Destiny


その2





翌朝、サンジが目を覚ますと、ベッドの脇にゾロが眠っていた。

自分の手には、ゾロのシャツが、ギュッと握りしめてある。

「ははは。 オレ、やっちまったな・・・・・・・子供の時から、あれだけは、苦手だったんだよ

なあ・・・・・・ 暫く見てなかったのに・・・・・・・・・王子に、恥ずかしいとこ、見せちゃったな。

王子、ありがとう。・・・・・・・けど、何で、王子、俺の手をはずさなかったんだ?? 

じゃなかったら、オレを叩き起こせば良かったのに・・・・・・ ・・・・・・・・・・案外、良い奴じゃ

ないか。 魔女の呪いのせいで、ひねくれた言い方しかできなくなってるんだな。 ん?? 

仮面が、外れかかってる。 ・・・・・・・・・本当に、醜くったって、仮面に頼っちゃいけない。

・・・・・・・・・・仮面なんか付けるから、人の目が気になるんだ。 ・・・・・・・・・・王子には、

堂々としてて欲しい。 ・・・・・・・・・・オレが、ちゃんと王子を受け止めてやる。」

サンジはそうぶつぶつ言うと、ゾロの仮面をゆっくりとはずした。

王子と言うよりは、剣士という精悍な顔立ち。

きりっとした眉。

スッと伸びた鼻筋。

薄く乾いた唇。

「??これのどこが、醜いんだ???」

サンジは、仮面を片手に、首を捻った。

サンジは、そっと、ゾロの頬に触れてみる。

「・・・・・・・・・キスしたい・・・・・・・」

サンジはそう呟いて、そっとゾロの唇に口付けた。

唇に感じる感触に、ゾロは、目を覚ました。

「!!何、するんだ!」

ゾロはそう言って飛び退く。

「ん? 何って、キス・・・・・・・」

「何で?!」

「いや、したかったから。」

「はっ!! 仮面は・・・・・・ない! 俺の仮面・・・・・」

「・・・・・・これのことか??」

サンジは、仮面をヒラヒラと振って見せた。

「か、返せ!!」

「嫌だ。 何で、仮面を付ける必要がある??」

「・・・・・・・・お前は、この顔を見ても、何とも思わないのか? この醜い顔を見て

も・・・・・・・・」

ゾロはそう言って、俯く。

「・・・・・・・・だから、醜いか醜くないかは、見た奴が決める事って最初に言ったはずだ!

