ANNIVERSARY その14 |
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それから、ラピスは、順調に、成長していった。 2ヶ月目に、首もすわり、金色の髪もふさふさと生え、少しずつ、『あー』などと言葉も発する ようになった。 お風呂は、ゾロの専任だ。 あんなにおむつを換えるのに、抵抗を示したゾロだが、お風呂は、別格らしい。 日に日に重くなるラピスの体重を腕に感じて、自分と同じ湯船に浸かり、縮こまっている手足 を徐々に伸ばし、湯船に浮かぶラピスを、ゾロは、とろけそうな瞳で、洗っていく。 最近は、サンジにだって、風呂だけは、譲らない。 『お前は、一日中、ラピスと一緒にいるんだ。 お風呂の時間ぐらい、俺にも、独占さ ・・・それが、ゾロの言い分だった。 湯気が全身に立って、ぽかぽかと暖かいラピスをゾロから受け取って、サンジは、傷つけな そんな日常の一こまが、サンジには、嬉しくて、新鮮で堪らない。 『あー、もう、ゾロの子供で、こんなに可愛い子が出来るなんて・・・・ サンジ君、こん もう、手放しの喜びようであった。 ゾロは玄関に着くなり、ラピスの元に急ぐ。 「ゾロ! うがいと手洗い! ・・・もう、ラピス、ラピスって・・・・俺のこと無視しやがっ サンジは、ゾロにそう言うと、ラピスを抱いて、寝室に鍵を掛けた。 「サンジ〜、ラピス〜、何処に行ったんだよ。 出てこいよ。 な、俺が悪かったら謝る ゾロはうろうろと、トイレやおふろ場を探す。 「あ〜、う〜・・・」 「あっ、ラピス、しっ・・・ゾロに聞こえる・・・」 サンジとラピスの声を、ゾロが聞き逃すはずはなく、ゾロは、寝室の前に立つ。 「なあ、サンジ・・・出てこいよ。 別に、お前を無視したんじゃねえんだ。 つい、な。 ゾロは、降参と言ったポーズをとり、サンジにそう言った。 カチャリっと、ドアの鍵がハズされ、ラピスとサンジの顔が覗く。 「ごめんな、ゾロ。 俺、てめえが、帰ってくるなり、ラピスの事ばかり言うから・・・ そう言って、サンジは、ラピスを抱いたまま、ゾロにチュッと口付ける。 「・・・まあ、俺だって・・・最近、ラピスばっかり、かまってたし・・・・これで、あいこだ。 そう言ってゾロもサンジにキスを返す。 「だあ・・・だあ・・・」 ラピスが二人の間で、ゾロに抱っこをせがんだ。 「おっ、抱っこか? よしよし、パパと一緒に、ママの料理が出来るまで、おとなしく、 ゾロはそう言って、サンジからラピスを受けとると、サンジと手を繋いで、リビングに向かっ サンジの声に、ゾロは、カーペットにラピスを置いて、テーブルの上に鍋を運ぶ。 「あ〜、あ〜、う〜・・・」 ラピスの声が聞こえる。 「はいはい、もうちょっと待っててね。」 そう言って、ふと、ゾロがラピスの方を向いてみると・・・・ 「サ、サンジ!! 見ろ! ほらっ! ラピスが・・・ラピスが・・・」 ゾロは興奮してうわずった声を上げ、サンジを呼んだ。 「ん?何だ、ゾロ。 ラピスに何かあったのか?」 ゾロの声に、サンジは、慌ててラピスの方に目を向けた。 「あ〜、あ〜・・・」 ラピスは、相変わらず、声を上げながら、ほふく前進を続けていた。 「ゾロ! おい、なにボーっとしてんだよ! カメラ、カメラ。 記念すべきラピスの初ハ 「ああ、持ってくる!」 サンジの言葉に、ゾロは慌ててカメラを取りに行って、構えた。 パシャッ カメラの中に、記念すべき、ラピスのハイハイ第一歩が、記録された。 ・・・何か、アッという間だったよなあ・・・・ サンジは、隣のテーブルで、絵を描いているラピスに、近づいて、声を掛ける。 