振り向けば、そこに奴は、いる。 |
「また、あんたかーーっ!!」 ナミは、そう叫んでルフィに拳を振り上げる。 バコッ!! 「フンギャッ!!」 「ナミさぁ〜ん・・・・どうしましょう。 何処か近くに停泊できそうな場所ありますか?」 甲板に伸されたルフィを尻目に、サンジは申し訳なさそうにナミにそう聞いた。 「だってよ・・・・なぁ〜んか腹減って、腹減ってよ。 俺、育ち盛りだから・・・」 ルフィは頭を擦りながら、甲板に座るとそう言い訳をする。
「だからって・・・・勝手に食って言い訳ねえだろ!!このクソゴム!! いいか? こ サンジはきつい表情でルフィを睨みつけ、そう怒鳴った。
「・・・・・もういいわ、サンジ君。 予定には入れてなかったけど、近くに島があるか ナミは溜息を吐きながら、そうサンジに言う。 「・・・・・・なんかヤバいのか?その島・・・・」 ナミの表情に不安を持ったウソップがそう口を挟んだ。
「ええ。 噂なんだけど、あまり治安が良くないの。 だから、無用なトラブルは避けた
ナミは、そう言ってルフィとその後ろの方でこの様子を傍観していたゾロを交互に見つめ、フッ
「あ? ちょっと待て、オイ! なんでそこで俺を見る! ルフィはともかく、俺は違うだ ゾロはナミの視線に気がついて、そう言い返した。
「何言ってんの! 陸に上がった途端、迷子になってトラブルに巻き込まれてるのは、 ナミに指を指され、そう指摘されたゾロは、何も言い返せず苦虫を潰した顔になる。 「「「・・・・・なるほど。」」」 ウソップ、サンジ、チョッパーはナミの言葉に納得した。 「オイ!そこ!! んな事で納得するんじゃねえ!!」 ゾロはそう叫んで、サンジ達を睨みつける。 「いや、本当の事だし。」 すかさず、サンジがそう言い返す。 「好きで迷子になってんじゃねえ!」 「・・・・・・人間じゃねえしな。 マリモだし・・・・」 「ぁあ?! なんだともういっぺん言ってみろよ・・・」 「マリモ、マリモ、マリモ、マ・リ・モ・・・!!」 「上等だぁ・・・・・・・泣かす!!」 ヒュンとゾロの和道一文字がサンジの鼻先を掠める。 「てめえ、この・・・!!」 サンジも負けじと蹴りを繰り出す。 「・・・・・・ったく、いつもいつも・・・・・・・・いい加減にしろ!!」 バキッ!!ドカッ!! ナミの言葉と共に容赦ない拳が、ゾロとサンジを襲う。
「あんた達、本当に進歩が無いわね・・・。 ほら、そろそろ港に着くんだから、上陸準 「はぁ〜いvvナミすわんv 了解しましたぁ〜vv」 ナミの言葉に、サンジはいそいそと倉庫に向かった。 「ヘイヘイ・・・・・後で、覚えてろよ、ラブコック・・・」 ゾロも、サンジの後姿を睨みつけながら、ウソップ達と共に上陸準備に取り掛かる。
「ダメ!! あんたは、絶対に船から出たらダメ! ・・・・・ロビン、ルフィをそのマスト ルフィの言葉に、不安を覚えたナミは、先手を打ってロビンにそう頼んだ。 「フフ・・・・了解、航海士さん。」
ロビンは、嫌がるルフィをハナハナの実の能力でロープでぐるぐる巻きにしてマストに括り付け 「オイ!ナミ!!ロビン!! 離せ!! くそう、腹減って力出ねえ・・・・。」 「クス・・・・ごめんなさいね、船長さん。」 「ハイハイ、サンジ君が戻ってきたら、離してあげるわよ。」 ルフィの言葉にロビンとナミはそう言ってにっこりと笑った。 静かになった甲板では、ゾロがトレーニングに励んでいる。 「あ〜・・・・・腹減ったぁ。 サンジ、早く帰って来ねえかなぁ・・・。」 未だ、マストに括り付けられたままのルフィは、暇を持て余し気味にそう呟いた。
「あ?大体、てめえが悪いんだろが。 これに懲りたら、もう食料に手出しすんなよな。
