Blond |
真夜中、誰にも気付かれないように繰り返される行為。 互いの息遣いだけが暗闇に木霊する。 うわ言のように紡がれる甘い言葉も。 滴り落ちる汗も。 身体を貫かれる少しの痛みを伴った快感も。 後には何も残さない。 全く意味の無い、只の自己満足の為だけの営み。 快楽だけを求めた行為_________の、はずだった。 __________________昨日までは。 いつもと同じように格納庫で一時の熱を共有しあった後。 気だるい身体をそのままに、ぼんやりと天井を眺めていた。 隣ではついさっきまで自分の身体を占有していた男が、既に眠りに落ちている。 そんな事は然程気にはならない。 これが俺達にとっては普通なんだから。 そして、軋む身体を何とか動かせるようになった所で部屋へと戻る。 翌日、何事も無かったように顔を合わせる為に。 そうする事で続く、関係。 長い航海で溜まる欲望を都合よく処理する為だけに持つ、関係なんだから。 だが・・・・・・・・・・・・・・何故だか今日は部屋へ戻る気にならない。 ______________________________最初、この関係を始めようと誘ったのは俺。 『なあ、こんな狭い船でお前どうやって処理してんだ?・・・・・・・・・・・・・・・・何なら俺とヤラ ねえ?一人より二人の方がキモチ良いだろ?』 喧嘩する時くらいしか話す事も無かった俺からの突然の提案に、一瞬驚いたような顔をし たゾロ。 でも・・・・・・・・・・・意外にもあっさりと乗ってきた。 ゾロにとっちゃ俺の誘い文句は願ってもない話だったのかもしれない。 ログポースによって航路を決められるグランドラインでは、島に何週間も着けない事だって ざらにあるから。 その間、ずっと右手がオトモダチじゃあ味気ないだろうし。 何より・・・・・・・・・・・・・・・・・・得られる快感が段違いだろうし。 誘った手前、俺は必然的に突っ込まれる方だと覚悟はしていたし。 それに、レディじゃないから多少は荒っぽく扱われるだろうって思ってもいた。 なのに。 驚くほど丁寧に施される愛撫と。 今まで体験した事の無い程強烈な快楽。 それにあっと言う間に俺は溺れていった。 何より・・・・・・・・・・・・・・・・ こんな関係にならなきゃ一生見る事なんて無かっただろう、ゾロの表情が。 行為が終わった後も、いつまでも脳裏に焼き付いて離れなかった。 未だ部屋へ戻ろうともせず、天を仰いだまま思考を巡らせていた。 何故声を掛けたのがゾロだったのか。 ルフィやウソップとヤるなんて想像もつかなかったし、ナミさんになど手を出せる筈もなく。 最終的に消去法で残ったのがあいつだけだった。 _______________それだけの理由だった。 同い年だし、それなりに経験もあるだろうし。 _______________それだけだ。 意外にも身体の相性は良かったようだし。 普段のムカつく態度もアノ時は影を潜めるし。 _______________それだけ、だろ? 他に何の理由がある? 自問自答を繰り返していたその時。 背後で寝返りを打つ気配がした。 と同時に身体に回された、逞しい腕。 咄嗟に何が起こったのか判断が出来なかった。 息を潜める俺の耳元に聞こえてきたのは、規則正しい寝息。 それで、我に帰る事ができた。 ただコイツは今、寝ぼけているだけだ、と。 夢の中で綺麗なレディか、惚れた女でも抱き締めているんだろう、と。 目覚めてその抱き締めていた存在が俺だったとわかった時はさぞかし落ち込むんだろう な、と。 その時の顔が見物だから、蹴り起こしてやるか?・・・・・・・・・・・・・・・・と、思うのに。 何故だか身体はピクリとも動かない。 そんなに強い力で拘束されている訳じゃないのに。 _____________動けない。 ________________何故? 自分でも理由がわからないまま、只時間だけが流れていく。 一体どれくらいそうしていたんだろう。 「・・・・・・・・・・・・・・・ン・・・・・・・・・・・・・・・・」 小さく吐き出された言葉と共に再び寝返りをしたゾロ。 同時に、回されていた腕も解かれた。 急いで立ち上がり、服を抱えて格納庫のドアを開け外へと出る。 