ロマンスの神様 その2 |
「はぁ・・・・良かったな。 社長も上司もあんな感じのいい人たちばっかで。」 「・・・・全くだ。 普通は、やっぱ、怒鳴られて下手すると、会社首になってるかもな。 俺達っ 「・・・同感。 けどよ、どうする? 今日、昼飯、社長達と同伴したんで、俺、てめえに驕って 入社一日目を社長と共に過ごし退社した二人は、帰り道で、そう言いながら駅に向かう。 「てめえって・・・お前、本当に言葉使い悪いよな。 それでいて会社じゃ見事に言葉使い分 ゾロは、呆れ顔でサンジにそう言った。 「馬鹿言えよ。 俺は、元々上品なんだよ。 けどな、見た目が華奢に見られてナメられる事 サンジは苦笑しながらゾロにそう言う。 「ふ〜ん。 だよな。 お前、女みたいに綺麗な顔立ちしてるもんな。 それに・・・・」 「かっちーーん!! てめえ、俺が一番気にしてること言いやがって! ああ、そうだよ! サンジは、顔を真っ赤にしてゾロにそう怒鳴るとスタスタと一人でホームに向かう。 ゾロは、慌ててサンジを追いかけていった。 「ごめん、謝るって! そんなに気にしてるって知らなかったから。 悪い! もう言わないか ゾロは、電車の中でサンジにそう言って謝る。 「・・・・もう良いって。 ほらっ、周りの人が変な目で見てるし・・・ 俺も、すぐカッとしたりし 「あ、俺も麻布だ。 麻布3丁目。」 「あ、俺、2丁目。」 「「なんだ、すぐ近くじゃん。」」 同時に叫んだ声にゾロとサンジは思わず笑った。 「・・・・・なぁ・・・・夕飯食っていかねえか? 俺、初めて一人暮らし始めてさ、まだ慣れてな 「いや、俺、家族いないんだ。 ・・・・・・・2年前に両親亡くして、ずっと一人だ。」 サンジの言葉にゾロはそう言って笑う。 「あ、わりい。 俺、知らなくて・・・・ごめん。 じゃあさ、そう言うことなら、食ってけよ。 料理 サンジはそう言ってにっこりと笑った。 「オヤジからくすねてきたワインなら有るが。 途中コンビニで買っていくか。 入社祝いだ。 「ああ、そうするか。」 ゾロとサンジは、駅の近くのコンビニで酒を買い、そのままサンジのマンションへと向かった。 「だろう?? 俺の料理を食ったら、よそで食えなくなると言っても過言じゃねえだろ?」 ゾロに誉められて、サンジは嬉しそうにそう言う。 「ああ。 そんな感じだな。 もうよそじゃ、食えないな・・・・・」 そう言って笑ったゾロの顔にサンジはドキリとして、思わず瞳を逸らした。 「あっ、お湯、沸いたみてえ。 お茶、入れるな。」 サンジは、ごまかすように慌ててコンロに向かった。 「あっ、アチッ!!」 取っ手を掴み損ねたやかんがシンクに落ちる。 「大丈夫か?サンジ。 すぐ、冷やせ! 赤くなってるじゃないか。」 ゾロはそう言うと蛇口を捻り、サンジの赤くなった手に水を流す。 サンジは、真っ赤な顔で俯いたままゾロにそう言う。 「ん、そうか。 だったらいいけど。 一応、氷かなんかで冷やした方が良いぞ。」 ゾロは、そう言って冷蔵庫から氷を出しタオルで包むとサンジの手にのせた。 「もう良いって!! あっちに行ってろよ!」 サンジは、自分の心臓の音が今にもゾロに聞こえそうな気がして、そう怒鳴った。 「なんだよ、そんなに怒鳴らなくても良いじゃないか。 人がせっかく親切に・・・・・」 サンジの言葉にゾロはそう呟いてテーブルに戻った。 サンジは、シュンとした表情でゾロに小さな声でそう言う。 「まっ、いいさ。 それより飲もうぜ? まだこんなに酒が残ってるし・・・・」 ゾロは、サンジの表情に苦笑してそう言って笑った。 「おう!」 サンジは、笑顔でそう言うとゾロの隣に座り酒を飲み始める。 「・・・・・なぁ、俺、見てえ映画有るんだけど、一緒に行かねえか?」 暫く経った土曜日、サンジからゾロの携帯にそう電話が入った。 「あ、それって、もしかして、『タキシード』じゃないか? 俺も見たくてさ・・・」 ゾロはサンジの言葉に間髪入れず、そう答える。 