Pure Boy その1. |
「ねぇ〜vサンジく〜んvv」
後二日で、大学生活も夏休みを迎えるという頃、不意にキャンパスで声を掛けられた。 「あっ、ナミさんv おはようございます。」 「あのねぇ・・・・・お願いがあるんだけど、な・・?」 俺に軽くウィンくしてナミさんは笑顔でそう言う。 「良いですよ〜v ナミさんのお願いなら、どんな事でも聞いちゃいまぁ〜す!」 「本当?! うわぁ〜、嬉しい〜vv だから、サンジ君って大好きよv」 そんな俺に、ナミさんはギュッと抱きついて、ほっぺにチュッとキスをする。 「えっ?! ええーーーーっ?! ナ、ナミさん?!」
「じゃあ、これ、バイト代。 よろしく頼むわんvv あ、帰ってきたら、お話聞かせてねvv それ 呆然とする俺を残し、ナミさんは笑顔と共に、俺の前から去っていった。 「いよう、サンジ。 よろしく頼むぜ。」 いきなり今度は、ポンと肩を叩かれた。 「シャンクス? 何が、よろしく、なんだ?」 シャンクスの言葉の意味がわからず、俺はそう尋ねる。
「あれ?? ナミちゃん、言ってなかったか? そのお前が持っている袋の中身の依頼人 シャンクスは、俺にそうつらつらと説明し始めた。
「いやぁ、本当良かった。 なかなかこの夏休みに俺とジャングルに行ってくれる暇な奴いな そう言ってバシバシとシャンクスは俺の肩を叩く。 驚きで一言も発せ無い俺を尻目に、シャンクスもそう言って俺から離れていった。
「あーーーっ!! 俺は、どうすんだよぅ!! せっかく、今年の夏は、海でバイトする筈だっ そう気が付いた俺は、慌ててシャンクスの後を追う。
「おっ、サンジ、いいところで会った。 お前の壊れてたバイク、修理出来たぜ。 費用は、
「おっ、エース。 あ? 35000ベリー?? それちょっと高くねえ? も少し、安くならないの 「馬鹿言うなよ、これでも部品代とか結構掛かってんだぞ。 ホイ!35000ベリー。」 そう言ってエースは、俺に手を差し出す。 「なんだ、あるじゃんか。 じゃあ、貰い、なっ?」 俺の視線に気が付いて、エースは言うが早いか、その茶封筒から金を抜き取る。 「あ、それは・・・」 「じゃあなv 俺、これからデートなの。」 俺が金を取り返す間も無く、エースはそう言ってにこやかに去って行った。 「・・・・・・・・ヤバいじゃん、俺・・・。」
結局、俺は返す金も無く、ナミさんに言われたとおり、シャンクスの助手のアルバイトを引き
目的の島の近くを通る貨物船に乗り、そこから小船で、俺達は鬱蒼としたジャングルがある
「一応な、10日だ。 10日後に、また貨物船に拾って貰う手筈になっている。 その間に、 「ふ〜ん。 10日間の辛抱って訳か。 まっ、仕方ねえか。」 俺達は、浜辺に近いところにベースキャンプを張って、食事の用意に取り掛かる。 「あー、やっぱ、お前連れてきて正解だったな。 すんげえ美味えよ、この弁当・・・。」 シャンクスは、俺の作った弁当をそう言って美味そうに食べる。 「へへ・・・そうだろ。 料理にだけは自信あるしな、俺・・・。」
そう言って、俺も、自分の作った弁当を手に取ろうとした次の瞬間、サッと、何かが俺の瞳の 「あっ、待て!このサル!!それは俺が作った弁当!!」 俺は
