Trick or treat? |
何時もは馬鹿ばかりやるルフィ達を叱り付けるのが仕事のようになりつつあるナミさんが。 満面の笑みを浮かべ、皆が集まるキッチンへと入ってきた。 そして放った一言は。 『ねえ、みんな!明日パーティーやらない?』 そんな台詞で。 その場に居た俺達は一様に頭に『???』マークを浮かべていた。 誰かの誕生日かと思ったが、この前ナミさんの誕生日をお祝いしたばかりだから、 11月のゾロの誕生日まで誰も居ないはずだし。 他のクルーも同様に、何故急にナミさんがそんな事を言い出したのかわかっていない様子。 だが流石は頭の回転が速いナミさん。 自分が言ったパーティーの意味を図りかねている俺達に向かい、補足を始めた。 「そうね、急にパーティーって言ったって訳がわからないわよね。 あのね、昨日手にいれた本の中に、こんな記述があったのよ。」 そう言うと、小脇に抱えていた本をテーブルの上に置き、ページをめくる。 「えっと・・・・・・・・どこだったかな。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、あった。これこれ。」 ナミさんが指差したページを全員で覗き込むと、そこには___________ 不気味な顔に彫られたオレンジ色のカボチャやら。 怪物の格好をした、どうやら仮装しているらしい人間の姿やらが載っている。 「ナミさん、これ何だい?」 それを見ただけでは何が何だか理解不能だった俺は、素直にナミさんにお伺いを立てた。 「あのね、これは『ハロウィーン』って言うお祭りなの。」 「「「「「ハロウィーン?????」」」」」 ナミさん以外の全員が声を揃え、その耳慣れない言葉を反芻する。 「そ。この本によると、『万聖祭の前夜祭』、つまり聖人と呼ばれる人達の事を祝う日 の前夜祭みたいなの。」 「聖人って何だ?」 最もな質問がルフィから飛び出す。 「う〜ん・・・・・・簡単に言うと、神聖な人って感じかしら。神様みたいに偉い人って事で いいんじゃない?」 微妙にいい加減な答えも、ナミさんが話すと皆納得するから素晴らしいv 「今では意味も少し変わってきてて、秋の収穫を祝い、悪霊を追い出す為のお祭りみたいな 感じになっているようよ。」 「・・・・・・・・・・・・・・で、何でそんなモンをこの船でやるんだ?」 ある意味最もな質問が今度はゾロの口から出てくる。 「別に意味なんか無いわよ。ただこの本読んでて楽しそうだな〜、って思っただけ。 最近何にも考えずに馬鹿騒ぎってしなくなったじゃない?」 そう言ったナミさんは少し寂しげで。 俺は何となく、ナミさんの気持ちがわかるような気がした。 グランドラインに入ってすぐにビビちゃんと出会って、彼女の国を救う為の航海をしてきて。 ようやく平和を手にいれた彼女とその国に別れを告げてからまだそんな時間は経っていない。 あれだけ仲の良かったビビちゃんが国に残った事を誰よりも喜んだのはナミさんだけど。 誰よりも悲しんだのも、きっとナミさん。 それを表面上は出さないようにしている彼女の強さに、少しでも報いたい。 他のクルーも、俺と同じ気持ちだったようで、皆一様に目を輝かせている。 「よ〜し、決まった!!ナミ、今日の午後には島に着くんだよな?」 ルフィの問い掛けに 「ええ、何事も無ければその予定よ。」 そう言って微笑むナミさん。 「じゃあ、港についたら皆でハロ〜ウインパーティーの準備だ!」 「ハロウィンだ、ルフィ。」一応訂正。 「おお、そうか。じゃあサンジ〜、料理頼むな!」 「ああ、任せとけキャプテン。ナミさん、この本お借りしてもいいですか?」 「ええ、いいわよ。じゃあ他の皆はカボチャとかの用意、宜しくね!」 こうして、初めてのハロウィンパーティーの準備が着々と進められていった。 何事も無く予定の島に到着し、クルー総出で買出しに行く。 何しろ買う量が半端じゃねえから、普段でも荷物持ち係のゾロはここぞとばかりに こき使われている。 勿論俺の荷物担当で。 「・・・・・・・・・っつ、おいてめえこのクソコック!!これ以上持てる訳ねえだろ!?」 「は〜いはい、んな事言ってる暇があったらチャッチャッと運べ〜。で、もう一度戻って来い。」 「ああっ!?てめえふざけんなよ!!」 「あ、そっか悪い。お前船戻っちまったら迷子になっちまうもんなぁ〜!」 「ぐっ・・・・・・・・・・・・・・・」 痛い所を突かれ、不満気な顔で押し黙ったゾロが何だか妙に可愛く見えちまう。 