少なくても、俺の瞳には、王子は、醜くは映ってない。 ・・・・・・・むしろ・・・・・・

いや、なんでもない。」

サンジは、自分の気持ちを言ってしまいそうになって、慌ててごまかす。

「・・・・・・・・・むしろ、なんなんだ。 言ってくれ! それとも・・・・・・・やっぱり、嫌なのか。」

「あーもう、嫌とは言ってないだろ? 言うよ、言う! オレは、その顔が好きだ。 これでいいか。」

サンジはそう言って、真っ赤になった。

「はあ????」

ゾロは、何とも気の抜けた声をあげる。

「あっ、俺の言ってること、信じてないだろ・・・・・・・・・オレはなあ、王子の顔見て、初めて

人にキスしたいって、そう思ったんだよ!」

サンジはそう言って、ゾロに抱きついた。

「・・・・・・・・・・・・それは、本当のことなのか? お前まで、オレに嘘つこうとしてるんじゃないのか?」

ゾロは、まだサンジの言うことが信じられないでいた。

「もう、本当、しつこいな。 オレは、今だって、王子とキスしたいって、そう思ってる。」

サンジはそう言うと、ゾロの頬を両手で挟み、噛みつくようにキスをする。

「・・・・・・わかったか!」

そう言って、サンジは、にっこりと笑った。

「・・・・・・・サンジ・・・・・・・・オレも、お前に、キス・・・・・・したい。」

そう言ってゾロは、サンジに優しく口付ける。

「・・・・・・・っで、どうする? この仮面は??」

サンジがそう言ってゾロに聞いた。

「お前が・・・・・・・・・・・・・俺の顔が好きなら、それは・・・・・・・・・・・・・・・もう要らない。」

「いるわけねえだろ?」

サンジはそう言って、仮面を投げ捨てる。

「・・・・・・・・なあ、もう一度、キスして、良いか? お前とキスすると、なんか、心が、熱くなる。 

俺の中で、何かが、変わっていく気がするんだ。」

ゾロは、サンジを抱きしめ、そう言った。

「・・・・・・オレもだ。」

サンジはそう言って笑った。

ゾロはその笑顔に吸い込まれるように、ゆっくりと口付ける。

だんだんと深くなる口付け。

ゾロは、サンジの口内に、舌を割り入れると、小さく縮こまっているサンジの舌をからめ取り、

吸い上げる。

互いの唾液が、混ざり合い、ピチャピチャと淫靡な音をたてはじめた。

ガクッと、サンジが、膝を崩す。

「はあ・・・・・・王子・・・・・・・駄目だ・・・・・・・オレ・・・・・・・立てな・・・い・・・・・」

サンジはそう言って、ゾロに倒れ込んだ。

ゾロはサンジを抱き上げると、そのままベッドに横たえる。

「・・・・・・・・サンジ。 ・・・・・・・・・・このまま続きしていいか・・・・・・・・」

ゾロはサンジの髪の毛を優しく鋤きながら、そう言った。

「ああ、王子だったら、かまわない。 俺、王子のこと、好きだ。」

「・・・・・・王子じゃない。 ・・・・・・・・ゾロだ。 お前は・・・・・・・・・そう呼んで良い。」

「・・・・・・・・・・ゾロ・・・・・・・・好きだ。」

サンジはそう言ってギュッと、ゾロを抱きしめる。

ゾロは、もう一度サンジに優しく口付け、首筋に舌を這わせ、片手で、着ているシャツを脱がせる。

白く、きめ細やかなサンジの肌に、ゾロは、思わず嚥下した。

ゾロは胸の尖りに指を這わせ、優しく、弧を描くように触れる。

「ああっ・・・・・・・あ・・・・・ああ・・・・・・はあ・・・・・・ん・・・・・・」

サンジの身体が、ゾロの指の感触に反応してビクビクと震える。

ゾロは、首筋から胸へと、赤い所有の印を散らしながら、反対側の尖りを口に含み、

舌で舐め上げた。

「ひゃっ・・・・・あん・・・・・・・・あああ・・・・・・・んん・・・・・はあん・・・・・・」

サンジの嬌声が、ゾロの耳を擽り、ゾロを、ますます追い立てていく。

胸の尖りは、ゾロの舌と指で愛撫され、真っ赤になってツンと立ち上がる。

ゾロは、赤くなった尖りに舌で愛撫を加えながら、サンジのズボンを下着と共に器用に下ろすと、

サンジの雄に軽く触れた。

サンジの雄は、すでに勃ちあがり、その先端からは、透明な液が滲み出ていた。

ゾロはサンジの雄の先端を撫で上げ、ゆっくりと、上下に扱いていく。

「あああっ・・・・・・・あん・・・・・ああん・・・・・・・はあ・・・・ん・・・・・・・・」

サンジは、身体をビクビクと震わせ、ゾロの愛撫に敏感に応える。

ゾロはそのままサンジの雄を扱きながら、サンジの体制を入れ替えうつぶせにし、

サンジの秘蕾に、舌を這わせ周りを解していく。

