刀を鞘に収めて立ち上がると、サンジの元に行き、正面から抱きしめた。

「くそっ。離せ、離しやがれ。このエロマリモ!」

サンジは、ジタバタと暴れ出したが、終いには、観念して、おとなしくなった。

「ガタンッ!!」

イスの倒れる音がして、ウソップが、ガボーンとした顔をしたまま、俺達を見ていた。

(ちっ、まだ、あいつが、いたんだったな・・・)

俺は、サンジを抱きしめたまま、ウソップに『さっさと行け。』と目配せした。

眼があった、ウソップは、真っ青な顔をして、

「そ、そうだ。そろそろ見張りに行かなきゃな・・・・ うん、うん、仲良いことは良いこと

だぞ・・・・・
って、俺、無視かよ・・・・

そう、ブツブツと言いながら、キッチンを出ていった。



「バタンッ。」 

キッチンの扉が閉まる。





「ウソップに、見られた・・・・ウソップに・・・・」

サンジは、青ざめた表情で、俺の腕の中で、固まっている。

「別に、良いじゃねえか。いずれ、わかるんだし。俺は、最初から、隠すつもりはねえ

よ。」

そう言いながら、俺は、サンジの髪を撫でる。

そして、耳元に、唇を付けると、

「なあ、今夜、良いか?」

と、低い声で囁いた。

(こんな甘い声が出せるなんて、俺は、本当に、終わってるなあ。)

それでも、黙ってココで押し倒さなかったのは、自分を誉めてやりたいくらいだ。

サンジは、また耳まで赤くなって、固まってしまった。

(全く、赤くなったり、青くなったりと、忙しい奴だなあ。)

俺は、サンジの瞳を覗き込んで、もう一度聞く。

「嫌か?」

「・・・・嫌じゃない・・・俺だって・・・・ずっと・・・・でも、てめえ、あの後、そんな素振り

見せなかったし・・・・やっぱり、男よか、レディの方が良かったんじゃねえかっ

て・・・・・そう思って・・・・俺・・・」

サンジは、そう言うと、肩を震わせて、俯いた。

握りしめたエプロンに(涙の)滴が落ちる。

「フーッ。」

俺は、深いため息をついた。

(全く、こいつは、放っておくと、とんでもねえ事考えて、自分で、結論だしちまいやが

る。俺が、どれだけ、てめえの事を考えてて、てめえを欲しているかなんて、全くわか

っちゃいねえ。・・・・ムカつく・・・・)

「・・・・・・ゾロ・・・・?」

サンジは、瞳に涙をためて、おずおずと俺の顔を覗き込む。

「ああん?」

俺は、不機嫌に返事した。

サンジは、ビクッと身体を震わせると、瞳から溢れる涙を隠そうともせず、言った。

「・・・・ゾロ・・・怒った?・・・やっぱり・・・・俺のこと・・・嫌いに・・な・・・った?・・」

「ああ、本当、ムカついたぜ。 全く、てめえは、その独りよがりなとこ、直せ。」

そう言って、俺は、サンジの頭を、ポンポンと叩いた。

シュンと項垂れるサンジ。

(もー、見捨てられた仔犬だな、こりゃ。何か、俺、虐めてるみたいじゃねーか。 やめ

やめ、俺は、こんな事してえんじゃねえし・・・)

俺は、サンジの顎に手をかけ、顔を上に向かせると、涙を舐めとるように、、瞳に口付けた。

そして、左手をサンジの腰に廻し、その身体を引き寄せた。

「俺が、てめえの事を、嫌いになるわけねえだろうが。 それどころか、てめえを抱きた

くて、触れたくて・・・・ずっと、こうしたかった。」

俺は、サンジに口付けた。

サンジも、恐る恐る、俺に応えだした。

だんだんと、深くなっていくキス。

とまどいがちに、背中に腕を廻し、サンジは、俺のシャツを掴む。

そんな仕草が、俺に余裕を無くさせる。

「んっ・・・あ・・・ん・・ふ・・・ん・・んっ」

濡れた瞳に、ピンク色に上気した顔、甘い声が、俺の理性をはぎ取っていく。

(もう、止まんねえ。)

俺は、何度も、深いキスを繰り返した。

「・・・ゾロ・・・も・・・苦し・・・息が・・・」

そう言って、サンジが、ドンドンと俺の胸を叩いた。

俺は、未練たっぷりに、また後でも出来るからと、自分に言い聞かせて、耳たぶを、甘噛み

し、首筋へと唇を移した。

1週間前、あれだけ散らした所有の印も、もう見当たらない。

俺は、もう一度、首筋から鎖骨へと、赤い印を付けながら口付けた。

「ゾロ・・・俺・・、もう・・立ってられねえ・・・」

サンジが、俺に体重をかけ、なだれ込んできた。

俺は、サンジを抱き上げると、キッチンの側に置いてある、簡易ソファーに横たえた。

そして、自分のシャツを素早く脱いで裸になると、サンジのエプロンの下から手を入れて、シ

ャツのボタンをはずした。

「あっ、エプロン、はずさねえと・・・」

サンジは、自分で、エプロンのひもを解こうと、手を伸ばす。

「駄目だ。今日は、このままでいろ。」

俺は、サンジの耳元でそう囁くと、エプロンを付けたまま、器用に、シャツだけを抜き取った。

「で、でも・・・」

サンジは、途中で遮られた手の置き場に困って、手をもじもじしていた。

「クスッ。お前って、本当、可愛いな。 ほれ、こうすれば、良いだろ?」

俺は、サンジの手をとって、肩越しに背中に腕を廻させた。

「か、可愛いって言うな!」

サンジは、真っ赤になって、俺を睨み付けるが、手は、俺のなすがままだ。

(おい、おい。これ以上、俺を煽ってどうすんだ。・・・知らねえぞ、どうなっても・・・)

俺は、エプロンの上から、胸の尖りをつまみ上げた。

「ヒャン・・・あっ・・」

サンジの身体が、ピクンと痙攣し、ふるふると震えだす。

(本当、こいつ、敏感だよな・・・反応、良過ぎだぞ。)

そのまま。エプロンの上から、胸の尖りを舌で舐め上げ、何度も舌で、転がすように触れた。

唾液で濡れたエプロンのシミが広がって、淫靡さを増していく。

「いやあ。・・・ゾロォ・・・あっ・・・俺・・・レディみたいに・・声が・・・ああん・・・んっ・・」

サンジはそう言って、背中に廻していた手を自分の口に当てて、塞ごうとする。

「誰も、聞いてねえから・・・声だせよ。 一週間も我慢したんだ。 声聞かせろよ。て

めえの声、すっげえ、クル。」

俺は、片手で、サンジの両手を頭の上でぬいつけると、もう一度、サンジに口づけした。

そして、エプロンの舌から手を入れて、胸の尖りを撫でたり、摘んだりと、サンジの敏感な反

応を楽しんだ。


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<コメント>

裸エプロン〜vv一回書いてみたかったのよん。
ゾロのおやじ化=ルナのおやじ化だな。
ハイ、ハイ、バケツは必需品だよ。
1つ、50ベリーでナミが売ってくれるそうです・・・は、は。
では、続きをお楽しみ下さいませ。