メモしてきた食材は大体買い終えていたので、ゾロの腕から紙袋を二つ受け取り 「ほら、とっとと船帰るぞ!てめえと違って俺は今からクソ忙しいんだからな!!」 そう言い残すと船へ向かって歩き出した。 その後ろで。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・後で覚えてろよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 絶対啼かしてやるからな・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 そんな有り難くない決意を胸に秘め、一瞬ゾロが魔獣のような顔つきになった事 には気付かないまま・・・・・・・・・ 船に戻ると、ウソップとチョッパーが甲板で大きなカボチャをくり抜いていた。 「あ、サンジ、ゾロ、お帰り!」 「お〜う、チョッパー、ただいま。これ、本に載ってたカボチャのお化けみてえなもんか?」 「お化けじゃないよ、えっと・・・・・・・・」 「『Jack-o'-lantern』、カボチャ提灯だってよ。これ結構大変な作業だぜ〜、力仕事だから。 お、丁度良い!ゾロ、手伝ってくれ!!」 「ああっ!?何で俺が・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「まあ、いいじゃねえか。その代わり後で差し入れ持ってきてやるからよv」 さっき市場でこき使った事に対して少し罪悪感を持っていた俺は、そうゾロに耳打ちする。 すると途端に上機嫌になり「じゃあ酒とつまみな」と耳打ちし返された。 「了解。お前らにも持ってきてやるからちゃんとやれよ。」 「任せとけ!俺様の芸術的なセンスにかかればこんなもん楽勝だぜ〜!」 「俺も頑張る!サンジも料理頑張ってね!」 笑顔でそう言うウソップとチョッパー、そしてその場に座り込み馬鹿でかいカボチャと 格闘し始めたゾロを残し、キッチンへと向かった。 「あ、サンジくん、お帰り〜。」 「ナ〜ミさ〜〜〜んvvたっだいまぁ♪」 「サンジー、肉買ってきたか??」 「ったく、毎回肉々うるせえなぁ、てめえは。ちゃ〜んと買ってきたよ! ほら、今から調理すんだから外出てろ。ナミさんもどうぞ休んでくださいv」 「ありがと。じゃあウソップ達の方、見てくるわね。」 「は〜いvv」 ナミさんとルフィを見送り、俺は本片手に今夜のハロウィン・メニュー作りに取り掛かった.。 最初は食前酒。 カクテルのダイキリがよく飲まれるみたいだ。 ナミさんには甘酸っぱくて冷たいフローズン・ストロベリー・ダイキリを。 ウソップ達にはフローズン・ダイキリ。 そしてアホ腹巻にはライム・ダイキリを作ってやるか。 続いてオードブル的な品、チキン・キッシュ。 鶏肉や野菜やチーズを皿にひき詰めたパイ生地の上にたっぷりとのせて、 そこに卵液を流し込みオーブンで焼き上げる。 それからメインのビーフスペアリブ。 これは普段食ってる肉の味付けを少し変えただけだから簡単に出来る。 そしてジャンバラヤ。 鶏肉やスパイシーソーセージ、エビに玉葱、ピーマン、人参などの具を細かく切ったものと 米・トマト缶などとを混ぜ、スープで炊き上げていく。 ホットペッパーソースも入れるから、チョッパーにはちょっと辛いかもしんねえな。 更にはシーザーサラダ。食べやすく切った野菜にみじん切りのゆで卵を散らす。 最後のデザートにはパンプキン・プリン。 あいつ等がくり抜いたカボチャを使おうと思ったが、あれは食用じゃないらしいので これ用に買ってきた。 蒸しあがったプリンを冷蔵庫に入れて、これで準備万端。 窓から甲板を覗くと未だ皆揃ってカボチャに悪戦苦闘中。 夜まではまだ時間もあるので、余った材料で簡単なものを何品か作り、 皆の所へと運んでいった。 勿論、ゾロに言われた酒を用意するのも忘れずに。 「は〜い、じゃあ皆今日はお疲れ様!さ、乾杯しましょ!!」 折角のパーティーなので甲板で食べようと誰かが言い出し、テーブルを運び出して セッティング完了。 回りには皆で作ったカボチャ提灯が並べられ、淡い光を放っている。 ナミさんの合図と共に『乾杯!!』と大声で言った傍から物凄い勢いでテーブルの上の 料理が片付けられていく。 「サンジ〜、これすっげー美味えなぁ!!」 「ほんと、美味しい〜v」 「気に入ってもらえて嬉しいです、ナミさんvvこらクソゴム!!てめえ食い過ぎだ!!」 ウソップもチョッパーも美味い美味いと連呼し、皿は瞬く間に空になっていった。 