As If... その5. |
「・・・・・・・はぁ・・・・・なんかもう・・・・・・・疲れた。」
サンジは、そう呟いて、壁に寄りかかり腰を下ろす。
「チッ・・・。 なんだ、チャージ切れか。 ククク・・・・せっかく、逃げてきたのに、これじ サンジはそう呟いて、使用済みのそれを口に銜える。 「・・・・・・今なら・・・・わかるな。 てめえがなんでこの歌詞が好きなのか・・・。」 サンジはそう苦笑して、その歌詞を口ずさむ。
「まっ、記憶を消されてこき使われるより・・・・このまま、終わる方が幸せだよな・・・? サンジは、片膝を立て、小さな声で歌い続ける。 「俺、ちょっと外見てくる!」 ゾロは、たしぎにそう言うと、家の周りをうろついた。 「・・・・・サンジが、来てた・・・・。 ここまで、サンジが来ていた。・・・!!」 ゾロは、それを掴むと大急ぎで家に戻った。 「俺、探してくるから・・・!!」 ゾロはそれだけたしぎに伝えると、また家を飛び出していった。
「・・・・・・・本当に、凄い行動力ですね、ロロノアさんって。 けど、そこまで想われる たしぎは、ゾロの素早さに呆気に取られながらも、モニターの上のくいなのホログラムにそう言 ゾロは、必死でサンジを捜し回り、路地裏の治安の悪い地区に足を踏み入れた。 「・・・・よう、そこの兄ちゃん。 すまねえが、俺達になんか恵んでくれよ。」 ぎらぎらした視線同様、刃物をちらつかせ、数人の男達が、そう言いながらゾロに近づいてく 「悪いが、他を当たってくれ。 俺は、今、忙しいんだ・・・。」 ゾロは、そう言い返して、その脇をすり抜けようとした。 「ちょっと、待てよ、兄ちゃん。 そりゃ、つれないぜ・・・?」 そう言って、周りにいた連中が、ゾロを取り囲む。 「・・・・・怪我したくなかったら、そこを退け!!」 ゾロは、周りの連中をそう一喝した。 「う、うるせえ!! やっちまおうぜ!!」 男達は、ゾロの迫力に気圧され一瞬怯んだが、所詮一人と高をくくり、ゾロに襲い掛かってき 「チッ・・・。」 ゾロは、軽く舌打ちををして、掛かってきた連中をなぎ払っていく。 「GV・・・・出番だ。」 不意に、野太い声がしたかと思った次の瞬間、ゾロの前にアンドロイドが現れた。 「・・・・・・やれ・・。」 その一帯を治めているボスらしき男が、そうアンドロイドに命令を下す。 その声の主は、そう言ってゾロの前に立つ。 「・・・・・サンジ・・・・?」
「・・・・・・アンドロイドの相手は、同じアンドロイドの俺じゃなくちゃつりあわねえよな、 感動の再会どころか、サンジはそう言ってにやりと笑った。 ゾロは、苦笑して立ち上がると、近くにあった手ごろな棒を手に取り、ボスの方に歩いていく。 「何をしている!!GV!! さっさとこいつを片付けちまえ!!」 その男に命令され、アンドロイドは、ゾロに照準をあわせ飛びかかろうとする。 「てめえの相手は、俺なんだよ!!」 サンジは、そう叫んで、そのアンドロイドの首に渾身の蹴りを見舞った。 グシャッ!! バチバチッ!!! 回路の千切れる音と共に、アンドロイドの身体が、地面に伏す。 「ぐわあぁ・・・!!」 ほぼ同時に、ゾロの剣技がボスらしき男の腹に決まった。 「「うっし!! 終わり!!」」 サンジとゾロは、そう言って互いに歩み寄る。 「・・・・・・サンジ・・・」 「・・・・・・ゾロ・・・」 そうにこやかにお互いの名を呼び合い抱き合おうとしたその時、サンジの膝が地面に崩れ 「サンジーッ!!」 ゾロは慌てて、倒れたサンジの身体を抱き寄せる。
「・・・・・わりい、ゾロ・・・。 俺・・・・もう、限界過ぎてんだ・・・。 せっかく逢えたの ストンと、ゾロの頬に伸ばされていたサンジの腕が地面に落ちた。
