SPIRIT OF THE SWORD その4. |
「父さん!! クソッ!!」 「おっと、サンジ、動くなよ・・・・・こいつの命が惜しいならな・・・。」 クロコダイルは、今度はゼフを盾にとり、サンジを見て冷酷に笑う。 「クロコダイル!!勝負だ!!」 折りしも、ゾロもそう言って部屋に蹴破ってきた。
「おや・・? これはこれは・・・・・今日は、お客さんがやたら多いな。 フフ・・・・丁度
クロコダイルは笑いながら、そう言ってゼフの首にナイフを突き当てる。 「・・・・・クソッ! ・・・・・・【ゾロ】、あんたに恨みは無いが・・・・許してくれ・・。」 サンジは、ハァと大きく息を吸って呼吸を整えると、ゾロに向かって蹴りを繰り出す。 「クッ! どこまでも腐った野郎だぜ・・・。」
ゾロは、サンジの蹴りをすれすれで避けながら、クロコダイルを睨みつけた。 「これで、最後だ!」
サンジがそう言って、ゾロの喉元に蹴りを放つ。
「・・・・・申し訳ないが、俺も、ここでやられるわけにはいかないんでな。 闘う相手が、 サンジの放った蹴りを素手で掴み、そのままその身体を腕の中に引き寄せる。 「・・・ロロノア・・・?」
マスクの奥に忘れられない眼光を見止めたサンジはそう呟くが、それはすぐにゾロの唇で塞
「さて・・・・・茶番はもう終わりだ。 俺には、その人質は意味がねえ。 その不利な状 ゾロは剣を抜いて、クロコダイルの前に立つ。 「フフ・・・・上等だ。 その勝負、受けて立とう。」
クロコダイルはそう言うと、壁に飾ってあった長剣を取り、ゼフの足に突き立て動きを封じて、
「・・・・・・そう言えば・・・・何故だか、貴様はこいつには剣を向けてないな?
勝ち誇ったようにクロコダイルの口元が歪む。 「てめえは、どこまで汚ねえんだよ!!」
そう叫んだゾロの身体から、凄まじい緑色のオーラが迸る。 「ガハッ!! ッ・・・・・なにが・・・・・起こった・・・・?」 全身を血で染め、クロコダイルがそう呟いて床に沈む。 「・・・・・・はぁはぁ・・・・知ってどうする・・・・てめえの負けだ。」 肩で息をしながら、ゾロは、床に倒れているサンジを抱きかかえた。 「・・・・・・ゼフ、サンジを頼む。」
ゾロはゼフにそう言って、シャンクスの元へ向かう。 「【ゾロ】!!」 ゾロは、そう叫んでシャンクスに視線を向ける。
「ハァハァ・・・・ッ・・・・遅い!! もう死ぬかと思ったぜ・・。 っで、決着はついたみた
立っているのもやっとな感じで、シャンクスはゾロの方を見返した。 「・・・・・という訳だ、鷹の目・・・・・お前と戦う意味が無くなった。」 シャンクスはそう言うと、剣を携えた腕を下におろす。
「・・・・・・・・そうか。 主は亡くなったか。 では、私の役目も終わった。 ミホークはそう言うと、シャンクスのマスクを斬り取った。
「・・・・・やっぱ、気付いてたか。 首都を離れて以来・・・・・20年ぶり、か。 しかし、 シャンクスもそう言うと、ミホークが被っていた帽子を剣で取り上げる。
「利き腕をなくしたと風の噂で聞いて、確かめついでに来てみたのだが・・・・真紅の
「まぁ、待てよ。 どうせ、戻って国王に報告するだけだろ?クロコダイルの悪政の実態
その場を去ろうとしたミホークを、シャンクスはそう呼び止め、一緒に歩き始めた。
「・・・・・・あのさ、シャンクス。 俺にわかるように説明してくれないか? この男は、
「ああ、わりい、わりい・・・。 コイツ、鷹の目は、俺が首都で騎士道を学んでいた時か シャンクスは、ゾロにそう言って豪快に笑い飛ばした。 「じゃあ、なんで闘ったんだ? 闘う必要なんか・・・・」
「それは、違うぞ、小僧。 どんな事情があるにしろ、一度受けた命はきちんとこなすの ゾロの言葉を遮って、ミホークがそう話す。 「・・・・・ところで、サンジは、どうしたんだ?」 「あっ! いけね!!すっかり忘れてた。 ゼフも来てたんだ・・・・怪我してる・・!!」 シャンクスから聞かれ、ゾロは、慌ててサンジとゼフのいる部屋へと駆け出した。
「ゼフが?! チッ!あのクソジジイは、寝てろって言ってたのに、やっぱ、来やがった シャンクスも軽く舌打ちをして、その後に続く。 「おい!シャンクス! 走ると・・・・血が!・・・・・・・・・・・・・・・・・・遅かったか・・・。」 「ッ・・・・・馬鹿やろう・・・・・・早く言え・・・よ・・・・。」