そして柔らかくなった秘蕾に舌と指を挿し入れ、丹念に内襞を解す。

「あっ・・・・・・何・・・・・・・・ああ・・・・・・・ヤッ・・・・・・・・」

初めての感触にサンジは、慌てて腰を引く。

「・・・・・嫌か? 嫌だったら・・・・・・止める。 今なら、止めても良い。」

ゾロが、優しくサンジに声を掛ける。

「ん・・・・・・大丈夫だ。 少し、怖かっただけだから・・・・・・ 止めなくて・・・・・良いから。」

サンジはそう言って笑った。

「・・・・・・・良いのか? これ以上やったら、俺は、止められない。 ・・・・・・・・それで

も・・・・・・・良いか?」

ゾロの問いかけに、サンジは、言葉なく、コクンと頷く。

ゾロは、サンジの雄を上下に凄きながら、ゆっくりと丁寧に時間を掛けて、内襞を解していった。

内襞から、グチュッと音が聞こえ、3本の指が妖しくサンジの中で蠢く。

そして、指が、サンジの最奥にある一点をかすめた。

「あああっ・・・・・・ヤダ・・・・・・・・ああ・・・・・・・ゾロ・・・・・・俺・・・・・変・・・・・・ああん・・・・」

サンジが、ひときわ高い嬌声をあげる。

全身をピンク色の染め、金色の髪が、サラサラと揺れる。

ゾロは、堪らずに、指を引き抜くと、己の雄をサンジの中に突き入れた。

「あああっ・・・・・・ああ・・・・・・・・・・あああ・・・・・・・・んん・・・・・」

指とは比べモノにならない圧迫感に、サンジは堪らずに息を止める。

ギュッと内襞が収縮し、ゾロの雄を激しく締め付けた。

「クッ・・・・・・・・サンジ・・・・・・・・好きだ・・・・・・・・・・・愛してる・・・・・・・」

ゾロはそう言って、また、ゆっくりと萎えかけたサンジの雄を扱き始める。

「はあ・・・・・はん・・・・・・ああん・・・・・・あん・・・・・・」

サンジの口に、嬌声が戻り始め、内襞の締めつけも緩くなった。

ゾロは、手の動きに合わせ、ゆっくりと、腰を引き、挿入を繰り返す。

「はあ・・・・あん・・・・・あん・・・ゾロ・・・・・・・ああん・・・・・何かジンとしてくる・・・・・・

ああん・・・・・・んん・・・・」

サンジの嬌声に後押しされ、ゾロは、最奥の一点を集中して責めた。

「あああっ・・・・・・ゾロ・・・・・ヤーッ・・・・・・そこ・・・・・ダメだ・・・・・・クル・・・・・・・・ああ

ん・・・・・・・俺・・・・・・・イキそ・・・・・・ああん・・・・・・・ああ・・・・・」

ゾロは、サンジの雄から手を離すと、サンジの腰を両手で抱え込み、激しくその一点に、

挿入を繰り返した。

「ひゃあん・・・・・・ヤッ・・・・・・ダメだ・・・・・ゾロ・・・・・俺・・・・・・も・・・・・・・イク・・・・

・・クッ」

ブルッと、サンジの身体が震え、サンジは、シーツの上に、白濁の精を吐き出した。

「・・・・クッ。」

その射精の動きに合わせ、内襞が急激に収縮を始め、ゾロは、堪らず、サンジの中に白濁

の精を吐き出した。

そして、グッタリしたサンジを仰向けにして、ゾロは、唇を重ねる。

「・・・・・・・・・サンジ・・・・・・・好きだ。 お前の言葉なら、信じられる。 お前さえいれば、

何も、要らない。 ・・・・・・・・ずっと、側にいてくれ。 ・・・・・・・サンジ、愛してる。」

「・・・・・・・ゾロ・・・・・・俺も・・・・・・・・・・愛してる。」

サンジはそう言って優しく笑んだ。

その瞬間、ゾロは、心に突き刺さっていた棘が、跡形もなく消えていくのを感じた。









いつの間にか、外は白み始め、朝日が、窓から射し込んできた。

チュンチュンと、小鳥の声が聞こえる。

ゾロは、すがすがしさを全身に感じ、窓を開けた。

サーッと暖かな風が肌を擽り・・・・・・・・・・モノトーンの景色は、昔の色を取り戻していた。

「・・・・・・・・良かったわね、ゾロ・・・・・・・・・・・」

「母上??」

風に運ばれて、ゾロに耳に、亡くなった母親の声が聞こえた。









それから、鷹の目王国は、以前のような、穏やかで、自然と実り豊かな平和な国に戻った。

バラティエ王国との国交も、回復し、両国は、ますますその絆を深めていった。

サンジ王子はその後、鷹の目国で、王様になったゾロと共に暮らし、バラティエ王国は、

次女のナミが、女王となった。



めでたし、めでたし・・・・・・・・











「・・・<FIN>・・・・・・・・って、よし! 出来た。 うん、我ながら、自分の才能が怖いよな。 

俺、海賊やめて、恋愛小説家にでもなろうかな・・・・・おっ、ナミ、良いところに来た。 