「おい!! サンジ!! サンジ!!嘘だろ!! おい!!瞳開けろよ!! ゾロはそう叫んで、激しくサンジの身体を揺さぶった。 「・・・・・・・サンジ、ほら、家に・・・・・帰るぞ・・・。」 ゾロは、何の反応もないサンジの身体を抱えると、家に向かって歩き出した。 ・・・・・そう・・・・・ゾロ・・・だ。 「サンジ!! 気が付いたのか? 良かった・・・本当に・・・もうダメなのかと・・・。」 そこには、今にも泣きそうなゾロの姿・・・。 サンジは身体をベッドから起こすと、自分の手をしっかりと握って離さないゾロの手を見つめ、 「本当に、初め、びっくりしたのよ。 ロロノアさんが、『サンジが死んだ。』なんて言っ たしぎがゾロの隣りでそう言って笑う。 「・・・・そう言ってもなぁ・・・。 全然無反応だったし・・・全身傷だらけで、ボロボロだっ ゾロは、ばつが悪そうにそう言って頭を掻いた。 「ばぁか・・・。 俺は、最新式のアンドロイドだぜ? そう簡単に壊れて堪るかよ。 サンジは、前の事件を思い出して、そう言って言葉を詰まらせる。 「あ、あれね・・。 あれは、殺人じゃないわよ。 あれも、アンドロイドだったから。」 「けど、血が!! それに骨の砕ける音も・・・」 「あれはね・・・・アンドロイド隠しなのよ。 違法なやり方よ。 自分がアンドロイドだと 悲痛な表情を浮かべるサンジに、たしぎはそう説明をした。 「・・・・・そう。 けど、俺が脱走した事実は消えない・・・。」 「あら?どうして? 罪が無いのにあんなところに送る警察の方が悪いのよ。 いくら たしぎはそう言って、満面の笑みでサンジを見る。 「たしぎ! 何処にいるんだよ!! 今、何時だと思ってる!!」 「ヒャッ!! あっ、スモーカーさん・・・。 いけない!! わたし、待ち合わせしてたん たしぎはそう言うと、慌てて家を飛び出していく。 「色々とありがとう、たしぎさん。 後でちゃんとお礼をしに伺いますから・・・。」 サンジはそう言って、たしぎの後姿に頭を下げた。 「はぁ・・・・やれやれだな。 けど・・・・・良かった。 サンジ・・・・・お帰り・・・。」 ゾロはそう言って、サンジの身体を抱きしめる。 サンジもそう返事して、ゾロを抱きしめ返した。 「当然だろ・・・? ずっと捜したんだからな・・・ずっと・・・。 ところで、サンジ。 安心 「あん? また飯か? てめえ、俺が初めてここに来た時もそう言って・・・・しゃーねー サンジは、そう言って笑うと、キッチンに立ち、冷蔵庫を開ける。 「・・・・・・・・ゾロ。 てめえ、やっぱ、人間じゃねえだろ・・・。」 「あ? ・・・・・あ、そうだ、いけね・・。 買い物・・・全然してなかった。」 サンジの呆れたような視線に、ゾロはそう言って頭を掻いた。 「本当に、てめえって・・・・・・うっし!! ほら、行くぞ、スーパー!! 久しぶりだか 「ハイハイ・・・程々にしてくれよ。 俺、破産するぞ、マジで・・・。」 サンジの嬉しそうな声に、ゾロはそう返事して手を繋ぐ。 「あ、買い物ついでによ・・・・・・俺の服・・・・・買っても良いか・・?」 サンジは、小さな声でゾロにそう呟いてみる。 「ああ、じゃあ、この前の続きから、仕切り直しだ。 買い物は、その後だな。」 ゾロはそう返事して、サンジの手を引っ張って、街に向かった。 サンジが、こっそりとそうゾロに耳打ちしたのは、その日の夜。 「コレ・・・。 つ、つけねえと、錆びるからな!!」 真っ赤な顔でそう言って俯いたサンジに、ゾロは、やっと理解する。 「・・・・なに、にやついてんだよ!! しねえならしなくていいんだからな!」 「いや、聞いたら、もう無理。」 ゾロは、その箱を手に取ると、もう片方の手でサンジの身体を引き寄せる。 「・・・・・お前で、本当に良かった・・・。」 「・・・・・俺も・・・。」
そう言って、倒れこむようにベッドに横たわる二人・・・。 「お、俺だって・・・・市民権、お前と一緒に貰ったんだからな!! 俺も祝ってく 半年振りに再会したウソップがそう言って、乾杯の音頭を取る。 |
<コメント> ・・・・・・・こちらは、『A.I.ゾロサンバージョン』のはず・・・。(笑) やっと終わったのですが・・・なんとなく終わり方が・・・。(泣) もっと話を掘り下げようかとも思ったんだけど、これ以上長いのは、ね・・・。(;一_一) ごめんね〜、ももぬいさん。 本当はね、もっと違うのも考えてたんだけど・・・。 ああ、玉砕☆ 尻尾巻いてとっとと退場しますです・・・。 |