走り出した途端、身体中から出血し始め、シャンクスはそう言いながら、フラフラと床に伏し 「・・・・・・済まぬ。 手加減出来るほど余裕が無かったのでな・・・。」 ミホークはそう言って、シャンクスに肩を貸す。 「ヘッヘッヘ・・・。 どうだ? 片腕失くそうが、強かっただろ?俺は・・・。」 「まぁな・・・・・・・出来れば、利き腕が健在の時に真剣に闘ってみたかったな・・・。」 「じゃあ、俺が、世界最強かぁ??」 「ククク・・・・20年経とうが全然貴様は変わらぬな・・・。」 「てめえも、な・・・。」
シャンクスとミホークは、20年ぶりの会話に花を咲かせ、三人が待つ部屋へと歩いて行った。
「ったく、ゼフ、てめえは大人しく寝てろってそう言ってたのに、勝手に屋敷に忍び込ん
「ヘン、シャンクス、そう言うてめえも、鷹の目にやられてるじゃねえかよ! 切り傷ば 「なにをぉ?!傷は男の勲章って言葉を知らねえのか?」 「ヘッ。 そりゃあ、弱い奴の戯言だろ・・・。」 「・・・・・二人ともいい加減にしろよ。 せっかくの酒が不味くなる。」
身体中包帯だらけで、酒を酌み交わし文句を言い合うシャンクスとゼフに、ミホークは苦笑して 「あれ? チビナスは、どうした? それに、ロロノアもいねえ・・・。」
「ああ、あいつらなら、さっき、部屋を出て行ったぞ。 貴様達があまりにうるさいので
ゾロとサンジがいないのに気がついたシャンクスに、ミホークは、そう言って扉を指差す。 「・・・・・・・・・・・・あのさ・・・・あのさ、俺・・・・」 「シッ! 黙って・・・・・・・続きは、態度で教えてくれないか・・・?」 ゾロは、片目を瞑ってサンジの唇の前に人差し指を立てる。 「・・・・・・・・・・・気障な奴。」 サンジは真っ赤な顔でそう言い返して、そっとゾロの背中に腕を回した。
「・・・・・初めてあの通りで逢った時から惹かれた。 会場で踊った時には、恋に落ち ゾロはサンジを抱きしめ返し、真摯な瞳でそう告げる。
「ああ。 初めて逢ったときに、その瞳に囚われた。 二度目に逢った時に、それが恋
サンジは、真っ直ぐにその瞳を見つめ返して、その唇にそっと口付けた。 「あ、あのさ・・・・ちょっと、これは・・・あの・・・・その・・・・・」 ベッドに運ばれて、サンジは慌てて身を捩った。 「・・・・・・嫌なのか?」 「嫌じゃないけど・・・・・・いきなりは・・・・早過ぎじゃないか?」 「嫌じゃないなら、問題ないな。 言っただろ? 俺は、我慢できない性質だって・・・。
・・・・・・もう・・・・・我慢できねえ・・・。」 「・・・・・さぁな、知るか、んなもん・・・。」 「せっかく7年ぶりの再会だったのになぁ・・・。」 「全く、あんな何処の馬の骨ともわからぬ奴に、チビナスを取られるとは・・・。」
「いや、ロロノア家は、王国きっての名家だぞ。 継承者がいるなら、復興はたやすい
「おお! じゃあ、問題ねえな。 それよか、クロコダイルの後は、誰がこの街を仕切る 「・・・・・・・さぁ?」
「あ・・・・・・それは、公的に、サンジだと思うぞ。 今夜のパーティーの席でクロコダイ 「なるほど・・・。」
「名門ロロノア家の後継者と総督の組み合わせか・・・・。 あいつら、大変だぜ、これ 「まっ、あの二人なら・・・大丈夫だろ。」 「ククク・・・・そうだな、問題ねえか・・・・。」 「では、あの二人の未来に・・・・・・」 「「「乾杯!!!」」」
こうして、その事実を知らされる翌朝まで、ゾロとサンジの夜は甘く過ぎていったのでありまし
「助けられた娘さんに話を聞いたら、一人は、蒼い瞳の綺麗な若い男性だったそうよ。
今日も街は、【ゾロ】の活躍を噂する。 「さあ、ゾロ、そろそろ、出番だ!」 「ああ、じゃあ、行くか!」
月夜の晩に、ロロノア家から動く影、二つ・・・。 |
<コメント> やられちゃったのよ・・・サンジ・・・。(笑) 如何でしたでしょうか、皆様?! 中世のお話は、大好きなんだけどなぁ・・・。 如何せん、才能がついていかない・・ゲフゲフ・・・ それにしても、【ZORRO】の映画、台詞も仕草も濃過ぎだよ! さすが、ラテン系!(笑) ミホークとシャンクスとゼフ・・・・この取り合わせが、好きだなぁ。 ゾロとサンジよりも会話に熱が入っちゃったのは、ルナの趣味☆ お楽しみいただければ、嬉しいですvv では☆ |