・・・・・どうだ? なかなか良いデキだろ?」

そう言って、ウソップは、書き上げた原稿を、ナミに見せた。

「なかなかどうして、ウソップ、あんた、こんなのも、書けたんだ。 ・・・・で、これ、どうすんの?」

ナミは、ウソップから読ませて貰った原稿を返してそう尋ねる。

「いやなあ、今日、ゾロの誕生日だろ? あいつ、本なんか読みそうにないから、こんなのだったら、

読むんじゃねえかと、ちょっと有名な原作をもじって書いてみたんだ。 あいつも、たまには、脳みそ使

わねえと、本当、体だけ鍛えてるからな・・・・・・まっ、仲間としては、あいつがこれ以上馬鹿にならな

いようにと思ってよ・・・・・・」

ウソップは、自慢の鼻をこすりながらそう言った。

「・・・・・まあ、そうね。 これ以上、馬鹿になられても、困るわ。 それに、これだったら、喜んで読むん

じゃない? 相手が、サンジ君だしね。 ・・・・・でも、ウソップ、これは、サンジ君には、見せない方

が、良いわよ。」

ナミは、ウソップに、そう耳打ちした。

「おう! そのつもりだ。 俺も、まだ、死にたくはねえからな。」

「なにが、死にたくねえんだ?」

ウソップのすぐ後ろで、声が聞こえた。

「!!・・・・なんだ、ゾロか。 びっくりさせるなよ、一瞬、サンジかと思ったぜ。 ああ、そうそう、お前、

今日、誕生日だろ? ・・・・これは、俺からのプレゼントだ。 まあ、読んでみてくれ。 結構、面白い

話だから。 あとで、きちんと製本して渡すよ。 ・・・それと・・・・・サンジだけには、見せるなよ。」

そう言って、ウソップは、書き上げた物語を、ゾロに見せる。

ゾロは、だんだんと険しい表情になり、読み終わると、ウソップを睨み付けてこう言った。

「・・・・・てめえ、なんで、サンジのアノ時の声、知ってんだ。 まさか、てめえ、聞いてるんじゃ・・・・」

ゾロは、そのまま、刀の柄に手をかける。

「ヒッ! ゾロ・・・・・・落ち着け。 別に、これが気に入らなかったら、受け取らなくても良いから・・・・

なっ、落ち着けよ、ゾロ・・・・・」

ウソップは、慌てて、ナミの後ろに隠れた。

「あらっ? 要らないの?? だったら、それ、あたしが、貰っても良い??」

ナミが、すかさず、ゾロにそう言う。

「・・・・いや、良い。 ・・・・・これは、貰っとく。 てめえの手に落ちたら、絶対に、金儲けのダシに使わ

れるからな。 ・・・・・それに・・・・・・いや、なんでもねえ。 ・・・・・・・とりあえず、礼は言っとく。 

サンキューな、ウソップ。」

そう言って、ゾロは、ウソップが書いた原稿を持って、なぜか、風呂場に向かっていった。

「・・・・・・とりあえず、俺、助かったみたいだな。」

ウソップは、ほっと胸をなで下ろす。

「フフフ。 ゾロ、まだまだ、ね。 ・・・・・・・・・・・ウソップ、サンジ君、明日、料理作れないわよ。

あんたのせいだからね。 明日、サンジ君のかわりに、皆の食事の用意、お願いね〜。」

ナミは、ゾロの後ろ姿を意味深な微笑みで見送ると、ウソップに向かって、そう言った。

「?????」

ウソップは、ナミの言葉が、理解できなかった。



翌日、ナミの言葉通り、朝早くから、キッチンで、皆の分の食事をせっせと作るウソップの姿があった。

顔には・・・・・・・・サンジから、蹴られた青あざが、目の周りを覆っている。

「ちくしょーっ!! ゾロの奴、あれほど、サンジには見られるなって言っておいたのに・・・・・

もう絶対に、頼まれたって、物語なんか、書かないからなーっ!!」

ウソップは、そう言って、テーブルに、食器を並べた。



あの原稿はというと、昨夜、サンジに見つかって、クシャクシャにされ、部屋のゴミ箱に捨てられたが、

翌日、サンジがゴミを捨てようと、ゴミ箱を覗いたときには、もう、消えていた。

・・・・・・・・・・・タンスのゾロの引き出しの奥に、それは、今も、ひっそりと、しまい込まれている。







 <END>



  
<back>      <kikaku>



 



<コメント>

物語ネタを、強引にゾロ誕にしてしまいました!(懺悔!)
こんな落ちとは、皆、読んだ方、思わなかったよね・・・・・・(^_^;)
一応、ウソップが参考にした原作は、『美女と野獣』なんですが・・・・・・
これを、ゾロ誕に、普通持ってくるか??(笑)
ごめんなさい・・・・・・これが、ルナのサイトなんです。(-_-;)
楽しんでいただければ、それで良しとする!(笑)
では★