「えっ?! 良くわかったな、それ。 じゃあ、話は早いよな。 今から見に行こうぜ。 駅で待 「えっ?! おい、ちょ、ちょっと・・・・・・あー、もう切っちゃったよ。 なんでこうせっかちなん 一方的に駅で待つとサンジに告げられ、ゾロは慌ててパジャマを着替えると家を出て駅に向 「遅せえ! 一体、何ぐずぐずしてたんだよ。 あれから30分経っただろ?もう・・・・」 「んなこと言ったって、俺、まだ起きたばっかでパジャマのままだったし・・・・お前が、急に電 「もう。 良いから、さっさと電車乗ろうぜ。 映画の時間、間に合わなくなる・・・」 ゾロの言い分を無視して、サンジはそう言うとさっさとホームに向かう。 「おらっ! もうすぐ電車が来るって! 早く来いよ。」 そう言って振り向いて笑うサンジに、ゾロははぁっとため息を吐く。 「なんで、俺が・・・・・だいたい、いつも俺って、こいつに振り回されてるよな・・・」 ゾロはそう呟いてサンジの後を追い、ホームに向かった。 「はぁ・・・今日は、電車、混んでるよな。 俺、嫌なんだよな、電車ってさ。」 「仕方ないさ。 けど、すぐ降りるし、少しの我慢だ。」 「ん・・・・そうなんだけどさ。 ・・・・・・・!!!・・・・・・・・・・・・・。」 そう言って如何にもうんざりとしたサンジの表情が変わった。 「ん? どうしたんだ?サンジ・・・・・」 ゾロは、サンジの様子に気が付き、そう声を掛ける。 「ヒッ!! アガッ!・・・・・アアッ!!」 その腕の持ち主はそう叫び声を上げ、腕を抱いてその場に蹲った。 「サンジ、大丈夫か? さあ、降りよう。」 ゾロは、その男に集中する人だかりの中、真っ青な顔のサンジを支えるようにして電車を降 「・・・・・大丈夫か?サンジ・・・・」 ゾロは、自販機からジュースを買ってきて、サンジの頬にそっと付けた。 「っ・・・・・あ・・・・・・・・ゾロ。 俺・・・・俺・・・・・ごめん・・・・・・」 頬に触れた缶の冷たさにサンジはやっと気を取り直し、そう言ってゾロに謝る。 「いや、別に、お前が謝る事じゃない。」 「はは・・・・だらしねえよな、俺。 見つけた痴漢はどうってことねえのに・・・・・・ 自分がさ 「もう、良いって! 言いたくないこと、忘れたいことを口にする必要は、ない。 誰にだって弱 ゾロは、無理に笑顔を作ってそう言うサンジの言葉を遮り、サンジを抱き締めた。 「・・・・ゾ・・・・ロ・・・・・」 「・・・・・俺さ、俺、変なんだ。 お前が痴漢にあった時・・・・・どうしても許せなくて・・・・・・ ゾロはそう言って真っ直ぐにサンジを見つめた。 「サンジ? これはどういう意味だ? 俺、自分の良いように解釈するぞ。」 「・・・・ずっと、守ってくれるなら・・・・・・そう解釈しても構わない・・・・・」 ゾロの言葉に、サンジは真っ赤な顔をゾロの肩口に付け、小さな声でそう囁いた。 「さて、映画遅れちゃうぜ。 行くぞ、ゾロ。」 自分で言った言葉が恥ずかしくなったのか、サンジは、慌ててゾロから離れると、そう言って 「本当か? なぁ、本当なのか? おい、サンジって!」 ゾロは、半信半疑でそう言いながらサンジの後を追い掛けた。 「帰ったら、言ってやる・・・・・それより、映画だ、映画・・・・」 サンジはゾロにそう言うとにっこりと笑ってゾロの腕を捕った。 そう言うサンジの言葉に、ゾロが有る決意を胸にサンジの父親に会うのは、この一年後であ |
<コメント> こちらは、嶋川榊乃様のリクエスト【サラリーマンゾロサン】でした。 はぁ・・・・ごめんなさい、榊乃さん。 この長さ・・・・・・ とても人に送りつける長さじゃ・・・(死) それに、とってもお時間頂きました。 いつのリクやねん・・・・って感じで。(笑) くだらないところを色々書き足すからこんな長さに。 申し訳有りません。(-_-;) こんなモノを押し付けるルナを許して下さいませ。 では★(脱兎!) |