後ろ手にドアを閉めると、その場に座り込んでしまった。 鼓動がやけに耳につく。 両手は微かに震えていた。 そして_____________頬を流れる幾筋もの暖かい雫。 それらが意味するものなんてわからない。 知らない。 気付いては_____________________いけない。 _________________________________絶対に。 翌日、船は予定通り港へと着岸した。 船番にウソップを残して、各々必要な物資などを買いに出かける。 俺も市場の下見と目新しいものの探索に一人街へと出向いていた。 今日は一度もゾロと話をしていない。 いや・・・・・・・・・・・・正確にはゾロをあえて意識の中から排除しようとしていた。 普段なら朝から喧嘩の一つも吹っかける所なのに。 今の俺には、そんな事出来る訳もない。 その理由には気付かない振りをして、平静を装って逃げるように船を降りてきた。 昨日一晩中裸同然の格好で甲板に居たせいで、少し体調も悪いから、尚更。 心も身体も弱っている時は、要らない事を口走ってしまいそうだから。 そんな事になったら、もう俺は___________あの場所に居られなくなってしま うから。 ふらつく脚を叱咤しながら何とか目的のものを見て回った。 今日は皆各自で宿を取る手筈になっているから、早めに休める宿を見つけようと辺りを見 回す。 すると・・・・・・・・・・・・・・目に入ってきたのは、今一番会いたくない相手の目立ちすぎる髪 色で。 しかもその隣には・・・・・・・・・・・・・肩まで伸びた綺麗なブロンドの髪の女性。 その瞬間。 俺は何故アイツが俺の誘いに乗ってきたのか、本当の理由を悟った。 アイツが好むのは。 多分、ブロンドのレディなんだろう。 そりゃ容姿も関係しているだろうが。 今アイツの隣に居るレディは細身で、華奢なイメージ。 まあ、俺も男にしちゃ細身だと言われる事もあるし。 間に合わせには、ピッタリの存在なんだろうな。 そう自覚した時。 抑え付けていたものが、堰を切ったように溢れ出てきた。 もう。 何も見えない。 見たくない。 誤魔化し続けた想いを、こんな形で認識してしまうなんて。 馬鹿らしくって、笑える。 滑稽な自分が可笑しくて、哀れで___________ それと同時に、砕け散った想いを吐き出す事も出来ない自分の心が軋んで熱を持ったよう に痛み出す。 こんな所に居られない。 居たくない。 目を閉じ、二人に背を向け逃げるようにその場から離れた。 いつの間にか空は暗くなり、大粒の雫が地面を濡らし始める。 そう言えば出掛けにナミさんが今日は天候が崩れる、って言ってたな。 なんてどうでもいい事をぼんやりと考えながら当ても無く街を彷徨っていた。 既に全身はずぶ濡れで、ジャケットが肌に張り付いて気持ち悪い。 だがそれよりも・・・・・・・・・・・・・・・・心が痛くて、吐き出しそうだった。 何処でもいい、休みたい。 一人っきりで泣いて、全て吐露して。 誰にも聞いてもらわなくていいから。 全部吐き出せたら、また明日には普段の俺に戻るから。 そして今までと同じように、処理目的でゾロに抱かれるから。 俺にとっては違う意味を持ってしまっている事は、絶対に悟られないようにするから。 だからどうか_____________今だけ。 何も考えずに済む場所で、泣かせて欲しい。 そして目に入った『宿屋』の看板に吸い込まれるように、俺は脚を進めていた。 チェックインを済ませ、部屋に入る。 そのまま風呂場へ行き、水を吸って重くなったジャケットとズボンを脱いでシャツ一枚になっ た。 冷え切ってしまった身体。 まずそれを解消しようと、湯船に湯を張る。 勢い良く流れ出るお湯を見つめながら、その場に座り込んでしまう。 ここなら大丈夫。 誰も見ていないから。 知り合いも居ないから。 _____________大丈夫。 そう思った途端、瞳から涙が止め処なく溢れてきた。 ゾロに寝ないかと誘いをかけたのも。 行為の最中に見た顔がいつまでも頭から離れなかったのも。 寝ぼけて抱き締められた時、その腕を振り解けなかったのも。 全部_______________________ アイツの事が、好きだったから。 もっと知りたいと思ったから。 