皆の反応も嬉しいんだけど。 一番反応が欲しい相手に、それとなく近づいて行ってみる。 酒を煽りながら一人もくもくと料理を口に運ぶゾロ。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうした?」 俺の姿を見て、静かにそう問い掛けてくる。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・あの、さ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうだ?」 主語が抜けているけど、面と向かって聞くのはどうにも照れ臭くって。 だけどそんな俺の質問にも 「・・・・・・・・・・・・・・ああ、美味いぜ?」 ちゃんと答えてくれるから、安心する。 黙ったまま隣に腰を下ろし、持っていた煙草を灰皿でもみ消した。 ______________と、いきなり背後から大きな声で 「「「Trick or treat!!」」」と叫ぶ物体が3つ顔を出す。 「「うわっ!?」」 驚いた拍子に咄嗟にゾロの腕にしがみ付いてしまった。 「・・・・・・・・・・・・・・・・おい、お前等何の真似だ?」 一人冷静なゾロはその物体・・・・・・・・・・正確には白いシーツを頭からすっぽりと被ったルフィ、 ウソップ、チョッパーに話しかける。 「な〜んだ、つまんねえの!ゾロ、驚くかと思ったのに・・・・・・・・・・・ ま、いっか。「とりっくおあとりーとー!!」」 「ルフィ、違うっての!「Trick or treat」だ。面白えだろ?本に載ってたんだけど、 ハロウィンでは子供がこうやってお化けの格好して 家を回るらしいぜ? 「Trick or treat」は「お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ〜!」って意味らしいんだ。」 「ゾロ、サンジ、お菓子ちょうだい!」 「ってめえらなぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 いくら突然の事とは言え、ルフィ達に驚かされたのもムカつくが、 それ以上にゾロが平然としている事の方がよりムカついた。 びっくりしててめえの腕握っちまった俺の立場ってもん少しは考えろよな!! 論点違いな怒りを込め、未だ「お菓子〜、お菓子〜!!」と騒ぎ立てるお子様三名に向かって 怒鳴り散らす。 「冷蔵庫にパンプキンプリンが入ってる!!大人しくそれ食って黙ってろ!!!」 だが奴等は切れた俺の剣幕にも殆ど動じず、「やった〜、プリンだ〜!!」と大騒ぎしながら キッチンへと消えていった。 _____________後に残された俺達は、只黙ったままその場に佇んでいた。 無性に居心地が悪い。 「・・・・・・・・・あ、あ〜、俺ナミさんにプリン取り分けてこなくっちゃ。」 わざとらしくそう口にし、足早にその場から立ち去る口実を作ってルフィ達の後を追った。 黙って酒を煽り続けていたゾロが、含み笑いをしながら俺を目で追っていたなんて思いもよらずに。 デザートまで全て綺麗に食べ尽くされ、皿なども片付け終わったテーブルの上。 そこに置かれている、大きいタライのようなもの。 中には水が並々と注がれ、さっき市場で買ってきた林檎が浮かんでいる。 ナミさんの指示通りに用意をしたはいいが、皆やっぱり『???』と理解不能といった表情。 そんな俺達の顔を一通り見比べ、腰に手を当てながら意気揚々とナミさんが説明を始めた。 「は〜い皆、注目〜!!ここに用意されたものの説明を始めま〜す。」 まるで生徒に語り掛ける先生のような口調で、すっごく楽しげだ。 「これはね、『Bobbing for apple』って言って、ハロウィンの時によくやるゲームらしいの。 やり方は単純明快よ。こうやって水に浮かんでいる 林檎の軸を、手を使わずに口だけで銜えて吊り上げるの。一番の人には賞金を進呈〜♪ どう?やる?」 「「「やる!!!」」」 ルフィ以下三名は俄然やる気。 「サンジくんとゾロは?」 「もっちろんやるよ、ナミさんvおい、お前は?」 「あ?・・・・・・・・・・・・・・・おいナミ、賞金っていくらだ?」 「大奮発して、10万ベリーよvどう?やる気出た?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とっととやるぞ。」 「あ、おい!・・・・・・・・ったく・・・・・・・・・・・・・・」 「じゃあ、サンジくんも位置について。