「だってだって、だってよぅ・・・・ふと夜中、目が覚めて、気が付いたら、自分の欲しい ルフィは、昨夜の自分の事をゾロに話し始める。 「それでよ・・・・その食いもんが、俺に食えってそう言ったように聞こえたんだよぅ・・。」 ルフィの言葉は、そのまま、夜、お強請りするサンジの表情まで連想させて・・・・・ 『んっ・・・・ゾォロ・・・・』 と、いる筈の無いサンジの甘えた声までもが聞こえてきて、思わず、ゾロの頬が緩んだ。
「ルフィ、お前の気持ちはよっくわかる。 が、だ。 人間、理性ってもんを持ってねえ 「さっすが、ゾロ、良い事言うなぁ。」
「ま、まぁな・・・・・・。 俺、シャワー浴びてくっから、少しの間だけ、刀見ててくれ 「オウ!」
素直に自分に尊敬の眼差しを送るルフィに、ゾロはちょっぴり後ろめたくなり、そう言って風呂 「・・・・・・頭じゃわかってんだけどな。 けどよ、あれは・・・・・あの顔は反則だろ・・・」 そうブツブツなにやら言い訳がましいことを口にしながら、ゾロはシャワーを浴びる。 「ゾローーーーーーーッ!!」 不意に、甲板からルフィの声が聞こえた。 濡れた身体を拭うのもそこそこに、ゾロは着替えを済ませ甲板に走った。 「へへへ・・・・もう一人居やがったのか。 しかも、丸腰かよ。」 そこには、ざっと数十名の男達。 「ゾロ!! 早く、縄を!!」 ルフィがもどかしげにそう叫ぶ。 「ああ、待ってろ、すぐだ!」
ゾロは、近づいてきた男達の合間を縫うように走って、男達の剣を奪い、ルフィの傍に向かっ 「お待たせ、船長。」 スッ、ルフィの前に立ち、その身を拘束していた縄を持っていた剣で斬る。 「そうはさせるかーーっ!!」 その直後、何かがゾロ達の方へ投げつけられた。 「チッ! うるせえ小物が・・・!!」 そう呟いて、ゾロは飛んできたものを避けようともせず、瞳の前で刀を振るう。 「クッ! ルフィ!!」 一瞬の出来事に、ゾロはかろうじてその身を盾にルフィをその粉から守る。 「ゾロ!! 大丈夫か?」 縄から抜け出たルフィが、そう心配そうにゾロに声を掛けた。 「ああ、問題ねえ。 ちっと粉を浴びただけだ。 そうだ、ルフィ、刀は?」 「あそこ! あいつが持ってる!!」 ルフィはそう言って、男達の後ろに構えているボスらしき男を指差す。
「・・・・・ほう、この刀は、お前のだったのか。 だが、こいつは滅多に手に入らない貴 その男は、周りの男達にそう命じて、自分はさっさと船を降り始めた。 「ふざけるな!! 俺の刀に触れるな!! 返して貰おうか・・・・・」 ゾロは、そう言うなり、周りの男達をなぎ払いながらその男に近づく。 「グッ・・・!!」 そう呻いて、ゾロの歩みがピタリと止まる。 「ゾロッ?!」 ルフィは、ゾロの異変に気が付いて、慌てて駆け寄った。 「だ、大丈夫だ、ルフィ・・・それより、早く、こいつらを・・・・・」
ゾロは、ルフィにそういいながら、目が見えてないとは思えない反射神経で次々と襲い掛かっ 「よし、わかった!!」 ルフィはその様子を見て、また敵を一掃し始める。 「ッ・・・・!!」 グラリとゾロがバランスを崩す。 「ッ・・・・・ルフィ、すまねえが風呂場まで連れて行ってくれるか?」 「ああ、本当、ゾロ、大丈夫か?」 ゾロの言葉に、ルフィはそう言ってゾロに肩を貸す。 「ああ、粉が瞳に入っただけだ。 洗い流せば、直に元に戻る・・・・。」 ゾロは、ルフィにそう返事して、シャワーを浴びに浴室に入った。 |
<コメント> こちらは、きゅうはむ様のリクエストで、 『サンジの窮地を救いにくるゾロ』の話なのですが・・・・・・・ これって・・・? いやいや、お待ちください! 絶対に今回は外しませんから! だって・・・・だって、ルナ・・・ 戦闘モノ、好きなのv(意味無☆) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・脱兎。 <kiririku−top> |