「戦友」

 




「アイツはオレが倒す」

そう言って、単身敵を追って行ったルフィーを援護すべくゾロとサンジは敵のアジトへ

入りこんだ

守備良くボスを討ち取ったのは良かったが・・・

大勢の部下に囲まれてしまった



追っ手を分散すべく二手に別れる




切っても・・・蹴っても・・・

次から次へと現れる敵

それでも・・・進まなければならない・・・

「ヤレヤレ・・・」

目の前に居た敵を残らず倒し、ひと段落ついた所で、ゾロは腰をおろした




次の敵が来るまで・・・まだ・・・間がある・・・

少しでも・・・休んでおかなければ・・・

最後まで逃げ切る事など・・・出来ないのだ




『あいつら・・・無事なのか?』




ふと・・・頭を掠めた二人の事・・・

その時・・・複数の人間の声が聞こえて・・・

ゾロはゆっくりと立ちあがった

『人の事を心配している場合じゃねぇな』

身体の切り傷は致命傷ではないが・・・

数え切れない程、切りつけられていて・・・

絶対的に血が足りない・・・

『ザコも数居りゃぁ何とやら・・・だな・・・』

少し笑いながら、刀を構えた




迫り来る複数の声


高まる緊張感・・・


だが・・・声はすれども、中々人の姿が見えてこない




不思議に思っていると・・・

ドカドカと倒れる音が聞こえてきた




『この音は・・・』

思い当たって、思わず腹を押さえた・・・

いつもそこを蹴られているからだ・・・




声が消えた時、暗闇から・・・ゆっくりとこっちに向かって歩いてくる人影が見えた







「よぉ・・・」

光りに照らされるその姿は、思った通りの人物だった

「てめぇか・・・クソコック・・・」

「助けてやったのに・・・その言いぐさか?」

サンジはタバコに火を付け、そう言った

「誰か頼んだのか?」

見下すようにゾロが言う

「・・・可愛くねぇヤツ・・・」

サンジがケムリを吐いて言い捨てた

「ルフィーはどうした?」

確か・・・サンジと一緒だったはずなのだ

「ナミさん達の所へ向かわせた あっちにも敵が行きそうだったからな・・・」

「・・・そうか・・・」

ゾロはほっと息を吐いた






先ほどとは違って・・・辺りは静まりかえっていた

敵の殆どを倒したらしく・・・

今の所は、誰ひとりここに来る者はいなかった

「ゆっくりしてらんねぇな・・・早くここから出ねぇと・・・」

サンジがそう言って、ゾロに手を出した

その手を取らずに、無理やり立ちあがる

「その出血でよく立てるな・・・」

「てめぇこそ・・・アバラ折れてんだろ?」

ゾロはそういう事には鋭い・・・

サンジが苦々しい顔をしていると

「音が違うから、すぐにわかる」

と言ってきた




ヤレヤレという風に両手を上げるサンジ

ゾロはその手首を掴んで言った

「・・・少し・・・血が足りねぇから・・・貰うぞ」

「は? 何? え・・・?」

サンジが抵抗する間も無く、その顔についた血をゾロは舐めた

切れた頬を・・・

口の端にある血の跡を・・・

舌を中に入れて・・・

残っている血を舐め取った

それから・・・白い首筋を吸った・・・

そこから・・・血を吸うかのように

強く・・・

放すと・・・赤く跡が残っていた・・・

「・・・てめぇ・・・こんなとこで何しやがる・・・」

怒るサンジの顔が赤い

「・・・こんなとこだから・・・もえる・・・だろ?」

そのスーツのボタンを外す・・・

うるさい口は塞いだまま・・・









「は・・・ぞ・・ろ・・・まずいっ・・・て・・・」

サンジの前は、すっかりボタンが外され

肌が露出していた

ゾロが・・・何も言わずにその胸に近づき・・・

飾りを舌で舐めた


「あ  っ・・・」






階下から怒号が聞こえてくる・・・

かなりの人数のようだ・・・




ゾロはサンジの胸から顔を上げて

「残念だが・・・おあずけみてぇだな・・・」

口付けて言った

「・・・バカマリモ・・・」

「仕方ねぇだろ? その気になっちまったんだからよ・・・」

サンジの手を自分のモノにあてた

「アホ!」

硬いゾロのそれに顔を赤くしながら

サンジはゾロの顔に蹴りを入れた

勢いでゾロが倒れる




「?! 大丈夫か?」

そんな事は一度も無かっただけに、サンジは驚いて

ゾロの側に膝を付いて近寄った

「ん? ああ 大丈夫だ・・・」

「そうか・・・」

ほっとするサンジ




そうしている間にも、敵の声は近づいてきた

その声の多さにゾロが驚く

「ずいぶんな人数みたいだな?」

「ああ・・・」




二人の身体から

ピンと張り詰めた緊張感が漂う・・・

自然と・・・戦う人間の目になるのだ






「凄ぇ人数だな」

集まった敵の数に関心するかのように

ゾロが言った

「ったく・・・面倒くせぇ・・・」

サンジは投げ捨てるように言った

一人一人の力量は大した事は無さそうだが・・・

この人数は、かなりキツい・・・

「帰ったら・・・ヤラせろよ」

ゾロが脈略もなく言ってきた

「てめぇ・・・こんな時に何言ってやがる!!!」

サンジが怒ると

「こんな時だから言うんじゃねぇか・・・な? ヤラせろ」

口角をあげて笑うゾロの顔色が青い・・・

血が足りない と言ったのは本当で・・・

しかもかなりの量が足りないようだ・・・




サンジはそれに気付いて

「・・・いいぜ・・・無事帰れたらな・・・」

折れた骨の痛みを感じながら

笑って言った





一斉に飛びかかる無数の敵

二人は背を向け合いながら・・・

闘った










fin

 

 
 




 


<コメント>

こちらはパブロ様からうちの10万打記念に頂きましたvv
何が良い?と聞かれたので、ルナは、格好良い漢前な二人をvv
などと、ラブラブ(ハイ?)ゾロサンサイトらしからぬリクエストしてしまった。(笑)
凄い格好良いよぅvv
流血で、漢前でvv はぁんvv
ラブラブも良いけど、漢前が大原則なのよね〜vvルナ的にv(笑)
ありがとう、パブちゃんv凄く嬉しいよぅvv
本当に良いもの貰ったなぁvv(感涙)

こんな素敵なイラスト&SSがあるパブロ様のサイトへはリンク2-5から
飛べますよ〜vv

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