、夢中で追いかけた。 「うわっ!マジ?!勘弁?!」 俺は、必死で逃げた。 「うがっ!崖じゃん! ヤバッ!!」 瞳の前は崖。 「ああ、俺の帰りを首を長くして待っている幾千万の女の子達・・・さようなら・・・。」 俺はそう呟いて、最後の抵抗を試みようと身構える。 「あ、ありがとう・・・っつうても、通じるわけ ねえよな。とにかく離してくれ。」 俺は、身振り手振りで何とか伝えようとした。 「通じるわけねえよな・・・。」 いきなりそいつが喋った。 「うわっ!てめえ人間か?!ゴリラじゃねえのかよ?!」 俺は、心底驚いた。 「俺、ゾロ・・・ゾロ・・・」 「俺はサンジ、サンジだ。」 俺達は、互いの名前を知った。 「てめえ、汚えな・・・ちょっと俺がカットしてやる。」 俺はそう言って鋏であいつのぼさぼさした頭と髭を
切ってやる。 「ヒュ〜♪結構男前じゃん、てめえ。」 そう言ってごまかすように笑った俺に、あいつは、俺の腕を掴んで 「男前じゃん!」 そうオウム返してにっこりと笑う。 「あ・・・・」 俺は言葉を失った。 そう言って黙ったままの俺をゾロは覗き込む。 「サンジ!! 待って!サンジ!!」 逃げ出した俺をそう叫びながらゾロは追いかけてくる。 「サンジ・・・どうした? 俺、なんかしたか?」 そう言って覗き込むあいつの瞳に、心臓がドクンとはねた。 俺はそう言って手を振り解くと、ふらふらと ベースキャンプに戻る。 「おう!サンジ、何処に行ってたんだ? それよか、そろそろ戻る準備をしとけよ。明後日に シャンクスが 荷物を整理しながら、俺にそう言った。 「明後日?! 予定では後5日の筈・・・。」 「ああ、そのつもりだったが、目当てのゴリラの生息はわかったし、なにより大学から緊急の 驚いた顔の俺に、シャンクスはそう言って笑う。 「ヤバいなぁ。 ・・・・マジみてえだ。」 俺は、
軋む胸を堪えながらそう呟いてジャングルを見上げた。 「サンジ・・・サンジ、これ、プレゼントする。」 そう言ってあいつは笑顔と共に、俺に草花をくれる。 「・・・サンキュー、ゾロ。 あのさ・・・俺・・・・明日・・・」 そう、俺は言わなくちゃいけねえ。 「ん?なに?サンジ・・? サンジ、ずっとここいる・・・俺とここいる。」 そう言って笑うあいつに、声が詰まった。 「ゾロ・・・俺、明日いなくなるんだ。」 やっとそれだけ言葉に出来た。 「なんで?サンジ、なんで? 俺嫌い? 直す。俺、サンジの言うとおり直す。 サンジが行く 縋る様なあいつの瞳。 それが、俺に言える精一杯の言葉。 「嫌だ、サンジ、嫌だ!!」 ブンブンと首を横に振って俺を抱き寄せる。 「聞き分けのねえ奴は嫌いだ。」 わざと冷ややかな態度であいつにそう言った。 「ごめん・・・サンジ・・・ごめん・・・」 そう言って泣きそうなあいつの顔を見てたら、不覚にも涙を零しちまった。 「じゃあな、ゾロ。」
俺はその涙を見られないようにそっと拭って、それだけ言って荷物を片付ける。 帰りの小船に揺られながら、シャンクスが俺にそういう。 「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
俺は何も言えなかった。 「まっ、直に忘れるさ。 もう二度と逢うことねえからな。」
シャンクスの言葉が・・・・・・痛え。
「ゾロ!! ゾロ・・・ゾロ・・・・。」 俺はあいつにしがみつく。 「サンジ・・・サンジ・・!!」 あいつも、俺の名を呼んでギュッと抱きしめた。 「・・・・お帰り、サンジ。」 そう言ってにっこりと笑うあいつに、 「ただいま、ゾロ。」
そう返事して俺は、あいつに口付けた。 |
<コメント> はい、これは日記のSSSでかいた【ターザンゾロ】なんですが・・・ ここからが、スタートになります。 どうしてこれがロロ誕かと言うと・・・・あはは・・・・・・(;一_一) それは後程・・・・・(笑) では☆ |