早速始めるわよ〜!」 「おう!ナミ、いつでもいいぞ!」 「じゃあ一番多く林檎を吊り上げた人の勝ちね。・・・・・・・・・・・・・・・・よ〜い、ドン!」 ナミさんの号令と共に真剣勝負が始まった。 ___________途端に悲鳴があがる。 「「あ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」」 「え!?どうしたの、ルフィ、チョッパー!!」 「「ダメだ・・・・・・・・・力が抜ける・・・・・・・・・・・・・」」 悪魔の実の能力者は水に弱いって事を皆すっかり忘れていた。 「あ、そうか。水に顔つけたら力抜けちゃうの忘れてたわね・・・・・・・・・・ じゃあ、ルフィとチョッパーは棄権ね。」 「よっしゃ〜!俺様の腕の見せ所だぜ!!」 ウソップが妙に張り切って林檎を吊り上げだしたが・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『勝負』と名のつくものに異常に執念を燃やす男がここに一人居た。 賞金の額を聞くまであれほど乗り気じゃないように見えたゾロが物凄い集中力を発揮し、 次々と林檎を手元に積み上げている。 こうなると俺も『負けず嫌い』の血が騒ぎ、懸命にゾロを追い上げ始めた。 「あ〜あ、結局この二人の戦いになっちゃったわね〜。ウソップ、ちょっとルフィとチョッパーの 様子見てくるからどっちが勝ったか見てて?」 「え?おい、俺様も一応まだ参加してるっての!!・・・・・・・・・・・・・ ま、いっか。今更こいつらと張り合える訳もねえし・・・・・・・・」 ゾロと俺の一騎打ち。絶対負けたくねぇと俺も意固地になってきちまった。 だがこのゲームも、最初のうちはいいが段々水に顔をつけて潜るのが辛くなってくる。 「・・・・・・・・・・・・・・・・降参したらどうだ?クソコック。」 「ああ!?そりゃてめえだろ、クソ腹巻。」 悪態をつきながらも勝負は続き、やがて飽きたウソップもその場から居なくなって・・・・・・・・・・・・・ 残された林檎はあと1個。 ゾロと俺とほぼ同時に顔をつけ、水中で林檎を奪い合う。 _______________その時。 急にゾロの腕が水の中に入り、俺の顎を捕まえゾロの方に顔を向き直させられた。 そしてそのまま_________あろう事かキスしてきやがった。 「!?!?!?」 突然の行動に俺はパニック寸前で、ただゾロにされるがまま。 僅かな隙間から入り込んできたゾロの舌にいい様に翻弄され、何も考えられない。 ようやく開放され、息継ぎをする為顔を水中から出し大きく息を吸い込んだ。 「はあっ!・・・・・・・・っは・・・・・・・・・・てめ、いきなり何・・・・・・・・・・・・・・」 ゾロに向かって文句を言ってやろうとしたが・・・・・・・・・・・顔を上げたゾロの口には最後の林檎。 「俺の勝ちだな。」 得意げにそう言い残すと、もう一度唇にキスを落とし、ナミさん達のいるキッチンへ と歩いていってしまった。 後に残された俺は____________ただ呆然とその背中を見送る事しか出来なかった。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おい。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おいって。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「だから、悪かったって言ってんだろ?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「ったく・・・・・・・・・・・・・・・・・おい、サンジ。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 夜も更けた見張り台の上。 ゾロがキッチンへ向かったすぐ後、我に返った俺は、怒りのあまりその場から すぐここに移動してきた。 ゲームにしろ何にしろ、一応真剣に勝負していたのに。 あんなズルイ手を使ってまでゾロは俺に勝ちたかったのか、と思うと悔しくて仕方ない。 もう絶対に口なんてきいてやるもんか。 そう決意していた所に平然と現れたゾロ。 勿論無視。 だが勝手に見張り台の中に入り込み、俺の顔を覗きこんでさっきから声を掛けてくる。 俺はもうてめえとは口きいてやんねえって決めたんだよ、クソマリモ!! 