一瞬でも共有の時間を持ちたかったから。 初めから、そんな事わかり切っていた。 それにずっと気付かないフリをして、誤魔化し続けて。 このままでいられると根拠の無い浅はかな思考だけを頼りにして。 その結末がこのザマだ。 「・・・・・・・・・・・っつく・・・・・・・・・・・・・・・っひっつ・・・・・・・・・・・・・」 湯の音で嗚咽も消される。 それが唯一の救い。 今この場でだけ、もう捨てなければいけない想いに浸る事が許されるのだから。 「・・・・・・・・・・・・・っく・・・・・・・・・・・・・ゾロ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゾロ っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 震える体を自分の両手で包み、声の限り名を呼んでみる。 もうこんな想いを込めてアイツの名を呼ぶ事など無いのだから。 「ゾロっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ゾロ・・・・・・・・・・・・・・・」 熱でも出てきたんだろうか、頭の芯がボーっとしている。 それでもうわ言のように愛しい名を繰り返す。 その時。 何処かでドアの開くような音がした気がした_________________ 薄っすらと開いた瞳に居るはずの無い人影が映り込む。 思考能力がもうほとんど失われた頭で、それでも必死に考える。 で、出た結論は_________ これは、夢だと。 そう考えれば辻褄が合った。 その人影は、冷え切った俺の身体を抱き上げると、湯が溜まった湯船へと共に身を沈ませ る。 暖かさに溜息が零れた。 未だ身に纏ったままだったシャツのボタンを外され、身体から取り去られる。 その人影も着ていた衣服を脱ぎ、素肌のままでそっと優しく抱き締められた。 無意識にその人影に手を回す。 これは夢なんだから。 何を言ったって、何をしたって許されるんだから。 「俺_________」 消えて無くなる想いを。 「ずっと________」 最後に、一言。 「ゾロが________」 音にして。 「好き____だった_______」 眠ろう。 少しの頭痛と身体のダルさで目が覚めた。 ぼんやりと開く瞳に映るのは、自分以外の人物の身体。 すぐ近くから聞こえてくる鼓動に未だ夢の続きかと一瞬考え込む。 だがその思考は一瞬で消え去った。 真上から掛けられた声。 聞き覚えの有りすぎる_________声。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・起きたのか?」 その一言に身体が強張る。 ゆっくりと上に視線を移すと、俺を覗き込むようにしているゾロと目が合った。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 驚きの余り声も出ない。 何故ここにゾロが居るのか。 どうして同じベッドで俺を抱き込むようにしているのか。 パニック寸前の頭の中、それでも辛うじて出た言葉は。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なん、で?」 それだけ。 そんな俺から視線を逸らし、ゾロが話し出す。 「何でっててめえ、覚えてねえのかよ。突然雨に降られて宿探してたらてめえの姿が目に 入って。で、俺もこの宿にしようとしたら生憎満室で・・・・・・・・・・で、仕方ねえからてめえ に頼んで部屋に泊めてもらおうと思って来てみりゃドアの鍵は開いてるわ、てめえは風呂 場で倒れこんでるわ・・・・・・・・・・・・・しょうがねえからてめえをここまで連れて来てやった んだよ。」 その説明にそっと胸を撫で下ろした。 やっぱりあれは夢だったんだ、と。 何か口走ったかとも思ったが、ゾロの態度を見る限りでは大丈夫そうだし。 無理矢理にでも笑顔を作って「ありがとな」とでも言っておこうと口を開きかけたその時。 ゾロの表情が一変した。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんて、そんなのデタラメだ。」 