「・・・ラピス・・・何、書いてんだ?」 「うんと、ね。ラピと、サーしゃんと、ローたんと、ジイジと・・・・みんな!」 ラピスはそう言って、サンジに絵を見せる。 「上手に描けたな。 また、ジイジんとこに持っていくか?」 「うん。 ジイジのとこ、行く!」 ラピスはそう言って、お気に入りの猫のバッグに描いた絵を入れて、玄関に走った。 「サーしゃん! 早く、早く!! ジイジ、待ってるよ!」 「ちょっと、待てって。 そんなに急がなくても、ジイジは、何処にも行かねえから・・・」 今にも玄関を飛び出していきそうなラピスに、サンジは、慌てて外出の用意をする。 「・・・さて、今日は・・・・・・・親父・・・また、びっくりするかな・・・・」 サンジは、そう呟いて、そっとお腹に手をやった。 ・・・そう、さっき、チョッパーの病院に行って・・・・・・確認してきた・・・・・ サンジは、ラピスと手を握り、ゼフのいる店に向かう。 「おう! お姫様、今日は、何しに来たんだ?」 ゼフは、ラピスの瞳の高さまで、身を屈ませて、そう言った。 「うんと、ね。 これ、ジイジにあげようと思って・・・・」 ラピスはそう言って、先程描いた絵をゼフに差し出す。 「ラピ、ありがとうな。 今日は、この礼に、ジイジがよりをかけたデザートを食わせて 「うん。 ラピ、ジイジの作るデザート、大〜好きっv」 ラピスは、喜んで、テーブルに腰掛ける。 「・・・なあ、親父・・・・・俺からも、話がある。 実はなあ・・・・・また、赤ん坊・・・ サンジは、いそいそとラピスのために腕を振るうゼフに後ろ姿に、そう言った。 「な、なに〜?! てめえ、そんな大事なこと・・・・あっさりというんじゃねえ! ゼフは、身を乗り出してサンジにそう言う。 「大丈夫。 今度は、大丈夫だ。 女性ホルモンも、万が一を考えて、今から、充分な サンジはそう言って、受話器を握った。 「サンジ! サンジ!! あれは、本当か? お前、身体のほう、大丈夫なの ゾロは、店に入った途端、そう言った。 「・・・全く、てめえ、少しは落ち着けよ。 親父もゾロも、心配性だな・・・ああ、今度 そう言って、息の上がったゾロに、コップを差し出す。 「・・・なら、いいんだ。 っで、今度は、どっちだ? いつ、生まれんだ?」 「・・・そんなの、まだ、解るわけねえじゃん。 生まれんのは、10月だ。」 「いやったー!! 今度は、絶対男だぜ。 男にしろ! いいな!」 ゾロはそう言って、サンジを抱き上げる。 「馬、馬鹿か、てめえ・・・そんなの、俺にどうしろってんだ。 ・・・おらっ、下ろせよ。 ラピスは、そんなゾロとサンジをゼフと一緒に笑って、見上げた。 キンモクセイの香りが、風にのって運ばれる季節・・・・・ 保育器には、『サンジベビー男』のプレート・・・ ゾロは、新生児室に眠る新しい家族に、そう囁いた。 |
<コメント> 如何だったでしょうか?? 凛様・・・ どうしても、簡単には、書けなくて・・・こんなにお時間頂いてしまいました。(-_-;) また、時間がありましたら、ロロノア家に起こる様々な事件、出来事を ピックアップして、お届けできれば・・・そう考えてます。(ビクビク) 最後に、ここまで、黙って文句も言わず待っていただいた凛様、 赤ん坊のお名前を考えてくれたビリー様、 こんな長いだけの駄文を心待ち(?)にして、 最後までおつきあいしていただいた皆様、 本当に、ありがとうございました! ・・・なんか、閉店の挨拶みたい(笑) まだまだ、やっていきますよ〜!! 次回、また、新たな設定のゾロサンで、お会いしましょう!! では★ |