黙ったまま視線も合わせない俺に軽く溜息をつくと、ゆっくりと話し出した。 「さっきのアレで怒ってんだろ?あれは・・・・・・・・・・・・ほんと、悪かった。スマン。」 そんな事今更言ったってもう遅いんだよ! 「一応勝負だったから、負けたくねぇって気持ちも正直あったが・・・・・・・・・・ ほんと言うと、賞金が欲しかった。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」 何だと?金欲しさであんな汚ねえ事しやがったってのか?最低だ・・・・・・・見損なったぜ。 怒りよりも悲しい気持ちが湧き上がってきて、罵声を浴びせてやろうとした。 だけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「・・・・・・・・・・・・・・・最近、島についても何処にもお前を連れて行ってやれねえから・・・・・・・・・・ その金で、行きたい所に連れて行ってやろうと思ってた。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」 突然の告白。 確かにこの前冗談で「最近二人っきりで何処かへ行くって事ねえよな〜、 愛が足りねぇんじゃねえの?」とは言ったけど。 そんなの、本気な訳じゃない。 だって俺は、ゾロが傍に居さえすればそれだけで満たされるんだから。 そんな些細な冗談を真に受けてくれてたなんて・・・・・・・・・・ 「だからもう機嫌直してくれ。・・・・・・・・・・な?」 そう言って回された力強い腕にそっと手を添える。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・今度の島で一番高いレストラン連れてけ。」 「ああ、わかった。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・その後はその島で一番高級なホテルに泊まるからな。」 「いいぜ?何処だって連れて行ってやるよ。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃあ・・・・・・・・・・許してやる。」 本当はすっごく嬉しかったんだけど、悔しいから言ってなんてやるもんか。 素直じゃない態度を取りながら、心の中ではゾロに感謝していた_______ ________のに。 「・・・・・・・・・・・・・・・『Trick or treat』。」 「・・・・・・・・・・・え?」 「・・・・・・・・・・・・・・『Trick or treat』。」 「・・・・・・・・・・・・は??」 耳元で二回そう囁かれた次の瞬間。 いきなりシャツの胸元からゾロの手が滑り込んできた。 「お、おいちょっ・・・・・・・・・・・・・はっ、な、に・・・・・・・・・」 「『Trick or treat』・・・・・・・・・『お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ?』って意味なんだろ? だから・・・・・・・・・・・」 胸の突起を抓まれ、ビクッと反応してしまう。 「お菓子を持ってねえんじゃ、『悪戯』、されても文句は言えねぇよなぁ?」 「や、め・・・・・・・・・・・んっ、は・・・・・・・・・・・・・」 制止の声も虚しく、あっという間に俺はゾロの思惑通りに堕ちていってしまった。 不安定な見張り台の上で。 一糸纏わぬ姿のまま上下に揺さぶられ続け、何度となく快楽を与えられて朦朧とした 意識の中で思った事は。 『次の島で絶対リベンジしてやる!!!!』 そんな決意さえも、身体の中心を貫く熱い塊の前では消えてなくなっていく。 単純で、最高な時間を共有しながら二人だけの密やかなパーティーは繰り返された。 <fin> |
<コメント> 如何だったでしょうか?? ひろ様の素敵SSvv 50000HITOVERの記念SSと言うことで、頂いて来ちゃいましたvv 本当・・・ルナ、貰ってばっかり・・・・・ひろ様〜、ごめんなさい! えへへ。 この壁紙、使いたかったんだvv けど、ひろ様の素敵なSSが・・・・・台無しかも。(-_-;) こんなお茶目系で、編集して済みません。(ペコリ) ハロウィンをダシに、親父ゾロになるも、良し!! 反則技で、サンジを負かすのも、愛故に、良しとする!! こんな素敵なSSが、たくさんある、ひろ様のサイトは、 ここから、飛んでいきましょう!! <treasure> <map> |