静かな口調でそう言い切ると、まっすぐに俺に視線を寄越した。 その刺す様な視線に_________目を逸らす事などできない。 まるで蜘蛛の巣にかかった蝶のように、俺は身動きも取れず相手の動向を見ている事しか 出来ずにいた_________ 「・・・・・・・・・・・昨日、街に出てからずっとお前を探してた。そしてフラフラになりながら歩く お前を見つけたんだ。」 _________まさか。 「宿屋に入ったのを見て、すぐ後を追った。で、部屋に来てみたら・・・・・・・鍵が開いてい た。」 _________昨日の、あの場面は。 「お湯が出てる音がしたから風呂場に行ってみりゃ・・・・・・・・お前が倒れこんでたんだ。」 _________夢、なんかじゃなくて。 「身体が冷え切っていたから・・・・・・・・・・・・・・とにかく、暖めようと湯船に浸かった。」 _________現実、だった・・・・・・・・・・・・・? 「それから・・・・・・・・・・・・・・」 _________もう。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前の気持ちを、聞いた。」 _________終わりだ。 ベッドから立ち上がってその場から逃れようとしたのに。 ゾロに阻まれ、それも叶わない。 逆に力強い腕でベッドに縫い付けられるように押し倒されてしまった。 「最後まで俺の話を聞け!」 そう_________俺には、こいつの言葉をちゃんと聞かないといけない義務があ る。 罵られようと。 蔑まされようと。 もう覚悟は出来ているから。 一字一句、聞き逃さないように。 例えどんな言葉であっても、ゾロが俺に掛けてくれる最後の言葉なんだから。 奥歯を噛み締め、涙を零さないように気をつけながら、ゾロの言葉を待った。 が・・・・・・・・・・・・・・・・なかなか口を開こうとしない。 言いにくいのかもしれないな。 少しでもゾロの負担が減るように、消えかかっている力を振り絞って言葉を紡ぐ。 「俺が何言ったかなんておぼろげにしか覚えてねえが・・・・・・・・・ま、あの時は調子も最悪 だったから、思ってもみねえ事口走ったかもしれねえ。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・おい」 「それより見たぜ?昨日、ブロンドの素敵なレディと一緒に居たじゃねえか。」 「お前、何言って・・・・・・・・・・・」 「お前ブロンド好きだったんだな〜、知らなかったぜ!やっぱブロンドじゃねえと燃えね え?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「だから俺探してたんだろ?しっかしラッキーだったよな、好みのレディが居てよ。ちゃんと 優しくしてやったか?」 「おい!」 「ま、レディには無茶できねえだろうからその代わりに俺で欲求不満を解消しようってんだ ろ?俺は別にそれでも構わねえ・・・・」 「サンジ!!!」 ストップボタンが壊れてしまったデッキのように後から後から言葉が自分の意思と関係なく 口から零れてくる。 何とか誤魔化す事が出来るかもしれないと。 まだそんな馬鹿げた事を思ってしまう自分に吐き気がする。 ゾロとの関係は終わってしまうかもしれないけど。 俺のゾロに対する想いを悟られないで済むのなら、何百回だって嘘をついてやる。 だが所詮そんなのは無駄な抵抗。 無意識に流れ出ていた涙が、俺の言葉の信憑性を消し去ってしまう。 これで、全てを悟られたのと同じ。 もう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何もかも、終わり。 ゾロの顔をまともに見られず、顔を背けようとするもゾロの両手がそれを許さない。 涙でぐちゃぐちゃになった酷い顔を凝視され、堪らず瞳を固く閉じた。 そんな俺の耳に届いた、ゾロの言葉。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・確かに、俺は金髪が好きなのかもしれねえ。」 __________やっぱり、な。 「さっきお前が言ってた女も・・・・・・・・・・・・・金髪だったから声を掛けた。」 __________そりゃ良かったな。 「だが・・・・・・・・・・・・・・・やっぱりダメだった。」 __________ダメ? 「いくら髪が金髪だって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前じゃ、ねえから。」 ___________________________え? 「金髪だろうが、蒼眼だろうが、煙草を吸っていようが、スーツを着てよう が・・・・・・・・・・・・・・・・・お前じゃねえんなら意味がねえんだよ。」 __________________な、に言って・・・・・・・・・・ 「お前が最初誘ってきた時・・・・・・・・・・・・・・正直、信じられなかった。お前にとっちゃ只の 処理だったんだろうがな。・・・・・・・・・・・・・あの日以来、 いつだってお前を抱く時は伝わるはずのねえ想いを込めて接してた。・・・・・・・・・・・・・・・ 気付かれねえように。」 _______________うそ、だろ? 「いつもお前終わった後すぐ部屋に戻っちまうし・・・・・・・・・・それも仕方ねえと諦めてい た。だが・・・・・・・・・・・・・・昨日、お前なかなか部屋に戻らなかっただろ? だから・・・・・・・・・・・・・・・・・抑え切れなくなっちまって、お前を抱き締めちまった。」 _______________そんなの・・・・・・・・・・・・・・・・ 「お前、逃げなかったし・・・・・・・・・・・・・でも今日の朝、いつもと態度が違ってたか ら・・・・・・・・・気になって、後を追おうと思った。」 _______________信じられねえ・・・・・・・・・・・よ。 「だがお前見つかんねえし、道には迷うし・・・・・・・・・・・・・で、あの金髪の女に声を掛けた んだ。」 それだけ言い終わると、そっと頬に手を触れ涙を拭う。 「この涙・・・・・・・・・・・・・・俺の為に流してくれてんのか・・・・・・・・・・・?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・そうだって言ってくれ。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っつ・・・・・・・・・・・・・・・」 「もしそうなら・・・・・・・・・・もう二度と、こんな涙なんか流させやしねえから。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・っく・・・・・・・・・・・ッつ・・・・・・・・・・・・・」 「サンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・好きだ。」 「ッつ・・・・・・・・・・・・・・ゾ・・・・・・・・・・ロ・・・・・・・・・・っ!」 この時初めて。 俺達は、身体と一緒に心も抱擁しあったような気がする。 身体のダルさに、うたた寝から目を覚ます。 くすぐったい感触に視線を移せば、黙ったまま髪を梳くゾロの姿。 「・・・・・・・・・・・・・・・・起きたのか?」 さっき掛けられた言葉と一緒だったけど。 声色が全く違うそれに、自然と頬が緩む。 それを悟られないように下を向こうとしたけど。 ゾロの顔も、今まで見た事もない程の笑顔を浮かべていたから。 二人で、笑い合った。 そして、髪を梳いていた手を止めると、指先に髪を絡めながら。 「もう俺のモンだ。」 そんな言葉と共に。 優しくキスを落としてくれる。 そんなゾロの態度にくすぐったい気持ちを覚えると共に、胸に溢れる愛しい想いを伝えよう と。 身体を起こし、唇にキスを贈った。 始まりの朝、それは誓いの儀式のようにいつまでも繰り返された__________ <FIN> |
<コメント> まさに、せつな→ハッピーの本随のようなひろ様の素敵SS。 ひろ様のサイト1周年記念で、強奪してきました第2弾です。 この切なさが・・・良いですよ、ね。 ルナも、いつかは・・・と思ってるのですが、道は果てしなく・・・遠いです。 さすが、お師匠様vv もう、ルナのツボ、つきまくりvv笑。 こんな素敵なひろ様のサイトは、こちらから、行っちゃって下さい! <treasure> <map> |